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地方財政ダッシュボード

千葉県御宿町の財政状況(2022年度)

🏠御宿町

地方公営企業の一覧

末端給水事業


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数については0.39と減少傾向にあり、次年度もその傾向は続くとみられる。当町は大きな産業がなく法人数も少ないため、法人町民税の伸びはみられず、個人町民税と固定資産税が主な自主財源であるものの、高齢化と人口減少が著しい状況から、地方交付税に頼る財源構造は今後も継続することが想定される。滞納繰越分の徴収強化に取り組むとともに、歳出の徹底的な見直し進め、長期的に安定した財政運営に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は88.4%となり、令和3年度と比較して1.7ポイント増加した。主な要因としては、分母となる経常経費一般充当財源の地方税についてはコロナ交付金の影響から個人住民税が伸びたものの全体として減少したことに加え、分子では障害福祉介護給付に係る扶助費の増加や令和4年度が公債費のピークであったことなどが財政の弾力性を低下させる要因となっており、経常一般財源の適正確保に向け、一層の徴収強化などを行う必要がある。また、国と基調を合わせた歳出改革に取り組み、事業の見直しと効率的な行財政運営に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額については、23万7,610円となり、令和3年度と比較して8,356円増加した。類似団体と比較して5万4,249円下回っているのは、消防業務を一部事務組合が行っていることが主要因と考えられる。コロナ禍からの事業再開に伴う増加やDX推進によるシステム改修費など電算管理費の拡大のほか、国の施策や取り組みに合わせた事業実施のほか、公共施設等の維持補修経費などが増加したためである。物価や光熱水費の高騰等による影響が出てきているため、無駄のない簡素で効率的な事業実施に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数については、97.5となり、令和3年度と比較して1.4ポイント増加となっている。町にとって適正でかつ住民の理解が得られる給与水準の維持に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たり職員数は11.81人となり、令和3年度と比較して0.13ポイント減少し、類似団体平均と比較すると概ね2人下回っている状況が続いている。令和3年度を初年度として新たに策定された計画では、より適正な職員配置の観点から5年間で5名の増員を計画しているため、人口減少を除けば当数値は今後増加傾向になる見込みである。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率については、4.6%となり、令和3年度と比較して0.4ポイント増加した。これは、平成31年度借入の小・中学校エアコン整備事業債や清掃センター施設改修事業債の元金償還開始等により、分子となる元利償還金の額(3ヵ年計)が54,241千円増加したためである。今後も公共施設等の老朽化対策による事業費の大幅な増加などで、増加傾向は避けられないと想定されるが、急激な比率の上昇が起こらないよう努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率については0.7%となり、令和3年度と比較して15.7ポイント減少した。令和4年度借入額では臨時財政対策債の縮小等により、地方債現在高が減少し、さらに分子の控除要素となる充当可能基金が、教育施設建設基金の積立等により増加し、分子が減少したことが要因である。しかし、今後は老朽化した公共施設の対応等により地方債の増加や基金の取崩しが想定されることから、引き続き、現世代と将来世代との負担のバランスに配慮した地方債発行と計画的な基金積立を行い、安定した財政運営に努めたい。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費における経常収支比率は、令和3年度と比較して0.9ポイント減少した。定年退職職員等の影響が考えられる。また、財政比較分析表内の定員管理の状況では、人口1,000人当たり職員数が、類似団体と比較し少ない状況であるが、本項目では類似団体より比率が高くなっている。職員の組織構造が他団体と比較し、年齢または職位が高い職員の比率が高いことが考えられる。組織構造にも注視し、健全財政運営に努める必要がある。

物件費の分析欄

物件費では15.5%となり、令和3年度と比較して1.4ポイント増加した。コロナ禍からの各事業の再開などが影響して増額となった。また、DX推進による電算管理に係る使用料や委託料等の増加、老朽化した町清掃センターの施設管理にかかる委託料も年々増加傾向にある中、国の施策を踏まえた住民サービスを適正に執行するため、事務の効率化、簡素化、合理化により数値の上昇を最小限に抑えていくよう努める。

