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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

本市には主要な産業・大型事業所等がなく、市税に占める法人税の割合が低くなっているため、景気の影響等における法人税収入の大幅な増減等はない。令和5年度については市税収入全体は増加したものの、社会保障関連等の需要額も同じく増加したことにより、財政力指数は令和4年度から減少、財政基盤がぜい弱である状態が続いている。今後も、税や保険料等の徴収体制の強化など歳入の確保に努め、併せて、人件費の適正化や補助事業の標準化など、歳出削減を進め、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

歳出においては物件費や扶助費の増加により経常経費充当一般財源が増加した。歳入においても市税等の経常一般財源が増加したものの、臨時財政対策債が減少したことにより令和4年度から1ポイント悪化した。本市において、経常収支比率を押し上げる要因となっている土地開発公社の健全化を、市債に頼って進めているため、公債費が多額となっているが、今後も将来の公債費推移を見据え、市債発行を極力抑制するとともに、人件費の適正化や補助事業の標準化を行い、経常経費の削減を進める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

財政健全化の取組により、人件費や経常的な需用費等の削減を進めていることから、類似団体内平均値を下回る数値で推移している。令和5年度は物件費を抑えることができたが人件費が増加している。今後も計画的な職員採用や会計年度任用職員等の適正配置等により、人件費の適正化に努めるとともに、物品の一括調達や業務委託の一括発注など、コストを意識した契約手続を行うことにより、物件費等の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

これまで取り組んできた土地開発公社の健全化対策に加え、公共施設の老朽化対策の取組を進めるにあたり、財源不足が生じると見込まれることから、平成31年4月より給料月額2~4%の減額を行っていたが、令和2年度で減額措置が終了した。令和4年度は類似団体内平均値を上回る98.7となったが、令和5年度は97.9と類似団体内平均値を下回る数値となった。今後も適切な給与制度を運用し、全国的な水準を上回らない数値となるように努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

第二次財政健全化計画に基づき、これまで職員数の適正化を図ってきた結果、人口1,000人当たり職員数は6.21人と、府内において比較的低い水準となっている。この中には他市町村では一部事務組合化されていることが多い消防組織や直営で行っているごみ収集業務などの職員も含まれているため、一般行政職員で考えると、他市町村と比べてさらに低い水準であると言える。今後も、人件費の適正化や効率化などの検討を行いつつ、定員管理の適正化に努める。

実質公債費比率の分析欄

土地開発公社の保有地を買い戻すために起債を続けていることから、類似団体内平均値、全国平均及び大阪府平均をそれぞれ上回る数値となっているが、ここ数年は過去に発行した大型事業に関する市債についての償還が終了したことにより、数値が改善傾向にある。しかしながら、新学校給食センターや新ごみ処理場の整備にかかる費用の償還が始まっており、また、土地開発公社保有地の買戻しのための起債に加えて、施設の新設・更新による新たな起債などにより数値の高止まりが今後続くことが予想されるため、市債発行を極力抑制し、また、有利な条件で発行できるように利率の入札等を活用しながら、実質公債費比率の低減に努める。

将来負担比率の分析欄

過去に、土地開発公社による用地の先行取得が市の財政規模に見合わない規模で行われた結果、非常に多額の負債を抱えた状態が続いており、将来負担比率は全国的に見ても非常に高い数値となっている。年々改善しているものの、将来負担比率は31.0と依然として高い数値であることに変わりはない。負債総額の削減は本市の懸案事項であり、今後も計画的な買戻しを進めるとともに、市と公社が連携しながら借入利率の低減等、簿価の上昇抑制にも努める。加えて、今後は、老朽化した施設の更新や防災拠点整備等のための新たな市債発行も見込まれ、数値が高止まりすることが想定されることから、市債発行を極力抑制するとともに、交付税措置のある市債の活用に努め、比率の過度な上昇を抑制していく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

財政健全化への取組により、これまで経常経費全体の削減を進めてきたが、消防及びごみ収集等を直営で行っている本市では、他市よりも人件費の割合が高くなっている。令和5年度は26.7%となり、類似団体内平均値を2.5ポイント上回った。今後も業務の分析を進め、定員管理計画に基づく適正な人員配置を行うなど、人件費の適正化・効率的な行政運営を進めることで、人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

