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歳出面では、物件費が増加したものの、公債費が減少となり、歳入面で市税が増加となったことで、トータルでは昨年度に比べて、1.7ポイントの改善となったものである。経常収支比率の構成比では、類似団体内平均値と比較して公債費が著しく高い水準となっている。令和元年12月に策定した中期財政運営方針(令和2~6年度)に基づき、地方債の繰上償還や遊休土地の積極的な売却など、今後も健全な財政運営に努め、財政構造の弾力性について改善を図る。
これまで取り組んできた職員定員の削減や平成27年4月以降も継続している一般職の給与カット(4~9%)などの効果で人件費は類似団体内平均値より低いが、物件費は委託料の増などで増加傾向にあり、令和元年度はふるさと応援寄附に係る経費が減少したものの、全体としては類似団体内平均値より高い水準となっている。今後も中期財政運営方針等に基づき人件費の適正化に努めるが、これと並行して事務の委託化の推進に伴う物件費の増加が見込まれる。今後は、人件費と物件費の合算額に注意した行財政運営を行うよう努める。
行財政改革推進計画に基づき、平成13年1月から24ヶ月昇給延伸を行ったこと及び平成23年度より給与カット(13~8%)等を行ってきた。平成27年4月1日に削減率を緩和(9~4%)したことで上昇したものの、依然として類似団体内平均値を大きく下回る低水準にある。
空港関連の都市基盤整備等の事業推進や空港を管轄する消防業務のために必要な人員を確保したことにより、類似団体内平均値と比較して高い水準となっていたが、消防事務を一部事務組合(泉州南消防組合)へ移管した平成24年度から同平均値と比較して低い水準となった。令和元年度は、ほぼ前年度並みで推移しており、今後も中期財政運営方針及び定員適正化計画等に基づき、より適正な定員管理に努める。
空港関連の都市基盤整備等を進め、その財源に地方債を活用した影響で、類似団体と比べて公債費の負担が重くなっている。令和元年度は、過去に発行した市債の一部の償還が終了したことなどにより、実質公債費比率は2.5ポイント改善したが、今後も中期財政運営方針に基づき、計画的な地方債の発行を行うことで、公債費の抑制に努める。
空港関連の都市基盤整備等を進め、その財源に地方債を活用した影響で、一般会計等の地方債現在高が標準財政規模の約3.02倍の703億円となっている。また、空港対岸の「りんくうタウン」の造成に関して、公費負担となる雨水整備を最優先で進めたため、公営企業債等繰出見込額が169億円となっていることが将来負担比率を押し上げる要因となっている。令和元年度は、基金残高の減などで将来負担比率の分子は、89.3億円増加したため、将来負担比率は前年度より43.6ポイント増加した。地方債残高は依然として高水準であるため、今後も、中期財政運営方針に基づき、計画的な地方債の発行に努める。
退職手当の減などにより0.4ポイント減少した。類似団体内平均値を下回っており、職員の給与水準を示すラスパイレス指数も類似団体内において最低水準で推移している。今後も中期財政運営方針及び定員適正化計画等に基づき、人件費の適正化に努める。
令和元年度は、窓口業務委託の増加などにより、昨年度より1.7ポイント増加した。今後も職員の定員削減に伴う事務委託の増加が見込まれるため、新たに発生する委託料について、特に注意を払いながら物件費全体の精査に努める。
前年度比0.2ポイント減少したものの、障害者福祉に係る扶助費を中心に高い水準となっている。しかし、類似団体においても増加傾向であるため、類似団体内平均値と比較すると若干下回る水準である。各種扶助費の支給については、今後増加も見込まれるため、適正化に努めていく。
類似団体内平均値と比較して高い水準となっているのは、繰出金が主たる要因である。これは、空港対岸の「りんくうタウン」の造成に関して進めた雨水整備に対する下水道事業特別会計への繰出金が多額となっているためである。下水道事業は令和2年度より公営企業法適用となることから、令和2年度以降は補助費等が増加し、繰出金が減少する見込みである。
平成25年度に消防事務を一部事務組合(泉州南消防組合)へ移管し、当該事務に係る人件費が補助費等に振り替わったことにより、類似団体内平均値を大きく上回ることになった。同消防組合のほか、泉佐野市田尻町清掃施設組合及び地方独立行政法人りんくう総合医療センターへの負担金が高い構成比を占めている。それぞれ自立的・効率的な経営に努めているが、引き続き、これらを含めた補助費等全体の精査に努める。
公債費は、経常収支比率(合計分)が類似団体内平均値と比較して高い水準となっている主たる要因であり、費目別の経常収支比率において類似団体内で高い水準である。これは、空港関連の都市基盤整備等を積極的に進め、その財源に地方債を活用した影響で公債費負担が重くなっているためである。今後も中期財政運営方針に基づき、計画的な地方債の発行を行うことで、公債費の抑制に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は、令和元年度は物件費が増加したことなどにより、0.9ポイント増加した。構成比は高い方から順に、人件費、物件費、その他、補助費等、扶助費となっており、構成比において高い割合を占める各費目について、類似団体内平均値より高くなっている補助費等やその他の項目に特に注意して比率の改善に努める。
