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2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2022年度)
財政力
財政力指数の分析欄
類似団体と比較し、第1次産業人口の割合は高いものの第2次産業人口の割合は高くはなく、製造品出荷額や事業所数が少ないこと等の産業構造上の税収基盤が強くはない状況にあり、財政力指数は下位にある。令和4年度は、市民税や固定資産税等の基幹税収が増加する一方で、社会保障関係経費も増加していることから、昨年度から変動していない。引き続き、企業誘致や地場産業の育成に努めるとともに、将来への投資と本市の魅力向上につながる事業を着実に進めることで、税源の涵養を図り、財政力の向上に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
令和4年度は、税収等の増加に伴う地方交付税等の減少により経常一般財源が減少した一方で、自立支援給付費等の扶助費や熊本地震関連分等の公債費の増加により経常充当一般財源が増加したため、前年度比2.2ポイント悪化した。類似団体と比較すると、本市は地下鉄等の大規模な公営企業を持っておらず、企業会計への繰出金の規模が比較的小さいこと等により、上位にある。将来に渡って扶助費等の増加が見込まれることから、引き続き税源の涵養や行財政改革の推進等による適正な財政運営に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
平成30年度以降、被災者の恒久住宅への転居が進み、被災者住宅支援事業が減少したものの、令和2年度の学校給食費の公会計化に伴う材料費等の増加や、令和3年度の新型コロナウイルスワクチン接種経費等の増加により、近年増加して推移した。令和4年度は、庁内の総合行政情報システム整備経費や個人番号カードの普及促進のための社会保障・税番号制度推進経費等の物件費の増加等により、前年度比2,854円増加した。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
平成30年度から給与制度の総合的見直しの実施に伴い、国と同水準で推移した。令和2年度は、職員の平均年齢の低下に伴う平均給料月額の減等により、前年度比0.1ポイント減少したものの、令和3年度及び令和4年度は、横ばいで推移した。引き続き人事委員会の勧告等を踏まえながら、給与制度を継続的に点検し、必要に応じて見直しを行う。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
平成28年熊本地震発生後は、定員抑制を見合わせて復旧復興業務に必要な人員確保に努めてきたものの、令和元年度は、熊本地震の復旧復興業務の進捗等に伴い、やや減少に転じた。令和2年度は、臨時的任用職員の任用の適正化等により前年度比0.56人増加した。令和4年度は、新型コロナウイルス感染症対応のための任期付職員の雇用等により前年度比0.09人微増した。引き続き第7次熊本市定員管理計画に基づき必要な人員を確保しつつ、民間活力の活用や事務の効率化等による職員数の適正化に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
投資的経費の抑制や繰上償還の推進等に取り組んできたこと等により、近年低下傾向にある。令和4年度は、熊本地震及び熊本城ホール分の元金償還金が増加等したものの、標準財政規模(分母)の減等により、前年度比で増減はなかった。平成28年熊本地震関連経費の元金及び利子の償還が順次開始していることから、引き続き事業の選択と集中を図り公債費の抑制に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
令和元年度は、地方債現在高が増加したこと等により悪化したものの、令和2年度以降は、基準財政需要額算入見込額や市税収入等の増収に伴う標準財政規模の増加等により、改善して推移した。令和4年度は、充当可能基金の増加や交付税措置率の大きい地方債の増加に伴う基準財政需要額算入見込額の増加等により、前年度比2.4ポイント改善した。今後も引き続き持続可能な財政運営を行うため、計画的な市債発行等により、財政の健全化に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)
人件費
人件費の分析欄
類似団体と比較し、人口当たりの職員数が多いこと等の要因により、依然として高い水準で推移している。令和4年度は、人事委員会の給与勧告等に伴う期末手当や勤勉手当、全国都市緑化フェアの開催等に伴う時間外勤務手当が増加したものの、定年退職者数の減等による退職手当の減少により、前年度比で増減はなかった。引き続き民間活力の活用や事務の効率化等により、人件費の適正化に努める。
