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地方財政ダッシュボード

熊本県湯前町の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

本町は農林業が主体の町であり、自主財源となる地方税の伸びは、少子高齢化に伴う人口減少に押され、今後も減少していく見込みである。歳入に占める地方交付税の割合が36.8%であり、交付税・補助金など国からの支出金に大きく依存した財政状況である。少しでも自主財源を確保できるよう、町税等の滞納整理、住環境の整備による子育て世帯の定住、湯前町農業公社による遊休地の活用や農産物の流通拡大などを目標に、町内の経済活動を活発化させていく。

経常収支比率の分析欄

退職手当負担金の制度改正により、一時的に人件費が下がったこと及び起債借入1件分を繰上償還したことなどにより、昨年度と比較して2.4%減少した。財政力指数0.16の本町は人口減少と相まり、地方税の収入が類似団体と比較して大きく下回っているため、普通交付税等に依存せざるを得ない状況である。人件費や物価高騰の影響による物件費の増加、介護や医療関係扶助費の増加が見込まれるため、地方税の徴収率を上げる取組みを強化し財源を確保するほか、優先度の低い事務事業について見直しを行うなどして、経常費用の削減に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費、維持補修費は類似団体平均値を下回っている。物件費は1.7%上回っているが物件費の増については、ふるさと納税関連業務に関するものが主であり、歳出以上に歳入が増えている状況である。ただし、物価高騰の影響により今後物件費等の経費については上昇が予想されるため、DXをはじめ事務手法の工夫により、効率的で無駄を省いた行政運営に努める。また、人件費については、定員管理計画に沿った人員配置により原則退職者の補充採用のみ行うよう努めているが、実際に業務に携わる職員は定員を下回っている状況である。

ラスパイレス指数の分析欄

本町では、管理職手当の定額化、住居手当の廃止など、人事院勧告に準拠した給与体系を継続してきた。類似団体平均との比較で1.4ポイント、全国町村平均との比較で4.6ポイント低くなっている。今後も適正な昇給・昇格管理を行い、住民に理解を得られる給与体系を維持していく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

本町は、定員管理目標に基づき職員の採用調整を行っているが、権限委譲や令和2年7月豪雨災害からの復旧に伴う事務量の増加、くま川鉄道出向、育児休暇や休職等により一人当たりの業務量は増加している。住民からのニーズも多種多様なものへと日々変化しているため、少ない人数で効率よく業務を遂行することを目標に、今後も適正な定員管理を行っていく。

実質公債費比率の分析欄

公債費は、投資事業について地方債借入の抑制を行ってきたため、類似団体平均を下回っている。しかし現在、公共施設の老朽化が進んでおり、改修等に合わせて地方債を起こしているため、近年増加傾向にある。公共施設等総合管理計画の適宜見直しを行いながら、計画に基づいた具体的な個別計画を策定しつつ事業を行うことで、借入についても、抑制・平準化を図る。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率については、0%で推移している。減債基金やその他特定目的基金の積み立てにより、充当可能財源等が昨年度よりも増加した。今後も、歳出削減努力により、決算において歳計余剰金が生じた場合には、少子高齢化に伴う町税の減少や社会保障費の増加等、将来のために必要に応じて積み立てていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

類似団体平均と比較すると職員数が少ないため、人件費決算額では住民1人あたりのコストが90,966円少なくなっている。ただし、令和5年度決算においては退職者がおらず、退職手当負担金の制度改正により、一時的に負担金が減少したことも大きく影響している。またラスパイレス指数は類似団体平均を1.4ポイント下回っており、給与体系的には全国平均を下回っている。今後も経常一般財源を確保しつつ、適正な給与体系を継続していく。

物件費の分析欄

類似団体平均と比較し、経常収支比率に占める割合は1.6%高くなっているが、主な要因はふるさと納税関連経費であり、歳出以上に歳入が増えている。ただし、物価高騰の影響により、物件費の全体が増加傾向にあるため、DXをはじめ事務手法の工夫により、効率的で無駄を省いた行政運営に努めていく。

