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茨城県那珂市の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

消費の持ち直しによる地方消費税交付金の増や市民税の増収などに伴い、基準財政収入額は増加したものの、被生活保護者数の増のほか、緊急防災減災事業債の理論償還開始による公債費の増等により基準財政需要額についても増加したため、単年度指数は前年度から0.006ポイント減少した。三か年平均の指数は前年度から0.01ポイント低下し、類似団体平均との比較でも、0.09ポイント下回っている状況である。引き続き徴収率の向上に努めるなど、自主財源の確保を図るとともに、歳出の見直しにより一層の財政基盤の強化に努めていく。

経常収支比率の分析欄

普通交付税等の増により経常一般財源等総額が増加した一方、人事院勧告に伴う人件費の増や大宮地方環境整備組合に対する負担金の増等により経常経費充当一般財源等も増加し、前年度に比べ2.7ポイント増となる93.1%となった。類似団体平均からは0.5ポイント下回っているものの、扶助費については今後も経常的な増加が見込まれること、会計年度任用職員の増員・昇給に伴う人件費の増等の増加要因があることから、引き続き事務事業の見直しを進め、一層の財政健全化に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、人事院勧告に伴い職員給与や会計年度任用職員報酬等が増加したものの、物件費については、新型コロナウイルスワクチン接種事業やキャッシュレス決済ポイント還元事業等の減により減少し、維持補修費については、小学校の施設管理事業等が減少した結果、前年度より、1,096円減となる148,191円となった。類似団体平均からは11,858円上回っており、物価高騰の影響等から今後も増加の見込である。施設の管理運営方法の見直しや、経費削減の徹底により増加幅の抑制に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

高年齢層の昇給停止を国より遅れて適用したため、過去において昇給していた職員が退職したことにより変動した。引き続き人事評価制度の推進を図ることにより、一層の給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定年延長を踏まえ、今後の定員管理については、早急に計画を策定する予定である。一時的には定年引上げの影響により増員する見込みであるが、民間委託の推進等により、定年引上げの制度完成後においては、現水準に戻るよう事務事業等の見直しを進めていく。

実質公債費比率の分析欄

普通交付税や地方消費税交付金等の増により単年度の数値は減少したものの、算定開始以来最低値であった令和2年度が平均値から除かれたため、前年度から0.2ポイント増の4.2%となった。類似団体平均からは1.6ポイント下回っている。公営企業については、起債償還が依然として高水準で推移していることに伴い、多額の繰出金が必要とされ、また、公共施設の老朽化対策や想定される大規模事業により、公債費の増加が想定されるため、引き続き適正な市債発行や後年度の公債費の推移を考慮した償還条件の設定等をとおして、公債費の抑制に努めていく。

将来負担比率の分析欄

令和2年度に下水道事業が公営企業会計へ移行したことに伴い、2つの特別会計であった公共下水道事業と農業集落排水整備事業について公営企業債等繰入見込額を合算調整した結果、繰入算入率が減少し、令和3年度以降将来負担比率は0%となっている。今後は、公共施設の老朽化対策や想定される大規模事業により、地方債残高の増加が見込まれること、また、公営企業の起債償還が依然として高水準で推移していることに伴い、多額の繰出金が必要とされることから、適正な市債発行をとおして、一層の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人事院勧告に伴う職員給与や会計年度任用職員報酬等の増に伴い、経常経費充当一般財源が115百万円増加したため、前年度比0.7ポイント増の30.6%となった。類似団体との比較では6.4ポイント上回っているなど、依然として高い比率で推移している状況である。今後は、会計年度任用職員の適切な任用をとおして、人件費の上り幅を抑えるよう努めていく。

物件費の分析欄

情報系システム管理事業におけるソフトウェア更新費用の減等により経常経費充当一般財源が79百万円増となったため、前年度に比べ0.5ポイント上昇し、13.4%となった。類似団体との比較では、3.5ポイント下回っている。今後も各種システムの運用方法や公共施設等の管理運営に係る経費について、委託業務の内容精査や、公共施設適正管理推進事業債の起債など有利な財源の選択等一層の節減・合理化を図っていく。

