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地方財政ダッシュボード

秋田県八峰町の財政状況(2016年度)

🏠八峰町

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 簡易水道事業 特定環境保全公共下水道 農業集落排水 漁業集落排水 特定地域生活排水処理


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

人口減少や全国平均を上回る高齢化率(28年度末43.0%)に加え、町の主要産業である農業は水稲中心のため所得の向上を図ることが難しく、水産業においても魚価及び漁獲量の低迷が続いている。給与所得に関しては、町内外の雇用環境に若干の改善傾向が見られるようになったことにより、所得は微増傾向にあるものの、町税収入を押し上げる力は乏しいため財政基盤が弱く、類似団体平均を0.1ポイント下回っている。少子高齢化などで町税収入は今後も減少していくと見込まれるため、引き続き企業支援や農林水産業の振興に努め、行財政改革を推し進めるとともに、町税の適正課税と滞納分の徴収に努力して、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は前年比6.8ポイント悪化し、類似団体との比較でも6.2ポイント上回っている。これは指標の分母となる歳入において、普通交付税が合併算定替えの段階的縮減により前年度比104百万円減となったことを主要因として分母全体では161百万円の減となり、指標分子となる経常経費一般財源において、人件費は職員2名減等により全体では44百万円減、補助費は一部事務組合負担金の減等により全体では16百万円減となったものの、維持補修費は除雪費の増が主要因となり全体では19百万円増、公債費は過疎債(平成23借入499百万円)の元金償還開始等で26百万円増、繰出金は26百万円増となり、分子全体では147百万円の増となったことが影響している。今後は、合併以降に着手した起債依存型事業の地方債の償還がピークを迎えてくることから、比率は上昇に転じていく見込となっているが、引き続き行財政改革の推進等により経常経費の縮減に努め、経常収支比率の上昇に歯止めをかけていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

住民基本台帳人口は、平成29年1月1日現在7,525人と平成24年から944人減少し、人口減に歯止めがかからない状況であるが、人件費については、平成18年の合併以降平成27年度まで、5減1増の職員採用を完全実施してきており、平成28年度以降は2減1増の職員採用を目標としている。平成28年度は前年比2名減が主要因で43百万円減となったが、物件費は、小中学校スクールバス運営委託料65百万円増が主要因となり全体で75百万円増となり、人口1人当たりの人件費・物件費等の額は11,948円上昇した。類似団体と比較して20,780円低いのは、ゴミ処理業務と消防業務を一部事務組合に委託していることが挙げられる。今後も物件費等の更なる縮減に努めるとともに、定住対策にも力を入れて人口減少に歯止めをかけるほか、行政コストの縮減も図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

合併以降、平成27年度まで定員適正化計画による5減1増を着実に推進してきたことにより、平成24年度以降は、ラスパイレス指数は類似団体平均を下回ってきており、平成28年度では93.9となっている。平成28年度において指数が下降しているのは、県人事委員会勧告に準拠し人事院勧告の給与引き上げ改定を行ったものの、職員の年齢階層の変動により指数を押し下げたためである。今後も、人事院及び県人事委員会勧告の内容に準拠し、適正な給与水準を目指すことにしている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

これまで定員適正化計画や集中改革プランといった行財政改革を実施してきており、合併時から32名減の96人となったが、人口も合併から11年間で1,748人減少しており、平成24年度と比較し-0.28人/人口千人に留まっている。類似団体と比較して2.59人/人口千人少なくなっているものの、今後も少子化高齢化の進行や社会減による人口減少が続く見込みであることから、平成29年度以降は2減1増の職員採用を着実に推進して、引き続き定員の適正化に努めることにしている。

実質公債費比率の分析欄

平成22年度の13.3%から年々低下してきた実質公債費比率は、平成28年度は前年度と同数値の8.2%となった。これは下水道事業債などの公営企業債の元利償還金に対する繰入金の減少と、算入公債費等が増加してきたためであり、臨時財政対策債、過疎対策事業債、合併特例事業債などが地方債全体の75%以上を占めていることから、今後もこうした地方債の割合が上昇していく見込みとなっている。類似団体と比較しても0.3イント低くなっているが、平成29年度以降は標準財政規模の縮小もあり、同比率は上昇に転じ、将来的に類似団体を上回る恐れもあるため、今後は地方債発行額の上限を定めて、平準化を図りながら、比率の上昇を抑制していく。

