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財政力指数は、長引く景気低迷による法人市民税の減収に加え、全国平均を上回る高齢化(令和2年末高齢化率34.5%)に伴う生産年齢人口の減少による個人市民税の減収などから、平成21年度以降低下しており、類似団体平均を下回っている。今後は行政経営改革プランに基づき、市税収納率の向上(現年度課税:5年間で0.3%向上、過年度課税:5年間で0.4%向上)、市有財産の処分、新たな財源の確保に取り組み、歳入の確保に努めるとともに、歳出の抑制に努め、収支均衡型の財政構造への転換を図り、持続可能な財政構造の構築に努める。
人件費及び公債費等の増により経常経費充当一般財源が増加したものの、普通交付税、地方消費税交付金等の増による経常一般財源総額の増加に牽引され、経常収支比率は96.5%と前年度と比較すると0.6ポイント改善したが、平成30年度から引き続き、類似団体平均を上回っている。今後は枠配分予算制度の導入による全事務事業の総点検を行うとともに、指定管理者制度の活用、公共施設マネジメントの推進、ICTを活用した行政サービスの効率化など、歳出の抜本的な見直しと圧縮に努め、経常経費の削減を図る。
人件費では、職員配置、給与・手当等の適正化を図っていることや、物件費では、特に需用費、備品購入費、委託料などについて予算編成時に精査を行っていること等により、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は118,331円と類似団体平均を下回っている。今年度は、物件費が主に指定管理料の減により減少したものの、人件費が主に会計年度任用職員制度移行に伴う報酬等の増により増加したため、前年度決算額と比較すると6,257千円の増(+5.6%)となっている。今後も行政経営改革プランに基づき、指定管理者制度の一般公募を進め、市場の競争原理による経費の縮減を図るとともに適正な給与水準の維持に努める。
当市の一般行政職の給料表については、国の給料表に準じており、人事院勧告に従い、給与体系の見直しを随時行っていることなどから、ラスパイレス指数は類似団体平均や全国市平均を下回っていると考えられる。また、地域手当については、国基準による支給割合16%に対し、10%に抑制して支給(平成28年度は8%、29年度以降10%で支給)している。今後もラスパイレス指数の推移に留意しつつ、適正値の維持に努める。
待機児童対策・子育て支援の充実のために保育士を積極的に採用していることや、消防を市単独で行っていることから、類似団体平均を上回っていると考えられる。職員数は合併後の平成17年度には1,069人となっていたが、削減を続け、平成25年度以降は、800人未満で推移している。令和3年4月1日時点では796人となっており、前年度と比較すると9人の増(+1.1%)となっている。職員の年齢構成において中高年層の構成比が高く、今後の数年間において、多くの退職者が見込まれることから、ICTや、再任用制度・会計年度任用職員制度・任期付職員制度などの多様な任用制度を活用することで、組織の効率化、活性化、スリム化を図りながら、より適切な定員管理に努める。
実質公債費比率は6.5%となっており、前年度と比較すると0.6ポイント改善している。依然として類似団体平均を上回っているが、平成30年度以降、改善傾向にある。平成30年度に起債した合併特例債や平成28年度に起債した臨時財政対策債の償還が今年度から開始されたことにより、公債費充当一般財源は増となったものの、組合等の地方債充当負担金が減となったこと、普通交付税の増により標準財政規模が増となったことなどにより、単年度実質公債費比率については、前年度と比較すると0.1ポイント改善している。今後も優先度の高い事業の選択実施等を進め、新規発行額の抑制及び平準化に努める。
将来負担比率は30.0%となっており、前年度と比較すると6.6ポイント改善しているが、依然として類似団体平均を上回っている。取手地方広域下水道組合や常総地方広域市町村圏事務組合への組合等負担見込額の減少や、一般会計の職員数の減による退職手当負担見込額の減少により将来負担額が減少したこと、国民健康保険事業特別会計における国保財政調整基金、一般会計における公共施設整備基金の積み増しによる充当可能基金の増加や、都市計画税の充当額が増となったによる充当可能特定歳入の増加により充当可能財源等が増加したこと、普通交付税の増により標準財政規模が増加したことなどにより、比率は改善している。今後も後世への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等について総点検を行い、地方債の新規発行を抑制することで財政の健全化に努める。
