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地方財政ダッシュボード

山形県長井市の財政状況(2019年度)

🏠長井市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 特定環境保全公共下水道 農業集落排水 特定地域生活排水処理


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

大型事業所が少なく、加えて人口の減少、地価の下落等のマイナス要素が要因となり、類似団体内平均値を下回っている。近年はほぼ横ばいで推移しているため、今後は多様な納付手段により市税の高い収納率を維持しながら財政基盤の強化に努めていく。

経常収支比率の分析欄

降雪量の減に伴い維持補修費は大幅に減少したが、市税の減少等が影響し、前年度とほぼ横ばいの92.8%となり、類似団体平均を下回っている。今後とも、事務事業の見直しを更に進めるとともに、全ての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

児童センターやコミュニティセンターの指定管理料の増に伴い物件費が増加したため、前年に引き続き人口1人当たりの決算額が類似団体平均を上回っている。今後も定員の適正管理や事務事業評価による事業の見直し等を行い、人件費・物件費等の増加を抑制していく。

ラスパイレス指数の分析欄

過去の財政状況の悪化に伴う特別昇給の抑制及び退職時昇給の是正等の措置により、類似団体と比較して低い水準にあったが、中途採用者の給与の見直しや任用を早めたこと等により平成27年度から類似団体平均を上回った。今後数年は、職員の年齢、職制の構成上、同じ状況が続くと見込まれるが、国・県また他団体との均衡の原則に従い、適正な水準を維持するよう努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

学校給食共同調理場の民間委託、公立保育園の民間移管等により、類似団体平均値を下回っていたが、人口減少に歯止めがかからず、平成27年度から類似団体の平均値を上回っている。類似団体平均値を大きく上回らないよう、引き続き「長井市定員適正化計画」に基づき採用人数の平準化など適正な定員管理を行っていく。

実質公債費比率の分析欄

置賜広域病院組合の病院施設、置賜広域行政組合のごみ処理施設等に対する分担金などが実質公債費負担を増大させる要因となり、年々比率は改善しているものの類似団体では下位となっている。起債額が増加傾向にあるため、起債の制限等により適正な水準を目指していく。

将来負担比率の分析欄

類似団体平均を上回っており、主な要因としては、財政調整基金等の繰入による充当可能基金の減、複数の大規模事業にかかる地方債現在高の増があげられる。今後も大規模事業が続く見込みのため、事業見直しによる起債の制限、繰出金及び分担金の削減等に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

事業費支弁人件費の増に伴い、経常的な人件費が減少したため、前年度から比べると比率はやや減少した。今後も国、県及び他団体との均衡の原則に従い、適正な水準を維持するよう努める。

物件費の分析欄

令和元年度においては、児童センターやコミュニティセンターの指定管理料の増により物件費が増加した一方で、前年の大型施設整備事業にかかる経費が減少した影響等により、比率はわずかに減少した。今後も事務事業の見直し等により経費の削減に努める。

扶助費の分析欄

令和元年度においては、自立支援給付費や生活保護費の増加により、経常経費充当一般財源は増加した。扶助費は年々増加傾向にあるが、今後も資格審査等の適正化に努め、適正な水準を維持していく。

その他の分析欄

その他に対する比率が類似団体を上回っているのは、各特別会計への繰出金が大きな要因となっている。今後も公共下水道事業特別会計等の公営企業会計の経営健全化を進め負担金を抑制していく。

補助費等の分析欄

令和元年度においては、置賜広域病院企業団への負担金が減少した一方で、西置賜行政組合分担金が増加し、比率はわずかに増加している。今後も各一部事務組合への分担金の増加が見込まれるため、構成市町の分担割合の見直し等を検討し適正な水準を目指していく。

公債費の分析欄

過去の公共事業債等の償還終了による減はあるものの、平成27年度実施事業や臨時財政対策債の元金償還開始の影響等により、前年度から比べると比率は増加している。近年の大型事業の実施等により今後悪化していくことが予想されるため、繰上償還の実施等、適正な公債費管理を行っていく。