将来負担比率の分析欄

平成21年度の77.4%をピークに年々改善され、平成28年度では3.5%となった。これは、公営企業債等繰入見込額の減少、定員適正化計画に基づく職員数削減による退職手当負担見込額の減少、また堅実な財政運営に努め基金の積み増しを行ったことによる基金残高の増加によるところが大きい。今後は、地方債依存型の大型事業の償還が始まり、地方債残高が増加していく見込みとなっているほか、普通交付税の合併算定替の段階的縮減に伴い標準財政規模が縮小していくことから、将来負担比率は上昇に転じる見込みとなっている。このため、今後の地方債発行額の抑制や基金造成を図り、同比率の上昇に歯止めをかけていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

合併以降、定員適正化計画に基づき職員採用を5減1増としてきた結果、平成28年度は、前年度から職員2名減の36百万円減となったほか、診療所医師報酬3百万円減があり、全体では40百万円減となったため、類似団体の平均より2ポイント低い20.9%となった。今後は当面の間、職員採用を2減1増とする計画であり、計画の着実な推進に努め、人件費の削減を図っていく。

物件費の分析欄

平成23年度から25年度は、類似団体の平均を上回る状況が続いていたが、全庁的に旅費を伴う出張や事業に係る物品購入等の節減の取り組みを行い、平成26年度から27年度まで類似団体平均を0.4ポイント下回る結果となった。平成28年度は、前年度比2.6ポイント増の15.0%と類似団体平均を1.4ポイント上回った。これは、事務補助員賃金の雇用日数増(5か月勤務×年2回までから、通年雇用に変更したこと)による賃金15百万円増や、小中学校スクールバス運行費65百万円増があり、全体では75百万円増となったことが、主要因である。今後は、2減1増の職員採用を計画しており、職員数の削減が続いていくことから、臨時職員の採用による賃金の増が見込まれるが、少子化に対応して保育所などの公共施設の統廃合を推し進め、抑制に努める。

扶助費の分析欄

合併以降、平成22年度までは3.3%~3.6%の間を推移してきていたが、平成23年度から27年度までは4.2%~4.4%と類似団体と比較して高止まりしており、平成28年度では1.1ポイント上昇して5.5%となった。これは重度訪問介護対象者の増による自立支援給付費などの社会福祉関係扶助費が大きく伸びたことが主要因となっている。今後も医療給付事業の対象年齢等の拡大や児童福祉関係などの社会福祉関係扶助費の伸びが想定されることから、扶助費は増加していくと見込まれている。また扶助費については国等の福祉政策による影響が大きく、今後の政策の展開によっては大幅な増となることも予想される。

その他の分析欄

簡易水道事業及び下水道事業における建設事業に伴い借り入れた公営企業債の償還費に対する繰出金が高止まりしていることから、類似団体の平均を大きく上回っている。下水道事業は公共下水、農業集落排水、漁業集落排水、合併処理浄化槽の全ての公営企業で建設事業が終了したことから、今後は繰出金が微減していく見込みである。簡易水道事業は、配水管敷設替等の大型事業が平成28年度で終了したが、今後は公営企業債償還額が徐々に増大する見込みで、それに伴い繰出金も増大するため、繰出金全体では、ほぼ横ばいで推移していく見込みとなっている。今後は繰出基準外支出について厳しく精査し、使用料の見直しなどにより繰出金の抑制に努めていく。

補助費等の分析欄

合併以降、類似団体の平均を下回っており、平成28年度では1.6ポイント下回っている。平成23年度に行った各種団体への町単独補助金の見直しの成果について平成28年度で点検を行った。今後も引き続き見直しを行うとことにしている。また、今後の同比率の動向は、産業振興策としての単独補助金や一部事務組合の負担金の増減に左右されることから、各種事務事業の動向を注視しながら可能なかぎりの縮減を求めていく。

公債費の分析欄

平成24年度は合併後の大型事業である八森地区統合小学校建設や新庁舎建設の元金償還が始まったため、比率は19.8%まで上昇したが、一方で償還終了したものもあり、総体として平成25年度から27年度までは、18.8%~18.9%と横ばいになった。平成28年度では平成23年度のポンポコ山公園パークセンター整備事業に伴う過疎対策事業債の元金償還開始により、前年度比1.2ポイント上昇し20.0%となった。今後は統合子ども園建設や防災対策事業の元金償還が始まることから、公債費支出が増加し比率が再び上昇していく見込みとなっているため、後年度の地方債の平準化や地方債の抑制を図っていくこととしている。

