地域において担っている役割
地域の中核的な基幹病院として、総合周産期母子医療センターによる周産期医療をはじめとした高度特殊医療を担い、また、自治体病院として感染症医療やへき地医療を担ってきた。しかし、平成28年熊本地震により被災し、以降は診療が制限されている。
経営の健全性・効率性について
平成27年度まで、病床利用率は類似平均を下回るものの、入院・外来単価の上昇を図り、累積欠損金の解消に努めていた。しかし、熊本地震被災により、入院機能を担う2棟が使用不能となったことから入院収益が95%減少するなど、収益が大幅に減少し累積欠損金が増大した。累積欠損金の増大は、移転新築が完了する令和元年度まで続く見込みである。なお、稼働病床で計算した結果、平成30年病床利用率が80%を超える結果となった。
老朽化の状況について
建物3棟のうち入院機能を担う2棟については、昭和54年及び昭和59年の竣工ということもあり、かねてより老朽化が進んでいる状態であった。しかし、熊本地震被災により使用不能となったことから、さらに老朽化が進行した。なお、これら2棟については、平成29年度に減損会計を適用して帳簿価額を減額した。
全体総括
熊本地震被災前までは、収益・費用の効率化を図り経営の健全化に努めてきたが、被災後は、診療制限により収益が大幅に悪化したことから、給与費や材料費等を賄えず、資金不足を生じている。見込まれる資金不足額に対しては、平成28年熊本地震減収対策企業債の起債をもって充当している。この状況は、令和元年の移転新築まで続くものと予想される。なお、移転新築後は、高い老朽化度も解消される見込みである。