扶助費の分析欄

扶助費における経常収支比率は3.8%となり、令和3年度と比較して0.4ポイント増加した。障害福祉サービス介護給付費等の増加が影響し、増加となっている。また、類似団体平均と比較し0.6ポイント低くなっているが、これは、少子化に伴う児童手当の減少などが要因と思われる。引き続き、介護予防に重点を置いた施策を実施し、扶助費の増加を最小限に抑えるよう努める。

その他の分析欄

この項目には維持補修費及び繰出金が該当する。令和3年度と比較すると、被保険者数の減少等により特別会計への法定繰出金の減少が影響し、0.4ポイント減少した。今後は、道路維持管理事業などの公共施設の維持補修費は増加し、老朽化等により本比率の増加が見込まれることから、令和4年度公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき計画的かつ効率的に取り組み、より適切な対応に努める。

補助費等の分析欄

補助費等における経常収支比率は16.0%となり、令和3年度と比較して0.7ポイント増加した。コロナ禍からの事業再開や物価高騰による学校給食費負担金等の増加が影響している。今後、一部事務組合への負担金が増加することも見込まれている。各種単独補助金については、効率的な行政運営を可能にする一方、形骸化し前年度踏襲の傾向が強いため、内容の精査に踏み込み,終期を見極めて必要性が低いものは廃止に努めていく必要がある。

公債費の分析欄

公債費における経常収支比率は12.8%となり、令和3年度と比較して0.5ポイント増加した。令和4年度が公債費のピークだったことが影響しているが、経常一般財源の拡大もあり、比率の急増は抑えられた。今後も現世代と将来世代との負担のバランスに配慮した地方債発行に努める。

公債費以外の分析欄

物件費や扶助費への経常一般財源の増加等により、令和3年度と比較して1.2ポイント増加した。今後はさらに、DX推進に伴う電算管理に係る委託料及び使用料等の増加や超高齢化に伴う扶助費の増大、一部事務組合への補助費の増加が見込まれるため、踏み込んだ事務事業の見直しを図るとともに、安定した持続可能な財政構造の確立に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は住民一人当たりのコストが13万516円となり、令和3年度と比較して5,753円増加しているのは、町民応援商品券発行事業を実施したためである。民生費は住民一人当たりのコストが15万2,551円となり、令和3年度と比較して1万5,385円減少しているのは、令和3年度に実施した住民税非課税世帯等臨時特別給付金事業や子育て世帯への臨時特別給付金事業等の実施、介護給付費の増加など社会保障経費の伸びなどが影響している。消防費は住民一人当たりのコストが2万7,743円となり、令和3年度と比較して8,238円減少しているのは、令和3年度に実施した第1分団消防詰所建設工事(繰越)などが影響している。教育費は住民一人当たりのコストが6万5,285円となり、令和3年度と比較して7,139円増加しているのは、小学校建設に向けた教育施設建設基金の積立を行ったためである。全体的に類似団体平均を下回っているのは、性質別決算分析で述べたことと同様であり、比較的効率的に行政サービスが提供できる地理的環境にあることがいえる。引き続き事務事業の簡素化、効率化に取り組んでいく。衛生費は、類似団体平均と概ね同等となっており、その要因としては、町所有の清掃センター(昭和59築)における施設管理である。今後も施設の維持管理に係る経費は増加傾向であることも踏まえ、近隣市町と広域的な施設の運営について、早急に方向性を決定する必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費については令和3年度と比較して1,829円減少している。新型コロナウイルスワクチン接種事業の対応職員の配置人数減等によるものであるが、制度上確実に増加する会計年度任用職員の人件費について、改めてその職の必要性や代替手段等を検証するとともに、制度趣旨を的確に捉えて配置し、抑制に努める。扶助費については、住民一人当たりのコストは5万8,988円となっており、高齢化の進展や高額な障害福祉サービス介護給付費の増加に伴い増加傾向にあるが、高齢者のうち比較的健康状態が良好な移住者の占める割合が高いことに加え、少子化が急速に進んでいるため児童手当の扶助費が少ないこともあり、類似団体と比較すると低い水準にあると考察する。普通建設事業費については、9,449円の減少となっている。これは、令和3年度に実施したトンネル補修工事や消防施設詰所建設工事などが影響している。全体的にみると類似団体と比べて住民一人当たりのコストは低い水準にある。これは、当町の面積が小さく、施設の集約化ができているため、比較的効率的に行政サービスが提供できる地理的環境にあることがいえる。引き続き事務事業の簡素化、効率化に取り組んでいく。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金は、平成22年度以降同水準で推移してきたが、令和2年度以降の積立に伴い、標準財政規模比18.29%となった。公共施設等の老朽化対策や小学校校舎更新に向けて特定目的基金への積立てが必要な中、不測の財政事情に対応できるよう財政調整基金については決算剰余金を中心に標準財政規模の20%を目安に基金残高の管理を行い、健全な財政運営に努める。実質単年度収支については、令和4年度はコロナ禍からの事業再開等により標準財政規模比1.56%の減となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

