地域において担っている役割
震災後は,内科に加え,小児科,外科,整形外科,精神科の対応が可能な医療を提供している。病床機能の状況は,主に回復期を担当し,急性期医療機関と在宅を繋ぎ,訪問診療患者・施設入所者の急性憎悪に対応している。また,震災を契機として在宅医療に本格的に取り組んでおり,地域内の医療・福祉関係職員や介護事業所等との連携を深めながら,地域包括ケアの推進を図っている。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率,②医業収支比率,③累積欠損金比率不採算地区病院であることから一般会計からの繰入金により経常収支比率ははぼ100%を維持しているが,なお一層の医業収益の増加と経費の抑制に努め,繰入金の減額を目指した取り組みが必要である。④病床利用率,⑤入院患者1人1日当たりの収益震災の津波被害により病床機能を一時停止したが,徐々に再開し,許可病床38床に対し,稼働病床を29床まで回復している。なお,29年度の稼働病床による病床利用率は68.8%になってる。また,入院患者1人1日当たりの収益についても同様に病棟再開直後と比べて回復傾向にある。⑥外来患者1人1日当たりの収益震災直後の常勤医師が退職するなどの影響により減少したが,徐々に回復傾向にある。⑦職員給与費対医業収益比率在宅医療への取り組みに伴う看護師の増員等により職員給与費が増加傾向にあるが,29年度途中で常勤医師1名が退職したことに伴い減少した。⑧材料費対医業収益比率類似団体と比べ低い状況にある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率,②器械備品減価償却率震災の津波被害により流失した医療機器を災害復旧事業により平成23年度及び平成24年度に更新したことに伴い,以降の比率が上昇している。③1床当たりの有形固定資産類似団体と比べ低い状況にある。
全体総括
本吉地域唯一の病院として地域住民の健康,福祉の向上に取り組むとともに,震災後に本格化させた在宅医療の取り組みにより,地域包括ケアの推進を図る。経営面では,新病院改革プランに基づく改革により一層の経費節減と効率的経営に努め,経営の健全化を図っていく必要がある。