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地方財政ダッシュボード

秋田県八峰町の財政状況(2018年度)

🏠八峰町

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 簡易水道事業 特定環境保全公共下水道 農業集落排水 漁業集落排水 特定地域生活排水処理


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は横ばいで推移しており、類似団体平均を0.11ポイント下回っている。人口減少や全国平均を上回る高齢化率(30年度末44.8%)に加え、町の主要事業である農業は水稲中心であり、水産業においても魚価及び漁獲量の低迷が続いているため所得の向上を図ることが難しい状況にある。給与所得に関しては、雇用環境に若干の改善傾向が見られたことにより、微増傾向にあるものの、町税収入を押し上げる力は乏しいため財政基盤が弱い。少子高齢化等で町税収入は今後も減少していくと見込まれるため、引き続き企業支援や農林水産業の振興を図り、行財政改革を推し進めるとともに、町税の適正課税と滞納分の徴収に努め、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は前年比0.7ポイント悪化し、類似団体平均を5.7ポイント上回っている。これは、公債費において平成18年度に建設した保健センターの償還終了が主要因となり12百万円減、繰出金は60百万円減があり、経常経費全体では51百万円減となったものの、歳入において普通交付税が合併算定替えの段階的縮減により前年比88百万円減となったことが影響している。今後は、合併以降に着手した大型事業の地方債償還がピークを迎え、さらに令和2年度からの会計年度任用職員制度導入により比率は上昇していく見込みとなっている。引き続き行財政改革の推進により経常経費の縮減に努め、経常収支比率の上昇に歯止めをかけていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、再任用職員1名増となったものの職員構成の若年化により減少したが、峰浜地区統合子ども園設計業務委託(基本設計)や自殺予防計画策定業務委託等により物件費が増加したことから、人口1人あたりの人件費・物件費等の額は2,811円増加した。類似団体平均を下回っているのは、ゴミ処理業務と消防業務を一部事務組合で実施しているためと考えられる。今後も職員数の適正化を図り、人件費を抑制するとともに、物件費等の更なる縮減に努め、行政コストの縮減を図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

合併以降、平成27年度まで定員適正化計画による5減1増を着実に推進してきたことにより、平成24年度以降、ラスパイレス指数は類似団体平均を下回っており平成30年度では93.2となっている。平成30年度において指数が下降しているのは、秋田県人事委員会勧告に準拠し給与引き上げ改定を行ったものの、職員の経験年数階層の変動により指数を押し下げたためである。今後も、人事院及び県人事委員会勧告の内容に準拠し、適正な給与水準を目指すことにしている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成18年度から集中改革プランや定員適正化計画といった行財政改革を実施し、職員数を抑制してきたが、その間に社会状況の変化による新たな事務の発生や新たな課題が生じている。こうした背景をふまえ、適切な町民サービスの提供を行う体制が維持できるよう、引き続き定員の適正化に努めることにしている。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は9.4%となっており、類似団体平均を0.8ポイント上回っている。これは、公営企業債償還額への繰入金の減少等があったものの、普通交付税合併算定替えの段階的縮減による影響が大きかったためである。今後は、地方債発行額の上限を定め、公債費の抑制や平準化を図りながら、比率の上昇を抑制していく。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、地方債残高将等、来負担額を充当可能財源が上回り、分子がマイナス値となったため、比率は値なしとなった。今後は、普通交付税合併算定替えの段階的縮減に伴い標準財政規模の縮小や、財政不足補填のため充当可能基金残高が減少することにより、比率の上昇が見込まれるため、事業実施の適正化や地方債発行額の抑制を図り、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

合併以降、定員適正化計画に基づき職員採用を5減1増を実施してきた結果、類似団体平均を下回っているが、人件費の経常収支比率は0.3ポイント上昇し19.7%となった。令和2年度以降は、会計年度任用職員制度の導入に伴い比率が上昇することが予想される。

物件費の分析欄

物件費の比率は16.4%と前年度から0.9ポイント上昇し、類似団体平均を上回っている。これは平成18年度から実施している定員適正化計画により正職員数を抑制し、臨時職員を採用しているため賃金が膨らんでいることなどが挙げられる。令和2年度以降、会計年度任用職員制度の導入による比率の改善が見込まれるが、継続事業の見直し等によりさらなる改善を目指す。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率が類似団体を上回る要因は、福祉医療の対象を高校生まで拡大していることや、重度訪問介護対象者の自立支援給付費が多額になっているためである。今後は、峰浜地区の子ども園が統合され運営費が縮減されるものの、国等の福祉政策による影響が大きいため、今後の政策の展開によっては大幅な増となることも予想される。