令和4年度も歳計現金や資金の不足は生じてこないことから、連結実質赤字比率は該当とならない。令和4年度は令和3年度と比較して標準財政規模は減少したものの、令和4年度についても普通交付税の再算定による追加交付があったため、標準財政規模の減少額は概ね6,000万円に留まった。一般会計や国民健康保険特別会計において実質収支が減少したため比率は縮小しており、水道事業会計は収益の減少に加え総費用が増加し、黒字構成比率は近年減少傾向にある。また、介護保険特別会計については、実質収支が増加したため比率が拡大した。総額では令和3年度に比べて令和4年度は黒字額が減少したが、今後も引き続き安定した財政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金は、平成31年度借入の小・中学校エアコン整備事業債や清掃センター施設改修事業債の元金償還開始等に伴い、概ね1,600万円の元利償還金が増加し、分子が増加した。元利償還金は令和4年度にピークを迎えたが、今後、令和9年度の小学校校舎更新や老朽化した公共施設の改修など適正管理に係る大規模事業が続く見込みのため、実質公債費比率の分子も再び増加していくことが見込まれる。引き続き、現世代と将来世代との負担のバランスに配慮した地方債発行に努め、持続可能な財政運営を行っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

過去5年間の推移をみると、令和2年度までは大規模事業等にかかる地方債の発行により将来負担比率(分子)は増加傾向となっていたが、令和3年度及び令和4年度は臨時財政対策債発行可能額の縮小等により借入額を抑制できたことから地方債現在高の減少等により、比率も減少している。また、充当可能基金については、教育施設建設基金や公共施設維持管理基金等に積立を行ったため増加となったものの、ふるさとづくり基金については寄附傾向の変化や物価高騰の影響等により寄附額が伸びず減少傾向である。今後、将来負担額については、小学校校舎更新等の大規模事業により増加が見込まれるが、単年度財政負担の軽減と公平性の観点から、負担を複数年度で平準化するとともに、住民に理解される負担水準を模索しながら地方債発行や基金積立を行い、健全な財政状況を維持する。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)・特定目的基金について、小学校建設に向けた教育施設建設基金に1億5,000万円の積立てを行ったほか、老朽化が進む公共施設の維持管理に対応するため公共施設維持管理基金に8,000万円を積立てたこと等が影響して1億3,500万円の増となり、基金全体としては2億2,600万円の増加となった。(今後の方針)・令和5年度以降は、小学校庁舎更新に対応するため、基金の積立てと取崩しが大きく動いていくことが見込まれる。・公共施設維持管理基金等の特定目的基金については、今後、令和4年度に策定した公共施設等総合計画に基づき計画的に運用し、令和9年度の小学校校舎更新に向けて状況を見極めながら優先的に積立てを行うなど、将来世代の負担に配慮した地方債発行とのバランスを勘案しつつ、長期的な目線での安定した基金運用に努める。

財政調整基金

(増減理由)・利息分の増。(今後の方針)・財政調整基金の残高は、標準財政規模の15%~20%の範囲を維持できるよう努めている。・令和4年度の標準財政規模が2,631,318千円であるため、3億9,470万円から5憶2,626万円の範囲内で基金残高を維持するものとし、近年頻発する災害等による緊急の財政負担を勘案して範囲内上限まで積立てを行いたいと考えるが、令和3年度以降は標準財政規模が拡大していることや社会情勢なども見極めながら、適正に残高を管理していく。

減債基金

(増減理由)・利息分の増。(今後の方針)・令和4年度が公債費のピークであったため、現段階では中期的には大幅な公債費の増加など減債基金に頼る状況にはないものと考えている。