公債費以外の分析欄

経常収支比率の構成要素のうち大きい順に人件費20.9%、物件費15.0%、繰出金14.3%、補助費等12.3%となっている。人件費及び補助費等の比率は類似団体の平均を下回っているものの、公営企業会計等への繰出金が突出して大きく上回っており、下水道の加入率の向上と使用料の見直しが急務となっている。また、小中学校スクールバス運営委託料等の物件費が急増しており、指標を大きく押し上げているため、需要を正しく反映したサービス量の見直しを不断に行っていく必要がある。中期的にみれば人件費は減少傾向にあり、繰出金及び補助費等は横ばい、物件費は微増で推移する見込みであるが、自主財源に乏しい当町にとっては、今後の臨時財政対策債を含む交付税の推移により同比率は大きく左右されるため、引き続き経常経費の縮減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

衛生費は住民一人当たり47,256円で、類似団体を下回っているのは、一般廃棄物処理、し尿処理、斎場運営を広域市町村圏組合で運営していることが主要因である。今後は、広域市町村圏組合による一般廃棄物処分場の改築計画により、平成33年度から建設工事負担金が増加する見込みとなっている。商工費は住民一人当たり50,098円で、平成28年度において類似団体を大きく上回っているのは、平成28年度において実施した既存温泉井戸の老朽化に伴う温泉掘削工事96百万円増が主要因である。今後は大型建設事業を予定していないが、中小企業支援を目的とした貸付金100百万円を継続する予定となっているため、類似団体平均を上回る状態は続くと見込んでいる。消防費は住民一人当たり36,996円で、類似団体を下回っているのは、消防本部を広域市町村圏組合で運営していることが主要因である。今後は、広域市町村圏組合による消防自動車更新事業や、Jアラート更新事業、非常備消防設備の計画的更新、防災無線設備の維持管理等、財政需要が多いため、横ばいで推移するものと見込んでいる。教育費は住民一人当たり77,039円で、平成28年度において類似団体を下回っているのは、平成27年度において実施した統合小学校及び統合中学校改修事業818百万円皆減が主要因である。今後は、ICT教育の更なる推進のための機器等更新や、学習指導要領の改訂に伴うカリキュラム変更に対応するため新たな需要が発生することが見込まれるため、小中学校運営費の増を主要因として、増加していくと見込まれる。公債費は住民一人当たり114,527円で、平成28年度では平成23年度のポンポコ山パークセンター整備事業に伴う過疎対策事業債の元金償還開始により、前年度比では5,102円増加し類似団体を9,999円上回った。今後の地方債発行は、元金償還額を上限とすることを原則としながら、残高の増加に歯止めをかけていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額の住民一人あたりのコストは、844,091円となっている。人件費は住民一人当たり125,423円で、合併以降、定員適正化計画に基づき職員採用を5減1増としてきた結果、平成28年度は、類似団体の平均より9,178円下回った。今後は2減1増の職員採用を計画しており、計画の着実な推進に努め、人件費の削減を図っていく。物件費及び補助費等は、それぞれ住民一人当たり123,290円と109,022円で類似団体平均を下回っており、これは全庁的に旅費の実費精算の導入、経常経費の前年度比5%削減目標の設定等、費用節減の徹底を図り、また、各種団体への単独補助金の見直しを不断に行ってきた効果によるものである。今後も効率的な事務執行を念頭に事務事業の見直しを行うと共に、公共施設の統廃合を推し進め、抑制に努める。普通建設事業費は住民一人当たり84,271円で、平成28年度において実施した統合小学校及び統合中学校改修事業818百万円皆減の影響で大きく減少し、類似団体より84,597円下回った。今後予定されている大型建設事業は、平成31年度に峰浜地区統合子ども園建設事業、平成32年度に学校給食共同調理場改築事業となっており、その他の事業については、事業費の平準化を図りながら計画的に進めていく。公債費は住民一人当たり114,527円で、平成28年度では平成23年度のポンポコ山パークセンター整備事業に伴う過疎対策事業債の元金償還開始により、前年度比では5,102円増加し類似団体を9,999円上回った。今後の地方債発行は、元金償還額を上限とすることを原則としながら、残高の増加に歯止めをかけていく。貸付金は住民一人当たり27,243円で、基幹産業である漁業の振興と、中小企業経営支援に資する目的で、合わせて200百万円を年度内貸付していることが主要因となり、類似団体を21,916円上回る結果となった。今後も、年度内償還の確実性を検証しながら実施していく予定である。繰出金は住民一人当たり114,490円で、簡易水道事業及び下水道事業における建設事業に伴い借り入れた起債の償還費に対する繰出金が高止まりしていることから、類似団体の平均を大きく上回っている。今後は繰出基準外支出について厳しく精査し、使用料の見直しなどにより繰出金の抑制に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