類似団体内平均値及び全国平均をそれぞれ下回る結果となっている。要因としては、指定管理者制度の導入による民間活力を用いた施設運営や、入札による物品の一括調達などにより、これまでの健全化施策の中で、物件費に関する経費の削減を行ったことによるものである。また、人件費の分析欄と同様に、ごみ収集等を直営で行ってるため、他市に比べて民間委託等の経費が少ないことも、物件費の割合が低い原因の一つと考えられる。令和5年度は、物価高騰やDX関連経費の経常化などにより、令和4年度と比べ0.9ポイント増加した。今後も行政ニーズに対応する委託業務や、各種の制度改正に対応するシステム改修対応費用等、物件費総額としては上昇していることから、費用の精査等経費の抑制、事務の改善に努める。

扶助費の分析欄

財政健全化への取組により経常経費全体の削減を行っている。令和5年度は令和4年度途中からこども医療費助成制度の対象年齢を拡大したことなどにより、前年度から1.3ポイント増加した。大阪府平均は下回ったものの、今後も扶助費の増加が予想されるため、事業の適正化や、対象者の自立に関する支援などを進め、扶助費の増加を抑制する取組を進める。

その他の分析欄

令和5年度の数値は、令和4年度から0.7ポイント増加しているが、この要因としては、高齢化の影響から、介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計関係の繰出金が増加しているためである。今後も特別会計の収支について健全な状態を維持するように努め、適正な支出と、特別会計事業の収支改善への取組を進める。

補助費等の分析欄

類似団体内平均値、全国平均及び大阪府平均をそれぞれ下回る結果となっている。これは、人件費の分析欄と同様に、他市では消防業務等を一部事務組合で行っていることが多く、そのような一部事務組合への負担金が本市では少ないことや、補助金制度の見直しを行い、補助金の適正な執行に努めてきたことが、要因と考えられる。令和5年度は国庫補助金の大型の返還や臨時の給付金が増加したため、令和4年度に比べ0.6ポイント増加した。令和元年度から一部事務組合の新ごみ処理施設整備に関する地方債の償還のため負担金が増加しており、今後も同水準での負担が続く予定であることから数値も同水準で推移すると見込まれる。

公債費の分析欄

類似団体内平均値及び大阪府平均をそれぞれ上回る結果となっている。土地開発公社保有地の買戻し、新学校給食センター及び新ごみ処理場の整備費用の償還が始まっているものの、過去の都市基盤整備に係る市債の償還は終了したことなどから、近年は公債費の割合が低下傾向にあった。しかし、令和6年度以降は施設の新設・更新のための起債が見込まれるため、高止まりが予想される。今後の建設事業等においても、できる限り起債に頼らない財源確保を行い、起債を極力抑制することで、公債費の削減に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体内平均値及び大阪府平均をそれぞれ下回っている。経常経費の中で公債費が大きなウエイトを占めているため、それ以外の支出を抑制して収支のバランスを保っていることが要因となっている。令和5年度については人件費以外が全体的に増加していることから本項目の数値も増加している。今後も事業の精査や効率化、財政運営基本方針の取組を進め、経常経費全般を抑制し、全国平均を上回らない数値となるように努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

上記の各グラフが示すように、教育費と公債費以外の項目について、住民一人当たりのコストが類似団体内平均値を下回っている。これは、財政健全化を進めるなかで、各事業の見直しを行い事業費の削減を進め、その財源で市債の償還や土地開発公社の簿価の圧縮を行ってきたことが大きな要因として挙げられる。特に総務費及び消防費については、類似団体の中でも非常に小さい数値となっている。総務費については、総務・管理部門の人員削減を進めたことや、庁舎・自治振興施設の整備等を極力抑えてきた結果であり、消防費については、市域が狭く、またその半分を山間部が占めていることから、支所等が必要無く、結果的に費用が抑えられていることが数値に表れている。また、令和4年は公債費が類似団体内平均値を下回っていたが、令和5年度は一部繰上償還の実施等により同平均値を上回った。公共施設やインフラの維持的経費を抑えながら財政運営を行ってきた結果が上記グラフであり、今後、施設の更新や長寿命化を行うため、選択と集中を行いながら、より良い住民サービスを行える財政運営に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