扶助費の分析欄

財政規模の小さい本町にとって、扶助費の占める割合は例年大きく、類似団体平均を大きく上回っている。要因としては、毎年上昇する介護費用や、子ども医療費など、福祉政策に対する費用の増加が考えられる。住民福祉の向上や、安定した福祉サービスの提供ができるよう努めなければならないが、限られた一般財源の中でコントロールしなければならないため、介護予防、健康管理等の徹底を促すための事業を推進していく必要がある。

その他の分析欄

本町の場合、繰出金が大きなウエイトを占めている。繰出金については昨年度から0.6ポイントの増である。主な要因は後期高齢者医療特別会計への事務費繰出金(広域連合事務費負担金及び療養給付費負担金)である。高齢化により介護保険、後期高齢者医療の伸びは今後も増加していくため、予防介護事業を充実させ、介護保険及び後期高齢者医療費を抑制するよう努める。

補助費等の分析欄

行財政改革計画により単独優遇補助金の削減または廃止を行い、補助費の縮小を図ってきたが、平成27年度の総合戦略策定以降、移住・定住事業等の事業が実施されたため、類似団体平均の伸びより大きく増加することとなった。令和2年1月に補助金見直しガイドラインを策定し見直しや廃止等の方針を定めたことで、効果が少ない補助を廃止し、効果が見込める補助に切り替えることで補助金の無駄を省くことに努めている。

公債費の分析欄

類似団体平均の住民1人あたりのコストと比較して、本町の公債費は93,802円少なくなっている。借入の抑制や、交付税措置率が高い過疎対策事業債での事業を中心に借入を行ってきたことの影響が大きい。しかし、各公共施設の老朽化も進んでいるため起債額は年々増加し、償還額も増えている状況である。各種計画をもとに今後の財政の見通しを立てたうえで、計画的な事業の実施及び適正な借り入れを行い、負担の抑制・平準化を図る。

公債費以外の分析欄

本町の場合、公債費の割合が低いため、そのほかの費目においては例年、類似団体平均を大きく上回っている。特に扶助費においては4.1%上回っている。財源の約63%を普通交付税で賄っている現状から見て、硬直しないよう、人事の適正な管理、事務手法の工夫などにより無駄のない財政運営に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

本町は、ほとんどの費目について類似団体平均を下回っているが、民生費及び災害復旧費が類似団体平均を上回る結果となった。民生費については、高齢者人口のピークは過ぎたものの、子育て世帯の等の支援の拡充などにより社会福祉サービスの利用は増加又は横ばいの状態が続くものと考える。また前年度との比較では、障害福祉に係る費用も増加している。災害復旧事業については、災害復旧事業費については、令和2年7月豪雨や令和4年台風14号など、激甚災害をはじめ、頻発しているため金額が高くなっているが、令和7年度予算分から令和2年7月豪雨の公共土木施設分が減少するため、今後は減少していくものと考える。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

本町の住民一人あたりコストは、類似団体平均と比較してほとんどの費目について下回っているが、災害復旧事業費及び扶助費の割合が上回っている。災害復旧事業費については、令和2年7月豪雨や令和4年台風14号など、激甚災害をはじめ、頻発しており金額が高くなっているが、令和7年度予算分から令和2年7月豪雨の公共土木施設分が減少するため、今後は減少していくものと考える。扶助費については、昨年度と比較して23,975円の増となったが、物価高騰対策関係事業など臨時的なものも影響している。少子高齢化が進む本町においては例年福祉サービスの割合が高くなっている。本町は高齢者人口のピークを過ぎているが、人口減少対策及び子育て世帯に対する支援等を手厚くしていくことにより、このまま横ばいで推移するものと考える。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

