岩手県:電気事業

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収集されたデータの年度

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経営比較分析表(2015年度)

経営の状況について

直近5か年(H23~H27)の経常・営業収支比率は、売電料金の更改により売電単価等が経営目標策定時の単価より上昇したことや供給電力量が目標を上回ったことに加え、工事・委託の実施時期の見直しや合冊発注等により費用を節減したことで、ともに100%を超えて推移しており、安定した経営を継続しています。流動比率は極めて高い数値で推移しており、基本的に現金預金で、全ての流動負債を賄える状況にあります。供給原価は全国平均よりも低く、また、減価償却前営業利益(EBITDA)も全国平均より高いことなどから、事業の収益性は高く、効率的な経営を行っています。

経営のリスクについて

【水力発電】企業債残高対料金収入比率は、全国平均よりも低く、また、直近5か年を通じて減少していることなどから、企業債の償還が順調に進んでおり、健全な経営状況となっています。なお、直近5か年に大規模な水車発電機分解点検などが集中した結果、修繕費率は全国平均よりも高くなっていますが、設備利用率は全国平均より高いことなどから、事業の収益性は高く、効率的な経営を行っています。現在のところ経営のリスクは少ない状況にありますが、電力システム改革の進展に伴い売電方法の変更が必要になるなど、将来の収入見通しが不確定であることなどがリスクとして想定されます。【風力発電】経営指標は全国平均と比較しても良好な状況ですが、年度によって修繕費が大きく変動し、単年度の収支が安定しないことや、運転開始から15年を経過するなど、法定耐用年数に近づきつつあり、今後の修繕費の増加などのリスクが想定されます。なお、全収入がFITで占められており、FIT適用満了(H33.12)後は、収入が大きく変動するリスクを抱えています。【太陽光発電】平成26年11月に運転を開始しているためH26の設備利用率は全国平均より低くなっていますが、H27以降通年運転となり、設備利用率は全国平均を上回っているなど経営状況は良好であり、現在のところリスクは少ない状況にあります。なお、全収入がFITで占められており、FIT適用満了(H46.10)後は、収入が大きく変動するリスクを抱えています。

全体総括

岩手県の電気事業は、H21年度に策定した長期経営方針(H22~H31)及び中期経営計画等を経営戦略として位置付け、それらに基づき、取組を進め、安定した経営を維持しています。今後においても、経営の効率化を推進するとともに、計画的な維持修繕などを行い、安定供給に取り組みます。なお、FIT適用終了(風力:H33、太陽光:H46)後の事業のあり方については、現時点で方針は決定していませんが、各事業のFIT適用終了時期や国等の動向、更にはFIT終了による電力料収入の変動リスクも踏まえ、今後、検討することとしています。その他、地球温暖化防止や再生可能エネルギーの導入促進、環境保全やクリーンエネルギーの導入に対する支援などの地域貢献にも取り組みます。

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