公債費以外の分析欄

前年度より比率はやや減少しているものの、依然として繰出金に係る経常収支比率が高く、類似団体を上回っている要因となっている。一部事務組合分担金の見直しや公営企業の経営健全化を進め、適正化を図るとともに、事務事業の見直し、行政経費の削減など徹底した歳出の見直しに努め、自由度の高い市政運営を目指す。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別歳出決算額で最も大きい金額は総務費の183,154円であり、前年比92,389円増加している。これは、市民文化会館大規模改修事業によるものである。民生費については181,848円であり、前年比29,109円増加している。これは、保育所等整備事業によるものである。消防費については、前年度に行った防災ラジオ屋外拡声装置整備事業が終了したことにより、前年比13,779円の減となった。また、教育費については、前年度に行った旧長井小学校第一校舎耐震改修事業が終了したことにより、前年比15,285円の減となった。今後は、事業の見直し等を行い財政コストの削減を図りながら、効率的で質の高い行財政運営に取り組む必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり653,427円となっている。主要な構成項目である人件費は、住民一人あたり80,569円となっており、各種選挙の実施に伴う時間外勤務手当の増加等が影響し、前年比2,086円増加した。扶助費は、自立支援給付費や生活保護費の増加により前年比6,230円増加した。維持補修費が類似団体と比較して大幅に上回っているのは、除排雪経費が含まれているためであるが、降雪量の大幅な減少に伴い、前年比7,259円の減少となった。金額で最も高い普通建設事業費は、市民文化会館大規模改修事業や新庁舎整備事業、保育所整備事業などにより前年比75,952円増加した。今後も大規模事業を控えており普通建設事業費の増加が予想されるため、交付税措置のある有利な起債の活用や事業実施時期の平準化等に努める。また、公共下水道事業特別会計等への繰出金が多額になっているため、各公営企業会計の経営健全化を進め負担額を抑制し、自由度の高い市政運営を目指す。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

令和元年度決算は、歳入面では、市税において法人税割の減少があった一方で、大規模建設事業の増に伴う各種交付金や地方債の増加、寄付金の増加等により前年度比15.2ポイントの増加となった。歳出面では、降雪量の減に伴う道路除排雪経費が減少した一方で、大規模建設事業の増により普通建設事業費が増加し、前年度比16.1ポイントの増額となった。また、大規模公共施設整備事業の実施に伴い、財政調整基金及び公共施設整備基金の取崩しを行い、実質単年度収支は154百万円の赤字となった。今後は、実質単年度収支の黒字化に向け、適切な財源の確保と歳出の精査に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

令和元年度一般会計については、標準財政規模は前年度から大きな変化は見られないものの、実質収支が減少したことにより0.15ポイント減少した。また、水道事業においては、民間アパート建設増加に伴う加入金増加のほか、業務システム導入費用の減等により、0.92ポイントの改善となった。一般会計及びすべての特別会計で赤字は生じておらず、今後とも各会計で適正な財政運営、企業運営を行っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

一般会計の公債費である「元利償還金」については、過去の公共事業債等の償還終了による減はあるものの、平成27年度補正予算債や臨時財政対策債の元金償還開始の影響等により、増加している。「公営企業債の元利償還金に対する繰入金」については、下水道事業等に対する繰出金の減により若干減少したが、まだまだ高い状況にある。今後は、大規模施設整備事業が控えていることを踏まえ、実施事業を厳選し、建設事業の実施年度の調整等を行うなど、地方債発行額を抑制していく。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