扶助費の分析欄

生活保護扶助費等の増により経常経費充当一般財源が90百万円増となったため、前年度比0.7ポイント増の10.3%となった。類似団体との比較では、2.9ポイント下回っている。今後も少子高齢化の進展や子育て支援施策の充実等に伴い、扶助費については、増加が見込まれるため、各制度の適正な執行や健康づくりへの支援等予防施策の充実をとおして、扶助費の上り幅を抑えるよう努めていく。

その他の分析欄

維持補修費については、小学校の施設管理事業等の減により経常経費充当一般財源が36百万円減少し、繰出金については、後期高齢者医療特別会計への繰出金等の増により経常経費充当一般財源が17百万円増加した。経常収支比率は、前年度より0.2ポイント低下し、類似団体との比較では0.5ポイント下回る12.4%となった。今後も各種保険料収納率の向上をとおして、繰出金の抑制に努める。

補助費等の分析欄

団体の運営費補助については、補助金等審議会を毎年度開催し、補助金の交付内容や補助団体の運営状況等について見直しや精査を実施している。大宮地方環境整備組合に対する負担金の増等により経常経費充当一般財源が164百万円増となったため、前年度に比べて1.2ポイント上昇したものの、類似団体と比較では0.9ポイント下回っている。今後とも適正な執行に努めていく。

公債費の分析欄

臨時財政対策債等の償還終了により、公債費に係る経常経費充当一般財源等は17百万円減少し、類似団体と比較すると経常収支比率は0.9ポイント上回っている。近年、利率が上昇傾向にあることを考慮し、今後、進展が想定される大規模事業や施設の老朽化対策等のため、適正な市債発行に努める。

公債費以外の分析欄

前年度より2.9ポイント増、類似団体との比較では1.4ポイント下回る78.2%となった。主な要因としては、人事院勧告に伴う人件費の増が挙げられる。税等の徴収率の向上により歳入の確保に努めるとともに、事務事業の見直しや計画的な公共施設の維持管理の推進により経常経費の削減を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費については、令和5は住民一人当たりのコストが前年度より4,288円増の61,053円となった。類似団体平均を2,429円下回っている。これは総合センターらぽーるにおける屋根等改修や四中学区コミュニティセンター建設に係る工事費等の増によるものである。民生費については、令和5は住民一人当たりのコストが前年度より6,249円増の160,578円となった。類似団体平均を29,009円下回っている。これは国の物価高騰対策に伴う住民税非課税世帯重点支援給付金事業等の増によるものである。障害福祉サービス給付事業等の経常的経費が依然として増加傾向にあり、今後も増加していく見込みである。衛生費については、令和5は住民一人当たりのコストが前年度より2,685円減の32,526円となった。類似団体平均を10,569円下回っている。これは、新型コロナウイルスワクチン接種事業等の減によるものである。土木費については、令和5は住民一人当たりのコストが前年度より6,075円減の41,969円となった。類似団体平均を1,240円上回っている。これは、上菅谷下菅谷・下菅谷停車場線や菅谷市毛線等の都市計画道路に係る事業費等の減によるものである。教育費については、令和5は住民一人当たりのコストが前年度より2,524円増の47,311円となった。類似団体平均を4,581円下回っている。これは、総合公園における熱源設備改修や給食センターにおける施設防水補修に係る工事費等の増によるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出総額については、住民税非課税世帯重点支援給付金事業等の増により前年度比0.5%の増となった。住民一人当たりのコストとしては、前年度より4,748円増となる426,211円となった。人件費については、人事院勧告に伴う職員給与や会計年度任用職員報酬等の増により2,881円増加し、類似団体平均からは19,386円上回っている。物件費については、新型コロナウイルスワクチン接種事業の減やキャッシュレス決済ポイント還元事業の皆減等により4,015円減少し、類似団体平均からも11,628円下回っている。維持補修費については、給食センターの設備修繕費等の減により149円減少し、類似団体平均からは5,838円上回っている。扶助費については、住民税非課税世帯重点支援給付金事業等の増により6,351円増加した。補助費等については、大宮地方環境整備組合負担金等の増に伴い55円増加し、類似団体平均からは2,085円下回っている。普通建設事業費については、都市計画道路に係る事業費の減があったものの、コミュニティセンターの改修・建設等もあり、699円増加し、類似団体平均からは2,910円下回っている。内訳として、新規整備については、四中学区コミュニティセンター整備事業等により前年度より1,828円増加し、類似団体平均からは12,830円上回っている。更新整備については、らぽーる改修事業等により前年度から6,626円増加したものの、類似団体平均からは15,386円下回っている。繰出金については、後期高齢者医療特別会計への繰出金等の増により前年度から705円増加したものの、類似団体平均を3,276円下回っている。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高は、前年度から横ばいの状況であるものの、普通交付税の増等により、標準財政規模が1.8%増加したため、前年度より0.27ポイント減少している。実質収支額については、人事院勧告に伴う職員給与費や会計年度任用職員報酬の増等により歳入歳出差引が減となったため、前年度に比べて2.44ポイント減少し、実質単年度収支については、1.86ポイント減少した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況については、いずれの年度も黒字となっている。水道事業会計については、木崎浄水場更新工事に係る工事費の減により資本的収支の不足額が減少したため、1.36ポイント上昇した。下水道事業会計については、企業債残高が減少していることに伴い、流動負債から控除する次年度償還額が減少したため、0.32ポイント低下した。今後も、第2次那珂市総合計画に基づき、健全で効率的な行財政運営の推進に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

