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少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、農業・漁業など一次産業の所得落ち込みにより、類似団体の平均を下回る状況が続いている。平成28年1月に策定した「黒潮町まち・ひと・しごと創生戦略」により、人口減少の克服と地方創生を実現するため各種施策を行ってきたが、今後、さらなる事業を推進するため、平成30年6月に「黒潮町総合戦略」を策定した。これに基づいた施策を推進していくことで、引き続き財政基盤の強化に努めていく。
令和元年度は、平成28年度に借入を行った新庁舎建設事業などの大型事業に対する元金据置期間が終了したことで元金の支払が増加したことと、普通交付税が合併算定替から一本算定への移行期間に入ったことにより縮減を始めていることから、分母である経常一般財源が減少したことが要因となり、大幅に類似団体よりも高い数値となった。歳出削減等の取り組みに努め、行財政構造の改革を推進し、経常経費削減を図っていく必要がある。
地域おこし協力隊に係る人件費などは減となったが、物件費は臨時職員の増や、業務のシステム化に伴う保守料やアウトソーシング、ふるさと納税返礼品配送業務に係る委託料や手数料の増により、増加傾向にある。これらは施策の充実のためには必要な経費であるため、地方版総合戦略を積極的に推進しつつも、引き続き、事業内容を精査しながら、最少の経費で最大の効果を求めていく。
平成18年度策定の集中改革プランを上回るペースで人員削減を行ってきたが、保育所の直営などにより、依然として類似団体を上回る職員数となっている。防災対策事業の増加や人口減少に伴う地方創生事業による新たな行政ニーズに対応するため、職員数の削減は限界まで来ている状況である。財政状況をふまえた行政サービスの質と量をより良いものにしていくためにも、職員数をどのようにしていくかは喫緊の課題となっている。
市町村合併以降行ってきた繰上償還や、交付税措置の高い地方債での借入などにより、近年連続して数値改善を続けていたが、平成29年度より連続して悪化に転じた。また、新庁舎建設事業や保育所高台移転事業などの大型事業による地方債残高の増加や普通交付税の縮減により、さらなる数値の悪化が見込まれる。今後も事業内容を精査することで必要性を確認するとともに繰上償還の実施により、実質公債費比率の上昇を抑えていく必要がある。
類似団体や全国・県内の市町村と比較しても、数値の良好な状態が続いており、平成26年度より将来負担比率もマイナスとなっている。地方債残高は、新庁舎建設事業や保育所高台移転事業など大型事業の地方債借入に伴い増加傾向にあるが、繰上償還による圧縮を図るとともに、有利な地方債を活用することにより、良好な状態を維持していく必要がある。
地域おこし協力隊や一般職期末勤勉手当などの減により、昨年より減少した数値となった。類似団体を大きく上回るのは、保育所が直営である影響もあるが、依然として類似団体より高い数値であるため、引き続き、類似団体との乖離が大きくならないように給与水準の適正化を図っていく必要がある。
臨時職員の増大や業務のアウトソーシング、情報センター事業に伴う保守料等の経費は変わらず大幅な減少が見込めないほか、ふるさと納税返礼品配送業務に係る委託料や手数料が増となっている傾向にある。今後も、防災施設の維持管理費やさらなるアウトソーシングなどにより、物件費の上昇が見込まれるため、全体的な経費の見直しを行いながら、経常経費の削減に努めたい。
保育所が直営であるため、児童福祉に係る扶助費が類似団体より低い数値となっている。今後も子育て支援の充実や高齢化率の更なる進展に伴う行政ニーズが見込まれるため、サービス内容を精査しながら、財政健全化を図っていく。
課題とされていた特別会計への繰出金の削減を平成30年度より一部改善したことで、令和元年度も類似団体の数値を下回っている。今後も保険料の見直しや健康増進、介護予防の充実を継続的に行っていく必要がある。
国・県の交付金や地方債の活用などにより、昨年度ほぼと同様の数値となっている。今後は、一部事務組合の施設整備に対する元利償還が始まり、負担金が増大するため、数値の増加が見込まれる。
