仙台市：市立病院

地域において担っている役割

①「地域の中核を担う病院」「市民のための病院」としての役割②自治体病院の使命と考える、救急医療・災害時医療・小児救急医療・周産期医療・身体合併症精神科救急医療・感染症医療などの政策的医療を担う役割③「地域医療支援病院」としての役割

経営の健全性・効率性について

入院・外来患者数が増加したことに伴い、医業収益が増加した一方で、材料費をはじめとする医業費用についても同程度増加したこと、並びに現病院関連の固定資産償却費用の影響等により赤字決算となったが、経常収支比率、医業収支比率のいずれも前年度より数値は若干改善している。職員給与費対医業収益比率は減少したが、材料費対医業収益比率、累積欠損金比率は増加した。なお、病床利用率は、救急搬送患者等の積極的な受入れを図るとともに、病院全体での効率的なベッドの活用に取り組んだことなどにより大幅に上昇した。また、患者一人一日当りの収益は、入院については、比較的診療単価の低い診療科の患者が増加したことなどにより減額となったが、外来は、抗がん剤などの化学療法を必要とする患者数が増加したことなどにより増加した。

老朽化の状況について

当院は平成26年11月に移転新築したこと、またその際、最新の医療機器を整備したことなどにより、有形固定資産減価償却率並びに機械備品減価償却率は低い水準にある。一床当たり有形固定資産は横ばいで、類似病院平均を下回っている。

全体総括

現病院整備の際、企業債を約302億円を借り入れており、医療機器整備に係る分の元金償還が集中する平成31年度までは厳しい経営状況を見込んでいる。職員増員に伴う給与費の増、提供する医療の高度化に伴う薬品や診療材料といった材料費の増など、ランニングコストの大幅増も避けられず、それに見合った医業収益の確保が不可欠と考える。また、新病院関連固定資産の償却開始に伴う減価償却費の増加の影響等により、当面は経常収支比率100％の達成は困難と見込んでいるが、「仙台市公立病院改革プラン2017」及び当該プランの実施計画と位置づけた「仙台市立病院経営計画（2018年度～2020年度）」において定めた、課題解決に向けた具体の取組みを着実に推進していく。