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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和4年度末45.04%)に加え、町内に中心となる産業が少ないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均をかなり下回っている。今後も経常経費の削減や投資的経費の抑制に努めるとともに歳入確保のため、町税等の徴収業務の強化を行い自主財源の確保に努め、財政の健全化を図る。
歳入については、普通交付税が80百万円、地方特例交付金が7百万円減少した。歳出については、平成29年度に借入れた過疎対策事業債や令和2年度に借入れた緊急防災減災事業債の償還が開始されたことに伴い公債費が32百万円増加し、障がい福祉サービス事業費や障がい者医療費などの扶助費が44百万円増加した。このため経常収支比率は前年度に比べ4.5ポイント増加している。今後は小中学校建設事業など大型事業の借入により、公債費の増加が予想されることから、各事業の見直しを行い、経常経費の削減に努める。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を下回っているが、維持補修費は類似団体平均に比べ高くなっている。河川や林道等の老朽化が進み、例年以上に維持補修を実施したため増額となったことが要因である。今後は人件費、物件費、維持補修費等の抑制に努める。
ラスパイレス指数は前年度より0.5ポイント増加となっている。今後も国及び近隣自治体の状況を注視し、ラスパイレス指数の急激な上昇を招くことがないよう給与の適正化に努める。
交付税措置のある過疎対策事業債等の償還終了に伴う算入公債費の減少や、公営住宅建設事業債の償還が開始されたため、実質公債費比率は前年度に比べ0.8ポイント増加した。今後は公営住宅建設事業の大型事業に加え、学校建設事業の借入を行うことから、新規起債発行事業については、重要度や必要性を十分考慮する。また、起債の繰上償還を計画的に実施し、実質公債費比率の上昇を抑制する。
人件費については、退職者と新規採用者の基本給の差により前年度と比較して減少しているが、今後は増加が見込まれるため会計年度任用職員も含めた人件費の抑制に向けた取組を行う。
物件費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、町有施設の維持管理経費が多いためである。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき施設配置の見直しを早急に行い、維持管理経費の削減を積極的に行う。
前年度より1.5ポイント増加しており、扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を上回っている。これは町単独事業で中学校卒業までの医療費の無料化や児童発達支援事業等を行っているためである。また、扶助費が増加傾向なのは、障がい者医療費等によるものであり、今後も増加が見込まれることから、各種事業の見直し等を行い抑制を図る。
その他の経費については前年度と同じ数値となっており、類似団体と比べると上回っている。主な要因としては、河川施設・林道施設や学校施設等の維持補修費が増額になったためである。今後も施設の老朽化等により増額が見込まれることから、計画的に施設の更新等を行い修繕費等の抑制に向けた取り組みを行う。
補助金や負担金を伴う事業の見直しによる削減で各団体への補助金や負担金が減少したことにより補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を下回っているが、障がい者自立支援給付費負担金や障がい者医療費負担金の前年度精算返還金により前年度より1.7ポイント増加している。このことから引き続き更なる経常経費の縮減に努める。
近年の大型事業により地方債の元利償還金が膨らみ、類似団体平均を2.3ポイント上回っている。これは平成29年度に借入れた過疎対策事業債や令和2年度に借入れた緊急防災減災事業債の償還が開始されたためである。今後も大型事業等の借入により公債費の増加が見込まれることから、地方債の発行については、事業内容を十分考慮し、事業を実施するとともに起債の繰上償還を計画的に実施する。
公債費以外の経常収支比率は類似団体平均を上回っている。その主な要因は、維持補修費・補助費等である。なお、扶助費については今後増加が予想されることから、物件費や人件費を抑制する必要があるため、物件費については、公共施設等総合管理計画に基づき施設配置の見直しや、町単独で実施している事業は廃止を含めた事業見直しを行い、人件費については、会計年度任用職員も含めた人件費の抑制に向けた取組を行う。
(増減理由)・「林業振興基金」は野田公共用地補修事業で10,743千円を取崩し、「産業振興基金」では創業等支援事業や地域ブランド開発事業の財源として5,048千円を取崩したが、「財政調整基金」に376,413千円、「減債基金」に150,040千円、「物産販売事業基金」に12,340千円、「森林環境譲与税基金」に10,372千円積立てたことにより、基金全体としては、524,467千円の増額となった。(今後の方針)・財政調整基金については、決算(歳計)剰余金の1/2以上の積立を今後も行っていく予定だが、「安心・安全なまちづくり推進基金」や「元気なまちづくり基金」等の特定目的基金については減少していく見込みである。