令和2年7月豪雨をはじめとした災害復旧事業など臨時財政需要があったため、実質単年度収支は、赤字となっているが、財政調整基金の取り崩しにより実質収支は黒字となっている。黒字となっているが、災害復旧事業の進捗が思うようにいかず、事業を繰り延べしたことや町事業の進捗が想定よりも低かったことなどマイナス要因も含まれる。また財政調整基金の残高が減少しているのも取り崩しによるものである。今後は、事務事業の見直しや統廃合など、歳出の合理化・行財政改革を推進し、健全な行財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

連結実質赤字比率は、各会計が黒字を維持し、赤字を生じなかったため発生しなかった。また、一般会計で実質収支額が増加しているが、財政調整基金の取り崩しのほか、町事業の進捗が想定よりも低く、歳出額が伸びなかったことなども要因の一部であるため、歳出費用が抑えられたというプラス要因だけでなく、マイナス要因も含んでいると考える。その他の会計についても黒字となったが、実際には、一般会計からの繰入金に依存した運営を行っている。特に繰出金が大きい下水道事業会計においては、独立採算が基本の企業経営を目指し、徴収率の向上を図り、健全な経営ができるよう努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

借入の一部を繰上償還したことによりR5年度については元利償還金額が減少している。しかし、令和2年7月豪雨災害分に加え、各種公共施設の長寿命化改修、防災対策事業、情報通信施設整備事業など大規模な事業を数年間で立て続けに行ってきたため、据置期間終了後、公債費については増額していくことが見込まれる。各種計画をもとに今後の財政の見通しを立てたうえで、計画的な事業の実施及び適正な借り入れを行い、負担の抑制・平準化を図る。水道事業については現在、事業の平準化を図りながら管渠の耐震化を進めている。下水道事業については元利償還金のピークを過ぎたため償還額は減少するものと思われる。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

地方債現在高や組合負担等見込額が昨年度よりも高くなっているが、減債基金・公共施設整備等基金など特定目的金の積み立て及び新たな地域優良賃貸住宅の建設による充当可能特定歳入の増加により、数値が低下した。数値を健全な状態に保つには、各種計画をもとに今後の財政の見通しを立てたうえで、計画的な事業の実施及び適正な借り入れをはじめ、適正な人事管理、将来を見据えた基金の活用・積み立てを行っていかなけれなならない。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)ふるさと応援基金や地域福祉基金を各事業のために取り崩したが、宅地分譲等基金に5000万円、熊本地震復興基金に5400万円、ふるさと応援基金に3500万円など、各種事業のために特定目的基金の積み立てを行った結果、昨年度と比較して約1億4400万円の増となった。(今後の方針)・財政調整基金については一定の目途を定め、それ以上に基金額が増える場合には、基金の使途の明確化を図るため、取り崩しを行い、特定目的基金へ積み立てていくことを予定している。また、現在作成中の個別計画により、施設の長寿命化等に財源不足が生じると見込まれるため、財政調整基金や公共施設等整備基金を活用する予定であるほか、臨時的に情報通信関連事業整備基金等を活用する計画があるため、、中長期的には減少していくと思われる。

財政調整基金

(増減理由)・公共施設等整備基金へ2億円積み立てを行ったため減少している。(今後の方針)災害等への備えるため、過去の実績等を踏まえ、10億円程度を目途に積み立てを行うこととしている。歳計剰余金の処分により基金額が増える場合には、基金の使途の明確化を図るため、取り崩しを行い、特定目的基金へ積み立てていくことを予定している。

減債基金

(増減理由)減債基金については、球磨川流域防災減災事業交付金及び基金利子、臨時財政対策債償還分を積み立てたため、約1100万円の増となった。(今後の方針)後年度の対象事業償還の際に適正に活用するために随時積み立て・取り崩しを行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設等整備基金:公共施設等の老朽化による長寿命化等に係る財源不足に対応するための基金。情報通信関連事業整備基金:情報通信関連事業にかかる財源を確保するための基金。(増減理由)公共施設等整備基金:庁舎の屋根等防水工事に対応するため、2億円の積み立てを行った。宅地分譲等基金:宅地分譲事業を実施するため、5000万円の積み立てを行った。(今後の方針)情報通信関連事業整備基金:光インターネット関連事業のため約2億円をR6~R8年度程度で積立て、その後取崩予定。宅地分分譲等基金:R6~R8事業実施のため5000万円を取崩予定。施設の長寿命化等のため公共施設等整備基金を活用することが想定されるため、公共施設等整備基金を中心に積み立てを行う予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

