地域において担っている役割
中核的な総合病院として,がん医療,救急医療などをはじめとする高度・専門・特殊な医療提供を行うとともに,筑波大学などと連携しながら地域の医療人材の教育研修機能を担っている。・県へき地医療支援機構・救急医療二次病院・難病診療連携拠点病院・第二種感染症指定医療機関・県がん診療連携拠点病院・専門研修基幹施設・連携施設等
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は,診療報酬のマイナス改定や退職給付金の増等により,前年度に比べて2.1ポイント低下した。②医業収支比率は,前年度比1.7ポイント低下した。各種加算の取得など,医業収益の増に努めていきたい。③累積欠損金比率は,類似病院の平均値を下回っているものの,解消に向け経営努力に努める必要がある。④病床利用率は,上昇傾向にあり,類似病院の平均値を上回っている。⑤入院患者1人1日当たりの収益は,前年度より増加したものの,類似病院の平均値を下回っている状況にある。各種加算の取得など,医業収益の増に努めていきたい。⑦職員給与費対医業収益比率は,退職金の増等により,前年度比3.7ポイント増加し,類似病院の平均値を大幅に上回っている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は,上昇傾向にあり,類似病院の平均値を上回っており,施設の老朽化が進んでいることを示していることから,計画的な施設の更新等を検討する必要がある。②機械備品減価償却率は,上昇傾向にあり,類似病院の平均値を上回っており,医療機械備品の老朽化が進んでいることを示していることから,計画的な医療機械備品の更新等を検討する必要がある。③1人当たりの有形固定資産は,類似病院の平均値を上回っていることから,改善に向けて検討する必要がある。
全体総括
医師確保,診療報酬のマイナス改定,消費税増税など,昨今の医療機関を取り巻く経営環境は,大変厳しさを増すとともに複雑となっている。高度急性期及び急性期診療を担う中核病院としての使命を果たすため,各種加算の取得など収益向上に努めるほか,新電力の導入など経費節減に取り組むことで,収支の改善を図っていきたい。また,中央病院の本館は,築30年が経過して,施設の狭隘化・老朽化が進んでいることから,将来の医療需要や県立病院の役割等を踏まえた病院の建替え等を含めて最適な整備のあり方を検討する必要がある。