元利償還金については、臨時財政対策債の償還終了等により0.8%減少した。公営企業債に対する繰出金については、公共下水道事業における準元利償還金の減により0.5%減少した。算入公債費等については、事業費補正による公債費が、下水道費算入額の減等により3.3%減少したものの、災害復旧費等に係る基準財政需要額が、緊急防災減災事業債等の算入額の増により1.3%増加した。実質公債費比率の分子の額としては、前年度より2.8%減少することとなった。引き続き事業を厳選し、適正な地方債発行に努め、公債費の抑制を図っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高については、臨時財政対策債の償還進展等により前年度より3.4%減少した。公営企業債等繰入見込額についても、下水道事業会計における企業債の償還進展による現在高の減により3.8%減少した。他方、基準財政需要額算入見込額については、臨時財政対策債の償還進展等により3.5%減少したものの、充当可能特定歳入については、都市計画税充当見込額の増等により4.6%増加した。そのため、将来負担比率の分子の額は前年度より11.5%減少することとなった。今後については、適切な地方債の発行と基金の適切な管理にあわせて、行財政改革の取組を推進していくことにより安定した財源の確保を図っていく。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)基金全体としては、四中学区コミュニティセンターにおける備品購入のためコミュニティセンター等整備基金から20百万円を、額田城跡試掘確認調査のため生涯学習基金から13百万円を取り崩したものの、普通交付税の再算定に伴い減債基金に92百万円を積み立てたことから、基金全体では増加となった。(今後の方針)基金については、行財政改革、経費節減等により捻出した額及び歳出の不用額を基金に積み立てていくことを想定している。積立先としては、使途目的が明確である特定目的基金への積立てを優先的に行う方針である。なお、森林環境譲与基金については、公共施設の木質化を念頭に置き、適宜活用していく。

財政調整基金

(増減理由)令和元年度に歳出の不用額について100百万円を積み立て、平成29年度末時点の水準まで回復して以降、横ばいの状況である。(今後の方針)扶助費等の社会保障関係経費の増加、公共施設の老朽化による更新等、需要の増加要因が引き続き存在し、基金取崩しによる財源捻出を行わざるを得ない状況が発生すると想定されることから、財政調整基金は減少していく見込みである。