(増減理由)ふるさと応援寄附金の積立による増があった反面、ふるさと応援寄附金の目的に応じた事業に取り崩したことで、基金全体の令和元年度末残高は減少して、179億80百万円となった。(今後の方針)中期財政運営方針に基づき、財政調整機能を有する基金の残高を可能な限り保持していくことで、安定的な財政運営を目指す。
(増減理由)平成30年度黒字の1/2を積み立てたことにより平成30年度末残高から増加している。(今後の方針)安定した財政運営を行っていくために、基金残高を保持していく。
(増減理由)減債基金を活用して計画的に繰上償還を実施していることから、令和元年度末残高も減少している。(今後の方針)中期財政運営方針に基づき、地方債残高を令和6年度には、標準財政規模の約2.5倍の580億円以下とするため、減債基金を活用し計画的に繰上償還を実施していく。
(基金の使途)【広報公聴基金】広報及び公聴業務の円滑な運営と充実を図る。【国際交流振興基金】国際化の進展に伴い、国際交流の振興を図るための資金に充当。【職員福利厚生基金】職員の福利厚生に要する経費に充当。【福祉基金】社会福祉活動の推進を目的として本市への善意の寄附金等を適切・効果的に運用する。【公共施設整備等基金】公共施設の整備を図るため並びにふるさと応援寄附金事業に要する経費及びふるさと応援寄附者が指定した事業に要する経費に充当。【環境衛生事業基金】環境衛生事業に充当。【公園等整備基金】本市の公園・広場及び緑地の整備事業の資金に充当。【芸術文化振興事業基金】芸術及び文化の振興を目的として本市への指定寄附金の適正な管理及び効果的な運用を図る。【ふるさと文化資料基金】本市の文化歴史を知る上で貴重な芸術作品や歴史民俗資料等を収集し、保存活用することで文化の振興を図る。【市営住宅整備基金】市営住宅の整備を図るための資金積立及び充当。【地域経済振興基金】地域経済の発展と産業振興を図るための資金に充当。【自治振興基金】地域における自治活動の振興と住民自治の促進を図る経費に充てるための資金積立。【教育振興基金】スポーツの振興、図書の充実その他教育の振興に要する経費に充てるための資金積立。【森林環境譲与税基金】森林の整備及びその促進に関する施策に要する経費に充てるため資金積立。【退職手当基金】職員の退職手当の支払に要する経費に充てるため資金積立。(増減理由)ふるさと応援寄附金の目的に応じた事業に取り崩したことで減少した。(今後の方針)ふるさと応援寄附金を目的に応じた事業に取り崩す。
平成29年度の有形固定資産減価償却率において、類似団体内平均値を下回っているが、公共施設などは取得からある程度の期間が経過しており、老朽化が進行していることから、維持更新のための対策が必要である。また、公共施設等総合管理計画などに基づき、施設の維持管理、再配置を検討することで、公共施設等の適正管理に努める。なお、平成30年度及び令和元年度決算に係る固定資産台帳については、令和2年3月31日時点で未整備であるため、平成30年度及び令和元年度の本市の数値は表示していない。
債務償還比率は、類似団体内平均値を大きく上回っている。これは将来負担額の中で、地方債残高や土地開発公社を含む設立法人の負債額が大きいことによるものである。今後も中期財政運営方針に基づき、事業費の精査等を行うとともに、地方債の新規発行の抑制や、地方債の繰上償還の実施などにより、地方債残高の減少に努めていく。また、土地開発公社については、今後も経営の健全化を進めることで、負債の解消に努めていく。
平成29年度においては、類似団体内平均値より将来負担比率は高く、将来返済すべき借金等(負債)が大きい中で、公共施設の老朽化は着実に進行している。有形固定資産減価償却率は、まだ類似団体内平均値より低いものの、今後は維持更新の対策も必要となってくる。このため、中期財政運営方針に基づき、安定した財政運営を目指すとともに、公共施設等総合管理計画などに基づき、市民サービスの低下をまねかないように公共施設等の適正な管理に努めていく。なお、平成30年度及び令和元年度決算に係る固定資産台帳については、令和2年3月31日時点で未整備であるため、平成30年度及び令和元年度の本市の数値は表示していない。
将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体内平均値を上回っており、高水準な地方債残高が大きな負担となっている。今後ピークを迎える公債費の負担を抑制するため、地方債の繰上償還の実施や計画的な事業実施による新規発行債の抑制に努めていく。このため、中期財政運営方針に基づき、安定した財政運営を目指すとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、市民サービスの低下をまねかないように公共施設等の適正な管理に努めていく。
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