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少子化・高齢化が進み、本町では1人の若者が1人の高齢者を支えるという「肩車型社会」への突入等による生産年齢人口の減少や、農業・漁業など一次産業の所得落ち込みにより、類似団体の平均を下回る状況が続いている。平成28年1月に策定した「黒潮町まち・ひと・しごと創生戦略」により、人口減少の克服と地方創生を実現するため各種施策を行ってきたが、今後、さらなる事業を推進するため、平成30年6月に「黒潮町総合戦略」を策定した。これに基づいた施策を推進していくことで、本町最大の目標である2060年、町人口6,800人の達成に向け、町にとって有益となる各種施策の推進を図る。
前年度比較で増額となった普通交付税の交付決定の後に、12月の追加交付があったこと、また、臨時財政対策債の大幅な増額の決定があったことにあわせて、繰越予算を含め、投資的経費(普通建設事業費)が前年度比較で42.5%増であることにより、人件費(職員給)を事業費支弁給に振り替えたことや、地方税(町税)や地方消費税交付金等も前年度比較で増額になったことで、歳入経常一般財源が大幅な増額となった結果、昨年度より8.3ポイント好転している。類似団体と近い値になってきているが、経常収支比率の過度な上昇がないよう、引き続き、歳出削減等の取り組みに努め、行財政構造の改革を推進し、経常経費削減を図っていく必要がある。
人件費は人事異動に伴う職員給与費の減のほか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた中での官民格差に基づく、人事院勧告による一時金の引き下げが行われたこと等により、前年度より減となった。物件費における委託料や通信運搬費については増額傾向にあるため、次年度以降のランニングコストの注視が必要であり、補助費や繰出金においても同様に増額傾向にあることは課題でとなっている。補助金団体や繰入を行う特別会計自体が、これまで以上に経営努力をしていくことの施策等も一緒に検討していきたい。
ラスパイレス指数については、類似団体に近い数値であり、昨年度から変動なしとなっている。引き続き、適切な運用を行い、ラスパイレス指数の上昇抑制を図り、適正な給料水準を保つよう努める。
保育所の直営による人員確保や業務増加に伴う人員配置により、依然として類似団体を上回る職員数となっており、昨年度と比べ、0.4ポイント増となった。特に防災対策事業の増加や人口減少に伴う地方創生事業による新たな行政ニーズに対応するため、職員数の削減は厳しい状況に置かれていると考えられる。財政状況をふまえた行政サービスの質と量をより良いものにしていくためにも、職員数をどのようにしていくかは喫緊の課題である。令和4年度以降は、近年注目されているデジタル化の推進や防災対策事業が一定落ち着く時期に突入すると考えられるので、今まで以上に人員削減に努める。
近年では、新庁舎建設事業や保育所高台移転事業などの大型事業にかかる元金償還が始まったことにより、例年と比べ、実質公債費比率が増加傾向にある。令和3年度は、平成30年度に借入を行った防災対策事業にかかるハード事業の償還が開始したこともあり、前年より0.4ポイント増となっている。その他、住宅整備事業を実施したため、今後の比率も増加すると予想される。厳密な事業内容の精査をしたうえで必要性を確認するとともに、繰上償還の実施により、実質公債費比率の上昇を抑えていく必要がある。
類似団体や全国・県内の市町村と比較しても、数値の良好な状態が続いており、平成26年度より将来負担比率もマイナスとなっている。地方債残高は、新庁舎建設事業や保育所高台移転事業、住宅整備事業など大型事業の地方債借入に伴い増加傾向にあるが、繰上償還による圧縮を図るとともに、有利な地方債を活用することにより、良好な状態を維持していく必要がある。また、旧合併特例事業債の残高が減ってきており、令和7年度までの活用となっているため、この起債を充当してきた継続事業などの財源振替を検討していかなければならない。
人事異動に伴う職員給与費の減のほか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた中での官民格差に基づく、人事院勧告による一時金の引き下げが行われたこと等により、前年度よりもさらに低い数値となった。今年度については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が大きいと考えられるが、今後も引き続き、給与水準の適正化を図っていきたい。
例年の大型事業である避難所環境整備や地籍調査業務委託が一定落ち着いてきており、事業費では昨年度より大幅減となっているが、新規事業の公営塾運営業務委託事業や学校給食センター一部委託の増、これに加えて、情報化推進費における各種システム関連費用や、ふるさと納税寄附金における返送手数料等の経費などについては、大幅な減少が見込めず、依然として類似団体よりも高い数値となっている。全体的な経費の見直しを入念に行い、経常経費の削減に努めたい。
児童福祉に係る扶助費は、保育所が直営であるため、類似団体よりも低い数値を保っており、昨年とほぼ横ばいの数値となっている。令和3年度は、ひとり親家庭医療費助成、障がい者自立支援給付費、小中学生医療費助成の増により、前年より0.1ポイント増となっている。今後も、子どもから高齢者まで住み慣れた地域で自立した生活が送れるよう、提供するサービスの内容を精査しながら、財政健全化を図っていく。
その他に係る経常収支比率が類似団体を下回っているのは、繰出金の減額が要因だと考えられる。繰出金は昨年度比0.3%減となっており、平成30年度より一部繰出金の削減を改善した効果が近年の数値に反映している。今後も保険料の見直しや健康増進、介護予防の充実を継続的に行っていく必要がある。
