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地方財政ダッシュボード

福島県相馬市の財政状況(2020年度)

🏠相馬市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

前年度から0.02ポイント増加し、類似団体平均を0.28ポイント上回る結果となった。これは、平成29年度と比較して税収が増となっているためである。しかし、今後は復興関連事業の減少により、建設業を中心に減収が見込まれる。需要額においては復興事業が減少しているが、今後は復興整備施設の維持管理経費の上昇が予測されるため、既存事業の見直しにより財政力の維持を図りたい。

経常収支比率の分析欄

前年度からは8.5ポイント増加し、類似団体平均よりも7.5ポイント上回る結果となった。経常費用が増加した要因としては、下水道事業が公営企業会計に移行したことによる繰出金の経常分の増加、会計年度任用職員制度に伴う支出の増加、介護保険繰出し金など社会保障費用の増加、などによるものである。今後も福祉関係経費等を中心とした扶助費の増加、また、学校建設債の償還費の増加が見込まれ、更なる財政の硬直化が懸念されることから、歳入の安定確保、財政基盤の強化に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

前年度からは11,312円増加し、類似団体平均よりも17,210円下回る結果となった。令和元2度は会計年度任用職員分や退職金が増額したためである。今年度においては、類似団体平均を下回る結果となったものの、今後は、震災関連で整備した施設の維持管理費の増加が見込まれることから、コスト削減に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

給与水準は、福島県人事委員会が民間企業の給与の実態を調査し、地域の民間給与水準との均衡を図るために実施された勧告を尊重して決定しており、地域の民間給与水準を給料月額に適切に反映させた結果、類似団体及び全国市平均を上回ることとなった。なお、給与水準については、今後も福島県人事委員会勧告を尊重しながら、適切な給与水準となるよう努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

相馬市行財政改革における事務事業の効率化、一部組織の見直しを実施したことで職員数の適正化を図り、平成18年度から平成27年度までに48人の人員を削減した。前年度から微減しており、類似団体平均を下回っている。今後も適正な人員配置を行い、類似団体平均を下回る数値を維持できるよう努めていく。

実質公債費比率の分析欄

比較的数値の高かった平成24年度以降、毎年度比率の横ばいが続いているが、依然として類似団体を上回っている。今後数年は、小中学校の改築等に伴い平成28年度から例年以上の地方債を発行していることから、比率が上昇することが見込まれる。今後は、公共施設の維持適正化、事業の見直しを実施しながら、新たな地方債の発行を抑制していく。

将来負担比率の分析欄

平成28年度の新庁舎完成に伴う地方債借入と庁舎建設基金残高の減少などにより、それ以降は類似団体平均より高いポイントとなっている。今年度においては、災害復旧事業債の借入により地方債現在高が増加したことにより将来負担額が増加したものの、財政調整基金の現在高が増加したことにより、前年度より22.2ポイントの大幅減少となっている。今後、事業内容を更に厳選すること、また、新たな地方債の発行については交付税措置の有利なものに限り活用することなどで後年度負担の軽減を図るための財政健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

前年度から3.8ポイント増加し、類似団体平均を2.7ポイント上回る結果となった。令和2年度は、会計年度任用職員分や退職金の増等によるものである。人員配置の見直しや定員管理・給与の適正化を図り、人件費の抑制に努めていく。

物件費の分析欄

前年度から2.6ポイント減少し、類似団体平均を0.5ポイント上回る結果となった。これは、会計年度職員制度開始に伴うもの等が要因として挙げられる。外部評価委員会の評価及びPDCAサイクルによる検証により、既存施設も含め、維持管理経費のコスト削減に努めていく。

扶助費の分析欄

前年度から0.1ポイント減少し、類似団体平均を1.4ポイント下回る結果となった。類似団体平均を下回ったものの、生活保護費等は増加しており、今後も少子高齢化の進行等に伴う扶助補の増加が見込まれる。今後も引き続き、困窮家庭の支援策の充実などにより、扶助費の適正化に努めていく。

その他の分析欄

前年度から0.3ポイント増加し、類似団体平均を0.9ポイント上回る結果となった。今後は、震災以前の支出規模を目安とし、特別会計も含めた経費削減に努めるとともに、維持補修費の増加も懸念されることから、公共施設の管理計画に基づいた適正な維持管理に努める。

補助費等の分析欄

前年度から6.4ポイント増加し、類似団体平均を8.9ポイント上回る結果となった。以前より、公立病院事業や消防事業などの広域行政組合に対する負担金が他団体と比較して多かったが、令和2年度は公営企業会計移行に伴う下水道会計繰出事業の増額等によるものである。今後は、既存事業を含めた事業見直しを行い、コスト削減に努めていく。