将来負担比率のうち、「一般会計等に係る地方債の現在高」については、平成28年度以降の大規模な公共施設整備により、都市再生整備事業債、公園整備事業債、学校教育施設整備事業債、社会教育施設整備事業債等の起債が増加している。「公営企業債等繰入見込額」については、施設等の整備が一段落したことなどにより減少傾向となっている。「充当可能基金」については、大規模公共施設整備事業の開始に伴い財政調整基金及び公共施設整備基金を取り崩したため減少した。以上のことから将来負担比率は増加しており、今後も大規模公共施設整備が続く見込みであるが、事業実施時期の平準化による市債の発行抑制や充当可能基金への積立等により、比率の改善を図っていく。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)令和元年度中のふるさと納税466百万円を「ふるさと応援基金」に積み立てた一方で、寄付者の意向に沿った事業に充当するため340百万円を繰り入れを行った。また、大規模公共施設整備事業の開始に伴い財政調整基金を140百万円、「公共施設整備基金」を150百万円取り崩したこと等により、基金全体として取崩額が積立額を上回り、174百万円の減となった。(今後の方針)後年度の事業計画として大規模公共施設整備事業が控えており、起債が増加する見込みのため、既存事業の見直しを進めながら公債費平準化のための積極的な積立てを行っていく。

財政調整基金

(増減理由)平成30年度以降の大規模公共施設整備事業の開始に伴い取り崩した影響で、残高が大幅に減少した。(今後の方針)今後、市庁舎建設等の大規模公共施設整備事業が続く見込みのため、短期的には大幅に減少する見込みだが、基金からの取り崩しを抑え標準財政規模の5%以上の残高を確保できるよう努めていく。

減債基金

(増減理由)令和元年度は、防災ラジオ屋外拡声装置整備事業に係る減債基金の積立て及び利子分の積立てを行った一方で、平成27年度補正予算債や臨時財政対策債の元金償還開始の影響等による公債費の増加に対応するため、20百万円を取崩した影響で残高が減少した。(今後の方針)大規模公共施設整備事業が続き起債が増える見込みのため、公債費の平準化が図れるよう状況を見て積立てを行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設の整備のために必要な財源を確保し、もって将来にわたる市財政の健全な運営を行う。ふるさと応援基金:ふるさと長井への想いや共感を持つ個人又は団体から寄附を募り、寄附をした者の意向を反映した事業を行うことにより、魅力あるまちづくりに資する。文教の杜運営基金:施設の安全な管理運営と所蔵歴史資料の管理を行うための財源を確保する。(増減理由)ふるさと応援基金:令和元年中の寄付額466百万円を積み立てた一方で、平成30年中の寄付額及び令和元年度のふるさと納税事業経費に相当する金額340百万円を繰り入れ寄付者の意向に沿った事業に充当したため、基金は減少した。公共施設整備基金:大規模公共施設施設整備事業等に150百万円充当したため、基金は減少した。(今後の方針)公共施設整備基金:今後の大規模公共施設整備事業等に充当するため令和2年度まで基金は減少する見込みだが、その後は積立てを行っていく予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成30年度の有形固定資産減価償却率が75.2%を示していることから、本施設の4分の3が更新時期を迎えている状況がうかがえる。今後老朽化した施設について更新又は、長寿命化を図るなどの適正管理に努めていく。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、文化会館耐震等改修工事等の大規模事業に係る起債額が増加したことなどにより平成30年度から99.9ポイント上昇しており、類似団体内平均値と比較しても高い数値になっている。今後特定目的基金の計画的活用等で起債額を抑制するなど、中長期的な視点で計画的な公共施設整備を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