物件費
物件費の分析欄
類似団体と比較し、当初予算編成時における事業のスクラップや見直し等の要因により、低い水準で推移している。令和4年度は、庁内の総合行政情報システム整備経費や個人番号カードの普及促進のための社会保障・税番号制度推進経費等の増により、前年度比0.1ポイント増加した。引き続き必要性や効果等を検証し、継続的な見直しに努める。
扶助費
扶助費の分析欄
類似団体と比較し、ほぼ同水準で推移している。令和4年度は、放課後等デイサービスや児童発達支援サービスの利用者増に伴う障がい者自立支援給付費の増、人事院勧告による公定価格上昇の影響による施設型・地域型保育給付費の増等により、令和3年度から0.4ポイントの増加となった。今後も単独事業の見直し等に努める。
その他
その他の分析欄
類似団体と比較し、ほぼ同水準で推移している。令和4年度は、後期高齢者医療保険会計繰出金の増加等により、充当一般財源(分子)が増加したため、前年度比0.2ポイント増加した。引き続き保険料収納率の向上や医療費の適正化等に取り組み繰出金の抑制を図ること等により、税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。
補助費等
補助費等の分析欄
類似団体と比較し、各種団体等への補助金や事業負担金の精査等の要因により、低い水準で推移している。令和4年度は、病院事業会計繰出金や下水道事業会計繰出金の増等により、前年度比0.6ポイント増加した。引き続き必要性や効果等を検証し、継続的な見直しに努める。
公債費
公債費の分析欄
熊本地震関連の地方債の償還について、据置期間が終了した元金償還が本格化したこと等により、前年度比0.9ポイント増加した。当面、熊本地震関連の地方債の償還が本格化すること等により、公債費の増加が続くと見込まれるため、計画的な市債発行により公債費負担の抑制に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
類似団体と比較し、令和3年度を除き低い水準で推移している。令和4年度は、扶助費等の経常的経費の増加や臨時財政対策債の発行額が約33億円減少したこと等により、前年度比1.3ポイント増加した。今後も扶助費等の増加の影響が見込まれるため、税源の涵養や行財政改革の推進等に取り組むことで、当該比率の改善に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
目的別歳出の分析欄
・総務費は、住民一人当たり43,146円となっている。決算全体でみると、前年度と比べて約7億円増の約316億円となっており、事業進捗による国際交流会館の施設整備経費が減少したものの、公共施設長寿命化等基金積立金が増加したことが主な要因となっている。・民生費は、住民一人当たり209,120円となっている。決算全体でみると、前年度と比べ約122億円減の約1,530億円となっており、施設型給付費や放課後等デイサービス給付費が増加したものの、子育て世帯関連給付金等の給付金事業が減少したことが主な要因となっている。・衛生費は、住民一人当たり43,766円となっている。決算全体でみると、前年度と比べ約7億円増の約320億円となっており、新型コロナウイルスワクチン接種経費が減少したものの、PCR検査費等の新型コロナウイルス感染症対応経費が増加したことが主な要因となっている。・農林水産業費は、住民一人当たり7,639円となっている。決算全体でみると、前年度と比べ約27億円減の約56億円となっており、事業完了による国産農産物供給力強靭化対策事業が皆減したことが主な要因となっている。・土木費は、住民一人当たり64,119円となっている。決算全体でみると、前年度と比べ約61億円減の約469億円となっており、事業進捗による道路橋梁改築経費やシンボルプロムナード等整備事業が減少したことが主な要因となっている。・教育費は、住民一人当たり100,416円となっている。決算全体でみると、前年度と比べ約15億円増の約735億円となっており、事業進捗による小・中学校の校舎増築等の義務教育施設整備事業が増加したことが主な要因となっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
性質別歳出の分析欄
