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地方財政ダッシュボード

宮城県松島町の財政状況(2018年度)

🏠松島町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

前年度より0.01ポイント増加となっているが、類似団体と比較して0.01ポイント下回っており、また、全国平均・宮城県平均よりも下回っている。人口減少や高齢化率が進んでいることに加え、町税の減収などから類似団体平均を下回っており、今後もこの傾向は継続する見通しである。公共施設等の適切な管理・統廃合に加え、企業誘致・定住促進の推進、徴税の徴収強化を図り、歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

前年度より2.2ポイント改善し、類似団体と比較して4.4ポイント増となっている。保育士不足による保育士派遣業務等に伴う物件費の増等支出は前年同様の傾向であるが、企業の財産処分による一時的な法人町民税の増、地方交付税の増が経常収支比率を引き下げたものと考えられる。よって、今後も厳しい状況は変わらず、引き続き事務事業の見直しを進めるとともに、事業の優先度を確認し計画的に廃止・縮小を進め経常経費の削減を図る必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額は類似団体平均と比べて低くなっているが、平成26年度から徐々に増加してきている傾向がある。人口が減少していることが大きな要因であり、保育士不足による保育士派遣業務等に伴う物件費の増、公共施設の維持管理費の経費なども影響している。全国・県平均共に上回っており、今後も事業経費の精査・削減に努めていくとともに、事業の効率化、機械化による適切な定員管理を行い人件費の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度数値から0.2ポイント増加しているが、全国町村平均及び類似団体を下回っている状況であり、適正な水準内にあると考えられる。今後も人事院勧告に準拠し、適正な給与水準の保持に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年度より0.21ポイント増となっており、類似団体・全国平均と比較しても高い数値となっている。指定管理者制度等を導入していく取組を推進し、適正な定員管理に努めてはいるものの、保育士・保健師等の専門職や東日本大震災からの復興事業に対応する職員が求められているため、今後も同水準で推移すると予想される。事業内容等を精査し、まずは類似団体平均10.34を下回るよう適正な定員管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

前年度より1.3ポイント減となっており改善が見られるが、それでも類似団体と同等、県平均よりも0.7ポイント悪い数値となっている。下水道事業特別会計への元金償還に充てる繰出金が減少したことなどが要因だが、来年度には小学校屋根改修やフットボールセンター体育館改修に係る起債の償還開始があり、今回のように比率が大幅に減少することはないと思われる。起債に大きく頼ることのない財政運営に努め、比率の上昇を抑えていく。

