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少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、農業・漁業など一次産業の所得落ち込みにより、類似団体の平均を下回る状況が続いている。平成28年1月に策定した「黒潮町まち・ひと・しごと創生戦略」により、人口減少の克服と地方創生を実現するため各種施策を行ってきたが、今後、さらなる事業を推進するため、平成30年6月に「黒潮町総合戦略」を策定した。これに基づいた施策を推進していくことで、本町最大の目標である2060年、町人口6,800人の達成に向け、引き続き財政基盤の強化に努めていく。
令和2年度は、平成29年度に借入を行った新庁舎建設事業などの大型事業に対する元金据置期間が終了したことで元金の支払が増加したことから、分母である経常一般財源が減少したことが要因となり、大幅に類似団体よりも高い数値となった。令和2年度は普通交付税が増加し、経常一般財源が増額となったことで昨年度より2.8ポイント好転しているが、依然として高い比率であるため、引き続き、歳出削減等の取り組みに努め、行財政構造の改革を推進し、経常経費削減を図っていく必要がある。
人件費は学校支援員の増、物件費は情報化推進費における各種システム関連費用やGIGAスクール関連経費やあったかふれあいセンターの新設、新型コロナウイルス対策としての物品購入、ふるさと納税寄附金における返送手数料等の経費の増により、増加傾向にある。これらは施策の充実のためには必要な経費であるため、地方版総合戦略を積極的に推進しつつも、引き続き、事業内容を精査しながら、最少の経費で最大の効果を求めていく。
平成18年度策定の集中改革プランを上回るペースで人員削減を行ってきたが、保育所の直営などにより、依然として類似団体を上回る職員数となっている。防災対策事業の増加や人口減少に伴う地方創生事業による新たな行政ニーズに対応するため、職員数の削減は限界まで来ている状況である。財政状況をふまえた行政サービスの質と量をより良いものにしていくためにも、職員数をどのようにしていくかは喫緊の課題となっている。
市町村合併以降行ってきた繰上償還や、交付税措置の高い地方債での借入などにより、近年連続して数値改善を続けていたが、平成29年度より連続して悪化に転じている。令和2年度は、平成28・29年度に借入を行った防災対策事業にかかるハード事業の償還が開始したことにより、前年より1.6ポイント増となっており、例年よりも変動が大きくなっている。今後も事業内容を精査することで必要性を確認するとともに繰上償還の実施により、実質公債費比率の上昇を抑えていく必要がある。
類似団体や全国・県内の市町村と比較しても、数値の良好な状態が続いており、平成26年度より将来負担比率もマイナスとなっている。地方債残高は、新庁舎建設事業や保育所高台移転事業など大型事業の地方債借入に伴い増加傾向にあるが、繰上償還による圧縮を図るとともに、有利な地方債を活用することにより、良好な状態を維持していく必要がある。
人事異動に伴う職員給与費の減、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた中での官民格差に基づき、人事院勧告による一時金の引き下げ及び特別職、町議会議員の給与カットなどにより、昨年より減少し、例年と比べると、類似団体内平均値より低い数値となった。引き続き、類似団体との乖離が大きくならないように給与水準の適正化を図っていきたい。
情報化推進費における各種システム関連費用や、ふるさと納税寄附金における返送手数料等の経費などについては、変わらず大幅な減少が見込めないため、依然として類似団体よりも高い数値となっている。令和2年度は、上記の経費増額以外にも、衛星センターにかかる費用なども新たに増えたこともあって、前年度より1.2ポイント増となっている。防災施設の維持管理費やさらなるアウトソーシングなどにより、今後も物件費の上昇が見込まれるため、全体的な経費の見直しを入念に行い、経常経費の削減に努めたい。
保育所が直営であるため、児童福祉に係る扶助費は類似団体よりも低い数値を保っている。令和2年度は、乳幼児医療、小中医療費無料化事業が減少したことにより、前年より0.6ポイント減となっている。今後も子育て支援の充実や高齢化率の更なる進展に伴う行政ニーズが見込まれるため、サービス内容を精査しながら、財政健全化を図っていく。
特別会計への繰出金の削減を平成30年度より一部改善したことで、令和2年度も類似団体の数値を下回っている。今後も保険料の見直しや健康増進、介護予防の充実を継続的に行っていく必要がある。
国・県の交付金や地方債の活用などにより、昨年度と近い数値となっている。今後は、一部事務組合の施設整備に対する元利償還が始まり、負担金が増大するため、数値の増加が見込まれる。
