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地方財政ダッシュボード

長野県豊丘村の財政状況(2020年度)

🏠豊丘村

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 末端給水事業 特定環境保全公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

類似団体平均0.28と比較して0.02ポイント上回ってはいるものの、村内に大規模な工場・法人等が少ないことにより村税収入が低いため財政基盤が弱く、全国平均0.51、長野県平均0.40を大きく下回っている。豊丘村第5次総合振興計画に沿った産業振興、企業誘致、定住人口増の施策により税収の増加を図るほか、豊丘村行政改革大綱に沿った簡素・効率的な行財政運営に取り組むことにより、財政基盤の強化に努めていく。

経常収支比率の分析欄

近年、少子高齢化の進行による扶助費の増加、また行政需要の増大による人件費・物件費の増加により経常収支比率は増加傾向にあったが、簡素・効率的な行財政運営の推進により当比率は前年度より1.9ポイント減少し、類似団体平均を11.3ポイント下回っている。今後、さらに高齢者福祉、子育て支援に要する扶助費や医療・介護保険等への特別会計繰出金等の社会保障関連経費の増加が予想されることから、肥大しつつある人件費や物件費の削減を進め、現在の低い水準を維持できるよう努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

前年度より13.4%増加したものの、人口に対する職員数が相対的に少ないこと、ごみ・し尿処理・消防業務を広域連合で共同処理していることから、類似団体平均に比べ低い金額となっている。行政需要の増大により増加傾向にあるため、行政改革を推進し、職員数の適正化を図るほか、職員の超過勤務手当、旅費、消耗品、印刷製本費等の事務的経費や委託料の縮減、会計年度任用職員数の増加抑制を図り、現在の水準を維持できるよう努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

これまで、国家公務員の人事院勧告に準拠した給与改定を行ってきているが、職員の年齢構成等もあり類似団体平均と比較して0.6ポイント高い状況であり、類似団体内順位も49/89とやや高い水準である。今後も、昇格運用の改善等により職員の給与水準の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定員適正化計画による職員数の抑制や業務の民間委託に努めることで、人口千人当たりの職員数は、類似団体内順位で低い方から5番目となっている。行政需要の多様化や定住人口増対策等の新たな課題への対応に配慮しつつも、事務事業の見直しや簡素・効率的な行政運営の徹底、職員研修・OJTによる職員の資質向上に努めることで、類似団体平均より少ない職員数の水準を今後も維持していく。

実質公債費比率の分析欄

令和2年度は道の駅の建設に係る起債の元金償還が始まったことで、前年比で0.5ポイント増加して8.9%となった。これは、類似団体平均と同じ比率である。今後も、緊急度・住民ニーズを的確に把握し真に必要な事業の精選を行うとともに、交付税措置率が50%未満の起債は起こさない方針とし、村が実質的に負担する元利償還金の額を標準財政規模に対し適正な範囲内に抑えることで、健全な財政運営に努めていく。

将来負担比率の分析欄

平成29年度末に道の駅整備に係る多額の起債を借り入れたこと、また南信州広域連合で建設した廃棄物処理施設建設に係る負担金が算入されたことにより、平成21年度以来マイナスだった将来負担比率が平成29年度に3.0%とプラスに転じた。しかし、平成30年度には1.4%と数値が減少し改善した。さらに令和元年度にはマイナスに転じ、令和2年度もマイナスを維持している。今後も、基金の計画的な積立、国・県補助金や交付税措置率の高い有利な起債の積極的な活用により、健全財政を維持していく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

前年度より3.0ポイント上昇した。これは前年度までは嘱託職員賃金が物件費に集計されていたが、制度改正により会計年度任用職員報酬として人件費に集計されるように変わったためである。類似団体内順位は低い方から21番目であるが、職員数が類似団体の中では少ない水準にあること、ごみ・し尿処理・消防業務を広域連合で共同処理していること等による。