老朽化した建物が多く一部は公会計制度上の耐用年数を超えている資産もあるため、類似団体と比較し、高い状況で推移している。公共施設等総合管理計画の定期的な見直しと併せ、各施設の個別計画の作成を進めるなどして、統廃合、長寿命化などを進めていかなければならない。

債務償還比率の分析欄

本町は財政力の低い自治体であり、地方債の借り入れについては抑制を図ってきた。全国平均や熊本県平均より低い値となっているが、老朽化施設の長寿命化対策、防災、観光施設整備事業の実施などにより、地方債残高は増加しているため類似団体と比較して値が高くなっているが、災害関連事業の減等により前年度よりは値が低くなったと考える。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については、老朽化した施設が多いため、今後、施設の更新費用等の増加によって増加することが見込まれる。減価償却率については類似団体よりも値が高くなっている。本町は合併経験のない自治体であるため保有施設数自体は少ないが、各施設の老朽化が進んでいる状態である。個別計画の策定を進め、老朽化施設について長寿命化を図るとともに、統・廃合や除却等を検討しなければならない。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

従来活用していた過疎対策事業債(実額算入)などの起債に加え、自然災害に対応するための緊急防災減災事業(理論償還)などの活用が増えてきているため、実質公債費率については今後数年間は増えると見込んでいる。借入額の増加も要因として大きいが、避難所の空調整備などは機器の対応年数に併せて償還年限が短くなり、元利償還金額と算入額に差が生じることも実質公債費率の増加につながっている。将来負担比率については上記に記載。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっているのは、公営住宅、保健センター、庁舎である。住宅については長寿命化計画を令和5年度に作成した同計画に基づき、将来の世帯数の減少にあわせて、公営住宅の戸数の適正な管理及び長寿命化を図っていく。庁舎については令和5~6年度に屋根防水等工事を施工し長寿命化を図っているが、庁舎自体の築年数も古いため、方向性について今後さらに検討していく必要がある。保健センターについては、定期的な点検及び必要な修繕を行いながら長寿命化を図っていく。各施設の長寿命化及び更新のための財源が必要となることから、地方債残高の減少と基金の確保に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっているのは、公営住宅、保健センター、庁舎である。住宅については長寿命化計画を令和5年度に作成した同計画に基づき、将来の世帯数の減少にあわせて、公営住宅の戸数の適正な管理及び長寿命化を図っていく。庁舎については令和5~6年度に屋根防水等工事を施工し長寿命化を図っているが、庁舎自体の築年数も古いため、方向性について今後さらに検討していく必要がある。保健センターについては、定期的な点検及び必要な修繕を行いながら長寿命化を図っていく。各施設の長寿命化及び更新のための財源が必要となることから、地方債残高の減少と基金の確保に努めていく。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度から198百万円の増加(+1.9%)となった。金額の変動が大きいものは工作物(前年度比162百万円の増加)であり、中学校グラウンドや町民グラウンドテニスコートの整備工事、排水路の改修工事などのためである。資産総額の内、有形固定資産の割合が70.0%となっている。最も割合が多いのがインフラ資産工作物の29.3%である。また、負債総額が前年度から103百万円の増加(+2.8%)となった。特に地方債(前年度比284百万円の増加)が変動が大きく、負債総額の影響に寄与している。特別会計を加えた全体では、資産総額は前年度から219百万円増加(+1.8%)し、負債総額は前年度から80百万円増加(+1.8%)した。資産総額は水道事業会計の資産を計上していることなどにより、一般会計等より1,474百万円多くなり、負債総額も571百万円多くなっている一部事務組合等を加えた連結では、資産総額は前年度末から181百万円増加(+1.4%)し、負債総額は前年度末から64百万円増加(+1.3%)した。資産総額は一部事務組合等に係る資産を計上したことなどにより、一般会計等に比べて2,931百万円多くなり、負債総額も一部事務組合で1,174百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は3,188百万円となり、前年度比311百万円の減少(△8.9%)となった。その内、移転費用としての補助金等の費用は1,023百万円(全体の32.3%)となっており、前年度と比べて250百万円減少(△19.6%)した。また、社会保障給付の費用は280百万円(全体の8.8%)となっており、前年度と比べて2百万円増加(+1.0%)し、純行政コストに占める割合が非常に大きくなっている。