その他の分析欄

簡易水道事業及び下水道事業における建設事業に伴い借り入れた公営企業債の償還費に対する繰出金が高止まりしており、その他の比率は17.9%と前年度から1.3ポイント改善されたが、類似団体平均を大きく上回っている。下水道事業は公共下水、農業集落排水、漁業集落排水、合併処理浄化槽の全ての公営企業で建設事業が終了したことから、今後は繰出金が微減していく見込みである。簡易水道事業は、配水管敷設替等の大型事業が平成28年度で終了したが、今後は公営企業債償還額が徐々に増大する見込みで、それに伴い繰出金も増加する見込みのため、繰出金全体では、ほぼ横ばいで推移していく見込みとなっている。今後は繰出基準外支出について厳しく精査するとともに、使用料の見直しなどにより繰出金の抑制に努めていく。

補助費等の分析欄

補助費等の比率は、合併以降類似団体平均を下回っており、平成30年度は12.6%と前年度から0.7ポイント増加した。町単独補助金の検証と今後の方針について検討しており、今後も引き続き見直しを行う。比率は産業振興としての単独補助金や一部事務組合の負担金の増減に左右されることから、各種事業の動向を注視しながら可能な限りの縮減を図っていく。

公債費の分析欄

平成30年度は八森地区統合子ども園建設事業(外構工事及び物置)の元金償還が始まったため、公債費の比率は21.6%と前年から0.2ポイント増加し、類似団体平均を2.6%上回った。今後は、合併時の大型事業の償還が終了し比率は減少するものの、令和4年度から峰浜統合子ども園の元金償還が始まり、公債費の増加が見込まれるため、後年度の地方債発行の平準化や抑制を図っていく必要がある。

公債費以外の分析欄

公債費以外の比率は72.0%と前年度と比べて0.5ポイント上昇し、類似団体平均を上回っている。人件費及び補助費等の比率は類似団体平均を下回っているものの、公営企業会計等への繰出金が類似団体平均を大きく上回っており、下水道の加入率の向上と使用料の見直しが急務となっている。今後は、会計年度任用職員制度が導入されるほか、合併算定替えの段階的縮減による普通交付税の減少により、比率は上昇すると見込まれるため、引き続き行財政改革の推進等により経常経費の縮減に努め、比率の上昇を抑制していく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は住民一人当たり104,145円で、類似団体平均を下回っている。これは高野々コミュニティセンター建設工事の終了や財政調整基金積立金の減少が主要因である。民生費は住民一人当たり173,169円で、類似団体平均を下回っている。これは子ども園運営費や国民健康保険事業勘定特別会計への繰出金の減少が主要因である。衛生費は住民一人当たり54,414円で、類似団体平均を下回っている。これは一般廃棄物処理、し尿処理を広域市町村圏組合で運営していることが主要因であると考える。なお、令和3年度から一般廃棄物処理場の改築が予定されており、組合への建設工事費負担金が増加する見込みであり一人当たりのコストも上昇が見込まれる。農林水産業費は住民一人当たり99,497円で、類似団体平均を上回っている。これは龍角散寄付による生薬推進事業の開始が主要因であり、今後も生産施設整備等の補助が増加する見込みであり、類似団体平均を上回って推移することが見込まれる。商工費は住民一人当たり37,563円で、類似団体平均を上回っている。これは中小企業支援を目的とした企業等への貸付金100百万円が主要因である。今後も貸付制度を継続する見込みであり、類似団体平均を上回って推移することが見込まれる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は住民一人当たり810,339円となっている。物件費は住民一人当たり131,576円となっており、類似団体平均と比較して11,611円低くなっている。これは旅費の実費精算の導入等によるもので今後も効率的な事務執行を念頭に物件費の抑制に努める。普通建設事業費(うち新規整備)は住民一人当たり10,976円となっており、類似団体平均と比較して28,602円低くなっている。これは平成29年度に実施した菌床製造施設拡張事業の終了が主要因であり、前年度決算額と比較すると86.6%減となっている。今後は、令和元年度から令和2年度にかけて峰浜地区統合子ども園建設事業を控えており増加することが見込まれるが、その他の事業について事業費の平準化を図りながら計画的に進めていく。貸付金は、住民一人当たり28,484円で、基幹産業である漁業の振興と、中小企業経営支援に資する目的で、合わせて200百万円を年度内貸付けしていることが主要因となり類似団体平均を21,912円上回る結果となった。今後も年度内償還の確実性を検証しながら実施していく予定である。繰出金は住民一人当たり109,975円となっており、類似団体平均と比較して一人当たり29,523円高い状況である。これは簡易水道事業や下水道事業の公営企業債償還に対する繰出金が高止まりしているためで、今後も横ばいで推移すると見込まれる。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金は、128百万円を積み増ししたことにより、前年度を上回った。実質収支は265百万円で前年比48百円増となり、前年度を1.34ポイント上回った。実質単年度収支は前年度を0.35ポイント下回っている。標準財政規模は年々縮小しており、事務事業の見直し等の行財政改革を推進し、健全な行財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