平成30年度は、地方交付税の減などによる経常一般財源の減や、平成28年度に借入を行った新庁舎建設事業などの大型事業に対する元金据置期間終了に伴い、前年度を上回る数値となった。一方で、今までの繰上償還の実施や有利債の借入によって、将来負担比率や実質公債費比率は類似団体より低い数値を維持しているところである。今後も引き続き、国や県の補助金等を最大限活用し、地方債残高の抑制を図りながら、健全な財政運営を行っていくことが必要不可欠である。
人件費やアウトソーシングによる外部委託、システム関連のランニングコスト、システム施設の維持補修費など、昨年度と比較して経常経費全体が増加している。今後も引き続き、最小限の経費で最大の効果を出せるように取り組みながら、財政の硬直化を回避していく必要がある。
(増減理由)・防災対策事業の地方債償還財源に充当するため「防災対策加速化基金」を約130百万円、公営住宅建設等の財源に充当するため「新しいまちづくり基金」を約116百万円、償還のため「減債基金」を約200百万円取り崩した一方で、「財政調整基金」へ歳計剰余金を15百万円、「ふるさと納税基金」へ取り崩し金額約201百万円よりも多い約349百万円の積み立てを行いましたが、基金全体としては約322百万円の減となった。(今後の方針)・引き続き、基金の使途の明確化を図り、町財政の健全な運営に資する基金運営を行っていきたい。
(増減理由)・利子額及び歳計剰余金15百万円の積立による増加(今後の方針)・災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、計画的な積み立てを行っていきたい。
(増減理由)・償還のため200百万円を取り崩したことによる減少(今後の方針)・今後の普通建設事業等の整備計画及び地方債の償還計画を踏まえ、計画的な事業実施を踏まえた基金の積み立てと取り崩しを行っていきたい。
(基金の使途)・建設推進基金:町の建設に資するため・防災対策加速化基金:地域の課題や特性に応じた優先的に取り組むべき防災対策をきめ細かに進め、災害に強い地域社会の実現の加速化を図るため・新しいまちづくり基金:町の新しいまちづくりに資するため・ふるさと納税基金:町の未来に向けての施策および寄付者の意向を反映した施策に効果的活用するため・地域活性化事業基金:町の多様な歴史、伝統、文化、教育、観光及び産業等を活かし、活性化に資するため(増減理由)・防災対策加速化基金:防災対策事業の地方債償還財源に充当するため、約130百万円を取り崩したことによる減少。・新しいまちづくり基金:公営住宅建設等に充当するため約116百万円を取り崩したことによる減少。・ふるさと納税基金:寄附者の意向を反映するため約201百万円を取り崩し、当該年度に寄付を受けたもののうち約349百万円を積み立てた。(今後の方針)・各基金の使途にあった計画的な積み立て及び運用を行っていきたい。そのうち、「防災対策加速化基金」については、引き続き、防災対策に要した経費に関連する町債の償還に充当を予定している。
令和元年度は平成30年度から1.6ポイントの増加をしており、過去3年をみても全国平均を下回る結果となっている。これは、近年の防災対策に係る普通建設事業費の増加による影響が昨年同様に続いている。当町では平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において定めた基本的な方針を踏まえ、令和2年度に策定した個別施設計画により、一層の単年度の財政負担の低減や事業実施の平準化を図り、効果的な取り組みを推進していきたい。
有利債の借入などにより将来負担比率はマイナスとなっているため、当町の値は表示されていない。引き続き、適切な財政運営に努め、良好な値を継続していく必要がある。
有利債の借入などにより将来負担比率はマイナスとなっている。また、実質公債費比率について、令和元年度は平成30年度に比べ0.4ポイントの増加をしているが、依然として低い数値を維持している。引き続き、良好な値を継続するために普通建設事業の抑制による地方債残高の圧縮や基金の適正管理などに努めていく必要がある。
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