将来負担比率の分析欄

前年度から24.5ポイント減となっており、全国平均に近い数値となっているが、類似団体内では悪い数値となっている。下水道事業特別会計への元金償還に充てる繰出金が減少したこと、地方債の現在高が平成29年度を下回ったことなどにより将来負担額が減少している。今後も地方債において、新規発行に際しては借入抑制を実施し、将来負担比率の適正化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は前年度から0.8ポイント減となり、類似団体平均に近づいている。内訳を類似団体平均と比較すると、職員給は10%以上低い値となったが、前年度に改定した影響で議員報酬が30%以上高い値となっている。今後も引き続き適正な定員管理を行い、人件費の抑制に努めていく。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は前年度より0.3ポイント減となっており、類似団体平均を3.6ポイント上回っている。平成30年度も前年に引き続き保育士不足による臨時職員賃金により物件費が増となっている。また、教育費の委託料が類似団体より多いが、これは指定管理委託料によるもので、その分賃金は低くなっている。現在進行中の保育所再編事業により人員の適正配置が実現すれば数値は改善するものと考えられる。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は前年度から0.5ポイント増、類似団体を2.0ポイント下回っている。少子化対策事業の推進や高齢化率の上昇などにより扶助費が増加傾向にあるが、類似団体平均と比較すると単独事業費が特に低く、人口一人当たりにかかる扶助費が全国でも低いことが分かる。今後も適正な運用に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は前年度から2.2ポイント減だが、類似団体を7.1ポイント上回っている。後期高齢者医療・介護給付費に係る繰出金は依然として多く、今後も同様の傾向が予想される。更に、現在は24,000千円弱だが、町内施設の老朽化が進んでいることから、維持補修費の増加も見込まれる。町全体で事業精査を行い額を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は前年度から0.7ポイント増、類似団体を3.4ポイント下回っている。引き続き金額の精査に努め総額は減少しているものの、他との兼ね合いでポイント自体は増となった。特に、単独で行う事業は類似団体に比べ80%低い値となっている。今後も事業の見直しを行い、補助金の交付について金額が適正か、事業の廃止が必要か等を検討し経費の縮減に努めていく。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は13.1ポイントであり、類似団体を1.6ポイント下回っている。前年度と大きく変わらず平均内を推移しており、今後も事業精査を行い、新規発行に際しては適切な処理に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は前年度から2.1ポイント減、類似団体を6.0ポイント上回っている。物件費については、保育士派遣業務委託や保育臨時職員賃金、扶助費においても少子化対策事業の推進や高齢化率の上昇などにより増加傾向にある。高齢者・介護への繰出金や維持補修費も今後増加する見込みである。引き続き事業経費の精査・削減に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は住民1人当たり92,437円で前年度から70%減少しているが復興事業に係る東日本復興交付金の積立金が事業進捗によって大きく変動するため、事業が完了するまでは増減がある。土木費は住民1人当たり223,653円、災害復旧費は1人当たり14,490円となっており類似団体平均より高い状況となっている。東日本大震災による復興・復旧事業により高水準となっている。農林水産業費は住民1人当たり46,489円となっており復興事業である農山漁村地域振興基盤総合整備事業により高い水準となっている。東日本大震災による復興事業完了までは住民1人当たりのコストは類似団体より高水準で推移すると予想されるが、その後の維持費等も考慮し事業の選択・精査を徹底し事業費の削減に努めていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費は住民1人当たり78,579円となっており県平均や類似団体平均と比べても低い水準となっている。ラスパイレス指数が92.5%で類似団体平均と比べて低いことが要因である。普通建設事業費は住民1人当たり135,996円と昨年度から減少しているが、類似団体平均と比べれば高水準となっている。また繰出金は住民1人当たり172,962円と類似団体最大値となっている。これらについては、東日本大震災復興交付金事業である避難道路整備事業や下水道整備事業に伴うものであり復興期間中は高水準で推移するものである。なお、普通建設事業費のうち更新整備に関しては類似団体平均を下回り、新規整備とは逆に低い水準で推移している。災害復旧事業費は住民1人当たり14,490円と昨年度から80%弱の減少となっているが、依然として類似団体平均と比べ高水準である。震災による橋梁災害復旧事業が大きな要因であり事業完了までは高水準が続くものである。積立金は住民1人当たり37,320円と昨年度から85%の減少となっているが、東日本大震災復興交付金の積立によるものであり、事業が完了するまでは高水準となる。復興事業により住民1人当たりのコストが高水準となっているが、その後の維持費等も考慮し事業の選択・精査を徹底し事業費の削減に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金については、事業の精査等により最低水準の取り崩しに努めているが、松島海岸駅整備事業及び保育所整備事業並びに施設老朽化対策事業等により財源不足が見込まれ、基金取崩で減少していくと考えられる。実質収支額については、引き続き黒字となっている。財政調整基金の標準財政規模比が大幅に下がったが、復興事業の進捗により震災復興特別交付税分が財政調整基金に出入りしているため、復興の進捗と共に下がりながら震災前の水準に近づいていく。今後は復興事業も完了に向かうため、事務事業の見直しを推進し、健全な行政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

連結実質赤字比率については、本町においては全会計で黒字を維持している。一般会計及び下水道事業特別会計においては復旧事業の影響により数値が変動する可能性が高いが、今後も各会計において適切な財源確保に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