減債基金

(増減理由)減債基金については、普通交付税再算定による増額のうち臨時財政対策債償還基金費分64百万円に加え、会計余剰金28百万円を積み立てたため増加している。(今後の方針)減債基金については、行財政改革、経費節減等により捻出した額及び歳出の不用額を積み立てていく方針である。今後は、想定される大規模事業の起債が見込まれること、四中学区コミュニティセンター整備事業等に伴う起債の元金償還が始まったことから減少していく見込みである。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設の計画的かつ円滑な整備を図る目的学校施設整備等基金:市内学校の補修、改造、改築その他教育環境の整備に充てる目的ふるさとづくり基金:自然環境の保全とともに、特産品の開発等活気あるまちづくりを推進する目的農業農村整備基金:地域農業の振興と活性化とともに、国際環境に対応した農業構造を構築する目的地域振興基金:地域における福祉活動の促進、快適な生活環境の形成に資する目的(増減理由)地域振興基金は、常備消防車両整備事業における消防ポンプ自動車購入のため12百万円を、ふるさとづくり基金は、清水洞の上公園の設備修繕のため1百万円を取り崩した結果、基金残高が減少している。その他の基金については、利子分の積立てに留まるため、ほぼ横ばいである。(今後の方針)公共施設整備基金については、公共施設の老朽化が全般的に進んでおり、計画的に設備の更新を行っていくこととしているため、減少していく見込みである。学校施設整備等基金についても、学校施設の個別施設計画に沿った老朽化への対応を基金取崩しによる財源捻出をもって取り組んでいくことが想定され、加えて、教育のデジタル化への対応のため、資金需要が増加していく見込みであることから基金残高は減少していくことが見込まれる。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

学校施設や公営住宅等、長寿命化につながる修繕等を計画的に進めているものの、過年度取得資産の減価償却により、類似団体平均を0.9ポイント上回った。昭和40~50年代に建設した公共施設等の老朽化が進み、修繕や更新の費用増大が見込まれている。限られた財源の中で対応していくために、平成27年に「公共施設等マネジメント計画」を、平成29年に「舗装維持修繕計画」を策定し、長期的な視点に立ち、更新や修繕、統廃合を計画的に進めてきている。予防保全型の施設管理に転換を図り、施設の長寿命化を推進し、維持管理コストの縮減を図っていく。