性質別歳出の特筆すべき点としては、人件費が類似団体内平均値を上回っていること、また、物件費及び補助費等が類似団体内平均値を大きく下回っていることが挙げられる。この要因としては、消防・ごみ収集等を直営で行っている本市では、類似団体に比べて人件費が多くなり、その分業務委託に関する費用や一部事務組合への負担金等が抑えられているため、物件費及び補助費等が少ないことが挙げられる。普通建設事業費については、負債額の削減を最大の課題としているが、小中一貫校整備事業により令和4年度と比較して令和5年度は高い水準になっている。今後も施設の更新、老朽化対策、防災拠点整備を進める必要があり、上昇が想定される。公債費については、本市の懸案事項である土地開発公社の健全化のため、土地開発公社の保有地を買い戻すための起債を続けていることから、高い水準となっている。過去に行った都市基盤整備に関する市債の償還が終了したことなどから、近年は減少傾向であったが、新学校給食センターや新ごみ処理上の整備にかかる費用の償還が始まっており、また、令和5年度は一部繰上償還を行ったため、令和4年度よりも高い水準となった。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

近年は、財政健全化計画の実施等による歳出削減を行ってきた結果、基金を減らすことなく実質収支で黒字を維持することができている。しかしながら、今後は社会保障関連経費の増加や、公共施設の更新、老朽化対策及び再配置等の費用、それに係る公債費負担の増加による財政状況の悪化が懸念されるところであり、それらに対応するために、黒字の一部については、財政調整基金への積立を行っており、令和元年度からは公共施設等整備基金の積立も行っている。令和5年度決算は、財政調整基金について収支均衡とさせるための取り崩しを行わなかったため、基金残高は増加し、財政調整基金残高の占める割合も増加している。ただし、今後必要な老朽化対策を実施するためには財源不足が見込まれることから、基金の活用が不可欠である。基金残高を確保するだけでなく、事業の精査や選択と集中により、基金の取り崩しに頼らない安定的な財政運営の維持に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

過去より連結実質赤字比率は黒字で推移しており、平成24年度からはすべての会計において黒字となっている。今後、高齢化による社会保障経費の増加に伴い、介護保険特別会計等で収支が悪化する可能性があることや水道事業自体の黒字が縮小していることなどから、一般会計だけでなく、市全体としてバランスのとれた適正な市政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

令和5年度における実質公債費比率は6.1%となっており、令和4年と比較して1.5ポイント改善した。しかし、今後は施設の新設・更新等のための起債が見込まれるため、実質公債費比率の悪化が予想される。また、実質公債費比率は、類似団体内平均値と比較すると依然として高い比率となっているため、引き続き、市債の新規発行の抑制や低利率での借入を行うなど、比率の過度な抑制に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

令和5年度における将来負担比率は31.0%となっており、令和4年度と比較して13.9ポイント改善したが、全国的に見てもいまだ非常に高い数値となっている。この要因としては、大規模な都市基盤整備に伴う市債の発行や、土地開発公社において、市の財政規模に見合わない用地取得を行ったことにより、多額の負債を抱えたことが挙げられる。近年は公社用地の計画的な買戻し等を行った結果、順調に比率は低下しており、一般会計における負債額や、公社の簿価額は縮減しており、将来負担比率の分子は縮小傾向にある。また、一部事務組合で、ごみ処理場整備に係る地方債を発行したことから平成29年度から組合等負担等見込額が増加したが、元金償還が開始したことから一定減少している。また、公社用地の計画的な買戻しを継続していることや基金の積立により基金残高が増加した結果、将来負担比率の分子は減少した。しかしながら、将来的には、老朽化した施設の更新や長寿命化等の費用について、新たな市債の発行や基金の取り崩しなどによる比率の悪化が見込まれるところであり、今後も土地開発公社の健全化を進めつつ、新規の公共投資については選択と集中を行うことで、市民サービスへの投資を行いながら、数値の改善に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)令和5年度末の基金残高は、普通会計で約81億円となっており、令和4年度から4億4,900万円の増加となっている。これは、取り崩し等による減債基金の2億1,100万円減少があったものの、財政調整基金が1億6,200万円増加し、また、令和5年度から基金の運用(国債や一般担保付社債等の債券を購入)を開始しており、そのために新たに設置した交野市公営企業資金運用基金(水道分及び下水道分)が4億9千万円増加したことなどによる。(今後の方針)施設の老朽化対策や防災対策等に係る整備等により基金を活用することが見込まれるが、70億円以上の残高を確保することで、安定的な財政運営、弾力的な予算編成及び「交野市資金管理方針」に基づいた安全で効率的な資金運用を目指す。

