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平成20年秋以降の世界的な経済金融危機や東日本大震災、欧州危機等による景気の悪化から、市内大手企業の収益減に伴う法人市民税の減収などの影響により、近年は微減の状況が続いており、平成24年度からの4年間で0.07ポイントの減となっている。平成28年度決算は前年度と比較して0.03ポイント減の0.73となり、類似団体平均を下回った。市内に大手企業が立地していることから、景気や為替の動向、特定の企業の業績、法人税の税率改正等、法人市民税に関わる状況の変化が市の収入全体に大きく影響するため、今後も注視する必要がある。また、個人市民税については、緩やかな景気の回復により徐々に持ち直しの兆しがみられるものの、生産年齢人口の減少による減収が危惧される。当市としては、平成28年度に「とりで行政経営改革プラン2016」を策定し、収納率の向上、手数料・使用料の見直し等受益者負担の適正化、市有財産の処分等により歳入額を確保するとともに、さらなる歳出額の抑制に努め、収支均衡型の財政構造への転換を図り、持続可能な財政構造の構築に努める。
前年度と比較して5.0ポイント増の96.9となり、類似団体平均と比較して3.3ポイント上回っている。分母である経常一般財源は、普通交付税293百万円の増となったものの、市税397百万円、臨時財政対策債223百万円、地方消費税交付金201百万円の減などにより、624百万円(2.69%)の減となった。分子である経常経費充当一般財源は、物件費、補助費等、公債費などの増により544百万円(2.55%)の増となった。分子である経常経費充当一般財源が増加し、分母である経常一般財源も減少したことにより、経常収支比率を大きく引き上げた。今後も、人件費の抑制と併せて、内部事務経費の徹底した削減や、事務事業の見直しと再構築、公共施設マネジメントの推進、一部事務組合・第三セクター等の組織の見直し、指定管理者制度の活用など、歳出の抜本的な見直しに努め、継続して行財政改革を実施していく。
全国平均及び茨城県平均,類似団体平均と比較しても下回る数値となっている。これは,取手市独自の「取手市行政経営改革プラン」及び「とりで行政経営改革プラン2016」に取り組んだ結果,人件費の抑制と内部事務管理経費等の削減による効果が現れたものと思われる。今後も,定年退職者等の人員補充は実施するものの,適正な給与支給と定員管理により,人件費の抑制に努める。
全国市平均及び類似団体平均と比較してもラスパイレス指数は下回っている。これは,昇格試験の実施等による昇格基準の見直しなどによりラスパイレス指数が減となったものと思われる。また,地域手当についても,人事院勧告では16%支給地域に指定されているものの,抑制して支給している(平成27年度6%,28年度8%で支給)。今後も人事院勧告に準拠し,給与の適正化に努める。
全国平均は下回っているものの,茨城県平均及び類似団体平均を若干上回っている。これは,市直営による消防業務や,待機児童対策・子育て支援の充実のために保育士を積極的に採用していること等が影響していると思われる。今後も,組織や事務事業の見直しに併せて計画的な定員管理の中で職員数の適正化を図る。
類似団体平均を上回っている状態が続いているが、前年度比較では1.0ポイント比率が減少した。単年度数値においては、平成28年度は7.307%で平成25年度の10.244%と比較して2.937ポイントの減となった。分子の、公債費に準ずる債務負担行為に充てた一般財源、一部事務組合への負担金が減となったことや、分子分母から差し引く災害復旧費等にかかる基準財政需要額が増となったことにより、分子が対前年度比較で93百万円の減(-6.28%)、分母が97百万円の減(-0.51%)となり、分子の減が分母の減を上回ったことが、実質公債費比率を引き下げた要因である。今後も適正な事業の選択・実施による市債発行、償還年限の見直し等を行い、公債費の減額及び償還金の平準化を図り、実質公債費比率の減少に努める。
類似団体平均を上回っている状況が続いているが、対前年度比較では横ばいと、ここ数年の将来負担比率は減少傾向にある。将来負担額のうち地方債残高は増となっているものの、組合等負担見込額、退職手当負担見込額、及び債務負担行為に基づく支出予定額が減となり、分子となる将来負担額合計が対前年度比較で52百万円の減(-0.58%)となった。一方で普通交付税は増となったものの、臨時財政対策債発行可能額、標準税収入額等が減となり、分母が対前年度比較で97百万円の減(-0.51%)となり、将来負担比率は対前年度比較で同率となった。今後も公債費等の義務的経費の削減を中心とする行政改革を進め、後世への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等に係る総点検を実施し、地方債発行の抑制など、地方債現在高の急激な上昇を抑制し、財政の健全化に努める。