全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。取手市は昭和40年、50年代の人口急増期に公立保育所の新設等による職員の採用を行っていた。そのため、高齢職員の占める割合が類似団体よりも高くなっているため、人件費も高い傾向となっている。しかしながら、近年は職員の年齢構成の変化に伴う職員給の減などにより人件費の抑制が図られ、27~29%前後で推移している。令和2年度決算は前年度と比較すると0.8ポイントの増となったが、これは会計年度任用職員制度が導入されたことにより、それまで物件費として計上されていた臨時職員の賃金が会計年度任用職員の報酬として人件費に計上されたことなどによる。今後も組織・事務事業の見直しを実施するとともに適正な定員管理に努める。
茨城県及び類似団体平均と比較すると下回る結果となっており、過去5年間の推移を見ても低い水準を維持している。令和2年度決算は前年度と比較すると0.5ポイント減となった。これは会計年度任用職員制度が導入されたことにより、それまで物件費として計上されていた臨時職員の賃金が会計年度任用職員の報酬として人件費に移行したことや、ウェルネスプラザ指定管理委託料が減になったことなどにより分子である経常充当一般財源が減となった一方で、普通交付税の増などにより分母となる経常一般財源総額が増となったためである。今後も旅費、需用費、備品購入費、委託料などの継続的な精査、見直しを図っていく。
全国平均や類似団体平均と比較すると低い割合となっているが、茨城県平均を若干上回っており、依然として高い割合が続いている。児童手当・児童扶養手当の減などにより、前年度と比較すると0.8ポイントの減となったものの、全国的に高齢化社会を迎えているなか、社会保障経費にかかる経費は今後増加していくことが予想される。特に、障害者自立支援給付費については、前年度と比較しても大きく増加しており、経常収支比率を押し上げる主因となっていくことが懸念される。市が単独で行う各種扶助の経費については、継続的に精査、見直しを図っていく必要がある。
令和2年度決算は、前年度と比較すると0.1ポイントの減となり、全国平均や類似団体平均よりは低い水準となっている。主な要因としては、繰出金の増などにより分子である経常充当一般財源が増となった一方で、普通交付税の増等により、分母である経常一般財源総額の増加率がそれ以上に増となったことによる。後期高齢者医療、介護保険事業の特別会計に対する繰出金については、高齢化率の割合が高いことなどから年々増加傾向となっている。
全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。令和2年度決算は、コミュニティバス運行経費補償金の増により分子である経常充当一般財源が増となり、普通交付税の増などにより分母となる経常一般財源総額も増となった。分母の増加率が分子の増加率を上回ったため、結果的に前年度と比較すると0.2ポイント減となった。類似団体との比較においては、依然として比率が高い状態が続いている。補助金については、平成21年度に10%のマイナスシーリングを実施したほか、平成22年度には公募制補助金を導入し、削減に努めている。今後も引き続き適正な補助金の交付を行い、公平性・公益性の確保に努めていく。一部事務組合についても、維持管理経費の削減などの働きかけによる負担金の抑制や、組織の見直しの検討により効率的な行政運営を図っていく。
全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。公債費については、平成28年度に借り入れた臨時財政対策債や平成30年度に借り入れた井野なないろ保育所整備事業に係る合併特例債の償還が開始した影響で、地方債の元利償還金が増加している。この結果、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を4.0ポイント上回っている。さらに、下水道事業の元利償還金に係るものなど公債費に類似の経費を合わせると、人口1人当たりの決算額は類似団体平均を3,610円上回っており、公債費の負担は非常に重いものとなっている。令和3年度予算からは政策的事業に係る地方債の発行に上限を設定していることから、今後は適切に地方債を管理し、公債費の抑制に努めていく。
令和2年度決算では、普通交付税の増などにより、分母となる経常一般財源総額が増額した影響もあり、人件費を除いて比率が減となり、前年度と比較すると0.8ポイント減となっている。今後、類似団体平均と比較し高い水準のものについては、継続的に精査、見直しを行い健全な財政運営を行っていく。
(増減理由)市有財産の売り払い等により公共施設整備基金に500百万円積み立て、ふるさと取手応援基金寄附金の増加によりふるさと取手応援基金に230百万円積み立てた一方、後期高齢者医療特別会計繰出金、介護保険特別会計繰出金、民間保育園入所事業等に充当するため、財政調整基金を719百万円取り崩したこと、公債費に充当する一般財源等の不足に対応するため、減債基金を300百万円取り崩したことなどにより基金全体としては2百万円の減となった。(今後の方針)公債費が中長期的には減少していくものの、当面は高止まりの見込みであり、老朽化が進む施設の改修等への充当も増加する見込みである中、財政調整基金の残高が適正であるとされる標準財政規模の10%を下回っている。今後は、少しでも積み増しができるよう、残高が増加傾向にあるふるさと取手応援基金の積極的な活用を図っていく。
