枕崎市：市立病院

地域において担っている役割

枕崎市立病院は昭和27年に開設以来、地域の中核となる国保診療施設として公平かつ良質な医療の確保に努めている。内科中心の医療体制となっているが、多角的に診療を行う総合診療病院としての役割を担っている。また、枕崎市内には病床数100床を超える民間医療機関が複数あるが、いずれも一般病院のみであり、長期の治療が必要な高齢者等については市立病院への転院を受け入れている。公立病院として、1次、2次救急への対応を行っているとともに、民間医療機関が対応できない分野（不採算部門）への対応も行っている。

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率については、平成29年度101.1％から平成30年度100.8％と0.3ポイント減少したものの、経営的に概ね良好と考えている。②医業収支比率は平均値より高くなっているが、平成26年度と比較すると、12.2ポイント低くなっている。要因としては、診療科目が内科のみであるため医業収益が伸び悩んでいること、職員給与費及び減価償却費が増加しているためである。④病床利用率は88.3％と平均より高く、施設の効率性について問題はないと考えている。⑤入院患者1人1日当たり収益は平均より低くなっているため、医療体制の見直し等による効率的な診療報酬の獲得により、改善を図る。⑥外来患者1人1日当たり収益は平成29年度、平成30年度と減少し平均を下回ったが、令和元年度に医療機器の入れ替えを行い、検査効率の改善に向けた取組みを行った。⑦職員給与費対医業収益比率が低い要因は、非常勤医師や非正規職員に対して支払われる給料について支払費目が違うため、職員給与費に含まれていないことによるものである。非正規職員分は委託料に含まれているため、令和２年度からの会計年度任用職員の導入により本比率は大幅な増加が見込まれている。なお、単純な比較はできないが、非正規職員分の委託料を職員給与費に含めて考えた場合の職員給与費対医業収益比率は71.5％となる。⑧材料費対医業収益比率が低い要因は、ジェネリック医薬品の導入と在庫管理の徹底によるものと考えている。

老朽化の状況について

平成24年4月1日より5床の減少を行い、55床の病院として施設面はリニューアルしているため、①有形固定資産減価償却率は平均値より低くなっている。建物について、当分の間は大掛かりな老朽化対策は必要ないと考えているが、補修が必要な箇所については、その都度行っていかなければならない。②器械備品減価償却率については、平均値を上回っているが、適正なメンテナンスや補修を行いながら使用していきたい。③1床当たり有形固定資産については、平均値を下回っているため、適切な投資を行っていると考えている。

全体総括

「枕崎市立病院改革プラン」を基本に据え、適切な機能や規模を検討し、市民のニーズに応えられる病院づくりを行っていく。※「特殊診療機能」について、「ド（人間ドック）未（ＮＩＣＵ・未熟児室）」となっているが、「ド（人間ドック）訓（運動機能訓練室）」が正しいものである。