その他特定目的基金

(基金の使途)・教育施設建設基金:令和9年度の校舎更新を予定している小学校建設のための財源・公共施設維持管理基金:町公共施設の安全性及び機能性を維持するため、施設の維持補修を適正かつ計画的に行うための財源・活力あるふるさとづくり基金:①幻想の世界「月の沙漠の旅」づくり事業②世界に発信「人類愛の輪」事業③夢を育む人にやさしいまちづくり事業④活力があふれ賑わいを生むまちづくり事業⑤住民協働による豊かな暮らしと安心安全なまちづくり事業・庁舎施設維持管理基金:老朽化が深刻な庁舎の維持管理のための財源・消防防災施設整備基金:消防防災施設の円滑な整備のための財源(除却含む)(増減理由)・活力あるふるさとづくり基金:寄附金の減少に伴う減・教育施設建設基金:小学校建設が最優先事業となっているため積立てを優先的に行ったことによる増・公共施設維持管理基金:公共施設の老朽化に伴う対応を見据え積立たことによる増・庁舎施設維持管理基金・消防防災施設整備基金:利子分の増(今後の方針)・教育施設建設基金:小学校建設に向け、優先的に積立、取崩しを行っていく。・公共施設維持管理基金:公共施設等総合計画に基づき、施設の統廃合も含めた適正管理のため、積立てや取崩しを適宜行っていく。・活力あるふるさとづくり基金:寄附者の意向を適切に事業に反映し、速やかな取り扱いができるように努める。また、寄附金が減少傾向になっている現状の改善に早急に取り組む。・その他特定目的基金:公共施設維持管理基金と並行して庁舎等主要施設についても、老朽化対応に向けた維持管理基金の運用を行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体内平均値に近づいているものの、類似団体内平均値を若干下回っている状況である。数値は、上昇傾向が続いており、老朽化の進む資産を維持するための基金積立等を積極的に実施し、人口減少・超高齢化時代に即した計画的な公共施設の維持管理に努めたい。

債務償還比率の分析欄

平成24年度に借入れた中学校屋内運動場整備事業債の完済や平成31年度借入れの小中学校エアコン整備事業債の元金償還が開始したこと、また、基金の増加などの影響により、類似団体内平均値と近い数値となった。今後も公共施設の老朽化に伴う大規模改修が見込まれ、財源は起債を想定せざるを得ない状況であり、より適正な管理を行っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

ピークを迎えた償還額に比べ借入額が下回っていることや後年度に向けた基金積立てを行ったことにより、将来負担比率は昨年度に続き大きく減少した。固定資産減価償却率は、類似団体内平均値を下回っているものの徐々に上昇しており、適正な維持管理を行う必要がある。児童館、福祉施設などをはじめ、減価償却率が非常に高い数値を示す施設も多数あり、公共施設等総合管理計画に基づき、計画的に老朽化対策に取り組まなければならない。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、地方債発行額の減少により地方債現在高が減少し、また、基金積立の増加が影響し大きく減少した。実質公債費比率については、平成31年度借入れの小中学校エアコン整備事業債の元金償還開始等をはじめ公債費のピークを迎えたことに加え、標準財政規模の減少などが要因となり増加となった。なお、類似団体内平均値と比較し、将来負担比率は大きく減少したため近い状況になっており、実質公債費比率は下回っている。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

令和4年度においては、岩和田町営住宅の除却があったため公営住宅についての減価償却率は下がったものの、依然として高い水準にある。そのほか、全体としては新設や大規模改修等がなかったため大きな変動はなく、減価償却率は全体的に徐々に上昇している状況である。また、公営住宅や児童館、公民館などは、類似団体内平均値と比較しても非常に高い減価償却率となっており、安全な施設運営管理および適正な老朽化対策に努めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

