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兵庫県小野市の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は前年度と横ばいとなり、引き続き類似団体平均より良好な指標となっている。高齢化などによる社会福祉費・保健衛生費・高齢者保健福祉費(75歳以上)の増加などにより、基準財政需要額は前年度より約1.6億円増加した。基準財政収入額は、ひょうご小野産業団地における新規課税の増による固定資産税の増加などにより、前年度より約3.7億円増加した。今後も財政基盤の強化に向けて、税等一般財源の確保に向けた事業を実施するとともに、公共施設の再編を含め、効率的な行政運営に努める。

経常収支比率の分析欄

人事院勧告に伴う人件費の増加と、自立支援給付費、保育給付費などの扶助費が増加したことにより経常的歳出は1.1億円の増加した。市税収入の増加に伴う普通交付税の減少により経常一般財源は0.1億円の増加に留まり、経常収支比率は1.0ポイント増加した。今後、社会保障費など経常経費の増加が見込まれることから、引き続き事業の見直し等による経費の適正化を図るとともに、市税等自主財源の確保に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度より2,157円減少した。人事院勧告に伴う給与改定により人件費は前年度比0.7億円増加したが、おのDXプロジェクトの推進や物価高騰対策、地域経済活性化のための「おの恋らっきゃらっきゃ券」を配布した前年度より物件費は1.8億円減少した。全国平均、兵庫県平均、類似団体平均をいずれも下回っているが、引き続き適正な職員定数や業務遂行の改善による時間外手当の削減に努め、財政の適正化を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は100.1となり全国市平均や類似団体平均より高い水準となっている。給与の一律カット等は行わず、業務遂行の更なる改善による時間外勤務の削減や、職員手当の適正化により、人件費の総額をいかに減らすかという視点で取り組んでいる。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成11年以降、人口当たりの職員数を人事マネジメントの一指標として、職員採用や人員配置の適正化を図ってきた。人口減少にあっても増え続ける行政需要に対し、多種多様な勤務形態・人材の活用を進めるとともに、民間委託や指定管理を導入するなど、業務の効率化に努めている。引き続き兵庫県内最小規模の職員数で業務を遂行し、全国・兵庫県平均及び類似団体平均を下回る状況を堅持する。

実質公債費比率の分析欄

過年度の大型事業にかかる市債償還が終了したことなどにより、一般会計の元利償還金は0.5億円減少したが、当該市債にかかる普通交付税措置が終了したことから、実質公債費比率は、3か年平均で0.8ポイント増加した。今後も老朽化した公共施設等の更新を控えていることから、国・県補助金及び交付税措置のある有利な地方債を積極的に活用し、公債費負担の適正化に努める。

将来負担比率の分析欄

地方債残高の減少などにより、基金などの充当可能財源が将来負担額を上回ったため、該当なしとなった。今後も地方債残高及び基金残高の適正管理に努め、市が独自に定める財政規律やガイドラインの30%以下を堅持できるよう、交付税措置のある有利な地方債の活用や既存事業の見直しなどにより、世代間の公平性を保っていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常一般財源は0.8億円増加し、経常収支比率は前年度より0.6ポイント増加した。類似団体平均を上回っているが、全国平均と同水準、兵庫県平均は下回っている。継続して職員数の削減に取り組み、徹底した人件費の抑制に取り組んできた。他団体の人口当たりの職員数や、手当を含めた年間収入額を比較し、給与水準の適正化に努めている。

物件費の分析欄

物件費に係る経常一般財源は、人件費・物価高騰の影響による経常経費の増加により0.2億円増加し、経常収支比率は0.2ポイント増加した。兵庫県平均は上回ったものの、全国平均及び類似団体平均は下回っている。今後も各平均を下回るよう、委託内容や事業の見直しによるコスト削減に取り組む。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は前年度より0.3ポイント増加した。今後も高齢化や子ども・子育て支援により社会福祉費は増加する傾向にあり、市独自事業の見直しや適正な支給を徹底していく。

その他の分析欄

介護保険や後期高齢者医療特別会計への繰出金など、その他の経費に係る経常一般財源は前年度比横這いとなり、経常収支比率も前年度と同水準となった。全国・兵庫県・類似団体平均とほぼ横這いになっている。特別会計への繰出金は、高齢化の進展により今後も高い水準で推移することが見込まれるが、市独自施策の見直しや予防医療の推進など特別会計の経営改善を徹底し、コスト削減に取り組む。