物件費の分析欄

前年度より3.1ポイント減少した。これは前年度までは嘱託職員賃金が物件費に集計されていたが、制度改正により会計年度任用職員報酬として人件費に集計されるよう変わったためである。類似団体平均よりは低い水準を維持しているが、今後も行政改革の推進により消耗品、印刷製本費、旅費、委託料等の縮減に努めていく。

扶助費の分析欄

令和2年度時点では類似団体平均とほぼ同じ水準にあるが、今後、少子高齢化の進行により高齢者福祉や子育て支援に係る扶助費のさらなる増加が見込まれるため、生活習慣病予防を中心とした住民の健康づくりや介護予防の取組みを強化することで村民の健康寿命の延伸を図り、将来的な扶助費の抑制に努めていく。

その他の分析欄

令和元年度から、下水道事業会計繰出金が公営企業会計適用により補助費に集計されるように変わったため類似団体平均を大きく下回ることになり、令和2年度もほぼ同じ傾向である。今後は、少子高齢化のさらなる進行による医療・介護保険等特別会計への繰出金の増加が予想されるため、保険料水準の適正化、保健予防・介護予防事業強化による給付費の削減を図り、普通会計からの負担額を抑制するよう努めていく。

補助費等の分析欄

令和元年度から下水道事業会計繰出金が公営企業会計適用により補助費に集計されるように変わったため類似団体平均を大きく上回ることになったが、令和2年度はその幅が縮小した。村が重点事業と位置づける定住人口増対策や子育て支援に係る補助金は増加傾向にあるため、今後は効果の上がっていない補助金の廃止又は補助率の引き下げ等を行い、類似団体平均に近づくよう努めていく。

公債費の分析欄

近年、大型ハード事業に係る多額の起債を発行したことから、その償還が始まることにより公債費は徐々に増加傾向にあるものの、類似団体内平均よりは低い水準を維持している。今後も、将来の公債費負担を考慮しつつ計画的に毎年度の起債発行を行うことで、世代間の平等を確保しながらも現在の水準を維持できるよう努めていく。

公債費以外の分析欄

類似団体平均よりは低い水準にあるが、今後は少子高齢化の進行により扶助費や医療・介護等特別会計への繰出金の増加が見込まれる。また、行政需要の多様化等により人件費も増加傾向にある。今後も、保健予防・介護予防事業の強化、行財政改革の一層の推進、定員・給与の適正化により、現在の水準を維持できるよう努めていく

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

商工費、土木費、災害復旧費のみ類似団体平均を上回っており、他の費目は類似団体平均より低くなっている。土木費が相対的に多いのは、国・県補助事業や起債事業を活用して主要村道の拡幅改良工事や老朽化が進む農業用水路の改修工事等を行っていることもあるが、村単独事業として行う道路改良・補修事業等の事業量が他団体に比べて多いことも一因となっている。その他、商工費は地方創生臨時交付金を活用、新型コロナウイルスで影響を受けた事業者の支援に多額の事業費を費やしたため、また災害復旧事業費は令和2年7月豪雨災害の復旧工事を実施したことにより、類似団体平均を上回った。他の費目については類似団体平均を下回っており、住民1人当たりのコストが低く、効率的な行政運営ができていると分析できる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

類似団体平均を上回っているのは、物件費、普通建設事業費(うち更新整備)、災害復旧事業費のみであり、他は全て類似団体平均を下回っていることから、本村は総体的にみて、住民一人当たりの行政コストが類似団体の中では低い方であると分析できる。なお、物件費が上回ったのはふるさと納税寄附金の返礼品に係る経費が増加しているため、普通建設事業費(うち更新整備)が上回ったのは、かつて整備したインフラ施設、建物等が老朽化による更新・補修の時期に差しかかっており、更新・補修等に多くの経費を要しているため、また災害復旧事業費が上回ったのは本村も甚大な被害を受けた令和2年7月豪雨災害の復旧工事のためである。義務的経費である人件費、扶助費、公債費については、人件費は人口当たりの職員数が相対的に少ないことにより類似団体平均を大幅に下回っているほか、扶助費、公債費についても低い水準にある。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

