経営の健全性・効率性について
【収益的収支比率】使用料や一般会計繰入金等を含む総収益が、総費用に地方債の償還金を加えた支出をどの程度賄えているかを示す指標です。平成26年度に比較し指標値が減少していますが、この主な要因は、平成26年度から繰り越した処理場統合にあたっての財産処分申請に係る委託の実施や施設の修繕費の増加、数年に一度の割合で行う処理場の活性炭交換作業があったためです。【企業債残高対事業規模比率】料金収入に対する企業債残高の状況を示しており、毎年の償還額内での借入に努めていることから年々減少しています。【経費回収率】使用料で回収すべき経費をどの程度賄えているかを表した指標です。類似団体より高い状況維持しています。今後も経費の節減などに努め、指標の改善に取り組んでまいります。【汚水処理原価】有収水量1㎥あたりの汚水処理に要した費用であり、類似団体より低い状況となっています。しかし、有収水量が減りつつあるため、今後も経費の節減に努め、汚水処理原価の減少にむけた取り組みを進めてまいります。【施設利用率】施設が1日に対応可能な処理能力に対しての1日平均の処理水量の割合で、類似団体より低く平均29%程度となっています。【水洗化率】類似団体より高い接続状況となっていますが、今後も戸別訪問調査を継続し、接続者の増加に努めていきます。
老朽化の状況について
3箇所の処理場の状況は、筒石地区処理場が平成6年度に供用開始し22年、親不知地区処理場が平成16年度に供用を開始し12年、そして市振地区処理場は平成13年度に供用を開始し15年を経過しています。設備の経年変化の状況を見ながら施設の更新を計画的に進める必要があります。このような中、平成29年度に筒石地区漁業集落排水施設を隣接する特定環境保全公共下水道に統合します。また、平成30年4月からの地方公営企業法の適用により、固定資産に係る耐用年数の経過状況等を参考に計画的な更新を行います。
全体総括
処理施設区域に係る人口の減少や節水器具の普及、節水意識の高まりにより、汚水の処理量が少なくなりつつあり、厳しい経営状況が見込まれます。下水道施設全体を見る中で効率的な施設の活用を進めて行くため、平成29年度に施設の統合を行います。このような中、使用料につきましては、平成29年度から段階的な改定を実施します。また、平成30年度から地方公営企業法の適用に取り組み事業運営の明確化に取り組むとともに、固定資産の経年状況の管理を行う事から、施設の更新に当たっての参考として活用を行います。経営戦略の策定を進め、今後も、効率的な事業実施に向けた各種の取り組みを行い、事業の安定した運営を行ってまいります。