経営の健全性・効率性について
処理区域内人口が6人と非常に少ないため、類似団体と比較し経営効率が悪く、⑤経費回収率も低くなり、⑥汚水処理原価も高くなっている。また、整備当初に比べて区域内人口が減少しているため、⑦施設利用率が低くなっている。①収益的収支比率は、いずれの年度も100%となっているが、一般会計繰入金により収支調整を実施している結果である。経費回収率や汚水処理原価の改善を図るためには、収入を増やすか費用を削減することが不可欠である。浄化槽の維持管理に必要な費用は年度によって大きく変動することはないが、施設設備の故障により修繕が必要となると費用が大きく増加する要因となり、令和3年度は設備の故障により修繕に要する費用が発生しなかったことから、令和2年度と比較すると経費回収率、汚水処理原価が大幅に改善している。収入については、山間の小さな集落のため人口増加により料金収入を増加することは難しい。仮に経費回収率を他の類似団体の水準まで引き上げようとすると、現在の使用料金を引き上げる必要があるが、他の下水道事業との兼ね合いや住民理解の観点から本事業のみの料金改定は難しいと考えている。
老朽化の状況について
平成16年度の供用開始から17年程度しか経過しておらず処理場の耐用年数である30年や管渠の耐用年数の50年と比べても経過年数が少ないため老朽化は進んでいない。処理場の設備については、故障が発生した際に修繕するなど発生主義で修繕(更新)を行っている状況であり、今後も同様に行っていく。管渠については、更新時期まで期間があるため、その時の状況に即して行っていく予定である。
全体総括
「1.経営の健全性・効率性について」でも記載したように区域内人口が今後増えることは想定できず、今後も現在と同様の経営を行っていくが、これまで以上に費用の節減に努めることが重要である。長期的には、収入確保のために使用料金改定の必要性も感じているが、他の下水道事業の料金改定と合わせて行っていくこととなると考えている。