全会計で赤字は発生していない。八峰町国民健康保険事業勘定特別会計においては、平成30年4月から事業運営主体が秋田県に移行しており、安定的な財政運営や効率的な事業運営に取り組んでいる。今後も保険事業による医療費等の適正化と賦課総額の確保に努め、健全な財政運営を図る。八峰町介護保険事業勘定特別会計については、保険料見直しを行い黒字が増加した。引き続き保険料収納率の向上及び介護費用の抑制に努め黒字化を図っていく。八峰町農業集落排水事業特別会計については加入率が57.4%と低く基準外繰出しにより黒字を維持している状態である。八峰町簡易水道事業特別会計はほぼ全世帯が加入しているが、平成21年度から平成28年度まで続いた施設更新の償還費が高止まりしているため、使用料の見直しを検討し黒字の維持を図る。八峰町公共下水道事業特別会計については加入率が72.8%と低く基準外繰出しを実施していることで黒字となっている。八峰町営診療所特別会計については、平成24年度までは診療報酬を主とした運営で黒字を維持していたが、平成25年度以降は繰出金を支出したことで黒字となっている。八峰町漁業集落排水事業特別会計については加入率67.1%と低く基準外繰出しを行っていることで黒字となっている。今後、一般会計については普通交付税の合併算定替の段階的縮減が終了するまでは黒字で推移する見込みであるが、その後は厳しい財政運営が続くため、合併算定替終了を見据えて財源の確保と、更なる行財政改革を推し進めていく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

元利償還金は前年比12百万円減少し、算入公債費等は39百万円減少した。これは、八峰町保健センター建設事業の償還終了が主要因となっている。今後も過疎対策事業債等を活用した関連事業の実施により比率は同程度で推移する見込みである。公営企業債の元利償還金に対する繰入金は、簡易水道事業で平成21年度から28年度に実施した観海地区の施設更新事業の償還開始等により増加傾向にあるものの、下水道事業の元金償還が一部終了し減少傾向にあることから横ばいで推移する見込みである。今後は建設事業の限度額を設定することで地方債の発行を抑制し、公債費負担の平準化を図りながら適正な財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

将来負担額については、一般会計に係る地方債の現在高が419百万円の減、職員構成の若年化により退職手当負担見込額が100百万円減となったことなどから、将来負担額全体で619百万円の減となった。充当可能財源等については、財政調整基金残高の増に伴い充当可能基金が67百万円増となったものの基準財政需要額算入見込額が192百万円の減となり、全体では133百万円の減となった。将来負担額を充当可能財源が上回り比率なしとなった。今後も地方債発行額を元金償還額と均等させることで将来負担比率の分子縮小を目指すが、普通交付税合併算定替の段階的縮減により標準財政規模も縮小していることから、毎年シミュレーションを行い、比率の動向を注視しながら健全な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金残高が3,087百万円、前年度比7百万円増となったこと等から、基金全体としては10百万円の増となった。(今後の方針)今後、財政調整基金は毎年取り崩す見込みであり、減債基金、その他特定目的基金についても横ばい、または減少する見込みであるため基金全体が減少していく見込みである。今後は、地方交付税が人口減少の影響により減額となることが懸念されるため、財政調整基金の大幅な取り崩しを回避するため歳出構造の改革に取り組む必要がある。

財政調整基金

(増減理由)公園管理分や生薬事業分及び財源補てんとして121百万円の取崩しを行ったが、前年度決算剰余金のうち120百万円と条例で規定している土地建物貸付収入等の積立があり7百万円の増となった。(今後の方針)今後は、普通交付税の合併算定替の段階的縮減が進み、積立額を取崩し額が上回る予定であるが、公共施設等の老朽化や災害に対応するため、ある程度の蓄えが必要と考える。大幅な取り崩しを回避するため歳出構造の改革に取り組む必要がある。