(増減理由)後期高齢者医療特別会計繰出金、介護保険特別会計繰出金、民間保育園入所事業等に充当するため719百万円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%を確保するように努めていく。
(増減理由)償還のため300百万円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)合併特例債及び臨時財政対策債の償還額増加等により公債費は当面の間、高止まりとなることから、今後も基金残高が減少していくことが見込まれるため、基金残高の確保に努める。
(基金の使途)・公共施設整備基金:文化施設、社会福祉施設、その他の公共施設の整備を推進し、市民の生活環境の向上と健康で文化的なまちづくりを促進する。・ふるさと取手応援基金:ふるさと取手応援寄附金を財源として多様な事業を実施することにより様々な人々の参加による個性豊かで活力あるふるさとづくりと地域全体の活性化を図る。(増減理由)・公共施設整備基金:市有財産(旧戸頭終末処理場跡地)の売払収入409百万円を積み立てたことによる増加。・ふるさと取手応援基金:ふるさと取手応援寄附金230百万円を積み立てたことによる増加。(今後の方針)・公共施設整備基金:市の所有施設は昭和40年代から50年代に整備されたものが多いことから、施設の老朽化が進んでおり、当面の間は、改修等への充当により基金残高が減少していくことが見込まれるため、市有財産の売り払いを推進するなど、基金残高の確保に努める。・ふるさと取手応援基金:ふるさと納税ポータルサイトや返礼品を拡充することで寄附の増加を図り、基金残高の確保に努める。
平成28年度60.4%、29年度61.4%、30年度62.0%、令和元年度63.0%、2年度64.0%となり、公共施設への新規投資より資産の減価償却が上回った結果、前年度に比べ増加した。令和2年度の内訳として、事業用資産65.4%、インフラ資産63.1%と事業用資産においてより老朽化の程度が進んでいる。今後、人口構造の変化により公共施設等の利用需要が変化していくことが予想される中で、中長期的な視点のもとに、公共施設等の最適な配置(選択と集中)を進めていく必要がある。同時に、新規投資と更新投資のバランスを重視しつつ、資金の確保と更新時期を把握することで計画的に財政負担を軽減・平準化することが、安定的な行政経営に不可欠となる。
平成28年度941.5%、29年度774.5%、30年度849.3%、令和元年度935.3%、2年度855.4%であり、類似団体平均と比較すると高くなっており、経常的に確保できる資金に対して地方債等の債務負担が重い状況にあるといえる。これは、地方債残高が増加している中、業務収支における黒字分が大きくないことが要因である。今後、公共資産投資と地方債残高のバランスを考慮しながら、将来世代への負担の先送りが顕著とならないよう、安定的な財政運営を検討していく。
将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに、類似団体平均と比較して高くなっており、対前年度比較でみると、将来負担比率は減少しているが、有形固定資産減価償却率は増加している。令和2年度については、将来負担額のうち地方債残高が増となったものの、組合等負担見込額、退職手当負担見込額等、設立法人の負担額等負担見込額の減により、分子となる将来負担額合計が減となった。一方で、標準税収入等や普通交付税、臨時財政対策債発行可能額が大幅に増となったことから、分母全体でみても増となった。結果的に、分子が減、分母が増となったことから将来負担比率も減少することとなった。なお、将来負担比率が類似団体平均と比較して特に高くなっている要因としては、区画整理事業や小中学校の大規模改造等の公共資産への投資を行っており、将来世代が便益を享受する資産を形成する一方で、財源としている地方債残高が増加しているためである。さらに、公共施設全体として老朽化の程度が進行しており、そのための改修を実施するなど将来世代への負担も増加しているといえる。今後は、中長期的に経年での推移のバランスを注視し、健全な財政運営を進めていく。
将来負担比率、実質公債費比率ともに、類似団体平均と比較して高くなっているが、将来負担比率、実質公債費比率ともに対前年度比較でみるとやや低下している。これは、分母となる標準財政規模が増となったことや一部事務組合への負担金が減となったことによるものである。今後も公債費等の義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、将来世代への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等に係る総点検を行い、財政の健全化に努めるとともに、適正な事業の選択・実施による地方債発行、償還年限の見直し等を行い、公債費の減額及び償還金の平準化を図る。
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