地域において担っている役割
・当院は、救命救急センター・総合周産期母子医療センター等を有する東三河の中核病院として、地域完結型医療の一翼を担い、高度急性期及び急性期医療の機能を果たすことが当院の役割であると考えている。
経営の健全性・効率性について
・他会計負担金の減による医業外収益の減や、人件費の増による医業費用の増に伴い、①経常収支比率や②医業収支比率は、前年より低下してはいるものの、類似団体との比較では高い水準を維持している。・⑥外来患者1人1日当たりの収益は、高額な抗がん剤であるオプジーボの使用量増加による注射収入の増加等で、類似団体より645円上回ったが、今後も使用量の増加が予想されるため、ベンチマーク分析等で費用を抑制し収益を確保することが必要だと考えている。一方で、⑤入院患者1人1日当たり収入は、28年4月よりDPCⅡ群病院に指定されたことで医療機関別の係数の増により昨年と比べ増加してはいるものの、類似団体と比較すると低い。効率的なベッドコントロールや地域連携の取り組みにより入院患者の確保や、平均在院日数の短縮に努めていく。・⑧材料費対医業収益比率は、高度急性期医療を担うための支出と考えるが、今後も後発薬品の使用拡大や診療材料の購入価格抑制に努めていく。
老朽化の状況について
・①有形固定資産減価償却率は、類似団体の平均値を少し上回るが、電気設備の更新や、高度放射線棟の施設整備により平成27年度に比べ、8.8%減少した。今後も計画的な施設整備や機器更新を行っていく。・②機械備品減価償却率も①の有形固定資産減価償却率と同様、高度放射線棟整備にあたり、リニアック等の放射線治療機器を更新したことで類似団体の平均値より大幅に低下した。こうした積極的な投資に加え、病床数を削減(820床→800床、入院患者の療養環境向上のための簡易個室化)したことで、③1床当たり有形固定資産が類似団体の平均値より800万ほど上回った。
全体総括
・総じて経営を安定的かつ効率的に行えていると考えるが、今後も消費税増税などの経営環境が厳しくなると予想されるなか、地域の中核病院として、医療スタッフの確保や高度専門医療の充実を図り、診療機能の強化に努めていく。また、新たに患者の診療情報を紹介元・紹介先の医療機関と共有できる地域医療連携ネットワークシステムを構築するなど、地域医療機関等との連携強化を図るとともに、患者の療養環境等の向上のため、入退院支援体制の充実を図っていく。