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少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や農業・漁業など一次産業の所得落ち込みにより、類似団体の平均を下回る状況が続いている。2016(平成28)年1月に策定した「黒潮町まち・ひと・しごと総合戦略」により、人口減少の克服と地方創生を実現するため、子育て支援や雇用の場の確保などにより、就業者数の増加を推進し、所得向上から自主財源である地方税の増収を図ることで、財政基盤の強化に努めていく。
人件費や扶助費の減少により、義務的経費充当一般財源は減少したが、依然として類似団体より高い数値となっている。引き続き、行財政構造の改革を進め、経常経費の削減を行うとともに、各種施策の充実により、税収の増を図っていく必要がある。
人件費は前年度より減少しているが、依然として類似団体と比べ高い水準にある。また、物件費は業務のシステム化に伴う保守料や、アウトソーシング、南海地震対策、あったかふれあいセンターの新設など産業振興施策による委託料の増により、増加傾向にある。これらは施策充実のためには必要な経費であるため、地方版総合戦略を積極的に推進しつつも、引き続き、事業内容を精査しながら、最小の経費で最大の効果を求めていく。
平成18年度策定の集中改革プランを上回るペースで人員削減を行ってきたが、保育所の直営などにより依然として類似団体を上回る職員数となっている。防災対策の増加や、人口減少に伴う地方創生事業などの新たな行政ニーズに対応するため、職員数の削減は限界まできている状況である。財政状況をふまえた行政サービスの質と量および職員数を、どのようにするのかは喫緊の課題となっている。
市町村合併以降、繰上償還の実施や有利債の借入により、年々数値は改善を続けている。しかしながら、近年の大型事業の実施とそれに伴う地方債借入額の増加により、今後の実質公債費比率の増加は避けられない状態にあるため、事業の中止や繰り延べなどによる地方債借入額の圧縮や、さらなる繰上償還などにより、実質公債費比率の上昇を抑えていく必要がある。
類似団体や全国・県内市町村と比較しても、数値の良好な状態が続いており、平成26年度に引き続き平成27年度決算による将来負担比率もマイナスとなっている。地方債残高は今後も大型事業の借入が控えていることから、引き続き、増加傾向にあるが、繰上償還などにより残高の圧縮を図るとともに、有利債を活用しつつも、事業実施の適正化を図り、将来負担比率の上昇を抑えていく必要がある。
職員数の減少による人件費の低下により、昨年度と比較して減少している。しかしながら、保育所を直営で運営していることから、依然として類似団体を上回る数値となっているため、類似団体との乖離が大きくならないよう、給与水準の適正化に引き続き、努めていく必要がある。
情報センター事業に伴う保守料等の増加や、職員数削減に伴う臨時職員の増大、業務のアウトソーシングなどにより、物件費は年々増加傾向にある。さらに、今後の防災施設の維持管理経費やさらなるアウトソーシングなどにより、物件費の上昇が見込まれるため、全体的な経費を適時見直しながら、経常経費の削減を図っていく必要がある。
保育所を直営で運営しているため、児童福祉費に係る扶助費が類似団体より小さい数値となっている。今後は地方創生事業に伴う子育て支援の充実や、高齢化率の更なる進展に伴い、扶助費の増加が見込まれるため、真に必要なサービスを見極めながら、財政健全化を図っていく。
その他の数値は前年度比較で減少しているが、国民健康保険事業特別会計赤字補てん繰出金などは増加している状況にあり、今後は数値の増大も見込まれる。繰出金の削減は喫緊の課題であり、保険料率の見直しや介護予防施策の充実を継続的に行っていく必要がある。
国・県の交付金や地方債の活用などにより、数値は年々、低下を続けている。今後は一部事務組合の施設整備に対する元利償還が始まり、負担金が増大するため数値の増加が見込まれる。
津波避難タワーや津波避難路等の防災対策や町道および橋梁の長寿命化に係る事業実施に伴い、前年度比較で増加している。今後は保育所の高台移転や新庁舎建設などの大規模事業の借入を行うため、償還額が増加することが見込まれている。将来負担比率や実質公債費比率は類似団体を下回る数値となっており、その数値を保つためにも、国や県の財政支援を最大限に受けながら、事業を行う必要がある。
人件費は減少傾向にあるが、アウトソーシングにかかる外部委託経費は年々、増加している。また、システム関連のランニングコストや施設の維持補修費は経費削減を心がけるとともに引き続き、最小限の経費で最大の効果を引き出せるように取り組みながら、財政の硬直化を回避していく必要がある。
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