債務償還比率の分析欄

臨時財政対策債の減や、下水道事業会計の企業債現在高の減による繰入見込額の減により将来負担額は減少したものの、大宮地方環境整備組合への負担金の増等による補助費等の増や、期末手当や会計年度任用職員報酬の増による人件費の増等により、経常経費充当財源が増加したことにより、債務償還比率は前年度から17.1ポイント増の470.1%となった。類似団体平均からは、46.9ポイント下回り、県平均からも112.3ポイント下回っている。今後とも、公営企業も含め適正な市債発行、行財政改革の推進により安定した財源の確保に努め、将来負担の縮減を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については、臨時財政対策債の減や、下水道事業会計の企業債現在高の減による繰入見込額の減等により、将来負担額が大きく減少したことから、令和4年度に引き続き数値なしとなった。有形固定資産減価償却率については、学校施設や公営住宅等、長寿命化につながる修繕等を計画的に進めており、また、新規のコミュニティセンターの供用開始により、大規模な新規資産の取得があったが、過年度取得資産の減価償却により、前年度より1.1ポイントの増、類似団体平均を0.9ポイント上回った。昭和40~50年代に建設した多くの公共施設等の老朽化が進み、今後とも有形固定資産減価償却率は伸びていく見込みであるため、策定済みの公共施設等マネジメント計画に基づき、施設の長寿命化につながる修繕等を計画的に進めることを通して、施設の維持管理コストの低減や将来負担額の抑制を図っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については、臨時財政対策債の減や、下水道事業会計の企業債現在高の減による繰入見込額の減等により、将来負担額が大きく減少したことから、令和4年度に引き続き数値なしとなった。令和5年度単年度実質公債費比率については、標準税収入額等や普通交付税額の増により、前年度0.2ポイント減の4.2となった。実質公債費比率(3か年平均)は、令和5年度と令和2年度の比較において、緊急防災・減災事業債や臨時財政対策債の償還額の増による元利償還金の額の増等に伴い、前年度0.2ポイント増の4.2となり、今後も増加が見込まれる。いずれの数値も類似団体平均からは下回るものの、多くの公共施設において、老朽化による設備の修繕等が必要になってきていることから、施設の維持管理に係る経費の増加が見込まれる。今後は、公共施設等マネジメント計画に基づき、計画的な修繕、改修等を実施することにより、施設の長寿命化を進めるとともに、公営企業も含めた適正な市債発行を通して、将来負担比率及び実質公債費比率の適正化に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、公営住宅、公民館である。認定こども園・幼稚園・保育所については、令和元年度から幼稚園を1園に集約化したため類似団体平均より22ポイント下回っている。学校施設については、瓜連小学校職員室等空調設備工事や第三中学校受変電設備改修工事を実施したものの、その他設備等の老朽化が進んだ結果、前年度より1.3ポイントの増となっており、今後も増加が見込まれるため、令和2年度に策定した個別施設計画に基づき、設備等も含め計画的な予防保全により長寿命化を進めていく。市内1施設のみである公民館については、築40年以上を経過し老朽化が進んでいることから、類似団体平均より18.4ポイント上回っている。今後は長期保全計画に基づき、計画的な修繕等を進めていく。また公営住宅については、築50年を経過した住宅が3割を占めており、類似団体平均を17.5ポイント上回っている。耐用年数を過ぎた住宅については、廃止の方向とするとともに、長寿命化計画に基づき計画的に既存住宅の長寿命化を図っていく。一人当たりの資産量については、橋梁・トンネルの数値が類似団体平均から下回っているが、これは平たん地の多い当市の地理的要因に起因するものである。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、一般廃棄物処理施設及び本庁舎である。一般廃棄物処理施設については、常陸大宮市と当市とで構成する一部事務組合が保有する施設である。計画的に修繕等を行っているものの、類似団体平均を18.2ポイント上回っている。今後、ごみ焼却施設の大規模改修を予定していることから、関係機関と連携を図りながら、長寿命化に向け計画的に整備を進めていく。本庁舎については、建設から35年以上経過し老朽化が進んでいることから、類似団体からは17.9ポイント上回っている。類似団体の有形固定資産減価償却率を押し下げている要因として、全国的に旧耐震基準で建てられた庁舎の更新が相次いでいることが考えられるが、本市においては新耐震基準で建てられているため、今後とも長期保全計画に基づき計画的に予防保全に努めていくことで、現在の施設を引き続き利用していく。消防施設については、消防本部・東消防署の空調設備改修工事等を実施したものの、過年度取得資産の減価償却もあり、有形固定資産減価償却率は前年度から5.7ポイント上昇している。保健センター・保健所については、有形固定資産減価償却率は前年度から0.1ポイント上昇している。令和5年度も空調設備の更新修繕を行っており、今後も計画的な修繕を進めていく。