経営の健全性・効率性について
特定地域生活排水事業については、市内全域において毎年整備を進めている。供用開始から14年が経過し、現在は合併処理浄化槽も比較的新しい状態である。合併処理浄化槽の普及に伴い、使用料収入は増加し続けている。しかし、今後においては、普及に伴う汚水処理費(薬品費、委託料)の更なる増加が見込まれるほか、老朽化等による修繕費も発生することが見込まれる。ここ数年、⑤経費回収率が減少し、⑥汚水処理原価が増加しているのは、汚水処理費の増加が原因であると考えられる。現在は経営の健全性及び効率性について概ね良好な状態であるが、市内全域において人口減少が進んでおり環境は常に変化している。このことから、今後における安定経営の検討が急務である。特定地域生活排水事業は、令和2年度から地方公営企業法を適用することで準備を進めている。安定経営を継続していくため、令和2年度以降には地方公営企業法適用後の財政シミュレーションを行いながら、適正水準による使用料収入の確保、管理手法の見直し等による汚水処理費の抑制を検討する。経営戦略(改訂版)を策定した後早い段階で、検討結果を実行していく必要がある。
老朽化の状況について
浄化槽の老朽化は進んでいないが、耐用年数を考慮し、今のうちから、管理手法の見直し、計画的な修繕及び更新の実施を検討する必要がある。
全体総括
④企業債残高対事業規模比率について、一般会計で企業債償還金を負担していることから当該団体値は表れていない。令和2年度の地方公営企業法適用後には、健全経営と事業推進のバランスを念頭に置くことが求められることから、従来行ってきた様々な方策を再検討する必要がある。戸別の浄化槽であるため、汚水処理費の縮減は他事業と比較して難しいところもあるが、今後においては1及び2で示した内容について、確実に進めていくことが必要である。