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地方財政ダッシュボード

宮城県多賀城市の財政状況(2020年度)

🏠多賀城市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

法人市民税等において、新型コロナウイルス感染症の影響が一部あったものの、市税全体では、日本経済の回復基調による影響や、地価が上昇傾向にあること及び新築件数が増加傾向にあることによって、過去最高の規模となり、財政力指数は0.7を上回る状況となっている。引き続き既存企業の事業拡大等の推進及びふるさと・多賀城応援寄附確保の取組により、自主財源の回復に努めるとともに、集中改革プラン等に基づき、適正な定員管理による人件費の削減や事務事業の見直しによる歳出削減に取り組む。

経常収支比率の分析欄

歳入面において、市税が日本経済の回復基調の影響もあり、過去最高の規模となったこと、歳出面において、令和元年度に実施した繰上償還による経常経費である償還元金の減等により、昨年度に比べ改善した。一方で、類似団体内において未だ下位である状況を踏まえ、既存企業の事業拡大等を推進し、自主財源の回復に努めるとともに、適正な定員管理による人件費の削減やプライマリーバランスを意識した市債の発行を行うなど、義務的経費の削減を図り、改善に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、退職者数の減により退職手当が減額したことで減額となったものの、新型コロナウイルス感染症対応による業務料の増により全体として増加となった。物件費についても、新型コロナウイルス感染症対応による業務料の増により委託料が増加したため増加となった。これらの状況を踏まえて、引き続き適正な定員管理による人件費の抑制や物件費の見直しに努めるとともに、新型コロナウイルス感染症対応について、庁内の業務の平準化を図り人件費の縮減を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

人事院勧告の準拠により、前年度と同水準となった。類似団体平均値を下回っていることから、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

業務のアウトソーシング化や退職者の一部不補充等に努めており、類似団体平均を下回る水準になっている。今後も事務事業の見直しを行いながら、公共サービスの低下を招くことのないよう、適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

元利償還金及び公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還分が減額したこと及び貸付金の財源として発行した地方債に係る貸付金の元利償還金の増等により、特定財源が増となったため前年度から2.0ポイントの改善となった。大幅に改善し、類似団体平均を下回る水準になっているものの、今後もプライマリーバランスを意識した市債の発行をすることで地方債残高の減少に努め、改善に努めていく。

将来負担比率の分析欄

一般会計において令和元年度に約12億円の繰上償還を行ったことや、下水道事業特別会計において起債残高が減少したことに伴い繰入見込額が減少したことにより、減少傾向にある。今後もより一層、新規発行の抑制や、入札等による低利での調達に努める等、継続した取組を行うとともに、プライマリーバランスを意識した市債の発行を行い、適正な地方債管理に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

人件費については、類似団体と比較すると特に手当が高い水準にある。全体的にも類似団体平均よりも高い水準にあることから、今後も事務事業改善による時間外手当の削減や、退職者の一部不補充等の実施により改善を図る。

物件費の分析欄

物件費については震災前から増加傾向にあり、その要因としては指定管理や委託業務の増加により、人件費から物件費へのシフトが起きているためである。経常経費として今後も支出されていくものであるため、事務事業の見直しによる歳出削減や、競争に伴うコスト削減効果を図っていく。

扶助費の分析欄

新型コロナウイルス感染症等の影響により、生活保護受給者が増となった一方で、当該感染症の影響による医療機関への受診控え等により生活保護の医療扶助や介護サービスに係る扶助費が減となり、全体では横ばいとなった。例年、類似団体平均の水準で推移しているが、震災前から比較すると大幅に増加している。引き続き、生活保護受給者の自立支援や各種予防事業により、医療及び介護給付費の抑制を図り改善に努める。

その他の分析欄

下水道事業会計の企業会計化に伴い、繰出金が補助費に移行したことに伴い、大幅に減となった。このことにより、類似団体の平均値となったものの、今後も、施設維持に関する経費が増加することが予想されるため、計画的な維持管理に努め、経費削減を図っていく必要がある。