全国平均及び類似団体平均と比較すると高い割合になっている。取手市は昭和40年、50年代の人口急増期に公立保育所の新設等による職員の採用を行っていた。そのため、高齢職員の占める割合が類似団体等よりも多くなっているものと思われ、人件費も高くなっている。しかしながら、「取手市財政構造改革アクションプラン」及び「取手市行政経営改革プラン」の取り組みにより人件費の抑制が図られ、近年は27~29%前後で推移している。平成28年度決算は前年度と比較して1.0ポイントの増となったが、地域手当支給率の増や、人事院勧告に基づく増額分などが主な要因であり、今後も組織・事務事業の見直しを実施するとともに適正な定員管理に努める。
平成28年度決算は前年度と比較して1.5ポイントの増となった。増の主な要因は、ウェルネスプラザの指定管理料、道路清掃委託料、情報系サーバー機器等使用料、小学校パソコン使用料などの増による。類似団体、全国平均、県平均と比較する大きく下回っており、過去の5年間の推移をみても低い水準を維持している。「取手市財政構造改革アクションプラン」及び「取手市行政経営改革プラン」の取り組みにより内部事務管理経費等の見直し等による削減効果が現れているためと思われる。今後も、旅費や需用費、備品購入費、委託料など継続的に精査・見直しを図っていく。
茨城県平均は若干上回っているものの、全国平均や類似団体平均と比較すると低い割合を維持している。しかし、全国的に高齢化社会を迎えているなかで、当市においても例外ではなく、社会保障費にかかる割合は今後年々増加が予測される。特に生活保護費、障害者自立支援給付費にかかる割合が膨らんできており、経常収支比率を押し上げる主因となっていくことが懸念される。今後も市が単独で行う各種扶助の経費について継続的に精査、見直しを図っていく必要がある。
平成28年度決算は、対前年度比較では0.2ポイント増となった。主な要因は、取手地方広域下水道組合への経常一般財源での繰出金の減により繰出金全体で減となったものの、市内大手企業の業績の下落による法人市民税の大幅な減や、臨時財政対策債が減となったことによるものである。なお国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険事業の特別会計に対する繰出金については、少子高齢化による人口の減少や、高齢化率の割合が高いことなどから年々増加傾向となっている。特に、国民健康保険については、財源補てん的な繰出金が増加傾向にあることから、独立採算の原点に立ち一般会計に依存しない財政基盤の強化が必要である。
前年度と比較し0.9ポイント増となったものの、類似団体平均を継続的に大きく下回って推移している。平成26年度以降、対前年度と比較して増となっているが、これは市から負担金を支出している一部事務組合、常総広域市町村圏事務組合の経常一般財源が増加した影響等によるものである。また、補助金については、平成21年度に10%のマイナスシーリングを実施し、平成22年度においては公募制補助金を導入し、削減に努めている。今後も引き続き適正な補助金の交付を行い、公平性・公益性の確保に努めていく。一部事務組合についても、常総広域市町村圏事務組合など、一部事務組合への負担金が増加傾向にあるため、維持管理経費の削減について働きかけるなど負担金の抑制を図っていく。
公債費については、過去に実施した都市基盤整備事業の元利償還金に加え、喫緊の課題である学校の耐震化事業の実施や、臨時財政対策債などの特例的な地方債の借入により地方債現在高が増加した影響で、地方債の元利償還金が膨らんでおり、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を3.1ポイント上回っている。さらに下水道事業の元利償還金に係るものなど公債費に類似の経費を合わせると、人口1人当たりの決算額は類似団体平均を4,024円上回っており、公債費の負担は非常に重いものになっている。今後も公債費は高止まりで推移することが予測され、将来に対する投資的な事業についても、緊急性や優先順位を十分検討し、市債の発行を抑制するとともに、借換えや耐用年数等を勘案した償還期間の設定により、公債費の抑制や平準化を図っていく。
公債費以外では、平成24年度以降、類似団体平均を下回って推移してきたが、平成28年度決算では、分母となる経常一般財源が、法人市民税や臨時財政対策債の減により大きく減少したことで、すべての費目の比率が増となり、対前年度比4.1ポイントの増となった。今後も類似団体平均と比較して高い水準のものは、継続的に精査・見直しを行い健全な財政運営を行っていく。
将来負担比率及び、実質公債費比率は、類似団体平均値を上回っている状態が続いているものの、前年度比較では将来負担比率が7.9ポイント減少、実質公債費比率も0.6ポイント減少した。両比率共に、普通交付税が前年度比614百万円増の5,209百万円となったことや、標準財政規模から差し引く普通交付税に算入される(災害復旧等・事業費補正)基準財政需要額が207百万円減となり、分母の合計が482百万円増となったことが、減少の要因である。今後も、事業実施の適正化や地方債発行の抑制を図ることで、財政の健全化に努める。
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