本町における実質公債費比率については、平成30年度は7.8%であり平成29年度と比べると1.3ポイント減となっている。元利償還金については、平成29年度より増加しており、第五幼稚園建設事業・松島町児童館建設事業等の借入に係る元金償還開始により増となっているが、公営企業債の元利償還金に対する繰入金は減少していることから、合計で見ると元利償還金等(A)は平成29年度より減額となった。今後も小学校屋根改修や第2分団消防車庫・資機材庫建設に係る起債の償還開始により元利償還金については高い数値を推移すると見込まれる。新規発行に際しては起債に大きく頼ることのない財政運営に努め、実質公債費比率の上昇を抑えていく。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

本町における将来負担比率については、平成30年度は28.7%であり平成29年度と比べると24.5ポイント減となっている。地方債の現在高については、平成25・26年度で大型の借入を行っているが、平成27年度からは借入を抑制しており、今年度も平成29年度より残高が約2.1億円減少している。また、一般会計等における現在高の約半分は臨時財政対策債である。今後も新規発行に際しては、事業の緊急性・ニーズ等を的確に把握し適切な処理に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)・復興交付金事業の財源として配分されている東日本大震災復興交付金基金については、事業進捗により減少している。財政調整基金については、震災復興特別交付税の過年度精算分により取崩し額が増加したため減少している。(今後の方針)・東日本大震災復興交付金基金については復興交付金事業の進捗により減少していくもので事業完了後には余剰分を国に返還となる。財政調整基金については、震災復興特別交付税の未精算分も含まれており今後返還等となる予定である。また、直近で保育所整備や松島海岸駅整備事業等のハード事業が予定されており、他の事業精査と並行して行いながらも積立額は減少となる見込み。

財政調整基金

(増減理由)・復興事業に係る震災復興特別交付税未精算分が含まれていることから増加していたが事業進捗による精算により減少している。(今後の方針)・復興事業の進捗による震災復興特別交付税精算及び松島海岸駅整備事業、保育所整備事業や施設老朽化対策事業等による財源不足に係る基金取崩などで減少していく見込みである。

減債基金

(増減理由)・予算状況により積立・取崩ししておらず増減なし(今後の方針)・全体事業計画と地方債償還計画を踏まえ今後の予算状況により積立・取崩しを行う予定

その他特定目的基金

(基金の使途)・東日本大震災復興交付金基金:東日本大震災からの復興・復旧に係る避難道路整備事業や下水道整備事業等・震災復興基金:復興定住促進や住宅再建支援、防災対策事業等・庁舎建設基金:庁舎敷地購入・庁舎建設・ふるさと納税基金:寄附者の意向に応じた施策の推進・長寿社会対策基金:福祉活動の促進、高齢化社会に対応した施策の推進(増減理由)・東日本大震災復興交付金基金:国からの配分1.5億円、前年度事業精査による積戻金2.6億円の計4.1億円を積立する一方、避難道路整備事業や漁港関係事業に係る財源として約19億円を充当したことにより減少・庁舎建設基金:庁舎建設財源として毎年5千万円を積立することとしているため増加・震災復興基金:復興事業推進のため復興定住促進事業や津波被災住宅再建支援事業・防災行政無線個別受信機整備事業等の財源として約30百万円を充当したことによる減少(今後の方針)・東日本大震災復興交付金基金:復興交付金事業完了後、未執行分については国に返還予定・庁舎建設基金:現庁舎敷地は令和4年度までの借地となっており、今後の建替えや敷地購入のため毎年5千万円を積立予定・震災復興基金:復興事業に係る財源として取崩し予定で、基金中津波被災住宅再建支援分について残額を返還予定(今後の方針)

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本町における有形固定資産減価償却率については59.9%であり類似団体平均と比べると1.3ポイント高くなっている。内訳としては近年整備した避難所等の災害関連施設が全体数値を引き下げており、その他の多くの固定資産は数値以上に更新時期に来ている。公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づいた適正管理を推進していく。

債務償還比率の分析欄

本町における債務償還比率については707.3%であり類似団体平均と比べると247.0ポイント高くなっている。全国平均よりも宮城県平均の方が明らかに高いことから見ても、災害復旧にかかる地方債の発行や人口減少による業務収入の減により県全体でこの指標の値が悪いことが読み取れる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は年々下がってきているが、どちらの指標についても類似団体平均よりも悪くなっている。有形固定資産減価償却率の改善に努めつつ、将来負担比率をなるべく悪化させないよう財源の確保を徹底する。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