公債費の分析欄

前年度から0.7ポイント増加し、類似団体平均を4.5ポイント下回る結果となった。これは、市庁舎建設学校施設整備係る償還開始によるものである。類似団体及び全国平均は下回ったまま推移しているが、令和元年台風災害に係る災害復旧事業債の借入により上昇となると考えられる。今後は、公共施設の維持適正化、事業の見直しを実施しながら、新たな地方債の発行を抑制していく。

公債費以外の分析欄

以前より、類似団体と比較して大きかったが、前年度から7.8ポイント増加し、類似団体平均を大きく上回っている。類似団体の比較を大きく上回っている補助費の一層の削減を図る。今後は、復興関連事業の進捗に伴い、支出額の減少はあるものの、震災以前に近づけるよう歳出削減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費、衛生費、災害復旧費において、前年度から増加し、類似団体内で高い値となっている。それぞれの増加要因は以下のとおり。総務費においては、特別定額給付金事業、財政調整基金への積立、事業精査による復興交付金の返還金に伴うもの。衛生費においては、令和元年東日本台風による災害廃棄物処理事業の増額によるもの。災害復旧費においては、令和元年東日本台風の災害復旧のため。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり916,145円となっており、昨年度より増加している。災害復旧事業費については、令和元年度台風災害により増加している。普通建設費については、防災・震災対策道路事業、復興市民市場整備事業の事業進捗により増加している。補助費については、東日本大震災復興交付金の返還金により増加している。積立金については、財政調整基金への積立により増加している。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度は、新型コロナウイルス感染症対策、令和元年度東日本台風による災害復旧費の増加及び復興交付金の返還金などにより、歳入・歳出増額となった。実質単年度収支は黒字である。復興交付金の精算等により、今年度は財政調整基金残高が増額となった。今後、復興事業の収束やコロナウイルスの影響により、税収や交付税が当面、減少が続くことが見込まれることから、財源の確保が課題となってくる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

一般会計の標準財政規模比は、繰越事業の減により前年度より0.42ポイントの減となっている。特別会計はほぼ横ばいとなっている。各会計において赤字額の発生はなく、今後も黒字決算を維持できると見込まれる。引き続き、健全な財政運営のため、各会計ともに、経費削減、事業効率化を推進していく。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

県営事業松ヶ房ダム整備事業等の債務負担額に係る支出や庁舎建設・学校改築等に係る償還によって、類似団体に比べ依然として高い状況である。今後は令和元年台風被害に係る償還が開始されるため、上昇傾向になると推測される。財政状況を見ながら利率の高い市債の繰上償還の実施や公営企業の健全化を図り、基準外繰出金の抑制に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

今年度においては、債務負担行為に基づく支出予定が減少したものの、台風災害による借入により地方債現在高は増加したため将来負担額は増額となった。しかし財政調整基金残高の増により、将来負担比率の分子は大幅に減額となった。今後、公立相馬総合病院事業の経営悪化や復興事業で整備した施設の維持管理経費により、財政調整基金の取り崩しを行うことが見込まれ、充当可能財源が減少することにより将来負担比率は増加することが見込まれる。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)令和2年度末の基金残高は、約95億円となっており、前年度から約36億円の減少となっている。これは、財政調整基金で約17億円残高が増加した一方で、復興交付金基金の精算に伴い約56億円が減少したことが主な要因である。(今後の方針)今後、復興関連事業の収束などによる法人市民税の減収などに伴う市税の減収が見込まれ、更なる財政の硬直化が懸念される。限られた財源のなかで効率的な予算配分を行いながら、健全な財政運営に努めることとしている。

財政調整基金

(増減理由)令和2年度末の基金残高は、約50億円となっており、前年度から約17億円の増加となっている。これは一般財源で支出していた復興交付金事業の精算等によるものである。(今後の方針)復興事業の収束やコロナウイルス感染症の影響等に伴い、税収が減少することが見込まれること、また、庁舎建設債など償還費の増加や震災関連施設の整備に伴う維持管理費の増加が見込まれることから、中長期的には減少していく見込みである。

減債基金

(増減理由)利子額を積み立てたことによる増額。(今後の方針)償還計画を踏まえ、効果的な基金運営を行っていくこととしている。

その他特定目的基金

(基金の使途)福島県市町村復興支援交付金基金:東日本大震災からの復興に向けた取り組みの推進ふるさと振興基金:伝統文化の振興及び人材育成並びに地域活性化に向けた施策の推進復興住宅被災者取得支援基金:東日本大震災により住居を失った被災者等に対する相馬市営住宅の払下げに関する支援(増減理由)職員退職手当基金:退職計画と併せて適正な積立を実施したことによる増額市営住宅維持管理基金:市営住宅の適正な維持管理を行っていくための積立を実施したことによる増額(今後の方針)ふるさと振興基金:寄附者の意向に沿った基金運営を行うこととしている。職員退職手当基金:職員退職計画にあわせて引き続き積み立てを行うこととしている。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体より低い水準で推移している。今後は少子高齢化に伴い人口減少が進むことから、施設の統廃合等により持続可能な施設管理をあり方を進めていく。