令和4年度は大規模改修等がなかったため大きな変動はないものの、福祉施設(地域福祉センター)や消防施設は、類似団体内平均値と比較し大幅に減価償却率が上回っている状況であり、計画的に施設の適正管理を行う必要がある。また、庁舎についても令和3年度以降は類似団体内平均値を上回っており、多様な事象に対し拠点となる庁舎施設は、大規模改修も含めた老朽化への対応が必須であり、より安全な施設運営・維持管理に努めていく。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計においては、資産総額が前年度末から279百万円の減少となった。資産総額のうち有形固定資産の割合が88.1%となっており、これらの資産は将来(維持管理・更新等)の支出を伴うものであることから、公共施設総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。公共施設総合管理計画の改訂は、新型コロナウイルス感染症の影響等により繰越となってR4年度に完成したため、改訂版に基づく計画的な管理を行っていく。また、負債総額は借入を抑制できたことや公債費がピークを迎えたこと等により、280百万円の減となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用が39億3千7百万円となり、コロナ禍ではあるものの徐々に事業等の再開により、前年度比2百万円の減少となった。業務費用の方が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは、減価償却費や維持補修費を含む物件費等(16億8千万円、前年度比△3千7百万円)であり、純行政コストの44.8%を占めている。コロナ禍における国庫支出金をはじめとした補助金等(8億5千3百万円、前年度比△5千7百万円)が徐々に減少し、純行政コストを占める割合は22.7%(前年度比△1.4%)となった。今後は公共施設の老朽化に伴う維持管理の中で、大規模な集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に一層努め、物価高騰の影響もある中で経費の縮減に努めていく。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計においては、税収等の財源(37億5千3百万円)は純行政コスト(37億5千2百万円)とほぼ同額であるものの上回り、本年度の差額は1百万円となり、純資産残高も1百万円の増加となった。地方税についてもコロナ禍から動き出した経済活動に合わせ、徴収業務の徹底・強化により確実な税収等の確保に努め、また、社会情勢による国の施策に影響される補助金等にも留意していく必要がある。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は6億6千9百万円であったが、投資活動収支については、後年度に向け、教育施設建設基金や公共施設維持管理基金等に積立てを行ったため、△4億4千4百万円となった。財務活動収支については、ピークを迎えた地方債の償還額が発行額を大きく上回ったことから△2億8千万円となり、本年度末資金残高は前年度末から5千4百万円減少し、3億6千4百万円となった。地方債償還額はピークを迎えたが、今後の行政活動に必要な資金を基金の取り崩しや地方債の発行収入によって確保する状況に変わりはなく、行財政改革の推進が必要である。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均値と比較し下回っている状況に加え、老朽化した施設が多く、前年度末に比べて2千8百万円減少している。また、減価償却率も上昇傾向が続いている。将来の公共施設等の大規模な修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、今年度改訂した公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の集約化・複合化を進めるなど、施設保有量の適正化に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均と比較すると上回ってはいるが、純行政コストが財源を1百万円下回ったことから、純資産はほぼ横ばいとなった。純資産については、普通交付税が再算定等によりコロナ禍以前と比較して拡大したことが主な要因となっている。この状況が一時的なものと捉えると、増収がなかった場合、純資産は減少傾向となり、将来世代が利用可能な資源を消費したことを意味するため、行財政改革の推進が必要である。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体平均値と比較すると下回っており、昨年度から2百万円減少している。物件費等(16億8千万円、前年度比△3千8百万円)や人件費、補助金等(8億5千3百万円、前年度比△5千7百万円)など、前年度までの新型コロナウイルス感染症対応に係る特殊な要因等により複数の科目で減少しているが、今後の平時に戻していく段階においては、各科目費用についてコロナ禍を契機に、改めて必要性や代替手段等を検証し、経費の縮減に一層努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体平均値を下回っており、負債合計額は2千8百万円減少している。久保橋補修工事とうに係る借り入れ等を行ったものの、借入額は償還額を大きく下回っており、また、平成24年度に借り入れた中学校屋内運動場整備事業債(借入2億6千6百万円、10年償還〉等の完済や平成31年度に借り入れた小中学校エアコン整備事業の元金償還が開始したことが主な要因となっている。後年度の大規模な施設更新事業を見据え、引き続き可能な範囲で地方債残高の縮小と計画的な事業計画の実施に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均と比較して下回っているものの、前年度に比べると増加した。主な要因としては、経常費用は概ね横ばいであったことに対し、コロナ禍からの本格的な事業再開によりプール施設使用料等の経常収益が増加したことによるものである。今後、物価高騰化における公共施設等の使用料やごみ手数料等の見直しの課題、観光事業等の再開等による収益回復を図っていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,