財政調整基金

(増減理由)令和5年度末の基金残高は、約45億円となっており、地方財政法に基づく決算剰余金の積立及び財産運用収入、寄附金の受入等を行ったことから、令和4年度と比較して約1億6,000万円の増加となった。(今後の方針)交野市財政運営基本方針に基づき、今後の社会変動や緊急課題に対応するほか、年度間の財源調整という観点から、決算ベースでの臨時的な経費を超える取崩しは原則行わず、弾力的な予算編成が可能な額を確保するものとします。

減債基金

(増減理由)令和5年度末の基金残高は、約7億7,000万円となっており、繰上償還のために基金の取り崩しを行ったことから、令和4年度と比較して約2億1,000万円の減少となった。(今後の方針)交野市財政運営基本方針に基づき、施設の整備のために起こす地方債の償還財源をあらかじめ確保することを目的としていることから、今後の施設整備の状況を考慮のうえ残高の維持に努める。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域保全整備基金:市域内における自然環境を保護育成し、健康で文化的な都市環境の形成と良好な生活環境を保全する事業公営企業資金運用基金(水道分):交野市水道事業の資金を、会計管理者保管の基金と一括運用する事業(増減理由)公営企業資金運用基金(水道分):新たに設置したもので、4億円の増加となっている。社会福祉事業基金:高齢者・障がい者等外出支援事業に対する財源として取崩しを行ったことにより、約4,000万円の減少となっている。(今後の方針)公営企業資金運用基金(水道分):「交野市資金管理方針」に基づき、資金の安全性(元本の保全)を最優先し、その上で利回り等の効率性を追求し運用する。公共施設等整備基金:公共施設の老朽化の財源として活用する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和5年度における有形固定資産減価償却率は79.3%となっている前年度よりも改善しているものの、全国平均、大阪府平均を大きく上回り類似団体内で最も高くなっている。これは、財政健全化を進めるにあたり、施設の更新や大規模な改修等を最低限にとどめ、他に財源を注力してきた結果であるといえる。今後は、「交野市公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の更新、長寿命化を進めていく。

債務償還比率の分析欄

平成初頭の土地開発公社による多額の用地取得の影響により、債務償還比率は全国平均、大阪府平均及び類似団体内平均値の全てを大きく上回ってきたが、公社用地の計画的な買戻しや、市債の発行の抑制に取り組み、地方債残高を抑制してきたため、年々改善している。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については、平成初頭の土地開発公社による多額の用地取得の影響により、類似団体内平均値に比べ高い数値となっているが、財政健全化への取組により減少傾向となっている。一方、有形固定資産減価償却率も高い数値となっており、財政健全化への取組のために、施設の老朽化対策等が後回しになっていることが表れている。今後は公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化対策に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

