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地方財政ダッシュボード

大阪府交野市の財政状況(2016年度)

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

本市には主要な産業・大型事業所等がなく、市税に占める法人税の割合が低くなっている。そのため、アベノミクスによる企業業績の回復等における法人税収入の増加等も影響は少なく、個人税収入についても、民間賃金が伸び悩む中で大幅な上昇とはなっていない。結果として、財政力指数は近年と同水準の0.71となっており、財政基盤がぜい弱である状態が続いている。27年度末に策定した市長戦略をもとに、税や保険料等の徴収体制の強化など歳入の確保及び民間活力の導入や補助事業の標準化など、歳出削減を進め、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

第二次健全化計画等に基づき、人件費等の削減を進めたことにより、24年度には91%台まで改善したが、ここ数年は障がい者関係の扶助費の増加や、人事院勧告に対応するための人件費の増加などにより、数値の悪化傾向が続いている。27年度については、消費税増税による地方消費税交付金の増加等により経常一般財源が増加し、数値は一定改善したが、28年度は消費の落ち込み等から消費税交付金は減少し、さらに社会保障経費等の伸びがあったため、数値が再び悪化した。今後も民間活力の導入や補助事業の標準化を行い、経常経費の削減に努める。なお、平成27年度から類似団体区分が変更されたため、類似団体の平均が大きく下がり、本市は類似団体平均を上回る結果となっている。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

平成22年度から27年度までの第二次健全化計画に基づき、人件費等の削減や、経常的な需用費等の削減を進めたことにより類似団体を下回る数値で推移してきたが、近年は人事院勧告に対応する職員給与費の上昇や、最低賃金の引上げ等、人件費関係の上昇の影響が大きく、この5年間で人口1人当たり9,000円以上の上昇となっており、類似団体の平均との差が小さくなってきている。。今後も計画的な職員採用や臨時・非常勤職員の適正配置、市長戦略に基づく民間活力の導入等により人件費等の抑制に努めるとともに、物品の一括調達や業務委託の一括発注などコストを意識した契約手続きを行うことにより、物件費等の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

第二次財政健全化計画に基づく給料の2%カットを実施してきたことなどから、全国市平均を下回ってきていたが、平成26年度末での財政健全化計画の計画期間終了に伴い、2%カットが終了となったため、平成27年度は全国市平均を上回る結果となった。平成28年度は全国市平均を0.1ポイント下回る結果となったが、類似団体平均は上回る結果となっており、今後も人事院勧告などによる給与改定が見込まれるため、適切な給与制度を定め、全国的な水準を上回らない数値となるように努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

第二次財政健全化計画に基づき職員数の適正化を図ってきており、人口千人あたり6.09人と、比較的低い水準となっている。この中には他市では一部事務組合化されていることが多い消防組織や、直営で行ってる給食調理、ごみ収集業務などの職員も含まれているため、一般行政職員で考えると、他市町村と比べてさらに低い水準となる。ただし、権限移譲や新たな行政ニーズの発生など、近年は職員数の増加傾向にあるため、市長戦略に基づき前述した直営業務についての民間活力の導入や効率化、施設の民営化などの検討を進めており、最小限の職員数増となるように努める。

実質公債費比率の分析欄

過去に都市基盤を整備するために発行した市債の公債費が多額になっており、類似団体、全国、大阪府の平均をそれぞれ上回る数値となっている。ここ数年は過去に発行した大型事業に関する市債についての償還終了時期にあたり、数値が改善傾向にあるが、今後、施設の新設・更新による新たな起債や、土地開発公社保有地の買戻しのための起債等、数値の高止まりが続くことが予想される。できる限り新規の市債発行を抑制し、また、有利な条件で発行できるように利率の入札等を活用しながら、実質公債費率の低減に努める。

将来負担比率の分析欄

過去に土地開発公社による用地の先行取得が市の財政規模に見合わない規模で行われた結果、非常に多額の負債を抱えた状態が続いており、将来負担比率は全国的に見ても非常に高い数値となっている。現在は市長戦略に基づき公社保有地の計画的な買戻しを行っており、公社保有地簿価については、ピーク時の約370億円から3分1以下の約100億円に、将来負担比率もピーク時の333.6%から半分以下の数値にはなっているが、依然として高い数値であることに変わりはない。負債総額の削減は本市の懸案事項であり、今後も計画的な買戻しを進めるとともに、市と公社が連携しながら借入利率の低減等、簿価の上昇を抑えることにも努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

