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大型事業の推進に伴う合併特例債発行による償還費の増及び臨時財政対策債償還費の増により,公債費等が増額となったものの,固定資産税等の増により,基準財政需要額,基準財政収入額ともに増となり,財政力指数は横ばいの0.88となっている。税収や財政力指数は類似団体平均を上回ってはいるが,今後も,企業誘致や,より一層の収納対策強化などにより市税確保に努めるとともに,税外収入についても滞納対策等を講じ,財政基盤の強化に努める。
地方消費税交付金等の減により,経常一般財源が減となった一方,大型事業の推進による公債費の増や,施設管理費等の物件費,扶助費の増により,経常収支比率は前年度と比べ1.4ポイント上昇した。平成25年度以降,当該比率は上昇傾向にあり,今後も,社会保障関係経費の増,大型事業推進による公債費や施設維持管理経費の増が見込まれることから,歳入面においては,市税等の収納強化や新たな自主財源の創出により一般財源の確保に努め,歳出面においては,徹底した事務事業の見直しにより経常経費の抑制に努める。
大型事業により整備した施設の維持管理経費やごみ処理外部委託等の増により物件費は増となっているものの,職員の若年化による職員給の減により人件費は減少しているため,人口1人当たりの決算額は前年度と同程度となった。しかし,物件費や維持補修費については,施設・インフラの老朽化等によりさらに経費がかかることが予想されるため,実施している全ての事業を0ベースで見直し,優先順位の低い事業は大胆にスクラップするなど,経常経費の削減に努める。
職員の若年化及び初任層の在級期間が他市町村と比較して長期であることにより,類似団体の中では最低水準にある。平成27年度は,前年度,昇給時期の差によって減給保障額が少なかったため,国に比して,給与改定による改定率が高くなり,0.3ポイントの上昇となった。平成28年度は,上述のとおり初任層の在級期間が長期であることにより,総合的見直しの影響を受ける職員が少なく,国に比して,給与改定による改定率が高くなったため,0.1ポイントの上昇となった。今後とも,給与水準の適正化に努める。
平成23年度から毎年度職員増減計画を策定しており,現在は,ほぼ横ばいの職員数を維持している。平成29年度に,平成29年度から平成34年度までの計画期間で,定員適正化計画を策定しており,今後も簡素で効率的かつスリムな組織・機構の構築を進めながら,中長期的視点に立った適正な定員管理の維持に努める。
大型事業の推進に伴い借入れた市債の元金償還が始まったことにより,公債費が平成27年度以降上昇傾向にあり,実質公債費比率は前年度と比較し0.6ポイント上昇した。今後一定期間は,大型事業の推進などによる公債費の増加が予想され,実質公債費比率も上昇を続ける見込みとなっているが,施策の厳選や事務事業の見直し,繰上償還の実施等により,後年度の公債費抑制に努める。
大型事業の推進に伴い市債発行額が増加していることから,平成26年度以降は上昇に転じている。平成28年度も,平成27年度と同程度の市債を発行したことから,地方債現在高が大幅増となっており,将来負担比率は14.2ポイント上昇した。今後も,大型事業が完了するまでの期間は,地方債現在高の増や基金残高の減により将来負担比率が上昇する見込みとなっているが,引き続き行財政改革を推進し,健全で持続可能な財政運営の確立に努める。
職員の若年化による職員給の減等により,人件費は減少しているものの,経常一般財源も減となったため,人件費に係る経常収支比率は前年度と比較して0.1ポイント増加し,類似団体を上回る状況が続いている。今後も行政運営の効率化や簡素で効率的かつスリムな組織・機構の構築を進めるなど行財政改革を推進し,人件費の抑制に努める。
平成24年度以降,物件費は増加傾向にあったが,平成28年度は清掃センターの基幹的設備更新工事により炉の1つを停止し,維持管理経費が減少したことにより,前年度と比較して0.1ポイントの減となっている。しかしながら,今後も,施設維持管理経費の増や労務単価の上昇等により,物件費は増加することが予想されるため,事務事業の徹底的な見直しにより抑制に努める。
障害者自立支援給付費のほか,保育所や認定こども園に係る施設型給付費の増等により経常的な歳出が増加し,前年度と比較して0.4ポイント増加した。扶助費は今後も増加することが見込まれるため,厳正な執行に努める。
医療,介護など社会保障に係る費用の増加により,国民健康保険特別会計や介護保険特別会計への繰出金が増加しており,経常収支比率は前年度と比較して0.1ポイント増加し,類似団体平均を大きく上回る状況が続いている。今後は,国民健康保険,介護保険,後期高齢者医療の各特別会計において保険料徴収率の向上を図り,普通会計の負担を減らしていくよう努める。
平成13年度以降,補助金の整理合理化を進めてきたことにより,補助費等に係る経常収支比率は類似団体を大きく下回っている。今後も,定例化している補助金等について見直しを行い,適正な執行に努める。
大型事業の推進に伴い発行した合併特例債等の元金償還が始まったことによる公債費の増加が続いており,前年度と比較して0.8ポイント増加した。引き続き施策の厳選や計画的な市債発行を行い,将来の財政負担の軽減に努める。
物件費に係る経常収支比率以外はすべて上昇していることから,0.6ポイント上昇している。市税収入の大幅な増加が見込めない一方で,社会保障関係経費の増や公共施設等の維持管理経費の増に対応していく必要があることから,歳入面においては収納対策の強化や行政財産・普通財産の活用等により財源確保に努め,歳出面においては経常経費の徹底的な見直しと削減を実施する。
将来負担比率は20前後で推移していたが,平成26年度から上昇に転じており,平成27年度は前年度比28.8ポイント増の55.4となっている。実質公債費比率は低下傾向にあったが,平成27年度は前年度比0.1ポイント増の6.1となっている。類似団体との比較では,平成27年度は将来負担比率が37.6ポイント高く,実質公債費比率は0.8ポイント高くなっている。将来負担比率の上昇の主な要因としては,大型事業の推進に伴う市債発行額の増加により,平成27年度の普通会計における地方債現在高が前年度比76億円,13.1%の増となったことに加え,庁舎建設基金の取崩しなどに伴い,充当可能基金が35億円,24.8%の減となったことが挙げられる。一方,公債費の支出は償還期間で平準化されることから,実質公債費比率の上昇幅は将来負担比率と比較すると緩やかになっている。大型事業の推進に伴い,今後一定期間は将来負担比率,実質公債費比率とも上昇が見込まれるが,事業内容の見直し等により市債発行額を抑制し,財政健全化に努める。
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