補助費等の分析欄

補助費に係る経常一般財源は前年度比0.3億円増加し、経常収支比率は、0.3ポイント増加したが、昨年度に引き続き類似団体平均を下回った。平成16年度から下水道事業に公営企業法を適用しており、当該事業への負担金等は補助費等に分類されるため、全国・兵庫県平均を上回る要因となっている。今後も、単独で実施している補助金・負担金の見直しを行い、適正・公平な交付に努める。

公債費の分析欄

過年度の大型事業にかかる市債償還が終了したことにより、公債費に係る経常一般財源は0.5億円減少し、経常収支比率は前年度より0.4ポイント改善した。県平均・類似団体平均は下回っているが、全国平均は上回っている。引き続き、道路整備や公共施設の長寿命化が控えており、比率の増加が見込まれる。国・県補助金及び交付税措置のある有利な地方債を積極的に活用し、公債費の抑制と平準化を進め堅実な財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、人件費・扶助費の義務的経費や、経常経費の増加により前年度より1.4ポイント増加したが、全国平均、兵庫県平均、類似団体平均をいずれも下回っている。今後もゼロベースで事業の見直しを行いながら、更なる行財政改革の取り組みなどにより、コストの削減に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別歳出では、労働費が類似団体平均を上回っている。労働費は、勤労住宅資金融資に係る預託金が他団体よりも多いためであると考えられる。民生費は、「低所得世帯物価高騰緊急支援給付金」の支給や、自立支援給付費・児童保育給付費などの増加により住民一人当たりのコストが増加した。商工費は、物価高騰対策及び地域経済活性化のための「おの恋らっきゃらっきゃ券」を配布した令和4年度と比較して住民一人当たりのコストが減少した。土木費は、ひまわりの丘公園の大規模リニューアルや、道路のカラー舗装化、舗装リニューアルを実施した令和4年度と比較して住民一人当たりのコストが減少した。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算の総額は、住民一人当たり443千円となっており、前年度比24,172円のコスト減少となった。類似団体平均を上回っているのは扶助費で、市営の保育園を持たずに私立保育園に保育給付費を措置していることや、本市の子育て支援の代名詞にもなっている「高校3年生までの医療費の完全無料化」によるものと考えられる。総合体育館をはじめとした公共施設の大規模修繕などを実施した前年度と比べて、普通建設事業費(更新整備)は10,567円減少し、3年ぶりに類似団体平均を下回った。人件費は、全国・兵庫県平均及び類似団体平均を下回っており、平成14年度から2年間の退職者不補充や、民間委託の推進等により、他団体に先駆けて職員数の削減に取り組み、平成18年度からは地域手当(5%)を全廃するなど、徹底した人件費の抑制に取り組んできた結果である。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

「行政も経営」の基本理念のもと、無駄や非効率の改善を進め、46年連続で実質収支の黒字を達成した。財政調整基金残高は、DX推進や「おの恋らっきゃプレミアム商品券」事業、児童館改修等の投資的経費の財源として3.5億円の財政基金の取崩しを行うなどしたことで1.2億円減少。標準財政規模比は1.43ポイント減少し、実質単年度収支は2年連続で赤字となった。今後も、市が独自に定めたガイドラインである基金残高70億円を堅持し、財政基盤の強化に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

令和5年度においても、実質赤字及び資金不足となった会計は無いため、全会計を対象とした連結赤字比率については、値無しとなった。今後も引き続き赤字決算とならないよう、事業の効率化と経費削減等により、健全な財政運営を図る。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

過年度の大型事業に係る地方債の償還が終了したことにより、元利償還金は0.5億円減少したが、当該地方債の普通交付税措置も終了したため、実質公債費比率の分子は0.4億円の増となった。今後も老朽化した公共施設等の更新を控えていることから、国・県補助金及び交付税措置のある有利な地方債を積極的に活用し、公債費負担の適正化に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債残高は、前年度に引き続き後年度の交付税措置がない市債の発行を抑制したことなどにより、9.3億円減少した。DX推進や「おの恋らっきゃプレミアム商品券」事業、児童館改修等の投資的経費の財源として3.5億円の財政調整基金の取崩しなどを行ったが、充当可能基金残高は前年度比0.3億円の減少に留まり、将来負担比率の分子は1.0億円減少した。今後も老朽化した公共施設等の更新を控えていることから、国・県補助金及び交付税措置のある有利な地方債の活用や既存事業の見直しなどにより、過度な将来負担が生じないよう計画的に事業を実施し、持続可能な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)基金全体としては、5.2億円を取り崩して4.0億円を積み立てたため、前年度より1.2億円減少し、総額82.5億円となった。取崩しの主な内訳は、財政調整基金を3.5億円、旭丘中学校の長寿命化改良工事や新幼稚園整備事業などの財源として公共施設整備基金を1.4億円、白雲谷温泉ゆぴかの営繕工事などの財源として白雲谷温泉施設整備及び運営基金を0.1億円活用した。積立の主な内訳は、財政調整基金が2.3億円でその他の基金は運用利子相当分などを積立てている。(今後の方針)引き続き公共施設の長寿命化事業等が見込まれる状況においても持続可能な財政を維持するため、市独自の財政規律ガイドラインを設定し、基金残高を70億円以上確保することとしている。ガイドラインを堅持するため、事業見直しによるコスト削減や公共施設の再編などにより、基金の適正な活用に努める。