第二次健全化計画に基づき、これまで経常経費全体を大きく削減してきた。その中で、消防、給食調理、ごみ収集等を直営で行っている本市では、職員数の削減により人件費総額は下がったものの、経常経費に対する割合としては一定の削減にとどまったため、相対的に他市よりも人件費の割合が高くなっている。今後、市長戦略に基づく民間活力の導入や、適正な人員配置を進め、効率的な行政運営を行うことで、人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

類似団体、全国の平均をそれぞれ下回る結果となっている。この要因としては、指定管理者制度の導入による民間活力を用いた施設運営や、入札による物品の一括調達などにより、物件費に関する経費の削減を行ったことによるものである。また、人件費の分析欄と同様に、給食調理やごみ収集等を直営で行ってるため、他市に比べて委託等の経費が少ないことも、物件費の割合が低い原因の一つと考えられる。ただし、近年は行政ニーズに対応する委託業務や、各種の制度改正に対応するシステム改修対応費用等、物件費の上昇が続いているため、今後も費用の精査等経費の抑制、事務の改善に努める。

扶助費の分析欄

財政健全化への取組みにより経常経費全体の削減を行う中で、扶助費については障がい者自立支援給付費が急激な伸びを見せていることなど社会情勢、地域環境による影響が大きいため削減が難しく、類似団体、全国の平均をそれぞれ上回る結果となっている。大阪府下でもこの状況は同様であり、府下の平均よりは下回っているものの、扶助費の増加は続くと予想されるため、事業の適正化や、対象者の自立に関する支援などを進め、扶助費の増加を抑制する取り組みを進める。

その他の分析欄

類似団体、全国、大阪府の平均をそれぞれ下回る結果となっている。この要因としては、他市に比べて特別会計への繰出金が低いことが考えられる。しかしながら、年々その他の数値は増加傾向であり、社会保障経費の伸びに伴う国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計への繰出金が増加していることがその理由となっている。今後も特別会計の収支についても健全な状態を維持するように努め、適正な支出と、特別会計事業の事業改善への取り組みを進める。

補助費等の分析欄

類似団体、全国、大阪府の平均をそれぞれ大幅に下回っている。この要因としては、補助金制度の見直しを行い、明確な基準を設け、不適当な補助金の廃止、見直しを行ってきたためである。また、人件費の分析欄と同様に、他市では消防業務等を一部事務組合で行っていることが多く、そのような一部事務組合への負担金が本市では少ないことも、数値が低い要因の一つと考えられる。今後も補助金については、外部委員を含めた補助金の審査委員会の審査により、更なる標準化、適正な支出に努める。

公債費の分析欄

類似団体、全国、大阪府の平均をそれぞれ上回る結果となっている。この大きな要因は、平成の初頭から遅れていた都市基盤整備事業を進めるにあたり、その財源の大部分を地方債に頼ったことによること、また、土地開発公社の多量の保有地を買戻しするために起債を続けていることにある。過去の都市基盤整備に関する市債の償還は終了しつつあり、一時期よりは割合が低下傾向にあるが、今後も施設の新設・更新のための起債が見込まれるため、高止まりが予想される。今後の建設事業等においても、できる限り起債に頼らない財源確保を行い、元金償還以上の起債を極力抑制することで、公債費の削減に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体、大阪府の平均をそれぞれ下回っている。経常経費の中で大きなウエイトを公債費が占めているため、それ以外の支出を抑制して収支のバランスを保っていることが要因となっている。しかしながら、扶助費や物件費等の数値が増加傾向であり、今後も事業の精査や効率化、市長戦略による民間活力の導入等を進め、公債費以外の支出全般について抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

上記の各グラフが示すように、公債費以外の全ての費目について、一人当たりのコストが類似団体平均を下回っており、特に総務費、消防費については、類似団体の中で最小またはそれに近い数値となっている。この各数値には、財政健全化を進めるなかで、各事業の見直しを行い、その財源で市債の償還、土地開発公社の負債の解消を行っているという背景が表れている。特に総務費については、総務・管理部門の人員削減を進めたことや、庁舎・自治振興施設の整備等を極力抑えてきた結果であり、消防費については、市域が狭く、またその半分を山間部に占められていることから、支所等が必要無く、結果的に費用が抑えられている形となっている。教育費については、平成27年度に新学校給食センターを整備したことから、一時的に大幅な上昇となったが、その整備が終了し、これまでの水準に戻っている。公共施設やインフラの維持的経費までも抑えながら財政運営を行ってきた結果が上記グラフであり、今後の施設の更新や長寿命化を行うため、選択と集中を行いながら、より良い住民サービスを行える財政運営に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