図書館については、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているものの、建設から15年ほど経過し減価償却が進んでおり、今後設備等の修繕や更新費用の増加が見込まれるため、長期保全計画に基づき、計画的な修繕等を進めていく。また、多目的室や会議室も備えた市の生涯学習拠点施設として、1人当たり面積は類似団体平均を上回っている。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等では、資産総額が前年度末から373百万円減少(-0.53%)した。前年度から変動額の大きなものは、インフラ資産の工作物及び事業用資産の建物である。工作物については、道路改良舗装工事等があったものの減価償却がそれを大きく上回ったことにより減(-1,195百万円)、事業用資産の建物については、ふれあいセンターすがやの供用開始等により増(+573百万円)となった。負債については、起債償還元金以下に起債発行を抑制したことに加え、臨時財政対策債の償還進展により大きく減少したことで地方債が減となり、全体として592百万円減少(-2.87%)した。全体会計では、資産総額が下水道管路等のインフラ資産を計上していることにより一般会計等に比べ44,304百万円多くなり、対前年度比では水道事業会計及び下水道事業会計の現金預金増等により170百万円増加(+0.15%)している。負債については、水道事業会計及び下水道事業会計の地方債を計上していることにより一般会計等に比べ34,922百万円多くなるものの、全体会計としては対前年度で442百万円減少(-0.80%)している。連結会計では、資産については、大宮地方環境整備組合が保有する建物等を計上していることなどにより一般会計等に比べ46,030百万円多くなり、負債については、大宮地方環境整備組合における地方債、那珂市社会福祉協議会における退職手当引当金等があることから35,243百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等については、職員給与費等の増により人件費は増加しているが、新型コロナウイルスワクチン接種事業等の減による物件費等の減により業務費用は129百万円減少し、加えて、住民税非課税世帯重点支援給付金や、障害福祉サービス給付金等の社会保障給付の増等により移転費用は241百万円増加しており、純経常行政コストは94百万円増加した。また、旧シルバー人材センター底地の除却の皆減などにより資産売却損が79百万円減少し、純行政コストは1百万円の減少となった。全体会計では、一般会計等に比べ、下水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が1,645百万円多くなる一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため移転費用が8,340百万円増加したことで、純行政コストが9,657百万円多くなっている。連結会計では、一般会計等に比べて連結団体の事業収益等を計上したことで経常収益が1,794百万円多くなる一方、茨城県後期高齢者医療広域連合における保険給付費等を補助金等に計上しているため移転費用が13,741百万円増加したことで、純行政コストは15,991百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等では、税収等の財源(20,458百万円)が純行政コスト(20,259百万円)を上回っており、本年度差額は200百万円となった。対前年度では、税収等が普通交付税や特別交付税の増等により231百万円増加、国県等補助金が電気・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金事業費の皆減や、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の減により444百万円減少し、本年度差額は前年度から212百万円減少したが、本年度末純資産残高は前年度から219百万円増加し、50,237百万円となった。全体会計では、一般会計等に比べ、国民健康保険特別会計の国民健康保険税等を計上していることにより、税収等が4,274百万円、下水道事業会計等の国県等補助金等を計上していることにより、国県等補助金が5,744百万円それぞれ多くなっており、本年度差額は561百万円となり、純資産残高は59,619百万円となった。連結会計では、茨城県後期高齢者医療広域連合への保険料収入及び国県等補助金等を計上していることにより、一般会計に比べ財源が16,258百万円多くなり、本年度差額は466百万円、純資産残高は61,024百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等では、住民税非課税世帯重点支援給付金や、障害福祉サービス給付金等の社会保障給付の増等により移転費用支出は増加し、普通交付税や特別交付税の増額等により税収等収入が増加したが、電気・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金事業費の皆減や、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の減により業務収入は減少した。業務活動収支としては前年度比110百万円減となる2,078百万円となった。