土地開発公社による市の規模に見合わない多額の用地取得が過去に行われた影響などから、将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体内平均値に比べて高い数値となっているが、近年は公社用地について計画的に買戻しが進んでいることや、平成の初頭に行った都市基盤の整備にかかる市債の償還が終了することなどから減少傾向となっている。しかしながら今後も起債による公社用地の買戻しや、新給食センター及び新ごみ処理場に係る地方債の償還に加え、公共施設の更新、長寿命化を進めていく必要があることから実質公債費比率については、今後大きな減少は見込めない見通しとなっている。引き続き、公社用地の計画的な買戻しや、市債の発行の抑制に取り組むことで、実質公債費比率及び将来負担比率の過度な上昇を抑制していく。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、全国平均、類似団体内平均値と比較して依然としてに高い傾向にある。特に、有形固定資産減価償却率が高い施設は、「学校施設」であり、減価償却率が90%を超えている状態となっている。学校施設ほとんどが昭和40年代半ばから50年代にかけて建設されており、施設の老朽化が進んでいることが要因として挙げられる。本市はこの状況を課題と捉え、学校整備事業を進めている。一方、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値と比較して低い施設は、「道路」である。道路については、市域の面積が小さく、道路の延長が短いことから改修費用負担が比較的少なく、順次改修を進められていることが要因として挙げられる。インフラ資産である「道路」や「橋梁」は人口一人当たりの延長距離、資産額が少なく毎年度改良工事や長寿命化対策を行っているため比較的安定した有形固定資産減価償却率となっている。今後は、上記の大半の施設が築30年以上を経過していることから、「交野市公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の更新、統廃合、長寿命化等を計画的に行い、良質で持続可能な公共施設サービスが提供できるよう取り組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を上回った施設は、庁舎、消防施設、図書館、市民会館である。これらの施設は、昭和40年代半ばから50年代にかけて建設されているため、減価償却が進み、全体的に耐用年数が近付いていることが要因として挙げられる。また、一人当たり面積については、市域が狭いことから、消防署、図書館がそれぞれ一か所しかなく一人当たり面積が狭い一方、比較的大規模な総合体育施設があることにより、体育館・プールについては一人当たり面積が広くなっている。今後、施設の老朽化の状況を踏まえながら、施設の更新、長寿命化や施設の集約化などを進めていく必要があるため、「交野市公共施設等総合管理計画」に基づき、良質で持続可能な公共施設サービスが提供できるよう取り組んでいく。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が令和4年度末から1,372百万円の増加(+1.95%)となった。主な要因は基金残高の積み増しや交野みらい学園施設一体型小中一貫校整備事業などの事業用資産の増加によるものである。資産総額における有形固定資産の割合は依然として高い水準にあり、今後、維持管理・更新等の支出を伴うことから、施設の集約化・複合化を進めるなど、公共施設の適正管理に努める必要がある。なお、負債総額については、地方債残高の減少により1,275百万円の減少(△3.96%)となった。全体においては、水道事業会計、下水道事業会計、各特別会計を含めるため、資産総額が上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて34,082百万円増加している。負債総額は水道事業会計と下水道事業会計の地方債計上などにより一般会計等に比べて24,087百万円増加している。連結においては、資産額は土地開発公社所有の土地や、四條畷市交野市清掃施設組合所有の事業用資産などの計上により、一般会計等に比べて47,230百万円増加している。負債総額は土地開発公社と四條畷市交野市清掃施設組合の地方債などの計上により、一般会計等に比べて33,110百万円増加している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純行政コストが24,374百万円となり、令和4年度から220百万円の減少(△0.9%)となった。人件費等の業務費用と、補助金や社会保障給付等の移転費用を比較すると、移転費用の方が依然として大きな割合を占めており、特に社会保障給付は高齢化の影響等により増加傾向が続くことが見込まれる。一方、補助金等については、令和3年度に一時的に実施された臨時給付金事業が剥落した影響が大きく、令和4年度以降は平常水準に戻っている。今後も介護予防の推進等により、経費の抑制に努めることが求められる。全体では、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が一般会計等よりも多い一方で、国民健康保険事業や介護保険事業に係る負担金を補助金等に計上しているため移転費用が大きくなっている。また、水道事業会計と下水道事業会計では物件費や減価償却費の計上があり、業務費用が一般会計等より多い。その結果、純行政コストは一般会計等に比べて13,854百万円増加している。連結においては、大阪府後期高齢者医療広域連合の負担金等が大きく影響しており、特に移転費用の増加が顕著である。その結果、純行政コストは一般会計等に比べて24,507百万円増加している。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(26,926百万円)が純行政コスト(24,374百万円)を上回ったことから、本年度差額は2,552百万円となり、純資産残高は2,646百万円の増加となった。純行政コストを抑えるため、引き続き地方税の徴収業務の強化等により税収等の増加に努め、また、公共施設等の適正管理を行うことにより経費の縮減に努める必要がある。全体においては、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計等における国民健康保険税や介護保険料が財源に含まれることから、一般会計等に比べて財源が11,893百万円多くなっている。