ふるさと納税寄附金、国・県補助事業や交付税措置率の高い起債の活用により積極的な特定財源確保を図ることで、実質収支額は標準財政規模比で32%の黒字を確保している。財政調整基金については、一般的には「標準財政規模の20%」が適正規模と言われているが、災害等の不測の事態を想定する中で、標準財政規模の43%の額を保有している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

一般会計については、国・県補助金及び交付税措置率の高い有利な起債を活用することで村一般財源の負担軽減を図っているほか、ふるさと納税寄附金による収入も大きく、標準財政規模比で約32%の黒字となっている。しかし、同規模の市町村に比べ黒字の規模が大きすぎるため、今後は年度末に基金への積立を行い適正な水準に近づける必要がある。特別会計・企業会計についても全会計において黒字となっている。しかし、水道事業会計では今後20年間をかけて実施する老朽化した管路の更新、下水道事業会計では処理場の老朽化による機器改修等に今後大きな支出が見込まれることから、使用料水準の見直しによる経営基盤の強化が必要になっている。その他の特別会計においても、独立採算の原則に立ち返った保険料水準の適正化、生活習慣病予防・介護予防事業の強化により、長期的な見地から医療・介護給付費の抑制を図っていく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

元利償還金は、平成29年度に借り入れた道の駅整備に係る起債の元金償還が令和2年度から始まったことにより51百万円増加したが、公営企業債の元利償還金に対する繰入金(準元利償還金)はほぼ横ばいである。また、算入公債費等も横ばいである。以上から、実質公債費比率の分子を計算すると対前年度比で60百万円の増加となったが、まだ適正水準の範囲内にあると分析している。今後も、実質公債費比率(分子)が極端に増加しないよう、交付税措置が高い起債を積極的に活用しながら財政運営を行っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

将来負担額のほとんどを占める一般会計等に係る地方債の現在高、公営企業債等繰入見込額については、前年度よりそれぞれ32百万円増加、117百万円減少した。その結果、将来負担額全体では前年度より99百万円減少し、5,598百万円となった。一方、充当可能財源等は22百万円増加し、5,725百万円となった。その結果、将来負担額より充当可能財源等の方が大きいことから、将来負担比率の分子はマイナスになり、平成29~30年度のプラスから改善している。今後も国・県補助事業や交付税措置率の高い有利な起債を積極的に活用することで、将来負担比率の分子をマイナスのまま維持できるよう努める。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金及び減債基金は利子分を毎年度積み増しており、取崩しは行っていない。なお、減債基金については、現在の一般会計の地方債残高のうち、将来にわたり交付税で措置される分を除いた金額程度を保有するという方針の下、令和2年度末に150百万円の積立を行った。その他の特定目的基金は、利子分を積み増しせずに各経費に充当しており、取崩しを行っていない。以上から、基金残高全体としては161百万円の増加となっている。(今後の方針)財政調整基金については予測できない大幅な収入減少や災害等不測の事態における支出に備えるため、また減債基金については既発地方債の償還財源として、現在の規模を今後も維持していく。なお、現有の公共施設の老朽化に伴い、施設の長寿命化のため多額の補修・修繕経費が必要な事態が今後想定される中で、それらの経費に充てるための特定目的基金の創設を検討している。低金利の状況が続く中、現在の定期預金での運用に加え、有利な運用方法として、一定の範囲内で国債・地方債等の債券で運用することを検討している。

財政調整基金

(増減理由)利子分を毎年度積み増しており、取崩しはしていないため微増となっている。(今後の方針)予測できない大幅な収入減少や災害等不測の事態における支出増加に備えるため、平時の安易な取崩しは行わず、現在の規模を今後も維持していく方針である。また、低金利の状況が続く中、現在の定期預金での運用に加え、有利な運用方法として、一定の範囲内で国債・地方債等の債券で運用することを検討している。

