経営の状況について
【収益的収支比率および営業収支比率について】この事業は、ごみ溶融時に発生する余熱を利用したものであり、安定的に売電収入を確保できている。さらに、余剰金は一般会計へ繰り出し、100%以上を維持することとしている。(※)また、他会計繰入金など料金収入以外の収入への依存もしておらず、資金調達面の課題もないため、健全な事業運営ができているものと考えている。【供給原価について】上に記載のとおり、ごみ溶融時に発生する余熱を利用した事業であり、平均値より低い水準で推移していることからも適切な供給原価であると考える。(※)【EBITDAについて】発電効率が高くなるよう溶融炉の運転を工夫しており、各年度とも平均値を上回っている。引き続き売電収入の確保に努める。(※)※平成27年度数値において、費用計上の見直し(一般会計への繰出しを収益費用に計上)を行ったため、平成26年度までの数値との間に大きな差が生じているものの、事業内容に変わりはない。
経営のリスクについて
【設備利用率について】平均値より高い70%前後で推移しており、効率的な施設利用ができているものと考えている。【修繕費比率について】これまで修繕が発生していないため、0%となっている。ただ、平成28年度には約38,000千円の修繕を行っており、今後、設備の老朽具合に応じた適切な修繕を実施する。【企業債残高対料金収入比率について】地方債元金の償還に伴い、年々比率が減少している。平成28年度をもって償還が完了し、以後、起債の予定はないため、問題ない。【FIT収入割合について】100%となっており、調達期間終了後に単価が下落するリスクが想定される。そのため、余剰電力量の確保等により、売電収入の水準を安定的に保つよう努める必要がある。
全体総括
ごみ溶融時の余熱を利用した事業であるため、資金調達に課題はなく、発電収入も安定的に確保しているところであり、そのことが、収支比率等が良好な水準で推移していることに表れている。また、FITの調達期間終了後の課題はあるものの、平成28年度をもって地方債償還が完了し、以後の起債も予定していないことを踏まえると、今後も、引き続き売電収入の確保に努めることで、資金不足に陥ることはないものと捉えている。今後も平成28年度に策定した経営戦略(平成28~37年度)に基づき、健全な経営に努める。