減債基金

(増減理由)基金利子の積立のみであるため、わずかに増加している。(今後の方針)繰上償還の見込みがないため今後も残高は横ばいとなる見込みである。今後、繰上償還の必要が生じれば基金の取り崩しを検討する。

その他特定目的基金

(基金の使途)合併町村振興基金地域における住民の連帯と強化及び旧町村単位での地域振興に資する事業に充てる地域福祉基金高齢者の地域保健福祉の増進を目的とした施策の実施に要する経費に充てる雇用創出基金雇用の機会を創出する事業に充てる観光振興基金観光の振興を目的とした施策の実施に要する経費に充当するふるさと八峰応援基金寄付者の思いを実現化し、多様な人々の参加による個性豊かな活力あふれるふるさとづくりに資する事業に充当(増減理由)雇用創出基金雇用創出活動支援事業補助金の財源に充当しており、前年度比8百万円の減となった。ふるさと八峰応援基金ふるさと納税26百万円を積立したが、JTBへ事務委託したことにより前年度比9百万円の増となった。上記以外の、その他特定目的基金については、基金利子の積立のみであり、増減はわずかである。(今後の方針)合併町村振興基金合併特例債を活用して造成した基金であり、起債償還が終了した積立原資部分の取崩しは認められているが、初回積立(平成18年度)の償還終了が令和3年度であるため、当面の間は取り崩しを行わない。地域福祉基金果実運用基金でソフト事業に充当することにしているが、近年の低金利の影響で年間約15~20万円程度の利子であるため、取崩しが行われていない。今後は制度改正により活用が可能になるが利率の上昇がない限り取崩しは行わない予定である。雇用創出基金利子以外の積立はしないことにしており、事業執行によって残高は減少していく見込みである。観光振興基金現在、取崩しをして充当する事業計画がないため、残高は横ばいとなる見込みである。ふるさと八峰応援基金寄附金は順調に伸びてきているものの、JTBに事務委託しており返礼品を含む事務費が6割を占めるため残るのは4割程度である。今後も計画的に活用する予定であり、残高は減少していく見込みである。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成30年度において、類似団体平均を2.0ポイント下回っている。これは、庁舎の火災により平成21年度に現庁舎を建設したことが主な要因である。今後は、「公共施設等総合管理計画」に基づき遊休施設の除却を計画的に進めることにしており、保有する公共建築物等の延床面積28%縮減を目標に指標が悪化しないよう努めていく。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体平均を101.0ポイント上回る518.1%となった。これは平成26・27年度に実施した統合小学校及び統合中学校の建設工事により地方債残高が増加したことが要因である。今後は地方債の新規発行抑制や、継続事業の見直しにより町の将来的な財政負担の軽減を図る。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は地方債残高や公営企業債繰入見込額の減少に伴い比率なしとなった。今後は峰浜地区統合子ども園建設事業等の大型事業を控えており、地方債残高は増加することが予想され、将来負担比率は上昇に転じる見込みとなっている。このため今後は地方債発行の抑制や基金造成を図り、同比率の上昇に歯止めをかけていく。一方で、有形固定資産減価償却率は、類似団体平均を2.0ポイント下回っている。当面は、「公共施設等総合管理計画」に基づき老朽化対策の一環として遊休施設の除却を計画的に進め、比率の上昇の抑制に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、前年度を0.8ポイント上回る9.4%となった。これは普通交付税の合併算定替えの段階的縮減と災害復旧に係る基準財政需要額の減少が主な要因である。今後も標準財政規模の縮小が予想され、同比率はさらに上昇する見込みである。将来負担比率は「比率なし」となったものの峰浜地区統合子ども園建設事業等の地方債借入により地方債残高が増加する見込みであり将来負担比率の上昇が懸念される。今後は地方債発行額の抑制と基金造成を図り、同比率の上昇に歯止めをかけていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率を施設類型別に比較すると、公営住宅の数値が類団体平均と比較して26.7ポイント高い90.8%と特に高くなっている。これは、公営住宅の建築年が昭和61年(32年経過)から平成14年(16年経過)で、すべての公営住宅が耐用年数22年の半分を経過していることが要因である。今後は計画的に点検及び補修を行い、長寿命化を図っていくこととしている。認定こども園・幼稚園・保育所では統合により遊休施設となった旧園舎2棟の除却を平成29年度に行ったため48.4%と類似団体平均を0.8ポイント下回っている。今後は峰浜地区統合子ども園が令和2年10月に開園する予定であり数値はさらに改善すると見込んでいる。道路については、平成25年度に「公共土木施説維持管理の「基本方針」と「実施計画」」を策定し、作業方法による3つの維持管理区分(予防保全型・対症管理型・日常管理型)に分類したうえで、効率的・効果的に維持管理している。当町の道路台帳は旧町村ごとに整備され加除されない状態が続いていたが平成25年3月に全路線廃止及び全路線供用開始となり、取得日を供用開始日に設定しているため39.9%と類似団体平均を20.0%下回っている。公民館については、昭和60年度に建設されており72.6%と類似団体平均を5.3ポイント上回っている。平成22年度に改修工事を実施しており多くの町民から利用される施設であるため、今後も計画的に維持管理に努め長寿命化を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

