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地方財政ダッシュボード

兵庫県宍粟市の財政状況(2018年度)

🏠宍粟市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

人口減少や高齢化、および市内に中心となる産業が少ないことにより、個人市民税が減少し、財政基盤が弱く類似団体平均より下回っている。今後は、地域創生総合戦略に基づき、人口減少を最小限に留める施策推進や、林業再生など地場産業の強化、および中小企業対策をはじめとした活力ある地域づくりなど、市税の徴収率向上対策とあわせ財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

積極的な市債の繰上償還により公債費が大幅に減少となった一方で、施設老朽化による維持修繕費の増加などにより、経常収支比率は昨年度より0.8ポイント悪化した。市税の減少や普通交付税の縮減、また、社会保障関係経費の増加などが見込まれることから、引き続き、事務事業の見直しや繰上償還の積極的な実施などにより、経常経費の抑制に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費が減少している一方で、物件費等については地籍調査事業や災害関連費用の増加のほか各施設の維持管理経費についても増加しており、全体的には類似団体と比較し高い数値となっている。今後においては、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化を含め維持管理経費の削減に向けた取組みを進めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

給料表については国の制度に準拠しており、兵庫県内では7級制を超える団体がほとんどである中、宍粟市は6級制とし低額となるようにしている。毎年度、人事院勧告や県の人事委員会勧告に準拠した対応をしており、今後においても国及び県の動向に留意し現行制度を維持していくこととする。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

合併による市発足以降、退職者の1/3補充を原則とした職員数の削減をすすめてきたが、類似団体内では依然として高い数値となっている。市の面積が広大で、類似団体と比較し、支所や出先機関などを多く配置していることから、今後における急減を見込むことが難しい現状にある。今後においては、公共施設等総合管理計画に基づき施設の集約化も含め、一定の市民サービスを維持しつつ事務事業の効率化を推進し、増え続ける行政需要のなかで適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

繰上償還の実施の影響が大きく、比率は昨年度より1.9%改善したものの、過去の建設事業に対する借入金や、地理的な要因により上下水道などの生活基盤整備に係る事業費が嵩むことが影響し、依然として類似団体平均より高い数値となっている。今後1~2年は、過去の繰上償還の影響により同程度の比率となる見込みであるが、公共施設の集約化による複合施設建設事業や幼保一元化によるこども園の建設などの大型事業によりが控えているため、継続して公債費負担の適正管理に取り組む必要がある。

将来負担比率の分析欄

積極的な繰上償還の実施(4億円)や公営企業債の発行抑制による地方債残高の減、また、土地開発基金や国民健康保険事業基金への積立を行ったことにより、比率は昨年度から8.5%改善した。類似団体と比較すると、依然将来負担額が大きい状況にあり、今後においては引き続き地方債の発行抑制、発行する場合は交付税算入率の高い有利な地方債の活用および過去の借入金の積極的な繰上償還により、比率の抑制とさらなる財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

経常一般財源に占める人件費の割合は、退職手当組合への負担金が減少したことにより前年度より0.5%減少し、類似団体22.3%、全国平均25.6%および兵庫県平均27.9%をいずれも下回った。今後も、専門職など必要な職員数は現状維持としつ、適正な人員配置を進めるとともに、給与の適正化を図るなかで人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

地籍調査業務の増加や災害廃棄物等の収集運搬等の平成30年度のみ影響する事業が多かったことにより前年度から1.6%上昇し、兵庫県平均12.7%を上回っている。市域が広大であることから各種施設が多く、維持管理経費が増加する見込みであるため、引き続き施設の集約化や事業の見直しにより効率的な行財政運営に取り組む必要がある。

扶助費の分析欄

扶助費は年金生活臨時給付金に係る事業費が皆減したことにより、前年度と同率となったが、生活保護費や障害福祉サービス費の増、認可保育所の運営費(施設型給付)の増により年々上昇傾向にある。生活保護費において資格審査等の適正化や就労準備支援・就労支援事業に取り組むなど、事業の見直しを進めることで上昇傾向に歯止めをかけるよう努める必要がある。