平成28年度において、財政調整基金に274百万円積み増したことにより、基金残高は前年を上回った。実質収支は381百万円で前年比149百万円減となり、前年を3.02ポイント下回った。実質単年度収支が前年を下回ったのは、平成28年度において普通交付税が合併算定替えの段階的縮減が始まったことにより104百万円減となったことが主要因となっている。一般会計等が黒字を確保しているのは、普通交付税の合併算定替によるところが大きく、合併算定替の段階的縮減の初年度である平成28年度において実質収支及び実質単年度収支が大きく悪化したことを踏まえ、今後の普通交付税の更なる減額を見据えた行財政改革を一層推進していく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

一般会計については、財政調整基金の積立後においても黒字となっている。国民健康保険事業勘定特別会計については基金が底をついており、平成28年度においては、被保険者一人当たり賦課額を前年度比8千円引き上げたほか、保険税のコンビニ収納を開始し、収入確保に努めた。また、保険給付費の低減のため、集団検診の受診率向上を目指した受診勧奨等の保健事業の実施に努めた。その結果、平成28年度決算においては黒字額が改善した。平成30年度には、事業運営主体が秋田県に移行するため、平成29年度に、財政基盤強化のための基金造成や、保険給付費の低減につながる保健事業の更なる推進に努めることとしている。介護保険事業特別会計については保険料を据え置いても一定の基金残高があるため、比較的財政運営には余裕がある。八峰町農業集落排水事業特別会計については加入率が54.2%と低く基準外繰出しを実施していることで黒字となっている。八峰町営簡易水道事業特別会計はほぼ全世帯が加入していて、料金収入で運営が可能なことから、一般会計からの繰出しも基準内のみとなっていて、基金も造成できている。八峰町公共下水道事業特別会計については加入率が66.5%と低く基準外繰出を実施していることで黒字となっている。町営診療所特別会計については平成24年度までは診療報酬を主にした運営で黒字を維持していたが、平成25年度は医師退職により派遣医師で対応したため、診療報酬で運営ができずに平成25年度以降は繰出金を支出したことで黒字となっている。八峰町漁業集落排水事業特別会計については加入率64.0%と低く基準外繰出を行っていることで黒字となっている。今後、一般会計については普通交付税の合併算定替の段階的縮減が終了するまでは黒字で推移する見込みであるが、その後は厳しい財政運営が続くため、合併算定替終了後を見据えて、更なる行財政改革を推し進めていく必要がある。また、八峰町公共下水道事業特別会計については早期の加入率向上対策と料金の見直しの必要性に迫られている。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