減債基金

(増減理由)現在の一般会計の地方債残高のうち、将来にわたり交付税で措置される分を除いた金額程度を保有するという方針の下、令和2年度末に150百万円の積立を行ったため、利子分を含め前年度より151百万円の増加となっている。(今後の方針)義務的経費である地方債の償還財源として保有している基金である。現在の一般会計の地方債残高のうち、将来にわたり交付税で措置される分を除いた金額程度を保有するという方針の下で運用しているが、令和2年度末の150百万円の積立でその額に達したため、利子分の積立を除けばこれ以上の積立を行う予定はない。また、低金利の状況が続く中、現在の定期預金での運用に加え、有利な運用方法として、一定の範囲内で国債・地方債等の債券で運用することを検討している。ふるさと創生基金は利子を人材育成等に係る社会教育経費に、スポーツ振興基金は利子を村内のスポーツ振興に係る経費に、公民館図書充実基金は利子を図書館図書の購入経費に充てている。

その他特定目的基金

(基金の使途)ふるさと創生基金は利子を生涯教育を中心とした社会教育関連経費に、スポーツ振興基金は利子を村内のスポーツ振興に係る経費に、公民館図書充実基金は利子を図書館図書の購入経費に充てている。森林環境整備基金は、森林環境譲与税を財源とした基金で、森林整備に係る経費に充てている。(増減理由)ふるさと創生基金、スポーツ振興基金、公民館図書充実基金は利子分を各事業の経費に充て、利子の基金への積み増しは行っていないため増減はない。また、森林環境整備基金は毎年度の譲与分の一部を森林整備事業に使い、残りを基金に積み立てており、令和2年度は前年度に比べ4百万円増加した。(今後の方針)ふるさと創生基金、スポーツ振興基金、公民館図書充実基金は、利子を事業に充当する果実運用型の基金であり、低金利が続く情勢の中、定期預金での運用に加え、3基金の総額のうち100,000千円の範囲内で、国債・地方債等の債券での運用を実施するよう検討している。森林環境整備基金については、毎年度の森林整備に係る事業量に応じ、基金からの積立、取崩しを弾力的に行い運用を行っていく。なお、現有の公共施設の老朽化に伴い、施設の長寿命化のため多額の補修・修繕経費が必要な事態が今後想定される中で、それらの経費に充てるための特定目的基金の創設を検討している。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体平均より当該償却率は低く、全体的にみて類似団体に比べれば村施設の老朽化は進んでいないと言える。これは、近年、大型施設である社会教育施設の建替えや道の駅の新築を行ったためである。しかし、昭和50年代に建設した小学校、保育園、社会体育施設等の老朽化が進んでいることから、当比率は徐々に上昇している。今後は、人口の減少や各施設の利用状況を踏まえ、公共施設管理計画・個別施設計画に基づく施設の計画的な補修・修繕、また統合・廃止も含めた施設の方向性の検討が必要である。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体平均より143.3ポイント低く、実質債務を経常的に確保できる資金で返済する債務償還能力は類似団体より高いと言える。これは充当可能財源である基金や起債に対する交付税措置見込額が十分あることによる。今後も基金の積み増しを行ったり、起債の借入に当たっては交付税措置率が高いものを活用するなど、将来の債務負担を十分にシミュレーションしながら財政運営を行っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率はH29、H30にプラスに転じたが、R1にマイナスに転じた。一方、有形固定資産減価償却率は上昇し、資産の老朽化は進んだ。類似団体と比較すると有形固定資産減価償却率は低く、資産の老朽化は相対的に進んでいないと言える。基金の積み増し等により今後も将来負担比率はマイナスが維持できる見込みであるが、その一方で有形固定資産減価償却率は増加傾向であり類似団体内平均に近づいていくと予測される。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率はH29、H30にプラスに転じたが、R1にマイナスに転じた。一方で、近年、施設改修や災害復旧事業、災害を未然に防ぐための緊急自然災害防止対策事業に起債を積極的に活用しているため、実質公債費比率は増加傾向にあり、類似団体内平均と同水準にある。今後も、起債の借入に当たっては交付税措置率の高いものを選択するなど、実質公債費比率が上昇しすぎないよう注意して財政運営を行っていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率を類似団体内平均と比較すると、道路は9.1ポイント低く、橋りょう・トンネルは9.9ポイント高く、公営住宅は22.8ポイント低く、認定こども園・幼稚園・保育所は3.4ポイント高く、学校施設は0.5ポイント高く、公民館は36.1ポイント低い。