地域において担っている役割
地域の基幹病院として、医療圏域内における重症・専門・救急医療を提供する役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
平成28年度まで経常収支の黒字は維持していたが、平成29年度は赤字となり、経営改善に向けた取り組みが必要である。累積欠損金比率は少しずつ改善している。90%程度の高い病床利用率と患者一人あたりの収益で確認できるように、収益の確保については良好であり、健全性も保ってきた。一方、効率性については、特に平均値を超える材料費対医業収益比率に見るように、費用の増加が、医業収支比率の減少傾向に繋がっている。そのことが現時点における喫緊の課題であることは認識しており、適正化を図り費用を抑制し、効率性を改善できるように努めている。
老朽化の状況について
現在の病院は、新築移転しており、2-①が平均と比べて下回っているのは、そのためと分析する。しかし、移転後10年が経過し、当時整備した医療機器が老朽化していることは認識しており、2-②が平均値より高くなっているのは、その表れといえる。今後は、健全性を維持しながら、老朽化した医療機器を計画的に整備しながら、当院の地域における役割を果たし続けていかなければならない。なお、2-③について、平成26年度を機に平均と比べ大きく上回ったのは、平成25年度に精神科病棟などが入る新しい病棟を整備したこと、平成26年度には放射線治療に係る施設整備を行ったことが影響している。
全体総括
全体的には、経常収支比率が赤字となったものの、累積欠損金比率は低く、高い病床利用率や患者一人あたり収益に支えられる形で経営の健全性は確保できていると考える。しかし、材料費対医業収益比率に見るように、費用の抑制による効率性の向上は課題であり、それにより医業収支比率を改善することが、健全な経営を続けるためには重要である。また、今後は、健全な経営を維持しながらも、計画的に老朽化する医療機器の更新を行い、地域の基幹病院としての役割を果たし続けていかなければならない。