大分県:電気事業

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経営比較分析表(2015年度)

経営の状況について

本県の電気事業は、水力発電として大野川発電所外11発電所で、最大出力70,280kWの発電を、太陽光発電として平成25年7月から松岡太陽光発電所で最大出力1,362kWの発電を行っている。平成27年度は、発電所オーバーホール工事等による電力料収入の減や退職手当にかかる知事部局負担金の減などにより総収益が対前年度比△1.8%と減少したものの、修繕費等の営業費用や企業債の支払利息、特別損失などの総費用がこれを上回り対前年度比△3.9%となったことから、経常収支比率並びに営業収支比率は100%以上となっている。また供給原価は全国平均より低くなっており、安定した経営を営みつつ、より低廉な電力を供給している。流動比率は、毎年十分な支払能力を有している。公営企業会計基準の見直しにより平成26年度決算からそれ以前は固定負債に仕訳されていた1年以内に償還予定の企業債や特別修繕引当金等の各引当金が流動負債へ仕訳されるように変更されたが、それでも十分な支払能力を有している。また財務の長期健全性を示す自己資本構成比率は79.2%であり、前年度に比べ0.7ポイント上昇している。

経営のリスクについて

○水力発電設備利用率は、渇水により平成25年度は全国平均より低くなっている。修繕費比率は、設備の経年劣化により全国平均より高くなっているが、保安規程により10~12年ごとに実施する発電所オーバーホール工事については、計画的に特別修繕引当金に引き当てを実施している。また、耐用年数を経過した設備は、その劣化度や費用対効果等を勘案して改良工事を実施することとしている。企業債残高対料金収入比率は、計画的に企業債の償還が進んでいることに加え、近年は新たな起債を行っていないことから、順調に低減している。有形固定資産減価償却率は、固定資産の老朽化が進んでいることから全国平均に比べて高い比率となっており、老朽化した発電所のリニューアル事業を計画的に実施していくこととしている。○太陽光発電設備利用率は、全国平均より高く推移している。修繕費比率は、本太陽光発電所は平成25年度に運転開始したばかりであり、当初は太陽光発電所建設時の道路補修があったものの、以降は大きな修繕は発生していない。企業債残高対料金収入費率は、建設に要する経費について企業債を活用せず、これまで水力発電で蓄積してきた資金を活用したことから0%である。有形固定資産減価償却率は、平成25年度に運転開始し減価償却が始まっていることから、計画どおりの推移となっている。FIT適用終了(H45)後の事業のあり方については、現時点で方針は定まっていないが、平成29年度に策定を予定している経営戦略において、FIT終了による電力料収入の変動リスクも踏まえ検討していきたいと考えている。

全体総括

以上のことから、大分県電気事業は、安定した電力料収入に支えられ良好な経営を維持していること、短期・長期の財務の安定性が保たれていることなどから、経営成績、財務状態ともに概ね健全であると考えられる。今後は、平成29年度に策定予定である10年間の経営戦略やその実施計画である4年間のアクションプランに則り、老朽化・耐震化対策の推進による安全・安心の施設づくり、持続可能な安定した経営基盤の確立、県民福祉の向上、地域社会への貢献等を推進していく。

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