橋りょう・トンネルが類似団体内平均より大きく上回っているが、かつて整備した橋梁の老朽化が進んでいるためであり、個別施設計画に基づき、補助金や起債(公共施設適正管理推進事業債)を活用しながら計画的に点検・長寿命化のための補修を進めていく。公営住宅、公民館が類似団体平均より大きく下回っているのは最近10年以内に新築した施設が多いためであり、今後、個別施設計画に基づき、長寿命化のための補修・修繕等を計画的に実施していく。認定こども園・幼稚園・保育所及び学校施設はほぼ類似団体平均に近い数値となっているが、本村の施設が類似団体と同様に老朽化が進んでいることを示している。今後、個別施設計画に基づき、計画的に長寿命化のための補修・修繕等を実施していく。なお、当村の1人当たり公営住宅面積は、類似団体内ではかなり低い水準にあるが、当村には元々低所得者向けの県営住宅があり、村営住宅としては子育て世代向けの戸建住宅のみを保有しているためである。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率を類似団体内平均と比較すると、図書館は40.4ポイント低く、体育館・プールは16.6ポイント高く、福祉施設は0.4ポイント高く、一般廃棄物処理施設は28.2ポイント低く、保健センター・保健所は10.6ポイント低く、消防施設は15.5ポイント高く、庁舎は7.8ポイント低い。体育館・プール、消防施設は類似団体内平均を大きく上回っているが、これは村民体育館や消防団詰所の老朽化が進んでいるためであり、個別施設計画に基づき計画的に補修・修繕を進めていく。消防団詰所については、消防団員数が急激に減少している状況を踏まえ、消防団体制の再編成と合わせ詰所の統廃合を進める。図書館、一般廃棄物処理施設、保健センター・保健所、庁舎は類似団体内平均より数値が低いが、これらは近年整備した施設であるためである。今後、個別施設計画に基づき、長寿命化のための補修・修繕等を計画的に実施していく。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から274百万円の増加(+1.2%)となった。有形固定資産では、観光拠点施設建設事業、役場駐車場造成事業などの大規模な建設事業等が行われ42百万円の増加となっている。また減債基金の積み増しを行っており、流動資産が403百万円増加している。負債総額は、前年度末から99百万円の増加(+2.3%)となっている。これは記載の償還が進む一方で、新たに地方債の借り入れを438百万円行ったためである。特別会計、企業会計を加えた全体では、資産総額が230百万円増加(+0.8%)している一方で、負債総額が2百万円の減となっている。また、一部事務組合や第三セクターを加えた連結では、資産総額は前年度末から284百万円の増(+0.9%)、負債総額は前年度末から14百万円の減(-0.1%)となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、経常費用は5,350百万円となり前年度比1,033百万円の増加(+23.9%)となった。そのうち業務費用は257百万円の増加(+9.0%)となり、大きな割合を占めるのが移転費用である。移転費用のうち、補助金等が776百万円の増(+53.2%)となっており、特別定額給付金事業やコロナ対策として実施した食事券・商品券事業が大きく影響している。また物件費等である。物件費等のうち、物件費も240百万円の増加(+11.9%)となっており、ふるさと納税の寄付額増加に伴い、返礼品や郵送事務に係る費用の伸びなどが要因となっている。全体では、一般会計等に比べて、水道料金や下水道使用料を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が197百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金に計上しているため、移転費用が1,009百万円多くなり、純行政コストは1,224百万円多くなっている連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が325百万円多くなっている一方、社会保障費が762百万円多くなるなどで、経常費用が1,998百万円多くなり、純行政コストは1,633百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(5,476百万円)が純行政コスト(5,281百万円)を上回ったことから、本年度差額は195百万円(前年度比+386百万円)となり、純資産残高は176百万円の増加となった。これは新型コロナウイルス感染症対策に多額の国庫補助金の交付により国県等補助金が大きく増加(前年度比+1,117百万円)したことが影響している。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が1,282百万円多くなっており、本年度差額は251百万円となり、純資産残高は232百万円の増加となった。