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歳入においては、経済基盤が弱く雇用情勢が厳しいことから、法人市民税、事業所税の法人関係税や固定資産税及び個人市民税が低く税収基盤が脆弱である。また、歳出においては、扶助費や公債費などの需要が多額であり、歳出総額が中核市平均を32.3%上回るなど財政力指数を押し下げている要因となっている。地方交付税に大きく依存しない、自主的かつ安定的な再生基盤を確立するため、今後も産業振興や地域の活性化を図りながら自主財源の根幹である市税収入の確保に努めるとともに、使用料・手数料の適正化や財産収入の拡大などにも積極的に取り組み、改善したい。
タブレット整備費の増などにより物件費で0.8ポイント悪化したものの、人件費において職員の新陳代謝等により0.4ポイント、補助費等において、国体実行委員会負担金の減などにより0.9ポイント改善したこと等により、昨年に比べ全体で0.2ポイント改善した。しかしながら、依然として高い水準にあることから、引き続き行財政の改善に努める。
前年度と比較して9円の増である。これは、職員の新陳代謝等による人件費の減があったものの、タブレット整備費などの物件費が増となったものである。また、類似都市に比べ、原爆関係経費が多額であることが平均値を上回る要因となっている。
平成21年1月からの特別昇給制度の見直しなど、ラスパイレス指数が高い要因であった市独自の制度を国に準じたものに改め、その後も国に準じて給与制度の見直しなどを行っており、類似団体平均よりも低い水準となっている。見直しの効果は、継続的に維持され、今後も同程度の水準で推移していく見込みである。
長崎市行財政改革プラン(計画期間:平成23年度~27年度)では、平成28年4月1日までに正規職員を3,000人体制とすることを目指し、文書配送業務、動物捕獲業務等、市民課窓口業務の一部や小中学校環境整備業務の民間委託開始、小中学校給食調理業務の民間委託拡大、ごみ収集業務の効率化及び民間委託拡大、稲佐山公園及び長崎公園への指定管理者制度の導入などに取り組んだ。計画期間中に231人の正規職員を減し(7.1%の減)、平成28年4月1日の正規職員は3,036人となり、目標はおおむね達成できた。行財政改革については、これからの市政を取り巻く環境を踏まえながら、引き続き市民サービスや業務の「質」が向上する取組みと健全な財政運営に向けた取組みを進めるとともに、適正な定員管理に努める。
平成27年度において、臨時財政対策債(約12.2億の増)や合併特例債(約8.2億の増)の公債費が増加しているものの、過去に整備した地域総合整備事業債(約5.8億の減)が償還満了したこと、また、特定財源として病院事業債公債費にかかる負担金(約9.7億の増)が増したことで0.2ポイント減となった。平成27年度の実質公債費比率は6.2%と年々減少し類似都市平均より下回ったが、今後は病院事業や合併特例事業の償還が増する見込みであることから、増加が見込まれる。
平成27年度においては、臨時対策債の発行(36.7億円の増)や一般廃棄物処理事業債の発行(25.5億円の増)などによる地方債現在高の増(35.2億円)、減債基金の積立(14.3億円の増)などによる充当可能基金の増(31億円)により0.2ポイント減となった。平成27年度の将来負担比率は81.0%と類似都市平均を上回っており、地方債現在高について、未だ将来への大きな負担となっているため、今後も引き続き、新規の起債発行を抑制し、残高を減少させる。
長崎市行財政改革プラン(計画期間:平成23年度~27年度)では、人件費を平成27年度に普通会計で293億円とすることを目指し、平成27年度は、市民課業務の一部や小中学校環境整備業務の民間委託開始、稲佐山公園及び長崎公園への指定管理者制度の導入などによる職員数の減、新陳代謝などにより人件費割合は減少し、普通会計における決算額は274億円となり、目標は達成できた。今後とも指定管理者制度の導入拡大や民間委託の推進、職員給与の適正化などの取組みを通じて、人件費の抑制に努める。
原爆被爆関連経費等により類似都市と比較して高い水準で推移している。民間保育所等施設型給付費などの増はあるものの、原爆被爆者援護費などの減により、扶助費における経常一財が前年度比3.3%減したことから、前年度と比較して0.5ポイント減となった。今後も単独扶助費の見直しなどの取り組みを推進する。.
補助費等における経常一財は、前年比12.0%減となり、経常収支比率は前年比0.9ポイント減となった。今後も様々な団体等に対する補助金、負担金等について費用負担のあり方等を検証し、継続的に見直しを行いながら改善に努める。
公債費の総額は減となり、公債費に占める経常一財は0.4%減となったものの、経常収支比率は前年と同率となった。今後は合併特例債や臨時財政対策債の償還が多額となっていくことから、単なる資金手当てにすぎない地方債の発行を抑制するなど、公債費の抑制に努めていく。
人件費等で減となったことから、経常収支比率は前年比0.2%減となった。地方交付税に大きく依存しない、自主的かつ安定的な再生基盤を確立するため、引き続き行財政の改善に努める。
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