財政調整基金

(増減理由)DX推進や「おの恋らっきゃプレミアム商品券」事業、児童館改修等の投資的経費の財源として、3.5億円の財政基金の取崩しを行い、1.2億円減の44.2億円となった。(今後の方針)道路等のインフラ整備や老朽化した公共施設等の更新を継続して実施しており、高齢化の進展等による扶助費の増加による財源不足に対応するため、多額の取崩が見込まれる。補助金等の財源確保に努め、他の基金との均衡も図りながら、適正に管理していく。

減債基金

(増減理由)平成29年度に新庁舎建設後の公債費の増嵩に備えるため私有財産の売却益を活用して2億円を積み立て、平成28年度以降8年連続で減債基金を取り崩さない財政運営を行っている。基金残高は利子分及び臨時財政対策債償還基金費の積立てにより増加した。(今後の方針)大型事業の実施に伴い地方債残高と公債費の増加が見込まれることから、繰上償還時の財源としての活用や景気後退時の財源不足に伴う公債費の財源として活用する。また、臨時的収入等を活用して計画的な積立てを行うものとする。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設の整備に要する資金に充てるための財源として・福祉基金:より充実した福祉の推進を図るための財源として・文化振興基金:芸術文化の向上と継続的な発展を図るための財源として・教育基金:教育事業の充実のために必要な経費の財源として・白雲谷温泉施設整備及び運営基金:白雲谷温泉ゆぴかの施設の整備に要する資金及び健全な運営に資するための財源として(増減理由)・公共施設整備基金:旭丘中学校の長寿命化改良工事や新幼稚園整備事業などの財源として1.4億円を取り崩した。・白雲谷温泉施設整備及び運営基金:白雲谷温泉ゆぴかの前年度黒字分として0.1億円を積立てたことにより増加した。(今後の方針)・公共施設整備基金:今後も学校施設や公共施設等の長寿命化事業が見込まれるため、計画的な積立・取崩を行う。・白雲谷温泉施設整備及び運営基金:指定管理者と協働して、将来の改修等に備えて着実な積立てを行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和3年度は、小野南中学校長寿命化改良事業(校舎)等の大規模投資事業が完了したものの、旧庁舎の解体完了により、有形固定資産減価償却率は前年度比横ばいとなった。全国・兵庫県・類似団体内平均を全て下回っている。施設類型別では老朽化が顕著な施設もあるため、公共施設総合管理計画等に基づき、単なる建替えや改修だけでなく、長寿命化や機能集約・複合化を含めて、公共施設のあり方を検討することが必要となる。

債務償還比率の分析欄

全国・兵庫県・類似団体内平均を全て下回っており、良好な水準を保っている。令和4年度は、後年度に交付税措置の無い地方債の発行抑制などにより将来負担額が減少しているが、維持管理費用にかかる経常経費充当一般財源が増加しており、比率は上昇している。持続可能な健全財政を堅持するため、維持管理費用を含めた投資判断や、市税等一般財源の確保、コスト縮減に向けた取り組みが必要である。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和3年度は、小野南中学校長寿命化改良事業(校舎)等の大規模投資事業が完了したものの、旧庁舎の解体完了により、有形固定資産減価償却率は前年度比横ばいとなった。将来負担比率は、後年度に交付税措置の無い地方債の発行抑制などにより、将来負担額が減少したため低下した。類似団体との比較では、将来負担比率、有形固定資産減価率とも良好な水準を保っており、老朽化対策を行いつつ健全財政も維持している。今後も公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき、長寿命化や機能集約・複合化によるコストの縮減と平準化を図り、公共施設の適正管理に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