・歳出決算総額は、住民一人当たり551,180円となっている。・主な構成要素について人件費は、住民一人当たり117,287円となっている。決算全体でみると、前年度と比べて約1億円減の約858億円となっており、人事委員会の給与勧告等に伴う期末・勤勉手当が増加したものの、定年退職者の減少等に伴う退職手当が減少したことが主な要因となっている。物件費は、住民一人当たり70,699円となっている。決算全体でみると、前年度と比べて約14億円増の約517億円となっており、総合行政情報システム整備経費や社会保障・税番号制度推進経費が増加したことが主な要因となっている。補助費等は、住民一人当たり33,200円となっている。決算全体でみると、前年度と比べて約9億円増の約243億円となっており、新型コロナウイルスワクチン返還金の皆増や全国都市緑化フェア開催推進経費が増加したことが主な要因となっている。普通建設事業費は、住民一人当たり57,515円となっている。決算全体でみると、前年度と比べて約105億円減の約421億円となっており、義務教育施設整備経費等が増加したものの、国産農産物供給力強靭化対策事業が皆減したことが主な要因となっている。扶助費は、住民一人当たり157,942円となっている。決算全体でみると、前年度と比べて約113億円減の約1,155億円となっており、コロナ禍における臨時の給付金関連経費が減少したことが主な要因となっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)
分析欄令和元年度及び令和2年度は、新型コロナウイルス感染症への対応分として財政調整基金の取崩しを行っており、実質単年度収支は赤字となった。令和3年度は、新型コロナウイルス感染症への対応や公債費に係る所要一般財源が増加したものの、市税収入や地方交付税が大きく増加し、実質単年度収支が平成30年度以来の黒字となった。令和4年度は、市税が過去最高となり、新型コロナウイルス感染症・物価高騰関連分の臨時特別給付金が大きく減少したため、実質単年度収支が引き続き黒字となった。今後も事務事業の見直しや統廃合など歳出の合理化等行財政改革を推進し、健全な行財政運営に努める。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)
分析欄国民健康保険会計について、収納率の向上等により令和2年度から引き続き黒字となっており、引き続き収納率の向上対策や医療費の適正化等に積極的に取り組み、単年度収支の黒字化を維持できるよう努める。水道事業会計について、節水機器の機能向上や節水意識の定着による収益の伸び悩みや燃料費高騰による支出の増加に加え、令和4年度に国債等の購入により黒字額が減少しているが、引き続き「熊本市上下水道事業経営戦略」に則った事業運営を行い、黒字化を維持できるよう努める。そのほかの会計についても、引き続き継続的な黒字額の維持・増加のため、健全な行財政運営に努める。
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実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄熊本地震関連の償還について、据置期間の終了に伴う元金償還の本格化等により、令和4年度の元利償還金(A)は増加した一方で、算入公債費等(B)として控除する災害復旧費等に係る基準財政需要額が増加したものの、元利償還金等の増加割合の方が大きく、実質公債費比率の分子は、前年度比約16億円増加した。
分析欄:減債基金減債基金積立額の統一ルールでは30年償還で設定されているものの、本市では27年償還(3年据置)で毎年度の発行額の積立額を設定しており、減債基金残高(D)と減債基金積立相当額(E)に乖離が生じる。
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将来負担比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄将来負担額(A)について、平成28年熊本地震に関連する事業の市債発行に加え、公共施設等の長寿命化に関連する事業の市債発行の増加等により、地方債の現在高は年々増加傾向にある。こうした中、これまでは充当可能財源等(B)である基準財政需要額算入見込額の増加等により、将来負担比率の分子は、2,000億円前後で推移している。令和4年度は、本市の公共施設の計画的な長寿命化及び更新を推進するための公共施設長寿命化基金や介護給付費準備基金への積立てに伴う充当可能基金の増加や、交付税措置が大きい起債の割合の増加に伴う基準財政需要額算入見込額の増加等により、将来負担比率の分子は、前年度比5.3ポイント減少し、直近5年間で最少となった。