体育館・プールの有形固定資産減価償却率は91.8%であり、類似団体平均を30.5%上回っている。これは、昭和4年に建設した岩館体育館や昭和42年に建設した八森土床体育館が耐用年数を経過したためである。岩館体育館は、岩館地区防災コミュニティセンターの建設に伴い除却する予定であるため数値は今後改善される見込みである。福祉施設の有形固定資産減価償却率は100.0%であり、類似団体平均を大きく上回っている。これは、平成6年度に建設した旧はつらつ苑が耐用年数を経過したためである。ただし、平成28年度に子育て支援センターとして改修工事を実施し、定期的な点検や修繕を行っているため、使用のうえでは問題ない。消防施設の有形固定資産減価償却率は99.0%であり、類似団体平均を32.6ポイント上回っている。これは昭和30~40年代に建築された非常備消防施設のほとんどが木造で、耐用年数の22年を大きく経過していることによるものである。今後は消防団の適正配置の検討と併せて施設の統合を行い、存続されるものについては、計画的な施設の改修・改築を行う。遊休施設となったものについては、適切な除却を行っていく。庁舎の有形固定資産減価償却率は37.8%であり、類似団体平均を17.5%下回っている。これは、平成18年度に峰浜庁舎が焼失したことが契機となり、平成21年度に現庁舎を建設したためである。今後は計画的に点検や修繕等を行い長寿命化を図っていく。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から706百万円の減少(△3.3%)となった。事業用資産では、生薬栽培管理施設整備事業等の実施による建物の取得額(11百万円)を、建物の減価償却による資産の減少が上回ったこと等から380百万円減少、インフラ資産では、資産の取得額を減価償却額が上回ったこと等から340百万円減少した。一方、負債総額は前年度末から239百万円の減少(△2.9%)となった。金額の変動が大きいのは固定負債である地方債であり、菌床製造施設及び培養施設の事業終了により地方債の発行を抑えられたことが要因と考えられる。平成30年度から令和2年度にかけて峰浜地区統合子ども園建設事業が計画されているが、減価償却による資産の減耗が投資を上回ることや、地方債の償還額が発行額を上回ることなどから、今後資産及び負債は減少が見込まれる。地方公営企業会計を加えた全体会計においても簡易水道や下水道の建物及び導水管等の工作物の減価償却による資産の減耗により、資産総額は前年度から854百万円の減少(△3.6%)となった。負債総額は地方債の大幅な減少(719百万円)が影響し、前年度から494百万円の減少(△4.1%)となった。関連団体を加えた連結会計においては、資産総額は前年度から1,328百万円の減少(△5.2%)、負債総額は前年度から236百万円の減少(△1.9%)となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は前年度から118百万円減少(2.1%)し、5,412百万円となった。人件費等の業務費用は前年度から167百万円減少(△4.8%)3,285百万円となった。一方、補助金や社会保障給付費等の移転費用は49百万円増加(2.4%)し、2,127百万円となった。今後は「八峰町公共施設等総合管理計画」に基づく公共施設の統廃合や除却のほか、令和2年度からの会計年度任用職員制度に係る職員配置及び業務見直しの実施とともに、庁舎管理等各種業務の民間委託を検討し、行政コストの削減を図る。地方公営企業を加えた全体会計においては、経常費用は前年度から290百万円減少(△3.8%)し、7,436百万円となった。人件費等の業務費用は前年度から231百万円減少(△5.8%)し、3,773百万円となり、維持補修費や減価償却費を含む物件費等は、前年度から131百万円減少(△5.3%)し、2,336百万円となった。関連団体を加えた連結会計においては、経常費用は前年度から94百万円減少(△1.0%)し、9,674百万円となった。維持補修費や減価償却費を含む物件費等は、前年度から254百万円減少(△8.4%)し、2,769百万円となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(4,847百万円)が純行政コスト(5,347百万円)をやや下回っており、本年度差額は△501百万円となり、純資産残高は前年度末から466百万円減少(△3.5%)した。純資産の減少は税収を超えた行政コストであり、今後も人口減少による税収等の収入減が予想されることから、「第2次八峰町総合振興計画」に基づく事務の効率化によりコストの削減を図る。地方公営企業を加えた全体会計においては、税収等の財源(6,781百万円)が純行政コスト(7,176百万円)をやや下回っており、本年度差額は△395百万円となり、純資産残高は前年度末から361百万円減少(△3.1%)した。