全体では、一般会計等に比べ、特別会計に係る使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が61百万円多くなっておる一方、負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が927百万円多くなり、純行政コストは980百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象一部事務組合等の事業を計上しているため、経常収益が944百万円多くなり、移転費用が1,439百万円多くなっている。また、経常費用が2,691百万円多くなり、純行政コストは1,698百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源3,767百万円が純行政コスト3,672百万円を上回ったことから、本年度差額は95百万円(前年度比216百万円増加)となり、純資産残高は95百万円の増加となった。全体では、国民健康保険事業会計、介護保険特別事業会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が382百万円多くなっており、本年度差額は161百万円となり、純資産残高は139百万円の増加となった。連結では、一部事務組合等の歳入が案分の上含まれることから、一般会計等と比べて財源が1,751百万円多くなっており、本年度差額は148百万円となり、純資産残高は116百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は292百万円であり、投資活動収支については基金の積立等を行ったことから△340百万円となった。財務活動収支については、地方債の発行収入が償還額を上回ったことから89百万円となっており、本年度資金残高は前年度から41百万円増加し607百万円となった。全体では、業務活動収支は一般会計等より75百万円多い367百万円となっている。投資活動収支では、主に水道事業会計における公共施設等整備を実施したため、△455百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行収入が償還額を上回ったことから142百万円となり、本年度末資金残高は前年度から55百万円増加し、1,044百万円となった。連結では、一般事務組合等収入の一部が業務収入に含まれる一方、人件費や物件費等も按分の上、含まれることから、業務活動収支は一般会計より140百万円多い432百万円となっている。投資活動収支では△499百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行収入が償還額を上回ったことから153百万円となっている。本年度末資金残高は前年度から87百万円増加し、1,369百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は、類似団体平均を大きく下回っている。しかし、施設の長寿命化・更新も進めており、最終的には前年度末に比べて12.7万円増加している。歳入額対資産比率については、類似団体平均を下回る結果となった。前年度と比較すると0.14年増加した。有形固定資産減価償却率については、類似団体より高い水準にある。また、1年分の減価償却が進んだことにより、前年度より0.2ポイント上昇している。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均よりも低く、純行政コストが税収等の財源を下回ったことから純資産が増加しているが、前年度から0.3ポイント減少している。純資産は増加しているが、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が消費して便益を享受しているため、経常的な経費の見直しなどにより、行政コストの削減に努める。将来世代負担比率は、類似団体平均を上回っている。新規に発行する地方債の抑制を行う等、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体平均を下回っている。特に純行政コストの内、10.2%を占める減価償却費が行政コストが高くなる要因の一つと考えられる。今後も、公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体平均を下回っているが、地方債の償還等と新たな起債の関係から、前年度から5.4万円増加している。来年度以降も計画的な起債及び償還によって、地方債残高の圧縮に努める。基礎的財政収支は、投資活動収支の赤字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた業務活動収支の黒字分を上回ったため57百万円となっている。類似団体平均を大きく下回っているが、投資活動収支が赤字となっているのは地方債を発行して、公共施設等の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っている。経常費用の中でも減価償却費の占める割合は大きく373百万円となっていることから、公共施設等総合管理計画や個別施設計画等に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化等で総量を圧縮し、減価償却費や物件費(光熱水費等)をはじめとした経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,