性質別歳出の特筆すべき点としては、人件費、公債費が類似団体平均を上回っていること、物件費、補助費等が大きく類似団体平均を下回っていることが挙げられる。この要因としては、消防・給食調理・ごみ収集等を直営で行っている本市では、類似団体に比べて職員給与費等が多くなり、その分業務委託に関する費用や一部事務組合への負担金等が抑えられているため、物件費、補助費等が少ないことが大きい。普通建設事業費については、平成27年度に新学校給食センターが完成したことから、決算額が増加し類似団体を若干上回ったが、投資的な事業をできる限り抑制している状況であり、28年度は他の年度と同様の低い水準になっている。公債費については、平成の初頭に行った都市基盤整備について、多額の起債を行ったこと及び、本市の懸案事項である土地開発公社の健全化のため、公社用地の買戻しについての起債を行っていることから、高い水準となっている。今後、人件費の抑制や、公債費の低減のため、業務の効率化や市長戦略に基づく民間活力の導入を進めながら、市債の新規発行を抑制して公債費の抑制に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

近年は、財政健全化計画の実施などから歳出削減を行ってきた結果、基金を減らすことなく実質収支で黒字を維持することができている。しかしながら、今後は社会保障関連経費の増加や、施設の更新、老朽化対策及び再配置等の費用、それに係る公債費負担の増加による財政状況の悪化が懸念されるところであり、それらに対応するために、黒字の一部については、財政調整基金への積立を行っている。事業の精査、選択と集中により、慢性的な基金の取り崩しを防ぎながら、適正な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

過去より連結実質赤字比率は黒字で推移しており、平成24年度からはすべての会計において黒字となっている。この連結における黒字額の多くは水道事業に依存している状態であり、今後、高齢化による社会保障経費の増加に伴い、介護保険会計等で収支が悪化する可能性もあることから、一般会計だけでなく、市全体としてバランスのとれた適正な市政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

平成28年度における実質公債費比率は13.1%となっており、平成27年度の13.0%と比較し0.1ポイント悪化している。過去の大型事業に対する市債の償還が終了してきていることから、元利償還金は減少してきているものの、それに対する交付税の算入措置等も終了していることや、平成25年度単年度が一時的に低く、その数値が平成28年度の比率を計算する3年平均の数値から外れたため悪化となった。類似団体と比較すると、依然として高い比率となっており、新学校給食センターや新ごみ処理場の整備に係る市債の償還が数年後から始まることで、更に数値の悪化が予想される。今後は、新規発行の抑制や低利率での借入を行うなど、比率の改善に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

平成28年度における将来負担比率は142.3%となっており、平成27年度の169.9%と比べ27.6ポイント改善したが、全国的に見てもいまだ非常に高い数値となっている。この要因としては、都市基盤整備に伴う多額の市債の発行や、土地開発公社において、第二京阪道路関連用地等の多額の用地取得を行ったことにより、多額の債務を抱えることが挙げられる。ここ数年は公社用地の計画的な買戻し等を行い、順調に比率は低下しているものの、老朽化した施設の更新や長寿命化等の費用について、新たな市債の発行による比率の悪化が見込まれるところである。また、新ごみ処理場の整備により、一部事務組合の負担見込額も増加する予定である。今後も土地開発公社の健全化を進めつつ、新規の公共投資については選択と集中を行うことで、市民サービスへの投資を行いながら、数値の改善に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は70%近い値となっており、全国平均、府平均及び類似団体内平均値の全てにおいて、上回る値となっている。これは、負債総額の圧縮を図るなど財政健全化を進めるにあたり、施設の更新や大規模な改修等を先延ばしにしてきた結果であるといえる。平成28年度決算に係る固定資産台帳については、平成30年1月1日現在で整備中のため、28年度の当該団体値は表示されていないが、さらに一定の上昇が見込まれている。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については全国的に見ても高い数値となっているが、財政健全化への取組により減少傾向となっている。一方、有形固定資産減価償却率も高い数値となっており、財政健全化への取組のために、施設の老朽化対策等が後回しになっていることが表れている。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