本年度差額は2,433百万円となり、純資産残高は624百万円の増加にとどまった。連結においては、大阪府後期高齢者医療広域連合への国県等補助金が財源に含まれることから、一般会計等に比べて財源が22,266百万円多くなっている。本年度差額は2,591百万円となり、純資産残高は399百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支が3,284百万円となり、令和4年度から454百万円の増加となった。投資活動収支については、公共施設等整備基金や公債費管理基金の積立などにより、▲2,016百万円となり、前年度から131百万円の減少となった。また、財務活動収支については、地方債の償還額が発行額を上回ったことから1,315百万円となり、前年度から394百万円の減少となった。結果、本年度末資金残高は前年度から増加し、資金収支のバランスはおおむね保たれている。今後も行財政改革を通じて健全な資金運営に努める必要がある。全体においては、国民健康保険税や介護保険料が収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より646百万円多い3,930百万円となっている。投資活動収支では、水道管・下水道管等のインフラ整備に伴い▲2,628百万円となり、前年度から392百万円の減少となった。財務活動収支も地方債償還等の影響により1,723百万円となった。連結においては、土地開発公社の公有地取得事業等が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は4,763百万円となり、一般会計等に比べて1,479百万円多い水準にある。財務活動収支は、地方債の発行収入が償還額を下回った前年度とは異なり、▲2,393百万円と前年度より450百万円減少した。結果、本年度末資金残高は対象となる団体の連結割合の影響も含め増加しており、引き続き資金収支の安定が維持されている。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額が類似団体平均値を下回っているが、これは、比較的市の面積が小さく、施設の数が少ないことや道路の延長が短いことが影響していると考えられる。また、取得価格が不明であるものが多く、備忘価額1円で評価をしているものも多いことから、評価額による資産計上ができている団体よりも低くなっている。歳入額対資産比率については、類似団体平均値を下回っており、令和4年度から0.05ポイント減少した。これは、歳入総額も増加したものの、資産合計の増加幅がより大きかったためである。一方、類似団体平均値は増加傾向を示しており、当該団体とは異なる動きとなっている。有形固定資産減価償却率については、昭和40年代から50年代にかけて整備された資産が多く、更新時期を迎えているが、財政健全化の取組により投資的な予算をこれまで抑えてきた経過から、類似団体平均値に比べて高い数値となっている。今後、施設の計画的な更新、長寿命化を行い、適正管理を進める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は56.8%であり、依然として類似団体平均値(73.6%)を大きく下回っている。これは、市の懸案事項である土地開発公社の保有地について地方債を発行し、継続的に買戻しを行ってきた経緯があるため、地方債残高(14,558百万円)が相対的に多いことが要因である。ただし、負債のうち相当部分を占めるのは臨時財政対策債であり、令和5年度末の地方債残高においても約4割を構成しているが、仮に臨時財政対策債の残高を負債額から除いた場合でも、純資産比率は62.8%となり、類似団体平均値(73.6%)を下回る水準となっているため、今後も自主財源確保の取組に努めることが重要である。また、将来世代負担比率は23.1%であり、これも類似団体平均値(15.6%)を上回る水準となっている。今後は施設の老朽化に伴い維持補修費用の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画等に基づき適正な施設管理を推進し、将来世代の負担軽減に努めることが重要である。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは31.5万円であり、類似団体平均値(39.5万円)を下回っている。これは、これまでの財政健全化の取組により経常的な費用の抑制を進めてきたことに加え、社会保障給付にかかる扶助費や他会計への繰出金が比較的少ないことが要因として挙げられる。なお、当該指標は令和2年度に40.7万円まで一時的に上昇したものの、その後は減少に転じ、令和4年度以降はおおむね31万円台で推移している。今後については、引き続き行政運営の効率化を図るとともに、公共サービス提供の在り方を見直し、民間活力の導入やICT活用などによる人件費や事務費の抑制を進め、行政コストの更なる圧縮に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は40.0万円であり、類似団体平均値(39.4万円)をやや上回っているが、負債合計が令和4年度から127百万円減少しており、縮減傾向にある。今後は施設の老朽化に伴う維持補修費用の増加が見込まれるため、計画的な更新や長寿命化を進め、適正な施設管理に取り組むことが重要である。また、基礎的財政収支は1,831百万円の黒字となっている。これは、業務活動収支の黒字分(3,395百万円)が投資活動収支の赤字分(▲1,564百万円)を上回ったことによるものであり、地方債の発行や基金の取崩しに依存せず、歳入歳出のバランスが取れていることを示している。今後もこのバランスを維持できるよう、行政コストの圧縮や歳入確保の取組を継続する必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は3.7%であり、類似団体平均値(4.0%)を下回る水準となっている。また、令和4年度の3.8%からは0.1ポイント低下しており、減少傾向が続いている。これは、経常収益が前年度から28百万円減少した一方で、経常費用は134百万円増加しており、収益・費用の双方の動きが影響したものである。今後は、施設の老朽化に伴う維持補修費用の増嵩が見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づいた適正な施設管理を進めつつ、利用者負担の在り方も含め、経常収支の改善に取り組む必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,