令和元年度の新庁舎建設以降、後年度に交付税措置の無い地方債の発行抑制などにより将来負担比率は減少したが、新庁舎建設に係る地方債や臨時財政対策債の償還開始などにより実質公債費比率は増加している。類似団体と比較して良好な水準を維持しており、近い将来財政を圧迫する見込みはないが、交付税措置のある地方債や国県補助金等を活用し、過度な将来負担が生じないよう計画的な投資事業の実施と公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、「認定こども園・幼稚園・保育所」、「公営住宅」、以外の施設類型において、類似団体と同程度を維持しており、全国及び兵庫県の平均を下回っている。「幼稚園・認定こども園・保育所」には公立幼稚園が該当するが、人口減少時代に即応した効率的な幼稚園運営のため、統合再編による新たな幼稚園の整備に着手する予定。なお、一人当たり面積が少ないのは、公立の認定こども園や保育所が存在しないためである。「学校施設」については、小学校が有形固定資産減価率53.1%、中学校が53.7%となっている。平成30年度に個別施設計画を策定しており、同計画に基づいて小野南中学校の長寿命化改良事業を実施。次いで旭丘中学校の長寿命化改良事業に着手する予定であり、老朽化対策に取り組んでいる。一人当たり換算では、該当する全ての項目で類似団体よりも低い水準となっており、全国や兵庫県の平均と比べても下回っている。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