補助費等の分析欄

下水道事業会計の企業会計化に伴い、これまで繰出金として支出したものが補助費に移行したことに伴い、令和元年度等に比べ大幅な増加となった。類似平均団体を大幅に上回る要因としては、下水道事業特別会計において、低地・河口部といった本市の地理的条件により、水害防止のため、多額の雨水施設整備を行っていることによるもので、下水道事業の業務内容の状況を注視する必要がある。

公債費の分析欄

令和元年度における繰上償還の効果もあり、公債費が減少した。一方、臨時財政対策債の発行については継続的に行われ、地方債現在高の約半分を占めており、臨時財政対策債の元利償還金は増加傾向となっている。今後もより一層、新規発行の抑制や、入札等による低利での調達に努める等、継続した取組を行い、適正な地方債管理に努める。

公債費以外の分析欄

令和元年度から減少となったものの、類似団体平均を上回る要因としては、低地・河口部といった本市の地理的条件により、雨水対策事業への繰出金が多額となっていることが挙げられる。今後も、事務事業の見直しや適正な定員管理等による歳出削減を図るとともに、計画的な施設維持管理を推進し、行財政運営の改善に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、ウィズコロナに向けた新しい生活様式版イベント等開催支援事業費補助金、ICTによる行政効率向上に向けたRPA試験環境業務委託料、復興交付金返還金、特別定額給付金の皆増などによって、全体で大幅な増となった。教育費についても、新型コロナ対策として、小中学校新型コロナウイルス除菌対策事業が増となり、加えて、重点事業として実施している特別史跡多賀城南門等復元工事の進捗により増となり、全体で大幅な増となった。民生費は、新型コロナ対策の各種給付金で大幅な増となった反面、こども医療費助成事業等が減となり、全体的に微増に留まった。土木費は、復興事業の進捗により、自治法派遣職員負担金の減、緊急避難路物流路(笠神八幡線)整備事業に係る道路改良工事の増、内水排除困難地域側溝整備事業に係る側溝整備工事費の減、緊急避難路物流路(清水沢多賀城線)整備事業に係る道路改良工事費の減などにより、全体で大幅な減となった。一方で、今後は、公共施設の改修により将来的な増加が見込まれるため、予断を許さない状況となっている。公債費については、令和元年度に実施した繰上償還の効果により、大きく減となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

義務的経費については、909百万円、7.1%の減となった。このうち、扶助費は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、生活困窮者が増加し、住宅扶助費増となる一方、介護サービスの利用控えを背景に介護扶助費の減がみられ、結果的に、生活保護扶助費が減となった。一方、障害者数と利用件数の増による障害者自立支援給付費の増額や、幼児教育無償化に伴い施設型給付費等支給事業及び施設型利用費支給事業で増額となったが、こども医療費は受診控えにより補助金分及び市単独拡大分が減となり、全体で増となった。補助費の大幅な増については、下水道事業会計の企業会計化に伴い、これまで繰出金として支出したものが補助費に移行したことに伴うもので、下水道事業特別会計において、低地・河口部といった本市の地理的条件により、水害防止のため、多額の雨水施設整備を行っていることによるもので大きな割合を占めている。普通建設事業費については、東日本大震災の復興事業が完了したことにより減少傾向にあるものの、今後は、公共施設の改修により将来的な増加が見込まれる。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

財政調整基金については、市税の増に加え、現年・繰越事業で執行残が発生したことにより決算剰余金が発生したことによるものである。実質単年度収支については3.14ポイントの減少となっているものの、平成30年度に引き続き黒字を確保している。今後も、事務事業の見直し等による歳出削減を図り、健全な財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

全会計において昨年度から概ね横ばいに推移し、赤字は発生しておらず、健全化判断比率上では健全な状態を保っている。一般会計において、平成30年度から令和元年度にかけて黒字が大きく減少している要因としては、ふるさと・多賀城応援寄附額が減少したことが挙げられる。今後の安定的な財政運営に際しては、事務事業の見直し及び市税等の経常的な収入の確保に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

元利償還金については、令和元年度に実施した繰上償還の効果により、大きく減となっており、次年度以降についてもこの効果は継続する見込みとなっている。一方で、今後の財政運営において、公共施設の老朽化に伴う普通建設事業費の増に伴う起債借入が予定されていることから注視する必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

