山形県:電気事業

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経営比較分析表(2015年度)

経営の状況について

「経常収支比率」、「営業収支比率」及び「EBITDA」について、平成25年度以降、数値が大きく上昇している。これは、再生可能エネルギー固定価格買取制度(以下「FIT」という。)により、一部の発電所がFITの適用となったことで電気料金収入が大きく増加したことによるものである。平成27年度は、大規模な修繕工事を実施し営業費用が増加したことで当該指標も低下したが、平均値と比較してなお高い数値であり、健全な経営を実施している。「流動比率」は、平成23年度以降数値が低下傾向にある。これは、年度ごとの工事等施工状況による未払金等の増加のほか、平成26年度の会計制度の見直しに伴い企業債を負債に計上したことによるものである。しかし、各年度とも100%以上かつ平均値を上回っており、短期的な債務に対する支払能力を有している。「供給原価」は、平均値と比較して低い数値となっており、費用の縮減等により効率的に発電を実施している。

経営のリスクについて

「FIT収入割合」について、平均値を大きく上回る数値で推移している。このことからFITによる調達期間終了後に、電気料金収入が大きく減少するリスクが想定される。そのため、安定した収益の確保や効率的な発電施設の運用、施設の維持管理費用の縮減等の課題がある。「有形固定資産減価償却率」について、各年度とも平均値を下回っているものの年々上昇傾向にある。今後、施設の老朽化に伴う大規模な改修・更新工事が想定されるため、計画的な改修・更新工事を実施すると共に財源の確保が課題となる。「修繕費比率」は年度ごとに数値のバラつきがあるが、平成27年度の数値が平均値を上回っている。これは、平成27年度に大規模な修繕工事を実施したことによるものである。今後、施設の老朽化に伴い修繕費が増加することが想定されるため、計画的な施設の維持管理や効果的な修繕方法の検討等が必要である。「設備利用率」は平均値を上回る数値で推移しており、発電施設の効率的な運用を実施している。なお、太陽光発電は平成25年度の年度途中に運転を開始したため平成25年度の数値が低いが、平成26年度以降は平均値を上回っている。「企業債残高対料金収入比率」は、平均値より低い数値で推移している。これは新規の企業債を発行していないこと及び平成25年度からFITにより電気料金収入が増加したことによるものである。

全体総括

本県の電気事業は、従来からの経営努力に加えてFITの適用により、収益性が高く健全な経営を実施している。しかし、FITによる調達期間終了後の安定した収益の確保や施設の老朽化に伴う改修・更新工事のための財源の確保等の課題もあるため、平成29年度を目処に策定を予定している経営戦略のなかで、対応方針を検討することとしている。

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