その他の分析欄

全国平均13.3%および兵庫県平均12.4%をいずれも上回っている。地理的要因等から下水道事業に対する繰出が類似団体より高い傾向があるなかで、経営戦略を策定し、収支見通しにおける中長期的計画とあわせ、使用料などの料金格差を是正し、受益者負担の適正化および一般会計負担の縮減を図る。

補助費等の分析欄

企業誘致や森林整備等に係る補助金の増加により、前年度比0.2%増となり、全国平均10.2%および兵庫県平均10.3%をいずれも上回っている。公営企業に対する補助については、水道事業経営戦略や新公立病院改革プランに基づく施策のなかで、一般会計負担を抑制し適切な補助額となるよう見直しを行うとともに、その他の補助金についてもその効果を踏まえ見直しを行う。

公債費の分析欄

積極的な繰上償還の継続実施により公債費は減少傾向が続いている。しかしながら、財政力指数が低く、広大な市域の生活基盤整備にあたっては起債の依存度が高いため、引き続き繰上償還の実施、予算編成及び実施計画における事業の整理などにより、公債費の抑制に向けた財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

市税の減収、普通交付税の縮減の影響などにより、前年度比1.8%増となり類似団体平均を上回っている。施設等の維持管理経費や維持補修費の増加、他会計への補助金や繰出金などの負担が増加していることが経常収支比率を押し上げる要因となっている。今後も経営戦略等に基づき他会計の歳出削減等に努めるとともに、補助金等の見直しや施設の集約化などコストの削減により財政健全化に取り組む。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

住民一人当たりのコストは、民生費、衛生費および農林水産業費が類似団体平均と比較して高くなっている。民生費については、少子高齢化対策・福祉サービス給付費の増加やこども園の整備、衛生費については、にしはりま環境事務組合への負担金のほか上下水道・農業集落排水の維持管理コストが高いこと、農林水産業費については、地籍調査事業の実施が大きな要因となっている。また、災害復旧費については、平成30年7月豪雨による復旧事業の実施により全国平均、兵庫県平均とも大幅に上回っている。施設の整備更新・維持管理については、今後も一定費用を要することが見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づく施設の集約化をはじめ、少子化・人口流出対策に取り組むことで一人当たりのコストの逓減に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり639千円となっており、殆どの構成項目において類似団体平均を上回っている。災害復旧費については、平成30年7月豪雨からの早期復旧に向けた工事等の着手により大幅に増加した一方で、普通建設事業費のうち施設等の更新整備については、災害復旧を優先したこと、中学校の大規模改修の実施がなかったことにより減となった。また、補助費等・公債費・繰出金が類似団体と比較して一人当たりコストが高くなっているが、類似団体のなかでも広大な面積を所有し、中山間地域が多くを占めるなどの地理的要因により、施設等の整備に多額の経費を要していること、下水道を等の過去の資本費整備コストが嵩んでいることが大きな要因である。今後も税収等一般財源の減収により、一人当たりのコストは高くなることが見込まれることから、事業の見直しや公共施設等総合管理計画に基づいた適正な施設等の管理により経費の削減に取り組む必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金は、収入減少や災害など不測の支出増加に備え、長期的視野に立った積立てを行うものであり、平成22年度以降取り崩すことなく基金積立を継続している。実質収支額については、災害復旧に係る事業費をはじめ、前年度より繰越財源が増加したことにより、前年度から0.06%減となった。実質単年度収支については、平成29年度から微増となったが、今後も交付税等の一般財源が減少していく見通しであることから、黒字の維持に向けた取り組みが必要である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