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基金残高に係る経年分析(2022年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)将来の公共施設の更新に備えるため「熊本市公共施設長寿命化等基金」へ28億円を積み立てたことや、熊本城の復元整備等に備えるため「熊本城復元整備基金」へ7.2億円を積み立てたこと、事業者に対する利子補給事業に活用するため令和2年度に積み立てた「熊本市新型コロナウイルス感染症金融対策基金」を10.6億円取り崩したこと等により、基金全体の残高は、前年度比27.8億円増加した。(今後の方針)財政調整基金は、年度間の財源の不均衡を調整するための基金との性格を有しており、現時点においては、少なくとも現在の水準を維持する見通しであるが、今後も収支の状況を見極めながら、財政調整基金への積立を検討していく。減債基金は、事業への活用により減少傾向で見込んでいる。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和元年度及び令和2年度に新型コロナウイルス感染症対策関連の取崩しによりやや減少したものの、近年の実質収支の状況(平成30~令和4までの5か年平均で約60.9億円)が比較的良好であることから、令和4年度においては、災害等への備えなどの年度間の財源不足の調整に備えるため、財政調整基金への6億円の積立てを行った。(今後の方針)財政調整基金は、年度間の財源の不均衡を調整するための基金との性格を有しており、少なくとも現在の水準を維持する見通しであるが、今後も収支の状況を見極めながら、財政調整基金への積立を検討していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)平成28年熊本地震に係る災害復旧事業債等の償還のための取崩しを行った。(今後の方針)基金残高のうち52.8億円は、平成28年熊本地震に係る災害復旧事業債等の償還のために積み立てたものであり、今後、償還期の到来に合わせて取り崩していく。そのほか、財政状況に応じ、積立て及び取崩しを実施する予定である。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・熊本市公共施設長寿命化等基金:本市の公共施設の計画的な長寿命化及び更新を推進すること・熊本城復元整備基金:本市の貴重な歴史的文化遺産である熊本城の復元整備及び災害復旧並びにその過程の公開その他これらに関連する事業を実施すること(文化振興、災害対応)・熊本市平成28年熊本地震復興基金:平成28年熊本地震による災害からの早期の復興を図ること(被災者への直接的な支援や防災対策等)・熊本市新型コロナウイルス感染症金融対策基金:熊本県制度融資「金融円滑化特別資金」を利用した事業者に対する利子補給事業を実施すること(増減理由)・熊本市公共施設長寿命化等基金:公共施設の更新に備えるための積立てによる増加(28.0億円)・熊本城復元整備基金:寄附金等の積立てによる増加(8.3億円)、熊本城の復元事業に充てるための取崩し(1.1億円)・熊本市平成28年熊本地震復興基金:平成28年熊本地震に関連する事業に充てるための取崩し(1.3億円)・熊本市新型コロナウイルス感染症金融対策基金:利子補給事業充当のための取崩し(10.6億円)(今後の方針)・熊本市公共施設長寿命化等基金:今後の公共施設の整備を計画的に進めるため、今後、計画的に取崩しを行う予定・熊本城復元整備基金:平成28年熊本地震により被災した熊本城の早期復旧及び復元を図るため、今後も計画的に取崩しを行う予定・熊本市平成28年熊本地震復興基金:平成28年熊本地震による災害からの早期の復興を図るため、今後も計画的に取崩しを行う予定・熊本市新型コロナウイルス感染症金融対策基金:新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、売上高が減少した事業者の資金繰りの円滑化のため、今後、計画的に取崩しを行う予定
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
本市の有形固定資産減価償却率は、熊本地震により被災した施設の除却や、災害公営住宅、熊本城ホール等の供用開始により一時的に減少しているが、庁舎、学校、市営住宅等、建築から30年以上経過した建物が多く、公共施設の老朽化が進んでいる。今後も、「熊本市公共施設総合管理計画」に定めた資産総量の適正化などの3つの基本方針に基づき、公共施設マネジメントの推進に取り組んでいく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
本市の債務償還比率は、熊本地震の被災施設の復旧、災害公営住宅、熊本城ホールの整備等による市債残高の増加により、将来負担額が増加していることから、類似団体の平均を上回っている。今後も、投資的経費の総額管理等による計画的な市債発行により、比率の改善を図っていく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