関連団体を加えた連結会計においては、表中の平成29年度数値に過大計上があったため本年度差額は296百万円とあるが△306百万円、本年度純資産変動額は628百万円とあるが26百万円、純資産残高は13,223百万円とあるが12,621百万円となる。税収等の財源(8,370百万円)が純行政コスト(8,743百万円)をやや下回っており、本年度差額は△374百万円となり、純資産残高は前年度末から490百万円減少(3.9%)した。なお、純資産残高が490百万円減少した要因は、秋田県市町村総合事務組合の比例連結割合による差額124百万円減少により純資産残高が減少したためである。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は785百万円であったが、財務活動収支については菌床製造施設及び培養施設の事業終了に伴い地方債発行収入が減少し△418百万円となった。地方債償還額のピークは令和元年度となっており、徐々に減少するが、人口減少による税収等の収入減も見込まれるため、不足する収入を財政調整基金の取崩しにより確保しながら「第2次八峰町総合振興計画」に基づく中・長期計画を策定し、計画的な財政運営を行っていく。地方公営企業会計を加えた全体会計においては、簡易水道や下水道の使用料が含まれ、業務活動収支は1,045百万円であった。投資活動収支については△368百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還が発行収入を大きく上回り△670百万円となり、本年度末資金残高は7百万円増加し、402百万円となった。関連団体を加えた連結会計においては、業務活動収支は930百万円であったが、投資活動収支は△397百万円であり、財務活動収支は△602百万円となった。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、類似団体平均を大きく下回っている。これは建物や道路等のうち、取得価格が不明なものについて備忘価額1円で評価しているためである。歳入額対資産比率においても、備忘価額1円で評価された資産が多いことから、類似団体平均を下回っているが、今後、資産の再評価を予定していることから、同比率の上昇が見込まれる。有形固定資産減価償却率については、平成21年度の新庁舎の建設や、平成27年度の統合小中学校の改修により類似団体平均をやや下回っている。引き続き「八峰町公共施設等総合管理計画」に基づく公共施設等の維持、更新、除却及び統廃合を進めるとともに、計画の見直しによる再評価を行う。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、備忘価額で評価している資産が多いことから、類似団体平均を下回っている。純資産については、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから、前年度から466百万円減少(△3.5%)している。今後も「第2次八峰町総合振興「計画」に基づく人件費の削減等に取り組み、行政コストの削減に努める。将来世代負担比率についても、同様に備忘価額による評価のため類似団体平均を大きく上回っている。今後は、菌床製造施設及び培養施設建設事業や峰浜地区統合子ども園建設事業などを実施したことから、高い比率で推移が見込まれるため、「八峰町公共施設等総合管理計画」に基づいた公共施設等の維持及び管理に努め、世代間の公平の観点からも将来世代負担の適正化を図っていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均をやや下回っており、前年度より1.6万円増加した。八峰町を含む1市3町の能代山本広域市町村圏組合による行政サービスの提供など、事務の共同処理を行いながらコストの削減に努めているものの、税収等の財源が不足することが予想され、「第2次八峰町総合振興計画」に基づく行財政改革により今以上のコスト削減を図る。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体平均をやや下回るものの、今後老朽化している施設への投資により負債が増加する可能性が高いため、「八峰町公共施設等総合管理計画」に基づ施設の統廃合など公共施設の適正管理に努める。また、長期的な財政シミュレーションなどにより、単年度の地方債発行額と元金償還額を調整し、世代間負担の公平化を図る。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、学校給食費の半額補助や子ども園使用料の補助及び無償化等の施策により経常収益が少なく、類似団体平均を下回っており、受益者負担は比較的少ない水準となっている。今後は、適切な利用料等を設定するなど、周辺自治体や類似団体と比較しながら受益者負担の適正化について検討していく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,