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関西国際空港(以下「空港」)の関連事業所等からの固定資産税等により類似団体内平均値を上回る税収があることから、財政力指数は高く、0.94(単年度0.94)となっている。
物件費、補助費等が増加したものの、市税の増などにより、昨年度より0.1ポイント改善している。経常収支比率の構成比では、類似団体内平均値と比較して公債費が著しく高い水準となっている。今後も中期財政計画(平成26年度策定)に基づき、投資的事業を設定した事業量内とし、計画的な地方債の発行とすることで公債費の抑制に努め、財政構造の弾力性について改善を図る。
これまで取り組んできた職員定員の削減や平成23年7月から実施した給与カット(13~8%)などの効果で人件費は類似団体内平均値より低いものの、物件費では委託料の増で、昨年度より増加した。その結果、全体としては類似団体内平均値より高い水準となっている。今後も中期財政計画等に基づき人件費の適正化に努めるが、これと並行して事務の委託化の推進に伴う物件費の増加が見込まれる。今後は、人件費と物件費の合算額に注意した行財政運営を行うよう努める。
行財政改革推進計画に基づき、平成13年1月から24ヶ月昇給延伸を行ったこと及び平成23年度より給与カット(13~8%)等を行ってきた。平成27年4月1日に削減率を緩和(9~4%)したことで上昇したものの、依然として類似団体内平均値を大きく下回る低水準にある。
空港関連の都市基盤整備等の事業推進や空港を管轄する消防業務のために必要な人員を確保したことにより、類似団体内平均値と比較して高い水準となっていたが、消防事務を一部事務組合(泉州南消防組合)へ移管した平成24年度から同平均値と比較して低い水準となった。平成28年度は、前年度より0.1人増加しているが、中期財政計画と連携する定員適正化計画の定員削減目標(平成25年度からの5年間で100人の定員を削減すること)に基づき、より適正な定員管理に努める。
空港関連の都市基盤整備等を進め、その財源に地方債を活用した影響で、類似団体と比べて公債費負担が重くなっている。平成28年度は、過去に発行した市債の一部の償還が終了したことなどにより、実質公債費比率は1.5ポイント改善したが、今後も中期財政計画に基づき、計画的な地方債の発行を行うことで、公債費の抑制に努める。
空港関連の都市基盤整備等を進め、その財源に地方債を活用した影響で、一般会計等の地方債現在高が標準財政規模の約3.4倍の750億円となっている。また、空港対岸の「りんくうタウン」の造成に関して、公費負担となる雨水整備を最優先で進めたため、公営企業債等繰出見込額が186億円となっていることが将来負担比率を押し上げる要因となっている。平成28年度は、セールアンドリースバック方式による総合文化センターの建物売払収入を繰上償還したことなどにより、地方債残高が125.1億円減少したことで将来負担比率の分子は、27.6億円減少したため、将来負担比率は前年度より15.4ポイント改善した。しかし、地方債残高は依然として高水準であるため、今後も、中期財政計画に基づき、計画的な地方債の発行に努める。
退職不補充等により1.9ポイント改善した。類似団体内平均値を下回っており、職員の給与水準を示すラスパイレス指数も類似団体内において最低水準で推移している。今後も中期財政計画等に基づき、人件費の適正化に努める。
平成28年度は、ふるさと応援寄附に係る経費や窓口業務委託を拡大したことで、昨年度より2.9ポイント悪化した。今後も職員の定員削減に伴う事務委託の増加が見込まれるため、新たに発生する委託料について、特に注意を払いながら物件費全体の精査に努める。
類似団体内平均値と比較して高い水準となっているのは、繰出金が主たる要因である。これは、空港対岸の「りんくうタウン」の造成に関して進めた雨水整備に対する下水道事業特別会計への繰出金が多額となっているためである。下水道事業について、より自立的・効率的な経営に努める。
平成25年度に消防事務を一部事務組合(泉州南消防組合)へ移管し、当該事務に係る人件費が補助費等に振り替わったことにより、類似団体内平均値を大きく上回ることになった。同消防組合のほか、泉佐野市田尻町清掃施設組合及び(独)りんくう総合医療センターへの補助金が高い構成比を占めている。それぞれ自立的・効率的な経営に努めているが、引き続き、これらを含めた補助費等全体の精査に努める。
公債費は、経常収支比率(合計分)が類似団体内平均値と比較して高い水準となっている主たる要因であり、費目別の経常収支比率において最も類似団体内平均値と乖離している。これは、空港関連の都市基盤整備等を積極的に進め、その財源に地方債を活用した影響で公債費負担が重くなっているためである。中期財政計画に基づき、計画的な地方債の発行を行うことで、公債費の抑制に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は概ね改善傾向にあったが、物件費の増の影響で悪化に転じ、1.4ポイント悪化している。構成比は高い方から順に、人件費、その他、物件費、補助費等、扶助費となっており、構成比において高い割合を占める各費目について、別記の分析欄で示した項目に特に注意して比率の改善に努める。
空港開港に伴い、遅れていた都市基盤整備を進めたが、その財源として地方債を活用したことで、現在も公債費負担が重い状況が続いている。よって、本市の将来負担比率及び実質公債費比率は、類似団体と比較すると、いずれも高い値となっている。しかしながら、平成27年度はセールアンドリースバック方式による総合文化センターの建物売却収入を減債基金に積立てたことなどにより、将来負担比率は前年度より100.0ポイント改善し、また実質公債費比率も下水道事業特別会計への繰出金が1.0億円減少したことなどで1.2ポイント改善しており、今後も中期財政計画に基づき、計画的な地方債発行を行うことで、公債費の抑制と比率の改善に努めていく。
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