熊本地震により被災した施設の復旧や、災害公営住宅、熊本城ホールの供用開始等の影響により、将来負担比率については、減少が続く類似団体と比較して概ね横ばいの状況が続く一方、有形固定資産減価償却率は、類似団体に比べて低い水準となっており、ここ数年は乖離が大きくなっている。今後も、既存資産の有効活用の観点から、各施設において策定を行う個別施設計画に基づき計画的な維持修繕に取り組むことで、財政負担の軽減や施設の長寿命化を図っていく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は、熊本地震に関連する事業の起債や臨時財政対策債の発行による地方債の現在高が増加した影響があるものの、分母となる標準財政規模の増加により前年度から減少している。実質公債費比率は、元利償還金が増加した影響があるものの、分母となる標準財政規模の増加により前年度から減少している。類似団体を継続して下回っているものの、熊本地震に関連する事業の起債の償還が令和3年度より本格化したことから、今後も引き続き、財政の中期見通しに基づく投資的経費の総額管理等による計画的な市債発行を行い、指標の著しい悪化を招かないよう図っていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
本市では、高度経済成長期及び人口増加が著しかった昭和50年代を中心に、庁舎、学校、公営住宅等を集中的に整備してきた。これらの公共施設のうち、公営住宅及び学校施設については、本市で保有する有形固定資産の大きな割合を占める状況にあり、また、有形固定資産減価償却率が60%を超えていることからも施設の老朽化が進んでいることが分かる。このため、学校、市営住宅においては、平成30年度(2018年度)に個別長寿命化計画を策定し、その他の施設についても、「熊本市公共建築物長寿命化指針」に基づき、令和元年度(2019年度)までに対象施設の個別長寿命化計画を策定した。これらの計画等に基づき計画的な維持修繕に取り組むことで、財政負担の軽減や施設の長寿命化を図る。なお、公民館については、熊本地震で被災した建物の建て替えを行ったことから、平成30年度(2018年度)の有形固定資産減価償却率が大きく下がっている。また、公営住宅については、災害公営住宅の供用開始により令和元年度(2019年度)の有形固定資産減価償却率が下がっている。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
本市では、高度経済成長期及び人口増加が著しかった昭和50年代を中心に、多くの公共施設を集中的に整備してきた。そのため、これらの時期に整備された施設を多く含む施設分類においては、有形固定資産減価償却率が類似団体の中でも高い水準にあり、特に市民会館は築後50年を越えているため最も高い水準となっている。一方で、体育館・プール及び消防施設については、新規スポーツ施設及び消防施設の供用開始により令和元年度(2019年度)の有形固定資産減価償却率が下がっている。また、福祉施設については、福祉施設を含む複合施設の供用開始により令和2年度(2020年度)の有形固定資産減価償却率が下がっている。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
・一般会計等においては、資産総額が7,957億円となり、前年度から50億円の減少となった。また、資産総額のうち有形固定資産の割合が91.4%となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、平成29年3月に策定した「熊本市公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設の更新等にあたり施設の複合化や類似施設の統廃合を図るとともに、施設の計画的な保全に取り組む。・水道事業会計等を加えた全体では、上下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて資産額が4,855億円多くなるが、負債についても、水道施設整備事業等に係る地方債を発行しているため、一般会計等に比べ3,515億円多くなっている。全体に熊本県後期高齢者医療広域連合等を加えた連結では、連結団体が保有している現金預金等の資産を計上したことにより、全体に比べて130億円多くなるが、負債についても、連結団体の未払金等の負債額を計上したことにより、全体と比べて15億円多くなっている。
2.行政コストの状況
・一般会計等において、純経常行政コストは、主に、特別定額給付金の皆減により、前年度から331億円の減少。また、純行政コストは、平成28年熊本地震からの復旧事業の進捗に伴い、災害復旧事業費が92億円と前年度と比べて8億円減少した結果、345億円の減少。災害復旧事業費は年々減少しているものの、今後も引き続き支出が見込まれることから、事業の効率化など経費の抑制に努める必要がある。・全体では、水道料金等を計上しているため、一般会計等に比べて、経常収益が493億円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の社会保険給付費等を計上しているため、経常費用が1,820億円多くなり、純経常行政コストは1,327億円、純行政コストは1,332億円多くなっている。・連結では、全体に加え、学校給食会等の連結団体の収益等を計上しているため、全体と比べて、経常収益が52億円多くなっている一方、熊本県後期高齢者医療広域連合の社会保障給付等を計上しているため、全体と比べて経常費用が948億円多くなり、純経常行政コストは896億円、純行政コストは897億円多くなっている。