投資活動収支については、四中学区コミュニティセンターの整備工事やらぽーる改修事業の増により公共施設等整備費支出は増加したが、下菅谷地区街路整備事業や菅谷市毛線街路整備事業の減等により国県等補助金収入が減となったため、投資活動収支は160百万円減となる▲1,743百万円となった。全体会計では、一般会計等に比べ、国民健康保険税や介護保険料、下水道料金の使用料及び手数料収入などを計上していることから、業務活動収支は、1,823百万円多い3,901百万円となった。投資活動収支は、水道事業会計の浄水場更新及び下水道事業会計の管路布設などの公共施設整備等支出を計上していることから、一般会計等より1,148百万円少ない▲2,891百万円となった。連結会計では、一般会計等に比べ、茨城県後期高齢者医療広域連合や大宮地方環境整備組合における収入等を計上していることから、業務活動収支は、1,801百万円多い3,879百万円となり、投資活動収支については、1,126百万円少ない2,869百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、類似団体平均を下回っている。主な要因として、当市の地形によりインフラ資産(工作物)のうち橋りょう・トンネルが類似団体より少なく、有形固定資産の総額が低いことが考えられる。歳入額対資産比率は、類似団体平均とほぼ同水準となっている。資産形成は行っているものの、減価償却により資産合計がは減少、電気・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金事業の終了等により歳入総額も減少しており、当該値は昨年度と同程度となっている。有形固定資産減価償却率は、類似団体とほぼ同水準となっている。老朽化する公共施設等については、市の公共施設等マネジメント計画に基づき、施設の実態や利用状況、維持管理コスト等を考慮しながら長寿命化を計画的に行い、財政負担の軽減と平準化を図る。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均から2.1ポイント下回る水準となったものの、前年度より0.7ポイント増加している。普通交付税や特別交付税の増収等による財源の増加に加え、臨時財政対策債の償還進展等に伴う地方債残高の減により、純資産残高が増加したものである。しかしながら、施設の維持補修費が今後増加していくことが見込まれるため、徹底した経費の節減や公共施設のマネジメントにより行政コストの圧縮を進めていくことで、将来世代が利用可能な資産の確保に努めていく。将来世代負担比率は類似団体平均を下回る水準となっている。コミュニティセンターの整備・改修等による地方債残高の増加及びインフラ資産の減価償却による有形固定資産の減少等により、前年度より0.3ポイント増加しており、今後も施設の修繕等の財源を起債に求めることが想定されるため、引き続き公共施設のマネジメントに取り組むことにより、将来世代負担比率を適切に推移させていくよう努めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均とほぼ同水準となっており、当市では前年度より0.3万円の増加となった。新型コロナウイルスワクチン接種事業等の減による物件費等の減により業務費用は減少したが、住民税非課税世帯重点支援給付金や、障害福祉サービス給付金等の社会保障給付の増等による移転費用の増により、経常費用は20,909百万円となり、前年度比111百万円の増加となった。また、人口減少が穏やかに続いており、施設の老朽化等による維持補修費の増加傾向を考慮すると、今後も住民一人当たりの行政コストは増加していくことが見込まれるため、経費の節減及び公共施設のマネジメントに取り組むことで行政コストの圧縮を進めていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、類似団体平均とほぼ同水準となっている。臨時財政対策債が償還進展により大きく減少したことで地方債が減となり、負債合計としては前年度より592百万円減少している。しかしながら、今後も公共施設の長寿命化や複合型交流拠点施設「道の駅」建設等を予定しており、また、人口減少が緩やかに続いていくことも鑑みると、当該数値は増加していくことが見込まれるため、適切に地方債を発行していくよう努めていく。基礎的財政収支は、業務活動収支においては、住民税非課税世帯重点支援給付金や、障害福祉サービス給付金等の社会保障給付支出が増額となったことに加え、投資活動収支においては下菅谷地区街路整備事業や菅谷市毛線街路整備事業の減等による国県等補助金収入の減により、前年度から414百万円減の434百万円の黒字となった。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担については、類似団体平均を下回っており、前年度より0.1ポイント上回っている。住民税非課税世帯重点支援給付金や、障害福祉サービス給付金等の社会保障給付の増が主な要因であり、維持補修費については56百万円減少しているが、施設の修繕等に要する経費は増加傾向にあるため、長寿命化等による経常費用の圧縮が求められる。当市では平成21年度及び令和元年度に使用料及び手数料の見直しを行ったため、即時の費用転嫁は困難な状況にあるが、施設利用率等の向上を図り、引き続き経常収益の改善に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,