震災後の計画的な復旧・復興により、指標が改善されながら推移していることが読み取れる。しかしながら類似団体平均と比較すると高止まりしている傾向にあるため、引き続き財源確保等による起債額の抑制を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路については類似団体平均よりは低いが宮城県と比較すると高くなっている。内訳としても近年整備した避難道路等が全体数値を引き下げており、その他の多くの道路は数値以上に更新時期に来ている。橋りょう・トンネルについては近年において計画的な更新を行っており、数値を見ると全国平均よりも低い数値となっている。公営住宅については類似団体平均を大きく下回ったが、町営住宅総数の4分の1程度が東日本大震災の災害公営住宅であり、建築から間もないことから大きく数値を引き下げている。宮城県平均の低さも同様の理由からと考えられる。漁港・港湾・については平均値よりは良いものの数値を見ると全国的に同様の状況になっていると考えられる。認定こども園・幼稚園・保育所については、更新時期に来ている施設が多くあるため高い数値となっている。現在幼保連携を含めた今後の方針について策定中であり、改善に向けた施策を行うこととしている。学校施設については老朽化が進んでおり、高い数値となっている。令和元年度個別施設計画を策定済であり、長寿命化に向けた取組を行っている。児童館については建設して間もないため問題ない。公民館については、地域にある分館の老朽化が進んでおり、高い数値となっている。それぞれの施設については平成29年度に策定した公共施設等総合管理計画や、各個別施設計画に基づいた適正管理を推進していく。一人当たりの数値については、道路は概ね類似団体平均に近い値である。全国的に見ると人口に比して道路延長が長いが、町の面積が大きいためやむを得ないと考えられる。橋りょう・トンネル・漁港・港湾などは自治体の立地によるため平均との比較は難しいが、低い値となっている。新たに造成することは考えにくいため、既存施設の適正管理に努める。その他施設についても類似団体と近い数値になっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

体育館・プールについては比較的新しく、数値も低いものとなっている。個別施設計画等による長寿命化に努める。福祉施設については、老朽化が進んでおり高い数値となっている。更新や集約・統廃合など事業の方向性を含めた検討が始まっており、近年中に改善される見込み。消防施設については比較的高い数値となっている。現在震災後の災害対策事業として順次更新をおこなっており、近年中に改善される見込み。庁舎については震災後に建て替えており、数値も低いものとなっている。個別施設計画等による長寿命化に努める。一人当たりの数値については概ね類似団体平均と同程度となっている。人口が年々減少しており、他の類似団体同様、今後全国・宮城県平均からは更に乖離していくものと思われる。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

資産のうち有形固定資産は、小・中学校の土地、建物、工作物など事業用資産が119億2,934万円、道路・橋梁の土地、工作物などインフラ資産が303億1,820万円計上されています。平成30年度は、建物として第5分団消防車庫(消防詰所)等、工作物として町道根廻・磯崎線等が新たに資産として計上されています。今後は震災関連資産の増加が落ち着き、老朽化した有形固定資産の改修・統廃合が課題となってきます。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

人件費は、10億9,647万円(コスト全体の13.3%)で、その内、職員給与費は7億3,530万円です。物件費等は、32億454万円(コスト全体の39.0%)です。内訳は、物件費が11億6,504万円、公共施設などの維持補修費が9,503万円、減価償却費が18億9,918万円です。その他の業務費用には、地方債の利子償還分や不納欠損額などを計上しています。移転費用は、39億2,775万円(コスト全体の47.8%)となっています。これは主に、広域消防費(負担金)や臨時福祉給付金などの補助金等や他会計への繰出金、社会保障給付が多いことが原因です。また、少子高齢化が進む中、社会保障関係費は今後も増加していくことが予想され、将来の財政を圧迫する大きな要因になりうると考えられます。町の高齢化率も上昇しており、今後も社会保障関係費が大幅に伸びていくことが懸念されます。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