元利償還金は前年比23百万円増加し、算入公債費等は6百万円減少している。これは公債費分での算入額が前年度比で6百万円増となったものの、事業費補正分での算入額が7百万円減となったほか、公債費充当特定財源が3百万円減となったことが主要因となっている。今後も合併関連事業等により、合併特例事業債の発行が見込まれ、元利償還金は伸びていくが、算入公債費等も増加していくことから、実質的な財政負担は大きくならない見込みである。公営企業債全般としてみると、元利償還金は簡易水道事業で増加傾向にあるものの、下水道事業では同建設事業の終了に伴って減少傾向にあることから、公営企業債の元利償還金に対する繰入金は、平成25年度以降も同程度で推移する見込みである。一部事務組合の地方債償還額も年々減少し、債務負担行為に基づく支出額についても減少していく見込みで、今後は建設事業費の限度額を設定することで地方債の発行を抑制し、公債費負担の平準化を図りながら適正な財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高については、平成27年度と比較して256百万円の減少となっている。これは、平成28年度に発行した過疎対策事業債などの地方債が前年度比560百万円減となったことが主要因である。公営企業債等繰入見込額は下水道建設事業の終了により繰出金の減となる一方、簡易水道事業では、平成28年度で終了した水道管敷設替等の施設改良事業に対する起債償還額に対する繰出金の増があるため、今後5年間(平成33年度まで)は横ばいと見込んでいる。退職手当負担見込額については、職員数の減が続くことや退職手当支給率の引き下げがあったことから、今後も減少を続けていく見込みとなっている。充当可能基金については、平成29年度までは財政調整基金へ積立を行う予定であり、毎年2億円を目標としている。基準財政需要額算入見込額は、地方債残高が減少していく見込みのなか、臨時財政対策債、災害復旧事業債、過疎対策事業債、合併特例事業債等の算入率の高い起債の割合が上昇していくため、今後は微減に留まる。平成28年度まで将来負担額は減少してきており、平成29年度以降も地方債発行額を元金償還額と均衡させることで将来負担比率の分子を縮小させることを目標とするが、合併算定替の段階的縮減に伴う普通交付税の減額が平成28年度から始まっており、平成29年度以降は、更に標準財政規模が縮小して同比率の分母の縮小が見込まれることから、今後も毎年シミュレーションを行い、比率の動向を注視して、健全な財政運営に努めていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成27年度においては、類似団体平均を1.3ポイント下回っている。これは、庁舎の火災により平成21年度に現庁舎を建設したことが主な要因である。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき遊休施設の除却を計画的に進めることにしており、保有する公共建築物の延床面積28%縮減を目標に指標が悪化しないよう努めていく。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は減少傾向にあるものの類似団体平均と比較して12.4ポイント上回っている。今後は、峰浜地区統合子ども園建設事業や学校給食センター改修事業等、地方債依存型の大型事業を控えており、地方債残高が増加していくことが予想され、将来負担比率は上昇に転じる見込みとなっている。このため、今後の地方債発行額の抑制や基金造成を図り、同比率の上昇に歯止めをかけていく。一方で、有形固定資産減価償却率は、類似団体平均を1.3ポイント下回っている。これは、道路台帳が平成25年3月に全路線廃止及び全路線供用開始となり、取得日を供用開始日に設定していることが主要因と考えられる。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき遊休施設の除却を計画的に進め、比率の上昇の抑制に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、平成28年度は前年度と同数値の8.2%となった。これは、臨時財政対策債、過疎対策事業債、合併特例事業債など交付税算入率が高い地方債が、地方債全体の75%以上を占め、実質の負担額が小さいことが要因である。今後もこうした地方債の割合が上昇していく見込みとなっているが、平成29年度以降は標準財政規模の縮小もあり、同比率は上昇に転じ、今後類似団体を上回る恐れがある。将来負担比率は、依然として類似団体平均を上回っているものの前年度から8.9ポイント低下した。これは、公営企業債等繰入見込額の減少、定員適正化計画に基づく職員数削減による退職手当負担見込額の減少、また堅実な財政運営に努め基金の積み増しを行ったことによる基金残高の増加によるところが大きい。今後は、統合小学校及び統合中学校の改修事業等、地方債依存型の大型事業の償還が平成30年度から始まり、実質公債費比率の上昇が見込まれるほか、峰浜地区統合子ども園建設事業や学校給食センター改修事業等の地方債借入により地方債残高が増加していく見込みとなっているなど、将来負担比率の上昇が懸念される。今後は地方債発行額の抑制と基金造成を図り、同比率の上昇に歯止めをかけていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率を施設類型別に比較すると、公営住宅の数値が類似団体と比較して21.3ポイント高い81.8%と、特に高くなっている。これは、公営住宅の建築年が昭和61(30年経過)から平成14年(14年経過)で、すべての公営住宅が耐用年数22年の半分を経過していることが原因である.今後は、計画的に点検及び補修を行い、長寿命化を図って行くこととしている。認定こども園・幼稚園・保育所では、50.5%と類似団体平均を4.4ポイント上回っているが、29年度において統合により遊休施設となった旧園舎2棟の除却を行っており、数値は改善すると見込んでいる。今後は、峰浜地区統合子ども園を平成31年度に建設し平成33年度を目標に開園することとしており、数値はさらに改善すると見込まれる。道路については、平成25年度に「公共土木施設維持管理の「基本方針」と「実施計画」」を策定し、作業方法による3つの維持管理区分(予防保全型・対症管理型・日常管理型)に分類したうえで、効率的・効果的に維持管理している。当町の道路台帳は旧町村ごとに整備され加除されない状態が続いていたが平成25年3月に全路線廃止及び全路線供用開始となり、取得日を供用開始日に設定しているため、20.1%と類似団体平均を35.9ポイント下回っている。公民館については、平成25年度に椿台地区及び滝ノ間地区、平成28年度に沢目駅前のコミュニティセンターを建て替えしており53.5%と類似団体平均と比較し11.2ポイント低くなっている。平成29年度においても高野々地区コミュニティセンターの建て替え事業を実施しており、数値はさらに改善すると見込んでいる。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