一般会計等における地方債の現在高については、震災からの復旧・復興事業に注力するために休止していた事業を再開したことにより、平成26年度以降増加傾向にあったが、令和元年度に約12億円の繰上償還を行ったこともあり、例年に比べ低く抑えられている。公営企業債等繰入見込額については、令和2年度における公営企業債の元金償還額が当該年度の起債発行額を上回り、地方債現在高が減少したことにより、減額となった。充当可能財源については、復興関係基金等において大きく減額となったものの、財政調整基金積立金の増等により増加し、将来負担額についても大幅な減額となったことから、将来負担比率の分子は前年度から減額となっている。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

((増減理由)・財政調整基金は、市税が見込みよりも増となったことなどによって決算剰余金(25,000万円)が積み立てられたことにより、財政調整基金を取り崩すことなく決算できたため、増額となった。・ふるさと多賀城応援基金は全国からの寄附が昨年度に比して減少し、まちづくりに係る各種事業に活用したことから、微減となった。・庁舎耐震対策等事業基金:庁舎建設工事の進捗に合わせ活用(今後の方針)・市庁舎耐震対策等事業を始めとした公共施設総合管理計画に定められた大規模事業が集中する令和3年度以降について、多額の財源を必要とするため、基金残高は減少するものと見込まれる。・多賀城南門等復元事業等基金については、特別史跡多賀城跡復元整備事業の本格化に伴い、大きく取り崩すことが見込まれる。

財政調整基金

(増減理由)・財政調整基金は、市税が見込みよりも増となったことなどによって決算剰余金(25,000万円)が積み立てられたことにより、財政調整基金を取り崩すことなく決算できたため、増額となった。(今後の方針)・財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%以上は保有するよう努める。

減債基金

(増減理由)・土地の売払収入の一部を減災基金に積み立て、一部基金を定期償還に活用(今後の方針)・定期償還に活用予定

その他特定目的基金

(基金の使途)・ふるさと多賀城応援基金:まちの発展と充実を応援する個人又は団体からの寄附金を財源として、多くの人々が集う個性あふれるまちづくりに活用・庁舎耐震対策等事業基金:市庁舎の耐震性能の確保、災害拠点機能の強化等に係る事業を円滑に行うため、庁舎耐震対策等事業へ活用・史跡のまち基金:多賀城の歴史、文化等を活かした魅力ある都市形成事業へ活用・東日本大震災復興基金:東日本大震災からの復旧及び復興に係る事業へ活用・生涯学習推進基金:市民がその生涯の各時期において自主的に行う学習活動を支援するために活用(増減理由)・ふるさと多賀城応援基金:多賀城創建1300年記念関連事業や企業・創業支援事業といったまちづくりに係る各種事業に活用したため減・庁舎耐震対策等事業基金:庁舎建設工事の進捗に合わせ活用したため減・史跡のまち基金:特別史跡多賀城跡復元整備事業に活用したため減・東日本大震災復興基金:緊急避難路・物流路(笠神八幡線)整備事業、多賀城市震災経験・記録伝承事業といった復旧・復興事業へ活用したため減(今後の方針)・庁舎耐震対策等事業基金については、庁舎建設工事の進捗に合わせ、取崩しを行う予定・史跡のまち基金についても特別史跡多賀城跡復元整備事業の進捗に合わせ、取崩しを行う予定・東日本大震災復興基金についても各種復興事業の進捗に合わせ、取崩しを行う予定

