富士市：中央病院

地域において担っている役割

富士保健医療圏で唯一の地域がん診療病院として、またＩＣＵ・ＮＩＣＵを有する高度急性期医療を担う中核病院として、地域住民の生命を持続的に守ることで、安心・安全な社会づくりの一翼を担っています。

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、過去５年間100％前後を推移していますが、平成26年度には患者数の増などにより入院収益が増加した結果、②医業収支比率が前年度と比較して大幅に改善し経常収支比率も大幅に改善しました。平成28年度の経常収支比率は、類似病院平均値を0.3ポイント下回りました。これは主に患者数の増により入院収益が前年度と比較して大幅に増加し医業収支比率が前年度と比較して改善したものの、給与費等の経常費用が増加したことによります。③累積欠損金比率は、平成26年度の会計制度の見直しにより、退職給付引当金等を計上した結果、前年度と比較して大幅に悪化しましたが、以降は平成28年度まで横ばいで推移しています。④病床利用率は類似病院の平均を大きく上回っており効率的なベッドコントロールが出来ていると言えます。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は過去５年間70％前後で推移し類似病院平均を上回っています。施設の老朽化が進み更新需要が高まり計画的な更新が必要ですが、経常収益比率が100％を下回っており更新投資を経常収益で賄うことが出来ない状況にあります。②機械備品減価償却率は過去５年間減少傾向にありますが、これは計画的な更新を進めてきた結果と言えます。なお平成28年度の対前年比の減少は、主に電子カルテシステムを更新したことによります。③１床あたりの有形固定資産は過去５年間で33百万円を前後に推移し類似病院の平均を大きく下回っています。なお平成28年度の対前年比の減少は、主に電子カルテシステムを更新したことによります。

全体総括

「収益の効率性」について、入院及び外来の１人１日当たり収益は、全国平均を僅かに上回っていますが、類似病院の平均値と比較すると過去５年間で平成24年度の外来を除き、いずれの年度も下回っています。特に入院収益については、大幅に類似病院の平均値を下回っています。この状況を改善するためには、医師を確保し手術件数を増やすとともに施設認定や加算を取得することで、安定した収益の確保に努める必要があると言えます。「老朽化の状況」については、現病院施設が建設から30年以上が経過し老朽化が著しいため、本格的な建て替えの検討が要請されます。しかしながら、一般会計の負担金に依存せざるを得ない現状では建て替えに要する資金が乏しいため、前述の収益の確保を通して建て替えに備える必要があります。