福祉施設の有形固定資産減価償却率は90.6%であり、類似団体平均を38ポイント上回っている。これは、耐用年数を経過した旧社会福祉協議会事務所が含まれているためであり、平成29年度において、当該建物の除却を行ったため、今後数値は改善すると見込まれる。消防施設の有形固定資産減価償却率は84.1%であり、類似団体平均を24.9ポイント上回っている。これは、昭和30年~40年代に建築された非常備消防施設のほとんどが木造で、耐用年数の22年を大きく経過していることによるものである。今後は消防団の適正配置の検討と併せて施設の統合を行い、存続されるものについては、計画的な施設の改修・改築を行う。遊休施設となったものについては、適切な時期に除却を行っていく。庁舎の有形固定資産減価償却率は25.2%であり、類似団体平均を32.6%下回っている。これは、平成18年度に峰浜庁舎が焼失したことが契機となり、平成21年度に現庁舎を建設したためである。今後は計画的に点検や改修等を行い長寿命化を図っていく。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から640百万円の減少(△2.8%)となった。事業用資産は、温泉開発事業などによる資産の取得額(192百万円)を、建物の減価償却による資産の減少が上回ったことなどから203百万円減少、インフラ資産は、資産の取得額(45百万円)を、道路や林道の減価償却等による資産の減少が上回ったことなどから430百万円の減少となった。一方、負債総額では、前年度末から71百万円の減少(8.8%)となった。減少額の大きなものは地方債で、借入額(538百万円)を償還額(793百万円)が上回ったため、255百万円の減少となった。平成29年度以降、峰浜地区統合子ども園建設事業などの大型建設事業を計画しているが、減価償却による資産の減耗や、地方債の償還額が借入額を上回ることなどから、資産及び負債の総額は減少が見込まれる。地方公営事業会計を加えた全体会計においても、簡易水道や下水道の建物及び導水管等の工作物の減価償却による資産の減耗により、資産総額は前年度末から763百万円の減少(△3.0%)となった。負債総額は、前年度末から332百万円の減少(△2.6%)となった。関連団体を加えた連結会計においては、資産総額は前年度末から692百万円の減少(△2.7%)となった。負債総額は、前年度末から37百万円の増加(+0.3%)となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は5,865百万円となった。そのうち、人件費等の業務費用は3,686百万円であり、補助金や社会保障給付等の移転費用は2,179百万円である。今後は、「八峰町公共施設等総合管理計画」に基づく公共施設の統廃合や除却のほか、平成32年度に予定される会計年度任用職員制度への移行に向けた職員配置及び業務の見直しなどにより、行政コストの削減を図る必要がある。地方公営事業会計を加えた全体会計においては、経常費用は8,041百万円となった。そのうち、人件費等の業務費用は4,201百万円であり、補助金や社会保障給付等の移転費用は3,840百万円である。一般会計に対して移転費用が増加した要因は、全体会計に国民健康保険事業勘定や介護保険事業勘定、後期高齢者医療特別会計などが含まれることによる。同様に、一般会計と比較して、簡易水道事業による水道利用料収入などにより経常収益は100百万円多くなっている。関連団体を加えた連結会計においては、経常費用は10,328百万円となった。そのうち、人件費等の業務費用は5,455百万円であり、補助金や社会保障給付等の移転費用は4,873百万円である。また、全体会計と比較して、町の第三セクターである有限会社峰浜培養やハタハタの里観光事業株式会社の事業収入により経常収益は585百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(4,745百万円)が純行政コスト(5,782百万円)を下回っており、本年度差額は1,037百万円となり、純資産残高は1,060百万円の減少(前年度末に対し7.3%)となった。純資産の減少は税収を大きく超えた行政コストによるものであり、今後も人口減少による収入減が予想されることから、「第2次八峰町総合振興計画」に基づく事務の効率化によりコスト削減を図るなど、計画的な財政運営に努める。地方公営事業会計を加えた全体会計においては、税収等の財源(6,674百万円)が純行政コスト(7,857百万円)を下回っており、本年度差額は1,184百万円となり、純資産残高は1,206百万円の減少(前年度末に対し△9.2%)となった。一般会計等以外で減少の大きなものは、国民健康保険事業勘定特別会計であり、205百万円の減少となっている。また、一般会計等に対し純資産残高が大きく減少している要因は、簡易水道及び下水道事業において、管路等一部の資産が評価中のため正確に計上されていない一方で、負債である地方債が計上されていることによる。