特別会計(国保・介護特別会計など)や企業会計(水道・病院特別会計など)を含む、全ての会計の赤字額が標準財政規模(市税や普通交付税などの収入)に対してどのくらいの割合になるかを示している。赤字額の数値が大きいほど財政運営が深刻化していることを表している。平成27年度に国民健康保険事業特別会計において資金不足が発生したものの、平成28年度以降は全会計において黒字であり、連結実質赤字は発生していない。しかしながら、公営企業会計においては年々留保財源を切り崩している状況であることから、経営戦略や新病院改革プランに基づき、水道事業では料金の適正化・施設の統廃合を検討し、病院事業では中長期的な経営改善に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成30年度の実質公債費比率は11.5%で前年度より1.9%改善している。しかしながら、過去の建設事業に対する借入金や地理的な要因による上下水道などの生活基盤整備に係る事業費の増などにより、依然高いものとなっている。積極的な繰上償還により元利償還金は減少しているが、今後、インフラ長寿命化対策事業や認定こども園建設事業などが予定されていることから、引き続き、起債の発行抑制、交付税算入率の高い有利な起債の活用や、積極的な繰上償還の継続実施などにより、比率の抑制とさらなる財政の健全化に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成30年度の将来負担比率は102.6%で、前年度より8.5%改善した。災害復旧事業やこども園の建設により一般会計の地方債残高が増加したものの、公営企業債等の繰入見込額の減少、充当可能基金の増加が上回ったことが要因である。今後においても、公共施設の集約化による複合施設建設事業をはじめ大型事業が控えているため、交付税算入率の高い地方債の活用や、過去の借入金の積極的な繰上償還などにより、比率の抑制と健全財政の維持に努める。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金においては8年連続で取り崩しを行わず、運用利子の積み立てにより7百万円の増となった。減債基金については計画的に取り崩し、市債の償還の財源として活用している。公共施設整備基金については公共施設の屋根貸し太陽光発電の収入を積み立てており、大きな増減はない。ふるさと納税を原資とするブナ基金については、まちづくり事業の財源として積極的に活用しているが、平成30年度は寄付金総額が活用額を上回り、残高は8百万円の増となった。果実運用型基金である地域福祉基金・森林文化創造基金については、運用利子をそれぞれの目的に合った事業に全額活用したが、地域振興基金については、病院建設用地の取得費用として取り崩しを行ったため、425百万円の減となり、全体としても386百万円の減となった。(今後の方針)今後、社会保障関係経費や施設の長寿命化に要するコストの増大が見込まれるなか、一般財源の不足が懸念されるところである。市民への負担を増加させることなく行政サービスを維持していくため、基金を計画的に、有効に活用するとともに、健全な財政運営に努める。

財政調整基金

(増減理由)平成30年度は、運用利子の積み立てにより7百万円の増となった。財政調整基金は、災害などの不測の支出増加に備え長期的視野に立った積み立てを行っているが、平成30年度7月豪雨に係る復旧事業については、国県補助金や地方債等の特定財源により事業を実施できたため、平成30年度は財政調整基金の取り崩しは行っていない。(今後の方針)平成25年度決算で当面の目標であった残高30億円(標準財政規模の20%相当)を達成しており、以降は引き続き基金利子を積み立てることとし、不測の事態に備える。

減債基金

(増減理由)起債対象事業に充てるべき財源を原資として積み立てており、平成30年度は24百万円新たに積み立てる一方、繰入計画に基づき平成28年度に19百万円、平成29年度に17百万円、平成30年度に14百万円を取り崩した。(今後の方針)毎年の起債元利償還に合わせた繰入計画に基づき、計画的に取り崩しを行うとともに、後年度の負担軽減のため必要に応じて原資を積み立てる。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域振興基金・地域福祉基金・森林文化創造基金については果実運用型として保有しており、原則取り崩しを行わないこととしている。公共施設等整備基金については、施設の修繕等および公共施設の統合・更新の際に活用している。また、ブナ基金についてはふるさと納税を原資としており、取崩金をその返礼品に充てるとともに、少子化対策や観光振興など、幅広いまちづくり事業に活用している。(増減理由)地域振興基金は、果実運用型基金として運用利子の活用を行うとともに、病院建設用地の取得のため425百万円を取り崩しを行っている。ブナ基金については、平成30年7月豪雨による流木撤去、住家等土砂撤去のほか第3子以降の学校給食費無償化などの財源として89百万円を取り崩したものの、地方創生推進交付金や過疎債など、他の有利な財源をまちづくり事業に積極的に活用した結果、97百万円を積立て、残高は8百万円増加した。(今後の方針)社会保障関係経費や施設の長寿命化に要するコストの増大が見込まれるなか、一般財源の不足が懸念されるところである。市民への負担を増加させることなく行政サービスを維持していくため、基金を計画的に、有効に活用するとともに、健全な財政運営に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