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して低い水準にあるが、これは東日本大震災の被災者向けに建設した災害公営住宅分が影響し、比率が低くなっているものである。また、令和2年度において比率が2.6ポイント改善しているが、これは新たな都市計画道路が開通したことが大きな要因となっている。その他の施設については建設後40年を経過している施設もあるため、老朽化対策を含めた公共施設等総合管理計画に基づき、管理・改修を推進していく。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、前年度と比較すると92ポイントの改善となり、類似団体平均とほぼ同水準となった。これは、令和元年度に実施した繰上償還や公営企業債の減により将来負担額が減少したことによるものであるが、今後は、庁舎や市民会館等の大規模な普通建設事業の実施に伴う新規借入の増により、将来負担額が増加する見込みであることから、その他の施設の改修や更新についても留意しつつ、歳出の削減に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに類似団体平均を下回っているが、現在工事を実施している庁舎や市民会館等の大規模な普通建設事業の実施に伴う借入が増加するため、将来負担比率が上昇すると見込まれる。その他の施設についても老朽化が進んでいるため、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合を含めた管理・改修を推進していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、令和元年度に行った繰上償還による地方債残高の減や公営企業債残高の減少によって将来負担額が減少し、昨年度に比べて大きく改善した。また、実質公債費比率についても、令和元年度に行った繰上償還の影響で償還額が減となったこと等により2.0ポイントの改善となった。今後は、庁舎等に係る大規模な普通建設事業の実施に伴う借入が増となることから将来負担比率の上昇が見込まれており、実質公債費比率についても上昇すると想定される。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

保育所等や学校、福祉施設、消防施設については、類似団体平均と同水準であるが、児童館、体育館・プール、市民会館、庁舎については、建設から40年を超える施設もあることから、類似団体平均と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている。東日本大震災発災により建設した災害公営住宅を含む公営住宅や、平成27年度に新設した図書館については類似団体平均を大きく下回る数値となっている。また、道路においては令和2年度で数値が大きく改善しているが、新たな都市計画道路の開通に伴うものであり、これに伴い類似団体平均を下回ることとなった。有形固定資産減価償却率の高い施設については、公共施設等総合管理計画に基づき改修・更新等を実施し、老朽化対策に取り組むこととしている。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

