地域において担っている役割
近隣町唯一の急性期病床を有する病院として、地域住民の健康維持、地域医療に取り組み、小児から高齢者まで、すべての科の初期医療救急疾患に24時間365日対応できる医療体制を維持し、町内はもとより隣町、県外の救急患者を受け入れる救急告示病院としての役割も担っている。
経営の健全性・効率性について
病床利用率が70%以上へ回復し、この5ヵ年で最も高い利用率となった。その一方、職員の増員等による人件費の増加により、職員給与費対医業収益比率もこの5ヵ年で最高となった。経常収支比率が改善されず、3年連続100%を下回り、開院以来初めて累積欠損金が発生した。
老朽化の状況について
開院から20年を過ぎ、有形固定資産・機器備品ともに、減価償却率が年々上昇し5ヵ年で最高となっている。当初から整備している機器等の老朽化に伴う買い替えや、施設整備の修繕等を継続的に行っている状態である。
全体総括
経常収支比率の悪化、及び累積欠損金の発生の要因の1つは、新規採用による職員の増員や定期昇給による人件費の増である。職員の定年退職に備え、継続的に職員を採用していき、職員数が増加するため、今後も人件費は継続して増加していく可能性がある。また、老朽化に伴う医療機器等の更新による減価償却費の増も医業費用の増加に影響している。医療圏域の人口減に伴う患者数の減少は予測できるため、医業収益の増加は望みにくいが、近隣地域唯一の救急告示病院として担っている医療の提供を維持していくためには、必要な人材・人員・設備・機器等を確保・維持していかなくてはならず、収支比率を改善し累積損益を解消することは極めて難しい課題である。