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人口減少の主要因である生産年齢人口の減少が著しく、このことが消費動向にも甚大な影響を与えている。一方で、65歳以上の人口は増加傾向にあり、その割合は29年10月1日現在で35.3となっており、高齢化が進行している。このような人口の減少や高齢化の進行等により、本市の財政基盤は極めて弱く、類似団体平均を大きく下回っている。このようなことから、20年8月に「財政健全化計画」を策定し、歳入歳出両面の具体的な取組みを掲げ、行財政改革を実施してきたが、抜本的な財政構造の改善が果たせたとは言い難く、財政構造の強化を図るため23年8月に「財政構造強化指針」を策定し、健全な財政基盤を確立するための努力を引き続き行っていく。
平成28年度の経常収支比率については、歳出では、臨時財政対策債及び過疎対策事業債の元金償還額の増による公債費の増はあるものの、大牟田・荒尾清掃施設組合負担金の減などによる補助費等の減などにより、経常経費充当一般財源は2億90百万円の減となった。一方で、経常一般財源収入については、一部企業の業績不調による法人市民税の減や、普通交付税及び臨時財政対策債の大幅減などにより、全体で12億41百万円の減となった。この結果、経常収支比率は前年度から4.3ポイント悪化し99.2%となった。今後も「大牟田市財政構造強化指針」に基づき、積極的な企業誘致の展開や使用料・手数料の見直し等による財源の確保や、市債の新規発行額の抑制による公債費の縮減を図るとともに、26年度に策定した業務最適化計画に基づくさらなる職員配置の適正化や、公共施設維持管理計画に基づく維持補修費の平準化を図るなどの取組みを進め、財政構造の健全化を図っていく。
類似団体平均に比べ高くなっているのは、主に人件費に要因がある。類似団体と比較すると職員数が依然として多いため、今後も「職員配置適正化方針」(平成28.4851人⇒平成32.4812人(消防・病院部門除く))及び26年度に策定した「業務最適化計画」に沿って、業務の効率化による職員数の削減を進めていく。
ラスパイレス指数は、前年度に比べ0.7ポイント低くなったことにより、国の給与水準を示す100を下回ることとなった。指数低下の主な要因は、平成28年度に実施した「給与制度の総合的見直し」に伴う経過措置における給料の額の減少によるものである。今後においても、国や他団体の給与水準の状況等を踏まえながら、適正な給与水準の確保に努めていく。
類似団体平均を上回っている主な要因は、本市の高い高齢化率の影響から、高齢者福祉部門をはじめ、関連する部署へ要員を多く配置していること等が考えられる。職員数については、消防・病院部門を除いて平成16年度(1,287人)から13年間で448名(34.8%)を削減している。今後も引き続き、平成27年度に策定した「職員配置適正化方針2016」に基づき、多様な任用形態の活用や「大牟田市業務最適化計画」に掲げる方策の推進、さらには民間活力等の導入による職員の適正配置に向けた取組みを行っていく。
類似団体平均を上回っている主な要因としては、一般廃棄物処理施設建設分の借入や退職手当債が多額であったこと、また公営企業債(公共下水道)の元利償還金のための繰出金が多額であることが影響している。19年度が地方債償還のピークであり、地方債新規発行額を元金償還額の2/3以内とする抑制を行うなど、公債費負担の軽減を図っていく。
類似団体平均を大きく上回っている主な要因としては、12~14年度に一般廃棄物処理施設建設分の借入(72億円)、16~20年度に退職手当の財源対策としての退職手当債の借入(29億円)及び公営企業債(公共下水道)の償還のための繰出金が多額であること、また、財政調整基金や退職手当積立基金等の充当可能な基金の残高が少ないことや、退職手当負担見込額が大きな割合を占めていることも影響している。しかし、地方債の新規発行額を当該年度の元金償還額の2/3以内に抑える等の取組により、地方債現在高が減少し、前年度より4.2ポイント改善している。今後も、財政構造強化指針に基づき、上記の取組みを継続し、地方債残高の抑制を行っていく。
類似団体平均を上回っている要因としては、依然として職員数が類似団体と比較して多いことにある。28年度は、退職者の減により退職金が1億64百万円の減となったことや、職員数の減(-5人)により職員給が60百万円の減となったことから、27年度に比べて総額2億54百万円の減となった。今後も新規採用者数の抑制や再任用職員・嘱託員の効果的な活用を促進するなど、「職員配置適正化方針」(平成28.4851人⇒平成32.4812人(消防・病院部門除く))及び26年度に策定した「業務最適化計画」に沿って、業務の効率化による職員数の適正化を積極的に進め、人件費の抑制を図っていく。
類似団体平均と比較すると低い水準となっているが、これは類似団体と比べて、業務の民間委託が進んでいないことが主な要因である。平成26年度に策定した業務最適化計画に基づき、業務の効率化のための見直しを進めていく。
昨年度より0.8ポイント悪化している要因としては、子ども子育て支援法の移行に伴う幼稚園等施設給付費が3億12百万円の増や障害者サービス給付費が2億66百万円の増などにある。類似団体平均を大きく上回っている要因としては、全国平均を上回る高齢化や旧産炭地域の特徴でもある生活保護率が高いことが影響している。生活保護者に対しては就労支援を強化するなど、今後も自立支援に努めていく。
類似団体平均を上回っている要因としては、高い高齢化率を反映し、介護保険会計、後期高齢者医療会計等に対する繰出金が多額であることが影響している。膨れ上がる一方の医療費や介護サービス給付費の増加に対し、予防の視点に立った施策の展開に努めていく。
類似団体平均を上回る要因として、本市は海抜0m以下の地域が多く雨水対策に多額の経費がかかっており、公共下水道事業会計への負担金が多額であることが影響している。
既発債の償還終了に伴い平成19年度をピークに過疎対策事業債、臨時財政対策債以外の元利償還額は減少しているものの、過疎対策事業債、臨時財政対策債の償還額が増加しているため、昨年度より1億51百万円の増となった。今後も、地方債新規発行額を元金償還額の2/3以内とするという取組みを継続するとともに、交付税措置のある地方債の活用により実質的な公債費を抑制していく。
類似団体と比べると市税等の自主財源の割合が著しく小さく、依存財源に大きく頼らざるを得ない収入状況にある一方で、歳出においては地域の経済状況や高い高齢化率等を反映し、扶助費が多額に上り、人件費負担も大きく、歳出の構成比率において義務的経費が大きな割合を占める財政構造となっている。今後、これまで以上に積極的な企業誘致の展開や、市税収入の高い収納率の維持やふるさと納税の周知等により自主財源を確保していく。また、職員配置適正化方針の達成等により、経常経費を抑制していく。
将来負担比率、実質公債費比率とも類似団体と比較して高い数値であるが、将来負担比率については類似団体よりも職員数が多く退職手当負担見込額が多いことや財政調整基金等充当可能基金が少ないことが、また、実質公債費比率については類似団体よりも地方債現在高が多いことが影響している。ただし、「職員配置適正化方針」(H28.4851人⇒H32.4812人(消防・病院部門除く)」などに基づく職員数の適正化による人件費の抑制や、地方債新規発行額を元金償還額の2/3以内とするという取組みの実施などにより、いずれの指標とも減少傾向にあり、今後もこれらの取組みを継続していくこととしている。
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