前頁に記載のとおり

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から1,639百万円の減少(▲1.4%)となった。金額の変動が大きいものは土地(事業用資産)工作物(インフラ資産)である。土地については、国道沿いの土地を売払ったことによる減少であり、工作物については、大規模な復興事業である緊急避難路の完成によって、建設仮勘定から工作物に資産が移動したことによる増加となっている。また、昨年度増減の大きかった基金については、東日本大震災の復興事業の実施のための基金は事業の進捗により大幅に減となったものの、公営住宅の家賃低廉・特別家賃低減事業に係る交付金及び震災復興特別交付税を基金に積み立てたことにより、全体では139百万円の減にとどまった。全体会計及び連結会計については、公営企業化に伴い下水道事業会計が新たに対象となったことから、資産・負債ともに大幅な増となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストが8,643百万円の増加(+40.1%)となった。移転費用のうち補助金等は7,451百万円の増加(+197.3%)、社会保障給付は994百万円の増加(+20.0%)となっており、特別定額給付金の給付等、新型コロナウイルス感染症対応に伴う費用や、幼児教育・保育の無償化に伴う施設型給付費等の大幅な増加が主な要因となっている。また、他会計への繰出金については下水道事業の復興事業の進捗により2,302百万円の減少となった。全体会計及び連結会計については、一般会計で記載した新型コロナウイルス感染症対策等に加えて、公営企業化に伴い下水道事業が新たに対象となり経常費用等が増となったことから、ともに大幅な増となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、新型コロナウイルス感染症対策に伴い純行政コストが大幅に増額となったのに対して、復興事業の進捗等に伴い地方交付税が988百万円の減となったこと等により財源が減少し、本年度差額が1,840百万円の赤字となった。固定資産等形成分については、緊急避難路等の復興事業の進捗により、有形固定資産の増加幅が令和元年度と比較して減少したが、復興事業に係る基金の繰入額も同様に減少したため、結果的には令和元年度と同規模となり、純資産残高は減少となった。今後は、市庁舎や文化センター等の大規模工事の実施に伴い固定資産が増加するとともに、行政コストの増加も見込まれているため本年度差額が赤字となり、純資産残高が減少することが考えられる。全体会計については、純資産変動額が1,139百万円の赤字となったものの、令和2年度より新たに下水道事業が対象となり純資産残高が1,679百万円の増加となった。連結会計では、東部衛生処理組合や塩釜地区消防事務組合において本年度差額が黒字となったことにより全体会計における赤字が解消され、961百万円の黒字となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支が▲637百万円となっており、新型コロナウイルス感染症対策等に伴う支出の増と比較して歳入が少なかったことで赤字となった。投資活動収支については、復興事業の進捗により公共施設等整備費支出が1,512百万円の減少となったものの、基金取崩収入においても大幅に減少しており、復興事業の進捗に加えて、令和2年度への繰越事業に対する財源である基金を令和元年度で大きく取り崩していたことが主な要因である。財務活動収支は、令和元年度は約13億円の繰上償還により▲2,022百万円となっていたが、令和2年度は小中学校トイレの大規模工事等に係る地方債を大きく借入れたため借入額が償還額を上回り、収支が108百万円となった。復興事業で整備した施設については今後維持管理経費が発生し、業務活動収支の赤字が拡大すると見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づき、人口規模、財政規模に見合った施設の保有を検討していく。全体会計では、業務活動収支については上水道事業で517百万円、下水道事業で846百万円となっており、一般会計の赤字を上回ったことで黒字になったが、投資活動収支においては上水道事業・下水道事業ともに大きな赤字となっており、全体で1,501百万円の赤字となっている。連結会計においては、東部衛生処理組合や塩釜地区消防事務組合において業務活動収支が大きく黒字となり、全体会計に対して黒字が拡大する結果となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、類似団体より高い水準で推移しているが、これは東日本大震災以後に復興事業により整備している避難路や災害公営住宅等があるためであり、今後の維持管理費用の増加へ対応する必要がある。歳入額対資産比率については、新型コロナウイルス感染症に係る特別定額給付金等の影響により歳入が大幅に増加したことで、0.43ポイントの減となった。今後は市庁舎建設等の予定もあるため、資産が増加し、当該値は上昇すると見込まれる。有形固定資産減価償却率についても類似団体平均より低い水準で推移しているが、これは、東日本大震災の発災により建設した災害公営住宅があるためである。さらに、大規模な復興事業である緊急避難路の完成により固定資産が大幅に増加したことで、昨年度より2.6ポイントの減となっている。一方で、建設後40年を超える施設もあり今後は上昇傾向が続く見込みであるため、公共施設等総合管理計画に基づく管理を進めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体と比較して高い水準で推移しているが、これは、復興事業により整備した資産は主に復興交付金及び、震災復興特別交付税により財源が措置されたものであるため、負債の増加が抑えられたことによるものである。将来世代負担比率は、令和元年度に約13億円の繰上償還を行ったことにより類似団体よりも低い水準で推移しているが、今後更新時期を迎える施設の老朽化対策や、庁舎の建設、市民会館の大規模工事に係る地方債の発行が予定されていることから、比率は上昇すると見込んでいる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは、昨年度から大幅に増加しているが、これは新型コロナウイルス感染症に係る特別定額給付金等の各種対策経費の増が主な要因となっている。今後は、高齢化に伴う介護サービスの利用者の増による他会計への繰出金や社会保障給付の増加が見込まれることから、事業の見直し等により経営経費の抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

基礎的財政収支は、投資活動収支の赤字は縮小したものの、業務活動収支の赤字が拡大する結果となった。業務活動収支の赤字については、新型コロナウイルス感染症対策等に係る経費の大幅な増が主な要因である。今後は高齢化に伴う社会保障給付や他会計繰出金の増加が見込まれることから、事業の見直し等により経常的な支出の抑制に努めていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均値と比較すると若干高いものの、令和元年度と比較して1.7ポイントの減となった。これは、新型コロナウイルス感染症対策に要する経費が増となったことで経常費用が大幅に増加したことによるものである。今後は、高齢化の進展による介護サービス利用者の増加による社会保障給付費や他会計への繰出金は増加が見込まれ、それに伴い経常経費も増加していくことが見込まれる。人口減少による税収の減等、安定した収入の確保が難しいこと、老朽化した施設の維持補修費の増加も顕著であることから、公共施設等総合管理計画に基づき、人口規模、財政規模に見合った施設の保有を検討していく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,