連結では、長野県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が1,972百万円多くなっており、本年度差額は289百万円となり、純資産残高は298百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は719百万円であったが、投資活動収支では、大規模な建設事業等を行ったことから、公共施設等整備費支出が前年度比較563百万円増加(+89.4%)となり、-580百万円となっている。公共施設整備に充当される国県補助金も126百万円増加(+62.1%)しているが、支出の増加と比較しすると村単独の負担としては前年度よりも増加している。財務活動収支では、地方債発行収入が地方債の償還額を上回ったことから、収支で32百万円となっている。今後も交付税措置率の低い起債はとりやめるなど、将来負担を見据えた健全な財政運営が求められる。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等に収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より249百万円多い968百万円となっている。財務活動収支は、企業会計での起債の償還を加え-123百万円となっている。本年度末資金残高は、前年度より263百万円多い1,727百万円となった。連結では、下伊那北部総合組合における火葬場事業や(株)豊かな丘の道の駅事業に係る業務収入が含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より333百万円多い1,052百万円となっている。本年度末資金残高は、前年度より295百万円多い1,888百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均を大きく下回っているが、当団体では道路や河川の敷地のうち、取得価格が不明であるため備忘価格1円で評価しているものが大半を占めているためである。令和2年度では、新たに観光拠点施設の建設等があったことから資産総額は増加しており、一人当たり資産額は14.0万円増加している。歳入額対資産比率は、類似団体平均を少し下回っており、前年度と比較し、1.13年減少している。これは新型コロナ対策に係る多額の国庫補助金の交付により歳入が増加していることが大きく影響している。有形固定資産減価償却率については、類似団体平均をわずかに下回っているが、公共施設等の老朽化に伴い前年度より08ポイント上昇している。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均と同程度であるが、将来世代負担比率は類似団体平均よりわずかに下回っている。しかし、令和元年度には0.2ポイント、令和2年度には0.5ポイント増加しており、増加傾向にあることが分かる。交付税措置率の低い起債借入は行わないなど、地方債残高をコントロールし将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を下回っているが、行政経費は年々増加傾向にある。特に経常費用の38.2%を占める物件費等の増加も著しく、物件費はふるさと納税での寄付額が大きくなるのに比例して拡大(前年度比11.9%増)している。また今年度は特殊事情として、特別定額給付金事業やコロナ対策として実施した食事券・商品券事業の影響で補助金等が776百万円の増(+53.2%)となっており、行政コストを押し上げる要因となっている。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を下回っており、前年度より1.5万円増加している。これは2年の据置期間が終了し、今年度から道の駅建設事業に係る起債(312百万円)の償還が始まったためである。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため、137百万円となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して道路修繕工事等公共施設等の必要な整備を行ったためである。今後も、業務活動収支については業務の民間委託や指定管理制度の導入などにより健全な運営を維持するとともに、投資活動支出については新規事業について優先度の高いものに限定するなどにより、赤字分の縮小に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均をわずかに下回ってはいるが、類似団体平均が大きく減少しているなか、当団体は昨年度と比較して変動がなかった。経常収益が、年度比38百万円(22.6%)増加するとともに経常費用も年度比1,033百万円(23.9%)増加している。今後も公共施設等の使用料の見直しを行うとともに、公共施設等の利用回数を上げるための取組を行う等により、受益者負担の適正化に努める。また、公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,