3.純資産変動の状況
・一般会計等においては、前年度と比較し、純行政コストが345億円の減少となり、国県等補助金の減少(△486億円)等により財源が378億円減少した結果、本年度差額は33億円のマイナスとなった。これらに固定資産等の変動(前年度比△17億円)を加えた本年度純資産変動額は、50億円のマイナスとなっている。・全体では、国民健康保険や介護保険の社会保険給付費や、保険料等を計上した結果、一般会計等と比べて純行政コストが1,332億円増加した一方で、それに伴う財源も増加することから、本年度差額については110億円、純資産変動額は113億円の圧縮となっている。連結では、熊本県後期高齢者医療広域連合の社会保障給付等を計上したことにより、全体と比べて、純行政コストが897億円増加し、本年度差額は9億円マイナスとなった。
4.資金収支の状況
・一般会計等においては、前年度と比較し、業務活動収支は社会保障給付費の増加等により27億円のマイナスとなった。投資活動収支は8億円のマイナスとなった。一方で、財務活動収支が5億円のプラスとなった結果、本年度資金収支額は、前年度から△30億円の7億円のマイナスとなり、本年度末資金残高は103億円と減少した。今後も社会保障給付費の増加が見込まれることから、事業の効率化など経費の抑制に努める必要がある。・全体では、上下水道料金等の業務収入等が、物件費等の業務支出を上回り、業務活動収支は一般会計等と比べると251億円のプラス、投資活動収支は、上下水道会計の公共施設等整備支出等により、一般会計等と比べると213億円のマイナス、財務活動収支は、上下水道会計の地方債等償還支出等により、一般会計等と比べると44億円のマイナスとなった。結果、本年度末資金残高は440億円となった。・連結では、後期高齢者医療広域連合の業務支出等が、業務収入等を上回っており、全体と比べると業務活動収支は9億円のマイナス、投資活動収支は、社会福祉事業団の公共施設等整備費支出等により、全体と比べると1億円のマイナス、財務活動収支は、全体と比べると概ね横ばいとなった。結果、本年度末資金残高は496億円となった。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
・住民一人当たり資産額は、類似団体平均を大きく下回っているが、資産の多寡は減価償却率(資産の老朽化)(※)にも影響するため、今後も計画的な資産形成を進めていく必要がある。(※ただし、本市の場合、有形固定資産減価償却率も低い水準になっており、資産の老朽化が大きく進んでいるわけではない状況)歳入額対資産比率については、依然として、低い水準となっているが、前述のとおり、引き続き計画的な資産形成を考えていく必要がある。有形固定資産減価償却率についても、低い水準であるが、減価償却は毎年度進んでいくため、今後も計画的な施設の維持管理が必要である。
2.資産と負債の比率
・純資産比率が低いのに加え、将来世代負担比率は類似団体と比較するとやや高いため、今後将来世代負担比率が過度に増加しないよう、財政運営の中で留意する必要がある。
3.行政コストの状況
・住民一人当たり行政コストは、特別定額給付金の皆減により減少となった。類似団体を上回っているのは、熊本地震に伴う災害復旧事業費の影響が大きい。経常的なコストの見直しにより経常収益の増加等を図っていく必要がある。
4.負債の状況
・住民一人当たり負債額は、類似団体平均を下回っているが、今後も負債の大幅な増加を招かないよう努める必要がある。基礎的財政収支は、業務活動収支が、社会保障給付費の増加等により、前年度と比べ30億円のマイナス、投資活動収支については、14億円のマイナスとなった。結果、基礎的財政収支は前年度と比べ44億円のマイナスとなった。依然として熊本地震に伴う災害復旧事業費支出(92億円)の影響は大きく、類似団体平均値を下回る状況が続いている。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、依然として類似団体平均を下回っており、経常的なコストの見直しを図っていく必要がある。
類似団体【政令指定都市】
札幌市
仙台市
さいたま市
千葉市
横浜市
川崎市
相模原市
新潟市
静岡市
浜松市
名古屋市
京都市
大阪市
堺市
神戸市
岡山市
広島市
北九州市
福岡市
熊本市