経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、人口減少や節水型トイレの導入等の影響で使用料収入が減少して低下している。企業債残高については、整備事業が完了しており、新規での借入がないため年々減少し、比率も年々低下している。しかし、老朽化に伴う更新等の費用の確保が今後の課題である。経費回収率においても使用料収入の減少により低下傾向にある。汚水処理原価については、処理水量が減少しても維持管理費や地方債償還金等の一定の経費は必要であり、更に離島や海岸半島部という地理的要因で小規模となるため高くなっている。施設使用率においては、人口が減少している中、低下している。施設利用率を上げるために広域化等の効率化を図ることも考えられるが、離島や海岸半島部に点在しており隣接集落がなく、離れているため困難な状況である。水洗化率においては、新規接続世帯は増加している一方で既存接続世帯の転居等により微増となっている。現状では、経費を使用料収入で賄えていないため不足分は一般会計からの繰入金で賄っている状況である。使用料金の改正に関しては現在、他市等に比べて大変高い料金設定を導入しており利用者に更なる負担を求めるのは当面困難である。
老朽化の状況について
各施設、供用開始から13年から19年が経過している。管渠については、法定耐用年数が経過するまでには期間があり、大規模な修繕・改修は当面は発生しない見込みである。しかし、海沿いに位置していることから塩害等も予想されているため、適正な点検・維持管理に努める。また、設備・機器については、機能診断・長寿命化計画を策定し適正な更新・改修等を行う。
全体総括
今後も人口減少により、使用料収入の減少や施設利用率の低下が懸念されている。しかし、離島や半島に点在しているため、広域化や管路の延伸等による区域の拡大は困難な現状である。使用料金については、1月20㎥あたり津島地区が5,400円、遊子地区が4,795円と他市等に比べて大変高い料金設定を導入しており、利用者に更なる負担を求める改定は当面困難である。しかしながら、地区住民にとっては生活環境を維持し、快適な市民生活を送るために必要不可欠な施設であり、今後も安定的にサービスを提供をする必要がある。そのため平成30年度から順次、長寿命化計画を策定し、その計画に基づき効率的で適正な施設の更新等を行うとともに、人口減少に対応するために地域にあった処理方法等を検討する。また、経済的な理由で未接続の世帯に対しても、環境問題に理解を求めるなど普及・啓発活動を推進して理解を促し使用料の増収に努めるとともに、引き続き更なる経費削減に努める。