平成30年度における当市の将来負担比率、有形固定資産減価償却率とも同時期の類似団体内平均値を大きく上回っている。特に将来負担比率については、長井小学校旧第一校舎耐震整備工事等の大規模事業に係る起債額が増加したことなどにより、前年度から16.6ポイント上昇した。今後も、新庁舎建設をはじめとした大規模公共事業による大きな負担が予想されるため、計画的な資産の管理や基金の管理を行うとともに、公債費は特別会計を含めた実質的な負担額(普通交付税措置等を除く)を抑制し、効率的で効果的な財政運営に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、平成27年度から28年度にかけて減少傾向にあったものの、29年度は標準財政規模の減少、大規模公共事業による地方債現在高の増等による基準財政需要額算入見込額の増が要因となり上昇に転じており、30年度は長井小学校旧第一校舎耐震整備工事等の大規模事業に係る起債額が増加したことなどにより、更に数値は上昇し、令和1年度は、文化会館耐震改修事業、市役所庁舎整備事業等に係る公共施設等適正管理推進事業債等の発行により、地方債の現在高が増加したことが主な要因となり、前年度と比べ34.2ポイント上昇した。実質公債費比率は、平成30年度までは過去の大規模事業実施の際に借り入れた地方債の償還終了等により改善傾向にあったが類似団体内平均値と比較すると高い状況が続いている。令和1年度は、臨時財政対策債の減や平成27年臨時財政対策債の元金償還開始等に伴う公債費の増の影響により悪化した。今後も大規模事業を控えているため、償還時期の平準化等、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、道路、公営住宅、学校施設、児童館、公民館で類似団体内平均値を上回っているが、特に道路(95.8%)、学校施設(68.7%)、児童館(80.1%)、公民館(80.5%)は類似団体内平均値を大きく上回っている。いずれも建設から相当年数が経過しており、今後老朽化を要因とする大規模な改修、修繕が想定される。一人当たりの有形固定資産減価償却額(橋りょう・トンネル405,719)は、類似団体内平均値(228,829)を上回っている。一人当たりの面積(延長)は、道路、公営住宅、学校施設、公民館は類似団体内平均値に近い値だが、児童館(0.154㎡)については類似団体内平均値(0.040㎡)を大きく上回っている。今後はこれらの施設の更新時期を迎え、財政負担の増加が見込まれるため、公共施設整備計画に基づき施設の長寿命化を図るとともに、それぞれの施設の状況を総合的に検討し、市民サービスと財政規模のバランスに注視しながら、効果的で効率的な財政運営を行っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、図書館、福祉施設、市民会館、一般廃棄物処理施設、保健センター、消防施設、庁舎で類似団体内平均値を上回っているが、特に図書館(76.0%)、福祉施設(78.4%)、一般廃棄処理施設(68.7%)庁舎(90.3%)は類似団体内平均値を大きく上回っている。いずれも建設から相当年数が経過しており、今後は庁舎の建替えと市民会館の大規模改修(長寿命化)は予定しているが、その他の施設においても大規模改修で多額の負担が想定される。一人当たりの面積は、体育館・プール(0.569㎡)、市民会館(0.558㎡)は類似団体内平均値(体育館・プール0.281㎡/市民会館0.186㎡)を大きく上回っているが、図書館(0.031㎡)は類似団体平均(0.058㎡)を下回っている。総じてこれらの施設の更新時期を迎え、財政負担の増加が見込まれることから、公共施設整備計画に基づき、施設の長寿命化を図るとともに、それぞれの施設の状況や規模を総合的に検討し、市民サービスと財政規模のバランスに注視しながら財政負担の軽減を図るべく効果的で効率的な財政運営を行っていく。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

□一般会計等においては、資産総額が前年度末から1,713百万円(5.9%)の増となった。事業用資産は、市民文化会館耐震改修等事業や新庁舎整備事業などの施設整備による資産の取得額が減価償却による資産の減少を上回ったこと等から1,910百万円増加した。一方、基金は流動資産分が主に財政調整基金取り崩しにより150百万円減少している。□一般会計等においては、負債総額が前年度から2,681百万円(15.8%)増加しているが、負債の増加額のうち最も金額が大きいものは、地方債(固定負債)であり、前述の市民文化会館耐震改修等事業や新庁舎整備事業などの施設整備のため起債したこと等が影響して2,610百万円増加した。□水道事業会計、国民健康保険特別会計等を加えた全体では、資産総額は、上水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて7,634百万円多くなるが、負債総額も水道の送配水管整備事業等に地方債(固定負債)を充当したこと等から、4,818百万円多くなっている。□連結では、一部事務組合の置賜広域病院企業団、置賜広域行政事務組合等の影響もあり、資産総額が前年度末から1,300百万円の増(3.0%)となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、ふるさと納税事業や保育所等施設整備費補助金等の影響で補助金等(移転費用)が昨年度より1,012百万円増加したこと等により、経常費用は13,778百万円で前年度比1,347百万円(10.8%)の増加となり、純経常行政コストは前年度から+1,454百万円となった。□全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が646百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金、後期高齢者医療広域連合への納付金を補助金等に計上しているため、移転費用が4,926百万円多くなり、純行政コストは一般会計等より5,200百万円多くなっている。□連結においても、一般会計等の影響が大きく、経常費用が前年度より1,007百万円(4.2%)増加し、純行政コストは1,432百万円増加した。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