債務償還比率の分析欄

類似団体より、やや高い値のまま推移している。令和元年度東日本台風などの災害復旧に関する起債の発行増加により、数年はこの状態が続くと見込まれるが、今後は必要事業を精査し、起債の抑制を図っていきたい。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和元年度東日本台風災害などにより地方債現在高が増加したものの、基金の現在高が増加したことにより、将来負担比率が大幅に低下している。また、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも低い値となっている。今後東日本大震災により整備した施設の老朽化が進み、また少子高齢化も進むことから、公共施設等総合管理計画に基づき、適正な施設の維持管理に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率、将来負担比率ともに類似団体平均を大きく上回っている。将来負担比率は、基金現在高の増加等により大幅に改善されたものの、当面は高い率で推移するものと見込まれるため、新たな起債発行を最小限にとどめるよう、抑制を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、道路、認定子ども園・幼稚園・保育所、児童館であり、特に低くなっている施設は、学校施設、公営住宅、公民館である。道路、認定子ども園・幼稚園・保育所、児童館については、80%を超える有形固定資産減価償却率となっており、公共施設等総合管理計画に基づき、適正な施設の維持管理に取り組んでいく必要がある。公営住宅については、東日本大震災により新たに整備したためであり、今後は老朽化が進んでいくことから計画的な長寿命化を図っていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、一般廃棄物処理施設、保健センター・保健所であり、特に低くなっている施設は、体育館・プール、消防施設、市民会館、庁舎である。一般廃棄物処理施設、保健センター・保健所については、築30年を超える施設であり、計画的な長寿命化を図っていく必要がある。また、市民会館、庁舎等については東日本大震災により新たに整備した施設であり、他の施設と併せて同年代に建て替え時期が来ることから計画的な長寿命化が必要である。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から4,633百万円の減少(△6.0%)となった。大きな要因としては、復興交付金基金の返還に伴う「その他基金」の5,434百万円減少である。復興が進んでいくなかで通常時の財政規模に戻していく必要がある。一般会計等においては、負債総額が前年度末から640百万円の増加(+2.9%)となった。大きな要因としては、令和元年度東日本台風による災害復旧関連の地方債の借り入れ増加によるものである。地方債は今後、増加見込みであるため、交付税措置の有無等を踏まえた上で抑制していきたい。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は23,451百万円で、前年度から4,059百万円の増加(+20.9%)となった。特別定額給付金に伴う移転費用の増加(+3,125百万円)や復興交付金返還金に伴うその他の業務費用の増加(524百万円)などによるものである。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等、国県等補助金の財源(21,412百万円)が純行政コスト(26,853百万円)を下回ったことから、本年度差額は△5,441百万円となり、純資産残高は5,274百万円の減額となった。前年度よりは大幅に減少となっている。特に基金からの取り崩しが大きいため、必要事業を精査していく必要がある。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は△4,116百万円となり、令和元年度東日本台風の災害復旧事業によることや復興交付金の返還のために復興交付金基金の取り崩しなどから、投資活動収支は2,648百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が償還費用を上回ったことから900百万円となっている。今後も、令和元年度東日本台風の災害復旧事業債などにより起債発行額の増加が見込まれ、数年、財務活動収支はマイナスになるものと見込まれる。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人あたりの資産額は、類似団体平均値を下回っており、その要因として道路や学校など老朽化している建物が多いこと、都市部に比べ土地の評価額が安価であることなどによるものと推測される。基金残高の減少などにより今後も減少が見込まれる。維持管理の面からも公共施設の適正管理に努めていきたい。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率、将来世代負担比率は類似団体平均と概ね、同程度となっている。しかし、令和元年度東日本台風による災害復旧関連の起債の発行、雨水対策に係る起債の発行などにより、地方債残高の増加が見込まれるため、将来世代負担比率が増加していく見込みである。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人あたりの行政コストは前年度から18.1万円増加し、類似団体平均値より高い状況となった。令和2年度は特別定額給付金などや復興交付金の返還により高い値となっている。今後は施設等の維持経費の抑制や通常事業の必要性をよく精査した上で取り組むこととしていきたい。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、類似団体平均より下回っているが、今後、地方債残高の増加が見込まれ、負債額の増加が懸念される。交付税措置のない起債発行抑制を図っていきたい。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均より低い数値となっている。前年度に比べ、減少(△0.1)している。特別定額給付金に伴う経常費用の増加、及びその他収益の増加が要因である。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,