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生活保護費や社会福祉費の減により,基準財政需要額が減となったが,固定資産税や法人税割等の増により,基準財政収入額は増となったことから,財政力指数は単年度では0.01ポイント低下した。一方で,3か年平均では横ばいとなっている。税収や財政力指数は類似団体平均を上回ってはいるが,今後も,企業誘致や,人口減少対策の推進により,市税の確保に努める。
大型事業の推進に伴い発行した合併特例債等の元金償還が順次開始されていることにより,公債費の増加が続いていたが,市税や地方消費税交付金等,経常一般財源の増により,経常収支比率は前年度と比べ0.1ポイント低下した。平成30年度は2年連続で経常収支比率が改善した形ではあるが,今後も,社会保障経費の増,大型事業実施による公債費や施設維持管理経費の増が見込まれることから,歳入面においては,市税等の収納強化や新たな自主財源の創出により一般財源の確保に努め,歳出面においては,徹底した事務事業の見直しにより経常経費の抑制に努める。
職員の若年化に伴う職員給の減や,ごみ処理に係る外部委託料,ふるさと納税の返礼品に係る委託料の減により,人口1人当たりの決算額は2,169円減少したが,引続き類似団体平均を上回っている。物件費については,給食センター,市民会館の施設更新に伴う維持管理費の増による増が予想されるため,実施している全ての事業を0ベースで見直し,優先順位の低い事業は大胆にスクラップするなど,経常経費の削減に努める。
職員の若年化及び初任層の在級期間が他市町村と比較して長期であることにより,類似団体の中では最低水準にある。平成29年度は,各級における在職年数が国と比べて長期であることにより,0.7ポイントの低下となった。平成30年度は,人事異動に伴い一般行政職の職員構成に変動があったため,0.3ポイントの上昇となった。
平成23年度から毎年度職員配置数計画(職員増減計画)を策定しており,現在は,ほぼ横ばいの職員数を維持している。平成29年度に,平成29年度から平成34年度までの計画期間で,定員適正化計画を策定しており,今後も簡素で効率的かつスリムな組織・機構の構築を進めながら,引き続き中長期的視点に立った定員管理の適正化に努める。
土浦駅前北地区再開発事業の進捗に伴い,都市計画税充当可能額が増となったことにより特定財源が増となったため,実質公債費比率は,1.4ポイント低下した。平成30年度は,実質公債費比率の数値が改善したが,中長期的には,公債費の増加により,再び上昇することが予想されることから,施策の厳選による新規起債の抑制,繰上償還の実施等により,後年度の公債費抑制に努める。
大型事業の推進に伴い市債発行額が増加しており,平成26年度以降上昇を続けていたが,平成30年度は,決算剰余金を活用して繰上償還や,駅前北地区再開発事業の消費税還付金による財政調整基金の積立を実施したことにより,将来負担比率は13.7ポイント低下した。ただし,類似団体の中では依然として高い数値となっている。今後は,大型事業の完了により地方債現在高の増には歯止めがかかり,将来負担比率は低下する見込みとなっているが,引続き行財政改革を推進し,健全で持続可能な財政運営の確立に努める。
職員の若年化に伴う職員給の減等により,人件費は減少しており,人件費に係る経常収支比率は前年度と比較して0.4ポイント低下したものの,類似団体平均を上回る状況は変わっていない。今後も行政運営の効率化や,簡素で効率的かつスリムな組織・機構の構築を進めるなど,行財政改革を推進し,人件費の抑制に努める。
大型事業により整備した施設に係る維持管理経費の増や労務単価の上昇等により,平成24年度以降,物件費に係る経常収支比率は上昇傾向にあるが,平成30年度はごみ処理に係る外部委託料の減により,前年度と比較して0.2ポイント低下している。今後も,施設維持管理経費の増や労務単価の上昇等により,物件費は増加することが予想されるため,事務事業の徹底的な見直しにより抑制に努める。
扶助費に係る経常収支比率は前年度と比較して横ばいであり,類似団体平均は下回っている。扶助費は障害者自立支援給付費や保育園の施設型給付費などが今後も増加することが見込まれるため,厳正な執行に努める。
繰出金について,平成30年度は高齢化の進展により,介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計への繰出金が増となったことにより経常収支比率は0.2ポイント上昇した。今後も,独立した会計であるという基本原則に則り,ルール分以外の繰出である赤字補填等の抑制に努め,普通会計の負担軽減を図る。
平成13年度以降,補助金の整理合理化を進めてきたこと等により,補助費等に係る経常収支比率は類似団体平均を大きく下回っている。平成30年度は0.1ポイント上昇しているが,ほぼ横ばいで推移している。今後も,定例化している補助金等について見直しを行い,適正な執行に努める。
大型事業の推進に伴い発行した合併特例債等の元金償還が順次開始されていることにより,公債費の増加が続いており,平成30年度の公債費に係る経常収支比率は,前年度と比較して0.2ポイント上昇した。今後数年間は公債費の増加が見込まれるが,引続き計画的な市債発行や繰上償還を行い,将来の財政負担の軽減に努める。