補助金等については、コロナ施策である特別定額給付金や感染拡大防止に係る経済支援交付金事業などが減となっている一方、コロナワクチン接種事業などの新たなコロナ施策の充実により、昨年度とほぼ横ばいとなっている。引き続き、国・県の交付金や地方債を活用しながら、行政運営を行っていきたい。
これまでの大規模事業に充当した地方債の元金償還が開始されたことにより、令和3年度も依然として高い数値となっている。昨年度比は1.8ポイントの減となっているものの、類似団体順位は最下位となっており、今後の起債発行については、より厳密な精査が必要である。しかしながら、今までの繰上償還の実施や有利債の借入によって、将来負担比率は類似団体より低い数値を維持しているところである。今後も引き続き、国や県の補助金等を最大限活用し、新規発行の地方債に注視しながら、健全な財政運営を行っていくことが必要不可欠である。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた中での人件費の減などが大きく影響し、公債費以外については昨年と比べ6.5ポイントと大きく減少している。これを機に、抑えられる経費については引き続き最小限にとどめ、最大の効果を出せるよう、財政の硬直化を回避していく必要がある。
(増減理由)・防災対策事業の地方債償還財源に充当するため「防災対策加速化基金」を約130百万円、償還のため「減債基金」を約70百万円、新型コロナウイルス感染症緊急対策基金を約7百万円取り崩しているが、「財政調整基金」へ歳計剰余金を100百万円積み立て、「ふるさと納税基金」への約95百万円取崩に対して、約286百万円の積み立てを行い、その他昨年取り崩した「新しいまちづくり基金」や「漁業振興基金」などは取り崩さずそれぞれ積み立てを行ったことで、基金全体としては約263百万円の増となった。(今後の方針)・引き続き、基金の使途の明確化を図り、町財政の健全な運営に資する基金運営を行っていきたい。
(増減理由)・利子額及び歳計剰余金100百万円の積立による増加。(今後の方針)・引き続き、災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、計画的な積み立てを行っていきたい。
(増減理由)・償還のため70百万を取り崩しているが、100百万円の歳計剰余金積立により増加。(今後の方針)・過去に行った防災対策事業にかかるハード事業に対する借入により、現在、地方債償還のピーク時であることから、引き続き、今後の普通建設事業等の整備計画及び地方債の償還計画を踏まえ、計画的な事業実施を踏まえた基金の積み立てと取り崩しを行っていきたい。
(基金の使途)・建設推進基金:町の建設に資するため。・新しいまちづくり基金:町の新しいまちづくりに資するため。・防災対策加速化基金:地域の課題や特性に応じた優先的に取り組むべき防災対策をきめ細かに進め、災害に強い地域社会の実現の加速化を図るため。・ふるさと納税基金:町の未来に向けての施策および寄付者の意向を反映した施策に効果的活用するため。・地域活性化事業基金:町の多様な歴史、伝統、文化、教育、観光及び産業等を活かし、活性化に資するため。(増減理由)・防災対策加速化基金:防災対策事業の地方債償還の財源に充当するため130百万円を取り崩したことによる減少。・ふるさと納税基金:寄附者の意向を反映するため約95百万円を取り崩し、当該年度に寄付を受けたもののうち約286百万円を積み立てたことによる増加。・新型コロナウイルス感染症緊急対策基金:令和2年度新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した、中小企業等融資利子補給金の補助金事業の財源に7百万円充当したことによる減少。(今後の方針)・各基金の使途にあった計画的な積み立て及び運用を行っていきたい。そのうち、「防災対策加速化基金」については、引き続き、防災対策に要した経費に関連する町債の償還に充当を予定している。また、「ふるさと納税基金」については。町に寄せられた寄附金を適正に管理し、引き続き、町の将来に向けての施策及び寄附者の意向を反映した施策に効果的に活用していきたい。当初予算規模から高い水準となっているため、収支の調整に基金を取り崩す状況が続いている。将来世代へ課題や負担を残さないためにも、各事業の内容精査を丁寧に行いながら行政サービスの質を向上させつつ健全な財政運営を行っていきたい。
令和3年度は令和2年度から2.5ポイントの増加をしており、過去4年をみても全国平均を下回る結果となっている。これは、近年の防災対策に係る普通建設事業費の増加による影響が昨年同様に続いている。当町では平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において定めた基本的な方針を踏まえ、令和2年度に策定した個別施設計画により、一層の単年度の財政負担の低減や事業実施の平準化を図り、効果的な取り組みを推進していきたい。
有利債の借入などにより将来負担比率はマイナスとなっているため、当町の値は表示されていない。引き続き、適切な財政運営に努め、良好な値を継続していく必要がある。
有利債の借入などにより将来負担比率はマイナスとなっている。また、実質公債費比率について、令和3年度は令和2年度に比べ0.4ポイントの増加をしており、注視が必要な状況。引き続き、普通建設事業の抑制による地方債残高の圧縮や基金の適正管理などに努めていく必要がある。
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