ほとんどの施設類型において、有形固定資産減価率は類似団体平均を下回っているものの、「福祉施設」については、類似団体平均を大きく上回るとともに、全国・兵庫県平均も上回っている。「福祉施設」については、公立の障がい者支援施設であり、築37年を経過し老朽化が進んでいるため減価償却率が高くなっているが、今後投資を行う場合は利用者のニーズや民間施設の進出状況をふまえて検討する必要がある。「庁舎」及び「市民会館」については、解体工事(除却)が完了し、償却率は下がった。「保健センター・保健所」は、令和元年度の新庁舎建設に合わせて新庁舎内に集約された。一人当たり換算では、該当する全ての項目で類似団体よりも低い水準となっており、全国や兵庫県の平均と比べても下回っている。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から746百万円減少し、83,734百万円となった。新庁舎建設以降、学校をはじめとした公共施設の大規模改修、道路インフラのリニューアルなど積極投資を行ったことにより、減価償却費が増加し、有形固定資産総額は827百万円減少した。また、DX推進や児童館改修等の投資的経費の財源として財政基金を取り崩したことなどにより基金(流動資産)が61百万円減少し、基金(固定資産)も59百万円減少した。負債総額は前年度末から985百万円減少し、24,036百万円となった。後年度に交付税措置の無い地方債の発行抑制を継続しており地方債(固定負債)が758百万円減少したことによる。水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度末から1,439百万円減少し、負債総額も2,473百万円減少した。資産総額は、上下水道管等のインフラ資産を計上していることなどにより、一般会計等に比べて39,690百万円多くなるが、負債総額も、地方債や未払金の計上により、18,170百万円多くなっている。小野市土地開発公社や北播磨総合医療センター等を加えた連結では、資産総額は前年度末から3,012百万円減少し、負債総額は2,493百万円減少した。資産総額は、病院施設や衛生施設に係る資産を計上していることなどにより、一般会計等に比べて49,812百万円多くなるが、負債総額も、病院事業や土地開発公社の借入金等により、25,973百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は19,314百万円となり、前年度より230百万円の減少となった。人件費等の業務費用は9,412百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は9,902百万円であり、移転費用が業務費用を上回っているが、社会保障給付費用が増加していることによる。経常収益は、温泉施設使用料の増加などにより22百万円増加し、純経常行政コストは252百万円減少した。高齢化の進展などにより社会保障給付や他会計への繰出金は増加傾向にあり、事業の見直しや予防医療施策による中長期的な視点での経費削減に努めるとともに、使用料・手数料の見直しを実施するなど、受益者負担の適正化を図る。全体では、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、一般会計等に比べて経常収益が2,246百万円多くなっている。一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が7,497百万円多くなり、純行政コストは8,311百万円多くなっている。連結では、連結対象となる事業収益を計上し、一般会計等に比べて、経常収益が9,105百万円多くなっている一方、補助金等が13,270百万円多くなっているなど経常費用が23,507百万円多くなり、純行政コストは14,459百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、純資産残高は238百万円の増加となった。財源は、ひょうご小野産業団地の本格稼働などにより税収等が184百万円増加したものの、投資事業に係る国庫補助金の減により国県等補助金が288百万円減少し、全体で104百万円減少した。純行政コストは200百万円減少したため、本年度差額は304百万円減少した。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が3,524百万円多くなっており、本年度差額は570百万円となり、純資産残高は1,034百万円の増加となった。連結では、兵庫県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が14,920百万円多くなっており、本年度差額は328百万円となったが、純資産残高全体では北播衛生事務組合の固定資産評価替えにより518百万円の減となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は2,188百万円で前年度より243百万円の増となり、投資活動収支についても、▲1,063百万円で前年度より1,058百万円改善した。旭丘中学校の長寿命化改良や道路インフラの整備などを継続しているが、ひまわりの丘公園の大規模リニューアルや総合体育館をはじめとした公共施設の大規模改修を実施した前年度に比べて数値が改善した。財務活動収支は、後年度に交付税措置の無い地方債の発行抑制を継続したことで、地方債の償還額が地方債発行収入を上回っており、前年度より598百万円減少し、▲926百万円となった。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より1,255百万円多い3,443百万円となっている。投資活動収支では、一般会計等と比べて公共施設等整備費支出が591百万円多くなっており、▲1,556百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回っており、▲1,659百万円となった。本年度末資金残高は前年度より228百万円増加し、4,577百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①住民一人当たり資産額は、減価償却費の増加に伴う有形固定資産残高の減及び基金取崩しに伴う基金残高の減による資産総額の減少により、前年度より0.5万円減少した。類似団体平均を大きく下回っている。要因としては、当団体では、道路や河川の敷地のうち、取得価額が不明であるため、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためと考えられる。②歳入額対資産比率については、類似団体平均を0.27年上回る結果となった。前年度と比較すると、資産が746百万円減少し、物価高騰緊急支援給付金や新型コロナウイルスワクチン接種に係る補助金収入や投資事業に係る市債発行収入などの歳入が減少したため、比率は0.18年増加した。③有形固定資産減価償却率は、前年度より1.5ポイントの増となったが、類似団体平均を11.4ポイント下回っている。学校施設をはじめとした公共施設の大規模修繕(長寿命化)や、道路インフラの整備を継続して実施しており、類似団体平均より良好な数値となっている。学校や福祉施設の老朽化が進んでおり、今後も公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づいて長寿命化や集約化を推進し、適正なアセットマネジメントを図る必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④純資産比率は、純資産額が前年度より238百万円増加したこと及び資産総額が746百万円減少したことにより前年度から0.9ポイント増加したが、類似団体平均値は0.3ポイント下回っている。今後、公共施設の更新や維持管理などの費用が増えることは明らかであり、持続可能な行政経営のためには、資産の多くを占める公共施設の再編や統廃合の検討が必要である。⑤将来世代負担比率は、前年度から0.2ポイント減少し、17.2%となったが、類似団体平均を2.0ポイント下回っている。今後も、道路や学校施設の長寿命化など大規模な投資事業を控えており、補助金や基金を活用しながら、世代間の負担のバランスが取れた地方債の発行に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥住民一人当たり行政コストは、前年度より0.6万円増加したが、類似団体平均を10.4万円下回っている。高齢化などによる社会保障給付や特別会計への繰出金に加え、人件費や減価償却費を含む物件費なども増加傾向にあり、行政コストは増加が見込まれる。人員配置の適正化や予防医療施策等により義務的経費を抑制するとともに、コスト増に見合う受益者負担を求めることが必要である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦住民一人当たり負債額は、後年度に交付税措置の無い地方債の発行抑制を継続したことなどにより前年度より1.7万円減少し、類似団体平均も11.3万円下回っている。今後、道路や学校施設の長寿命化など大規模な投資事業により地方債の増加が見込まれるため、市債残高や償還額を考慮し、計画的に投資を進める。⑧業務・投資活動収支は、業務活動収支の黒字分が投資活動収支の赤字分を上回ったため、1,080百万円となっており、類似団体平均を大きく上回っている。旭丘中学校の長寿命化改良や道路インフラの整備などを継続しているが、ひまわりの丘公園の大規模リニューアルや総合体育館をはじめとした公共施設の大規模修繕を実施した前年度に比べて数値が改善し、投資活動収支が▲1,183百万円(前年度比+1,088百万円)となったことが主な要因。国県等補助金収入などの財源を確保するとともに、中長期的な視点からバランスの取れた予算編成に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨受益者負担比率は、前年度より0.1ポイント増加し、類似団体平均を10.9ポイント上回っている。公共施設等の使用料については、維持管理費だけでなく減価償却費も含めた費用により見直し・改定を行い、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,