これまでの大規模事業に充当した地方債の元金償還が開始されたことにより、令和2年度も依然として高い数値(昨年度数値より0.6ポイント増)となっている。一方で、今までの繰上償還の実施や有利債の借入によって、将来負担比率や実質公債費比率は類似団体より低い数値を維持しているところである。今後も引き続き、国や県の補助金等を最大限活用し、新規発行の地方債に注視しながら、健全な財政運営を行っていくことが必要不可欠である。
大幅な減少が見込めない物件費などの増額があった一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた中での官民格差に基づいた給与カットなどによる人件費の減などが大きく影響し、公債費以外については昨年と比べ3.4ポイント減少している。これを機に、抑えられる経費については引き続き最小限にとどめ、最大の効果を出せるよう、財政の硬直化を回避していく必要がある。
(増減理由)・「財政調整基金」へ歳計剰余金を150百万円、「ふるさと納税基金」へ取り崩し金額約150百万円よりも多い約307百万円の積み立てを行った一方で、公営住宅建設等の財源に充当するため「新しいまちづくり基金」を約202百万円、防災対策事業の地方債償還財源に充当するため「防災対策加速化基金」を約131百万円、償還のため「減債基金」を約120百万円取り崩したことにより、基金全体としては約115百万円の減となった。(今後の方針)・引き続き、基金の使途の明確化を図り、町財政の健全な運営に資する基金運営を行っていきたい。
(増減理由)・利子額及び歳計剰余金150百万円の積立による増加。(今後の方針)・引き続き、災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、計画的な積み立てを行っていきたい。
(増減理由)・償還のため120百万円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)・過去に行った防災対策事業にかかるハード事業に対する借入により、現在、地方債償還のピーク時であることから、引き続き、今後の普通建設事業等の整備計画及び地方債の償還計画を踏まえ、計画的な事業実施を踏まえた基金の積み立てと取り崩しを行っていきたい。
(基金の使途)・建設推進基金:町の建設に資するため。・新しいまちづくり基金:町の新しいまちづくりに資するため。・防災対策加速化基金:地域の課題や特性に応じた優先的に取り組むべき防災対策をきめ細かに進め、災害に強い地域社会の実現の加速化を図るため。・ふるさと納税基金:町の未来に向けての施策および寄付者の意向を反映した施策に効果的活用するため。・地域活性化事業基金:町の多様な歴史、伝統、文化、教育、観光及び産業等を活かし、活性化に資するため。(増減理由)・新しいまちづくり基金:公営住宅建設等の財源に充当するため約202百万円を取り崩したことによる減少。・防災対策加速化基金:防災対策事業の地方債償還財源に充当するため約131百万円を取り崩したことによる減少。・ふるさと納税基金:寄附者の意向を反映するため約150百万円を取り崩し、当該年度に寄付を受けたもののうち約307百万円を積み立てた。(今後の方針)・各基金の使途にあった計画的な積み立て及び運用を行っていきたい。そのうち、「防災対策加速化基金」については、引き続き、防災対策に要した経費に関連する町債の償還に充当を予定している。また、「ふるさと納税基金」については。町に寄せられた寄附金を適正に管理し、引き続き、町の将来に向けての施策及び寄附者の意向を反映した施策に効果的に活用していきたい。
令和2年度は令和元年度から1.7ポイントの増加をしており、過去3年をみても全国平均を下回る結果となっている。これは、近年の防災対策に係る普通建設事業費の増加による影響が昨年同様に続いている。当町では平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において定めた基本的な方針を踏まえ、令和2年度に策定した個別施設計画により、一層の単年度の財政負担の低減や事業実施の平準化を図り、効果的な取り組みを推進していきたい。
有利債の借入などにより将来負担比率はマイナスとなっているため、当町の値は表示されていない。引き続き、適切な財政運営に努め、良好な値を継続していく必要がある。
有利債の借入などにより将来負担比率はマイナスとなっている。また、実質公債費比率について、令和2年度は令和元年度に比べ1.6ポイントの増加をしており、注視が必要な状況。引き続き、普通建設事業の抑制による地方債残高の圧縮や基金の適正管理などに努めていく必要がある。
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