この比率は資産の老朽化を示す指標であり、平成30年度は施設の更新や大規模な改修を行っていないため、経年による老朽化により平成29年度より上昇している。類似団体との比較では、比率がやや高くはなっているが、大きな差はない。しかしながら、今後の人口減少や社会状況の変化を見据え、個別施設計画に基づき、施設の集約化や除却等を進め、施設の維持費用の削減を図っていく。

債務償還比率の分析欄

平成22年から継続して繰上償還を実施し、地方債残高の減少を図ったが、平成30年度は平成30年7月豪雨の災害復旧、幼保一元化など地方債の発行が償還を上回ったため上昇することとなった。また、地理的要件によるインフラ整備など地方債に頼らざるを得ない状況で、債務償還費率の比率が類似団体より高い。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

平成30年度は過去の借入金の繰上償還に加え、施設の更新や大規模改修を先送りするなど投資事業を抑制したことで、将来負担比率は減少したが、経年による老朽化で有形固定資産減価償却率は平成29年度より上昇した。類似団体との比較では、将来的に一般財源等で負担しなければならない過去の借入金の残高が多くなっている。今後は、施設の老朽化がますます進むことから、類似施設の集約化や公共施設の複合化を含めた公共施設の適正化に取り組むとともに、施設整備等への地方債の発行について抑制を図る必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