(増減理由)・本年度は取崩はなく、決算(歳計)剰余金(300,000千円)の増額や一般会計積立金(63,755千円)、一般会計積立金利子(1,588千円)、特別会計積立金利子(11,070千円)の増額により、前年度に比べ376,413千円の増額となった。(今後の方針)・老朽化した施設の改修経費や災害への備えとして、決算(歳計)剰余金の1/2以上を積み立てることとしている。
(増減理由)・本年度は取崩はなく、積立金(150,000千円)や積立金利子(40千円)により150,040千円の増加となった。(今後の方針)・平成27年度から実施している朝日ヶ丘団地建替事業や今後実施予定である学校建設事業等の大型事業を控えていることから、計画的に積立を行うこととする。
(基金の使途)・安心・安全なまちづくり推進基金:様々な自然災害や人為的災害等から添田町民の生命と財産を守ることを目的に、災害予防対策、復旧対策等を迅速に進める経費に充当する。・元気なまちづくり基金:豊かな自然と歴史のこころがつくる活力あるまちづくりを推進するための経費に充当する。・物産販売事業基金:添田町物産販売施設整備等の財源に充当する。・オークホール基金:文化施設オークホールにおける事業の健全な運営とホールの改良、設備等の施設整備の財源に充当する。・高齢者等福祉基金:高齢者等の保健福祉の向上を図るための経費に充当する。(増減理由)・林業振興基金:令和4年度に実施した野田公共用地補修事業の財源として10,743千円を取崩したことにより減少した。・元気なまちづくり基金:令和4年度に実施した空き家・空地バンク支援事業等の財源として1,674千円を取崩したことにより減少した。・産業振興基金:令和4年度に実施した創業支援事業補助金や地域ブランド開発事業費財源として5,048千円を取崩したことにより減少した。・森林環境譲与税基金:森林環境譲与税を積立たことにより10,372千円増加した。・物産販売基金:施設の修繕費や長寿命化対策の財源として2,775千円を取崩したが、12,340千円積立てたことにより増加した。(今後の方針)・オークホール基金:令和5年度に実施するオークホール舞台設備改修事業の財源として13,167千円を取崩し予定である。・元気なまちづくり基金:令和5年度に実施する空き家・空地バンク支援事業等の財源として886千円を取崩し予定である。・物産販売事業基金:令和5年度に実施する施設の修繕費や長寿命化対策の財源として7,791千円を取崩し予定である。・農業近代化施設基金:令和5年度に実施する農業近代化施設(ライスセンター)整備費の財源として1,870千円を取崩し予定である。・産業振興基金:令和4年度に実施する創業支援事業補助金や地域ブランド開発事業費の財源として4,664千円を取崩し予定である。
有形固定資産減価償却率は施設の老朽化により、例年増加傾向であったが、令和3年度においては、一部の施設を売却や解体したことにより、減価償却率が減少したため、類似団体平均と比較すると下回っている。令和3年度に改訂した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を20%削減するという目標を掲げていることから、引き続き老朽化した施設の集約化・複合化や除去に向け取組みを行っていく。
債務償還比率は類似団体平均を下回っている。主な要因としては、近年大型事業の財源として借入した地方債の償還終了に伴い地方債残高が減少したことが原因である。しかし令和3年度は前年度と比較し地方債残高が増加するなど、今後小中学校更新事業や公営住宅建設事業が要因としてさらに地方債残高が増加していく見込みがあるため、新規大型事業については事業内容を十分に考慮し、公債費抑制の対策を行っていく。
有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を下回っており、令和3年度における将来負担比率は△85.8%であり、「―」で表示されている。今後は公共施設の老朽化に対応する更新費用や、地方債を財源とする大型事業の実施が見込まれ、将来負担比率の数値は悪化する可能性があることから、減価償却率を絡めた分析を行い、公共施設等総合管理計画及び公共施設個別施設計画に基づいた適正な維持管理に努める。
令和3年度における将来負担比率は△85.8%であり、「―」で表示されている。実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準であるが、平成29及び平成31年度に借入を行った公営住宅建設事業債や平成29年度に借入を行った過疎対策事業債などの償還開始により前年度と比べ増加している。今後は小中学校更新事業や公営住宅建替事業の財源として地方債の借入を予定しているため、新規大型事業については、ストック面とフロー面の両方の目線から事業内容を十分考慮する必要がある。
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