関連団体を加えた連結会計においては、税収等の財源(8,220百万円)が純行政コスト(9,561百万円)を下回っており、本年度差額は1,341百万円となり、純資産残高は1,207百万円の減少(前年度末に対し△8.7百万円)となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は362百万円であったが、投資活動収支については、財政調整基金の積立(270百万円)を行ったことから、△324百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、△256百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から207百万円減少し、390百万円となった。地方債の償還額が現在の水準で続くことや、人口減少による税収等の収入減などが見込まれるため、財政調整基金の取崩により不足する収入を確保しながら、「第2次八峰町総合振興計画」に基づく中・長期財政計画を策定し、計画的な財政運営を行っていく。地方公営事業会計を加えた全体会計においては、簡易水道や下水道会計の使用料収入が含まれ、業務活動収支は711百万円であった。投資活動収支については△383百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入のおよそ2倍となったことから、△530百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から202百万円減少し、590百万円となった。関連団体を加えた連結会計においては、業務活動収支は809百万円であったが、投資活動収支については△474百万円となった。財務活動収支については△581百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から206百万円減少し、789百万円となった。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は類似団体平均を大きく下回っている。これは建物や道路等のうち、取得価額が不明なものについて、備忘価額1円で評価しているためである。歳入額対資産比率についても、備忘価額1円で評価された資産が多いことから、類似団体平均を下回っているが、今後資産の再評価により上昇が見込まれる。有形固定資産減価償却率については、平成21年度の新庁舎の建設や、平成27年度の統合小学校及び統合中学校の改修により、類似団体平均をやや下回っている。引き続き「八峰町公共施設等総合管理計画」に基づく公共施設等の維持、更新、除却及び統廃合を進めるとともに、施設ごとの詳細な計画を定めた個別施設計画の策定により、公共施設等の適正な把握と管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、備忘価額で評価している資産が多いことから、類似団体平均を下回っている。純資産については、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから、前年度末から7.3%減少している。今後も「第2次八峰町総合振興計画」に基づく人件費の削減等に取り組み、行政コストの削減に努める。将来世代負担比率についても、同様に備忘価額による評価のため類似団体を大きく上回っている。今後は菌床製造施設建設事業や峰浜地区統合子ども園建設事業などの実施により高い比率での推移が見込まれるため、「八峰町公共施設等「総合管理計画」に基づいた公共施設等の維持及び管理に努め、将来世代負担の適正化を図る。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均と同程度となっている。八峰町を含む1市3町の広域市町村圏組合による行政サービスの提供など、事務の共同処理を行いながら様々なコストの削減に努めているものの、税収等の財源が不足していることから、「第2次八峰町総合振興計画」に基づく行財政改革により今以上のコスト削減を図る。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債は類似団体平均をやや下回っているが、今後老朽化している施設への投資により負債が増加する可能性が高いため、「八峰町公共施設等総合管理計画」に基づく施設の統廃合など公共施設等の適正管理に努める。また、長期的な財政状況のシュミレーションなどにより、単年度の地方債発行額と元金償還額の均衡を図っていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、学校給食費の半額補助や町営子ども園使用料の3歳児未満半額補助及び3歳児以上無償化等の施策により経常収益が少なく、類似団体平均を下回っている。今後は、各施設の利用率の向上に取り組むとともに、適切な利用料等を設定するなど、周辺自治体や類似団体と比較しながら受益者負担を検討していく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,