平成30年度は平成30年7月豪雨の災害復旧、こども園の建設で平成29年度より地方債の発行が多くなったが、過去の借入金の繰上償還を行ったことで、平成29年度より実質公債費比率・将来負担比率を改善することができた。しかしながら、類似団体と比較すると、依然として高い比率となっている。今後も引き続き繰上償還の積極実施や投資事業の抑制には努めていくが、インフラ施設の整備・更新は不可欠であり、その財源として地方債を活用する必要があるため、両数値とも現在と同程度の比率で推移していくものと考える。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路は、有形固定資産減価償却率が他の施設と比較してもかなり低くなっているが、これは過去の道路舗装など道路工作物の価額が不明で、固定資産台帳に登録されていないためであり、今後比率は増加していくと考えられる。橋りょう・トンネルの有形固定資産減価償却率は、老朽化が進んでおり、類似団体との比較においても高い水準となっている。引き続き、長寿命化対策を計画的に進めていく。公営住宅は、築年数や老朽化による施設の状態により、計画的な更新を進めている。平成30年度は老朽化が進んでいた住宅1棟を更新したことから、有形固定資産減価償却率が減少することとなった。認定こども園・幼稚園・保育所の有形固定資産減価償却率は、平成30年度に保育所2園と幼稚園1園を廃止し新たにこども園2園を整備したこともあり11.6%の減少となった。今後も幼保一元化計画に基づき施設の集約化を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館、福祉施設、市民会館、消防施設は、有形固定資産減価償却率が類似団体と比較しても高い状況であり、施設の長寿命化や建替えを検討しなければならない時期に来ている。体育館・プールの有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値との比較では大きく高い状況ではないが、他施設との比較では高くなっており、これも、施設の長寿命化や建替えを検討する時期に来ていると言える。保健センターは、他施設への集約化を進めており、それにより一人当たりの面積が低くなり、施設規模の適正化を進めることができると考えられる。しかし、近くに集約することとなっていない施設で老朽化が進んでいるものもあり、改修や設備の更新などを計画的に進めていく。庁舎は、老朽化しているものの更新を進めており、有形固定資産減価償却率は、令和元年度以降減少していく見込みである。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等は、平成29年度から市全域が過疎地域に指定され、過疎対策事業債を活用した整備を進めたことで資産、負債ともに増加傾向にある。平成30年度の資産は、災害復旧事業を優先的に実施するために建設事業を抑制したことで、減価償却額が新たな資産形成を上回ったため平成29年度より減少している。水道事業・病院事業等を加えた全体の資産は年々減少しているが、その中でも平成30年度は水道管等のインフラ資産や病院施設・医療機器の減価償却の進行により大きく減少している。また、負債は、水道事業・病院事業ともに地方債残高が年々減少しているが一般会計等の影響を受けたことから、平成29年度は微増、平成30年度は減少となった。しそう森林王国観光協会やにしはりま環境事務組合、西はりま消防本部、兵庫県市町村職員退職手当組合等を加えた連結は、平成29年度に資産、負債ともに大きく減少しているが、これは兵庫県市町村職員手当組合の資産、負債の当市の按分率が変動したことによるものである。また、にしはりま環境事務組合の地方債残高が年々減少していることから負債が減少している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純行政コストは、3か年では平成29年度が退職手当引当金繰入金(+1,632百万円)の計上で増、平成30年度は退職手当引当金繰入金が皆減となり減少している。さらに、平成30年度が平成28年度より多いのは、災害復旧事業に取り組んだことで臨時損失が増加したためである。全体の純行政コストの主な変動要因は、平成29年度は経常収益(△536百万円)で増、平成30年度は移転費用(△601百万円)で減となっている。連結の純行政コストの主な変動要因は、平成29年度は経常収益(△698百万円)で増、平成30年度は物件費等(△229百万円)で減となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等の本年度差額は、3か年では平成29年度のみ赤字となっているが、これは退職手当引当金繰入金の計上による純行政コストの増によるもので、平成30年度は退職手当引当金繰入金が皆減となり黒字となった。税収等が年々減少傾向にあるため、今後も経常費用の見直しによる純行政コストの削減や市税の徴収率向上による税収の確保に努め、純行政コストを自己資本で補える状態を維持する必要がある。全体、連結とも純資産残高は減少傾向にあるが、平成29年度は純行政コストの増、平成30年度は財源の減が要因である。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等の業務活動収支は減少傾向にあるが、これは、業務支出のうちの人件費や補助金等支出が年々減少しているのに対して、平成29年度は業務収入のうちの税収等収入の減、平成30年度は災害復旧事業による臨時的支出が生じたことが要因である。また、投資活動収支の平成29・30年度の変動は、平成29年度から市全域が過疎地域に指定され、過疎対策事業債を活用した整備を進めたことが要因であり、あわせて地方債の発行に伴い財務活動収支も増加している。全体の投資活動収支・財務活動収支の変動は、平成29・30年度に水道水源井戸の整備を地方債の発行により進めたことが要因である。連結については、一般会計等・全体以外での大きな変動要因は無い。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①住民一人当たり資産額は、類似団体平均が僅かに減少傾向であるのに対し、当市は平成29年度に全域が過疎地域に指定され、建設事業等を進めたことから資産が増えており、増加傾向にある。②歳入額対資産比率は、類似団体平均が僅かに減少傾向であるのに対し、当市は横ばいである。①②の指標が類似団体平均との比較で大きく下回った要因は、道路や河川の敷地のうち、取得価格が不明であるため備忘価格1円で評価しているものが大半であること、また、当市の面積の97%が森林であるなかで、立木を資産計上していないことだと考える。③有形固定資産減価償却率は、類似団体平均を僅かに上回っており、上昇傾向にあるため、施設のさらなる老朽化を考慮し、公共施設等総合管理計画に基づき、予防修繕による長寿命化および施設保有量の適正化に取り組む必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、減価償却の進行が影響し減少傾向にあり、類似団体平均を下回っている。将来世代負担比率は、類似団体平均を大きく上回っているが、これは、当市が広大な市域を有し集落が点在することか公共施設を多く保有・維持する必要があるためである。今後は、こども園の整備や公共施設集約化などの大型事業が控えており、さらに将来世代負担比率の上昇が見込まれるところであるが、引き続き任意の繰上償還の実施や発行抑制により、将来世代の負担軽減に努めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を上回っているが、これは、広大な市域を有するため、行政サービスの実施にあたって住民一人当たり行政コストが他団体に比べ高くなるためである。今後は、人口減少の影響もあり数値が悪化していく可能性があるため、公営企業の経営健全化による繰出の抑制や使用料及び手数料の受益者負担の見直す必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は上昇傾向にあり、類似団体平均を上回っている。これは地方債の発行額が年々増加していることが大きな要因である。基礎的財政収支は減少傾向にあり、平成29年度以降は類似団体平均を下回っており、投資的経費および業務支出の総額抑制に取り組む必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、平成29年度以降は類似団体平均を下回っており、行政サービスに対する直接的な負担の割合が低いと考える。適切な受益者負担の設定および事業の見直し等により一層取り組んでいく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,