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平成28年度は前年度と比較して、基準財政需要額が臨時財政対策債振替相当額(需要額算定上控除される)の減少などで増額となったが、基準財政収入額も地方消費税交付金や配当割交付金などが増額となったため、単年度の指数は0.83、3ヵ年平均は0.82となった。今後も市税収入のみならず、収入の確保に努め財政基盤の強化を図ることが必要である。
平成28年度は前年度と比較して、歳入(経常一般財源+臨時財政対策債)は、市税は増額となったものの、各種交付金や普通交付税などが減額となり減少した。一方、歳出(経常経費充当一般財源)は、昨年度に続き公債費は減少したものの、社会保障関係費や病院事業会計負担金、退職手当などが増額となり増加し、その結果、経常収支比率は昨年度より3ポイント上昇し、91.1%になり、年々上昇傾向にあり引き続き経常経費の縮減を念頭に置いた手堅い財政運営が必要である。
南北に細長い地勢的要因による各種施設数の多さに起因する人件費や施設の維持管理費用をはじめとする物件費の割合が高く、例年、類似団体平均を上回っている。引き続き、定員適正化計画に則った適正な職員配置による人件費の抑制や、事務事業の見直し等による物件費の抑制を図る必要がある。
平成29年4月1日現在のラスパイレス指数は100.9となったが、これは、人事評価制度等を活用した積極的な若手の登用や、継続して職員の新規採用を行っていることによるもので、引き続き、給与体系等の見直しを進めつつ、引き続き適正な人事配置と行政効率の高い組織づくりを進めていく必要がある。
南北に細長い地勢的な要因から、消防職員の配置が他の自治体に比べ多い状況であることや、子育て世代に対する環境整備にも重点を置いていることから市内に公立9幼稚園設置していること等により、類似団体平均を上回っており、引き続き職員数を精査し、適正な職員配置に努めていく必要がある。また、一方で、今後の市政運営も踏まえ、将来にわたって市民の要請に応え行政サービスを提供するため、計画的な職員採用の実施も必要である。
平成28年度は前年度と比較して、一般会計等の元利償還金は減少し、また下水道事業等に係る準元利償還金は増えたが、それらに係る基準財政需要額算入額が増加したことなどにより、単年度の比率は前年度とほぼ同率となり、3ヶ年平均では0.2%と更に改善しており、今後も市債に大きく依存することのない健全な財政運営を図っていきたい。
平成28年度は前年度と比べて、将来負担額は、一般会計等の地方債現在高は増えたものの、他の負担見込額は減少し微減となった。一方、基金や基準財政需要額算入見込額などの充当可能財源等が増加したことにより、黒字の比率が6.2ポイント上昇した。なお、将来負担比率がないことは平成19年度から変わりないが、今後においても将来負担の大きな要因となる地方債残高の縮減等に取組み続けることで、財政の健全化に努めたい。
南北に細長い市形であるため、消防署等の各種施設を多く設置する必要があることなどにより、例年、人件費に係るものは類似団体平均と比較すると高い水準にある。平成28年度は人事院勧告による給料月額及び勤勉手当の支給月数の引上げ、扶養手当の見直し等により上昇した。今後においても組織機構の見直しや定員適正化計画に基づく人員の適正配置や給与体系等の見直しを進め、人件費のさらなる抑制に努める必要がある。
人件費同様、南北に細長い市形であるため、消防署やコミュニティ施設を多く有していることから、施設の維持管理費用が多くかかり、例年、類似団体平均を上回っている。平成28年度は、私立保育所実施負担金や臨時職員賃金の増加等に伴い、昨年度より増加した。今後も事務事業の見直し等による経費の縮減に努める必要がある。
扶助費に係る経常収支比率は、例年、類似団体平均を下回っている。平成28年度は、私立保育所保育実施負担金、障害福祉サービス費、子ども医療費等により増加しており、扶助費全体としては、年々増加傾向が続いていることからも、現行の福祉施策の見直し等の必要性は高まっている。
介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計など社会保障関係費への繰出金の額は年々増加傾向であり、今後においてもこの傾向は続くものと考えられるため経常収支比率悪化の要因となるものと考えられる。
一部事務組合や各種団体に対する支出が少ないことから、例年、類似団体平均を下回っているものと考えられる。また補助金の見直しも行っており、今後も引き続き不適当な補助金の見直しや廃止に向けた取り組みの継続が必要である。
平成24年度までは類団平均を上回っていたが、繰上償還等の実施により、平成25年度は類似団体平均値となり、平成26年度以降においては類似団体平均を下回っている。償還期間短縮化に伴い今後、元金償還金が増加する可能性もあり、新規借入額の縮減等に努める必要がある。
平成28年度は前年度と比べると人件費、物件費、扶助費、補助費の経常収支比率に占める割合が増加しているが、特に人件費、物件費、補助費においては、事務事業の見直し等により抑制の必要がある。
本市の将来負担比率については、平成19年度以降負担の数値がなく、実質公債費比率に関しても年々減少しており、両面において負担が低くなっており、類似団体内でも平均を下回っているが、今後においても引き続き後年度に負担の残らないよう、健全な財政運営を進めていく必要がある。
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