維持補修費や補助費,繰出金に係る経常収支比率については前年度と比較して上昇したものの,人件費や物件費等の減により,公債費以外の経常収支比率は0.3ポイント低下している。今後,社会保障経費の増や公共施設等の維持管理経費の増に対応していく必要があることから,歳入面においては収納対策の強化やネーミングライツを活用した施策により財源確保に努め,歳出面においては経常経費の徹底的な見直しと削減を実施する。
・平成30年度はごみ分別収集事業に充てるため,「合併振興基金」を166百万円取り崩した一方,今後見込まれる扶助費の増等への対応として,財政調整基金に425百万円を積み立てたことにより,基金全体としては175百万円の増となった。(今後の方針)・老朽化が進む学校施設の更新や修繕等に対応していくため,平成29年度に「土浦市立学校施設整備基金」を設置した。決算剰余金等を着実に積立て,今後想定される学校施設の更新や修繕等に対応する。・財政調整基金及び減債基金については,今後増大する公債費等に対応するための取崩しが見込まれており,本市において策定した「長期財政見通し」では5年程度で枯渇する見通しとなっていることから,歳入確保及び歳出抑制に努める。
(増減理由)・今後見込まれる社会保障経費の増等への対応として,決算剰余金を425百万円を積み立てた。(今後の方針)・財政調整基金は今後見込まれる扶助費の増や,老朽化した施設の更新,激甚災害に備えるために積み増していく方針。・中長期的には,歳入面においては,普通交付税の合併算定替による特例措置の適用期限が令和2年度で終了し,歳出面においては,近年の大規模事業実施による影響で公債費が増加する見込みとなっていることから,基金残高は急激に減少し,5年程度で枯渇する見通しとなっているため,歳入確保及び歳出抑制に努める。
(増減理由)・利子の積立による増加のみとなっている。(今後の方針)・収支の状況により,平成30年度は取崩しを実施しなかったが,今後も公債費が増加する傾向にあることから,中長期的には,財政調整基金とともに急激に減少し,5年程度で枯渇する見通しとなっており,歳入確保及び歳出抑制に努める。
(基金の使途)・合併振興基金:市の一体感の醸成及び地域振興・社会福祉事業基金:社会福祉事業の推進・協働のまちづくり基金:地域の個性や特色を生かした協働のまちづくりの推進を目的として,市民やまちづくり団体が主体となって行う地域の交流促進や活性化を図る公共的・公益的な活動・文化振興基金:市の文化事業の振興・奨学基金:経済的理由によって高等学校への進学が困難なものに対する奨学資金(増減理由)・合併振興基金:平成27年度以降,全市で実施しているごみの分別収集事業に充当しており,平成30年度は2億円程度を取り崩した。・協働のまちづくり基金:市内の地区公民館を新築するための費用等に充当するため,4千万円程度を取り崩した。(今後の方針)・合併振興基金:基金造成の際に借り入れた合併特例債の償還に合わせ,毎年度2億円程度の取崩しを予定している。・協働のまちづくり基金:市民やまちづくり団体が実施するハード事業やソフト事業への補助に充当するための取崩しを予定している。・奨学基金:毎年度の取崩し及び3年に1回の積立てを予定している。
公共施設への新規投資や更新投資を積極的に行った結果,全体として老朽化の程度が抑えられ,有形固定資産減価償却率は類似団体平均より10.3ポイント低い値となっている。引き続き,平成28年8月に策定した公共施設等総合管理計画に基づき,公共施設等の計画的な統廃合・更新を進めることにより,有形固定資産減価償却率の上昇を抑制したい。
平成30年度に行ったごみ焼却施設整備事業など,公共施設への更新投資を積極的に行った結果,その大部分は公債財源で賄われることから,将来負担額が増大し,債務償還比率は,類似団体平均よりも192.1ポイント上回っている。しかし,決算剰余金による繰上償還の積極的な実施や繰入金の減少見込みなどにより,将来負担額が減少したことなどから,前年度より47.9ポイント低下している。令和元年度は下がる見込みであるが,今後も施策の厳選等により借入額の増加を抑えていきたい。
公共施設への新規投資や更新投資を積極的に行った結果,全体として老朽化の程度が抑えられ,将来世代が便益を享受する資産を形成している。そのため,有形固定資産減価償却率は類似団体平均を10.3ポイント下回っている。一方で,将来世代への負担も少しずつ増加しており,将来負担比率は類似団体平均と比較して64.6ポイント高くなっているが,H29年度までの大型事業が一段落したことで下降に転じている。令和元年度は下がる見込みである。これらの指標は中長期的に経年での推移によりバランスを見ていく必要がある。
実質公債費比率については,平成22年度以降,高金利な資金の繰上償還を実施するとともに,事業債の発行を償還元金の範囲内に抑えることにより,年々低下傾向にあったところ,大型事業の推進に伴う公債費の増加によって再び上昇傾向にあったものの,それらの事業が一段落したことなどにより,一転して,実質公債費比率と将来負担比率は小さくなっている。令和元年度は下がる見込みである。今後も施策の厳選や事務事業の見直し等により,公債費を抑制し,財政健全化に努める。
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