ロ一般会計等においては、税収等の財源(12,304百万円)が純行政コスト(13,291百万円)を下回っており、本年度差額は△987百万円となり、純資産残高は△968百万円となった。要因としては、地方交付税の増など財源の増があったものの、ふるさと納税事業や保育所等施設整備費補助金等の影響で純行政コストが前年比で1,470百万円増加していること等が挙げられる。□全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が2,228百万円多くなっており、本年度差額は△1,027百万円、純資産残高は986百万円の減少の14,124百万円となった。□連結では、置賜広域病院組合や置賜広域行政組合など関係する一部事務組合等の影響により、本年度差額は△883百万円となり、純資産残高は前年度より1,013百万円減少の16,325百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

ロ一般会計等においては、業務活動収支は△156百万円となり、投資活動収支は、市民文化会館耐震改修等事業や新庁舎整備事業などの施設整備に要した費用が大きく△2,629百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから2,722百万円となっており、本年度末資金残高は413百万円となった。今後も、新庁舎整備事業や公共複合施設整備事業など大規模な公共施設整備を控えているため、地方債の発行額が地方債償還支出を上回る傾向が続くものと考えられる。□全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料等があることなどから、業務活動収支は一般会計等より311百万円多い155百万円となっている。投資活動収支では、水道送配水管の老朽化対策事業等の影響により△2,806百万円となり、また、財務活動収支は、水道事業において地方債の償還額が地方債発行収入を上回っており、一般会計等に比べて、5百万円減の2,717百万円となった。これらの要因により、本年度末資金残高は1,473百万円となっている。□連結では、関係する一部事務組合等の影響により、本年度末資金残高は、一般会計等に比べて1,336百万円多い1,749百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率が類似団体平均を大きく下回っているのは、当市に老朽化した施設が多く存在していることを表しており、また、有形固定資産減価償却率が75.5(前年度+0.3ポイント)を示していることから、本市施設の4分の3が更新時期を迎えている状況が伺える。平成28年度に策定した「長井市公共施設等整備計画」に基づき、老朽化した施設の更新又は長寿命化を図るなど、適正管理に努めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率が類似団体平均を下回る一方、将来世代負担比率は類似団体平均を上回っており、当市の資産形成において、地方債等の負債に大きく依存している。地方債残高が前年度より2,793百万円と大きく増加していることから、特にその傾向が強まっている。当市において、老朽化した施設の更新・長寿命化は喫緊の課題となっているが、交付税措置のある有利な地方債を活用することや、事業実施時期の平準化を行うことで、将来世代の負担の減少に努めることが重要である。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均と比較して高い傾向にある。人口減少に歯止めがかからない中、一部事務組合等への負担や、児童福祉や自立支援に係る社会保障給付が増加する傾向にあるため、より効果的な行政活動を行う必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

公共施設整備を進めている影響により、住民一人当たり負債額が増加(前年度+11.3万円)して類似団体平均を上回り、投資活動収支も△2,629百万円となった。市庁舎建設を始めとする公共施設整備が本格着手を迎えるが、交付税措置のある有利な地方債を活用することや、事業実施時期の平準化を行うことで、将来世代の負担の減少に努めることが重要である。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

経常費用の増加により、受益者負担比率は減少(前年度△1.2ポイント)し、類似団体平均を下回った。老朽化した施設の更新によって施設の維持補修費を逓減させながら、単独で行っている事業の見直しや施設使用料の適切な見直し、公共施設等の稼働率を上げるための取組を行うなど、経常費用の圧縮、経常収益の増加を図り、受益者負担の適正化に努める必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,