平成30年度の松島町の期首純資産残高は457億3,136万円、期末純資産残高は430億6,200万円で、純資産が26億6,935万円減少しました。これは、当年度に発生した純行政コストが、税収や補助金等の財源で賄いきれなかったことによるものです。松島町の行政コスト対税収等比率は144.2%です。平均的な値は、90~110%の間とされています。社会保障費が増加傾向であること、他会計への繰出金が占める割合が多いこと等が原因であり、今後もこの傾向は続く見込みであることから、物件費の縮小と経常収益の増収を図る必要があります。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

業務活動収支額は5億5,900万円、投資活動収支額は5億6,545万円、財務活動収支額は△2億889万円で、その結果、歳計現金が20億415万円減少しました。業務活動収支の部の業務支出合計は63億8,878万円で、主な支出は、人件費支出10億9,906万円、物件費等支出13億535万円となっています。一方、業務収入合計は59億1,717万円となっています。主な収入は、税収等収入49億8,981万円となっています。投資活動収支の部の支出合計は23億7,221万円で、主な支出は、復興事業に係る公共施設等整備費支出となっています。収入合計は29億3,766万円で、主な収入は、財政調整基金やその他特定積立基金などの基金取崩収入となっています。財務活動収支の部の支出合計は4億9,416万円で、全額地方債償還支出です。収入合計は2億8,526万円で、全額地方債発行収入です。松島町の歳入額対資産比率は4.7年です。平均的な値は、3.0~7.0年の間とされています。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

当町は観光地であり、震災以降、非常時に観光客を収容できる規模の避難施設などが整備された結果、住民一人当たり資産額が類似団体平均よりも大幅に高くなっています。震災以降に整備を始めた資産が年々完成しており、歳入額対資産比率も類似団体平均を超えました。また、減価償却率も新しい避難施設により大幅に引き下げられており、類似団体平均に近い値となっていますが、避難施設を除くと大きく増加します。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

資産は497億8,657万円、負債は67億2,455万円、純資産は430億6,201万円です。資産に対する負債と純資産の割合は、おおよそ1:6です。主な資産は、道路・橋梁、小・中学校などの有形固定資産であり、その金額は424億1,528万円です。その他に投資及び出資金が5,530万円、基金(固定資産、流動資産の合計)が55億9,990万円、現金預金が13億7,224万円、債権(長期延滞債権、長期貸付金、未収金及び短期貸付金)が3億2,981万円あります。過去の不納欠損実績を踏まえると、債権のうち699万円は、徴収不能と見込まれます。主な負債は、地方債(定負債、流動負債の合計)56億6,129万円、退職手当引当金8億9,731万円、預り金8,933万円です。人口に対して面積が大きく、避難施設など備えるべき資産もあるため、数値として高く出ます。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

経常費用は85億4,167万円、経常収益は5億7,460万円であり、(差引)純経常行政コストは79億6,707万円です。経常行政コストの内訳を性質別にみると、人件費10億9,647万円、物件費等32億454万円、その他の業務費用3億1,291万円、移転費用39億2,775万円です。一方、経常収益は、使用料及び手数料8,782万円、その他の収益4億8,677万円です。当町は高齢化著しく、類似団体平均よりも住民一人当たりの行政コストが高くなっています。社会保障費が今後も大幅に伸びていくことが懸念されています。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

地方債残高(固定負債、流動負債の合計)は56億6,129万円となりました。また、地方債残高のうち31億2,454百万円(55.1%)は臨時財政対策債です。臨時財政対策債は毎年借入を行っており、令和元年度以降も震災復興関係の借入が予定されていますが、償還額以内に収まる予定のため地方債残高は減少する見込みです。退職手当引当金は、職員数の増加はありませんが、職員の平均年齢が上昇するため同程度の規模を保つ見込みです。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

経常収益については総額で5億7,460万円を計上しています。類似団体平均と同等となっており、退職手当引当金の減少によるものです。令和元年度の消費増税による施設維持費への影響を考慮し、受益者負担の適正化の観点から、使用料及び手数料の見直しを検討しています。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,