土地開発公社による市の規模に見合わない多額の用地取得が過去に行われた影響などから、将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体内平均値に比べて高い数値となっているが、どちらも近年は減少傾向とはなっている。近年は公社用地について計画的に買戻しが進んでいることや、平成の初頭に行った都市基盤の整備にかかる市債の償還が終了してきたことなどから、このような結果となっているが、今後も起債による公社用地の買戻しや、公共施設の老朽化対策等を進める必要があるため、実質公債費比率については、今後大きな減少は見込めない見通しとなっている。よって、更なる土地開発公社の健全化、市債の発行の抑制などの取組を進め、比率の改善に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値と比較して全般的に高い傾向にある。特に、有形固定資産減価償却率が高い施設は、「公営住宅」、「認定こども園・幼稚園・保育所」及び「学校施設」であり、減価償却率が9割を超えている状態となっている。これは、市営住宅が全て耐用年数を超えていることや、学校や保育施設等についてもそのほとんどが昭和40年代半ばから50年代にかけて建設されており、施設の老朽化が進んでいることが要因として挙げられる。一方、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値と比較して低い施設は、「道路」である。道路については、毎年一定の更新改修を進めているため、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値より低く、一定の数値で落ち着いている。また、一人当たりの施設の面積や延長については、全体的に低い傾向にあり、特に道路延長については市域の面積が小さいため、小さい数値となっている。このことからも、道路の改修費用負担が比較的少なく、順次改修を進められている状況が把握できる。今後は、上記の大半の施設が築30年以上を経過していることから、「交野市公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の更新、統廃合、長寿命化等を計画的に行い、良質で持続可能な公共施設サービスが提供できるよう取り組んでいく。なお、平成28年度決算に係る固定資産台帳については、平成30年1月1日時点で整備中のため、当該団体値等は表示されていない。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値と比較して高い施設は、「市民会館」、「消防施設」及び「庁舎」である。これらの施設のほとんどが昭和40年代半ばから50年代にかけて建設されているため、減価償却が進み、全体的に耐用年数が近付いていることが要因として挙げられる。一方、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値と比較して低い施設は、「一般廃棄物処理施設」である。これは、ごみ処理等を一部事務組合で処理を行っているため、他団体と比較して、市が保有する資産が少ないことが影響していると考えられる。また、一人当たり面積については、市域が狭いことから、消防署、図書館がそれぞれ一か所しかなく一人当たり面積が狭い一方、比較的大規模な総合体育施設があることにより、体育館・プールについては一人当たり面積が広くなっている。今後、施設の減価償却の進み方をふまえながら、施設の更新、長寿命化を進めていく必要があるため、「交野市公共施設等総合管理計画」に基づき、良質で持続可能な公共施設サービスが提供できるよう取り組んでいく。なお、平成28年度決算に係る固定資産台帳については、平成30年1月1日時点で整備中のため、当該団体値等は表示されていない。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が平成28年度開始時と比較して、479百万円の減少(▲0.7%)となった。事業用資産については、学校施設の改修等による資産の増加を減価償却額が上回ったため、512百万円の減少(▲1.2%)となった。一方、流動資産のうち基金については、前年の黒字額に対しての財政調整基金への積立により、337百万円の増加(+11.2%)となった。負債総額については、地方債残高の圧縮により、1,043百万円の減少(▲2.9%)となった。資産総額における有形固定資産の割合は88.9%となっており、非常に高い割合を占めている。今後の施設の維持管理や更新等については、将来の負担を伴う事業となるため、公共施設総合管理計画に基づいた適切な施設管理を進めるとともに、今後の支出に備えた基金等の積立を進めていく。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用が20,206百万円となり、人件費等の業務費用は11,339百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は8,867百万円となっている。なお、最も金額が大きいのは人件費の5,371百万円であり、経常費用のうち26.6%を占めている。これは消防組織を市単独で維持していることや、給食調理やごみ収集を直営で行っていることが理由に挙げられる。今後、ごみ処理施設の新設に伴い、一部事務組合への補助費の増加が想定されていることから、事業の見直しや業務の民間委託を推進し、人件費の抑制に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(20,089百万円)が純行政コスト(19,539百万円)を上回ったことから、本年度差額は550百万円となり、純資産残高は564百万円の増加となった。この要因としては、学校施設の防災機能強化事業に関する国庫補助金の額が財源に一括で計上される一方で、減価償却の費用計上が耐用年数に応じて年度ごとになされることが考えられる。また、税の徴収率が高く、税収を確保できていることも純資産が増加した要因と考えられる。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は2,741百万円であったが、投資活動収支については、学校施設の防災機能強化事業等施設の整備や、基金への積極的な積立を行ったことから、▲1,463百万円となった。また、財務活動収支については、地方債の償還額を上回らないように地方債発行を行うように努めていることから、▲1,258百万円となった。そして、本年度資金収支額は20百万円となり、基金への積立を進め、地方債の発行を抑えた上でも収支はプラスとなっている。今後も資金収支のバランスを保てるように行財政改革の推進に努める。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額が類似団体平均値を下回っているが、これは、比較的市の面積が小さく、施設の数が少ないことや道路の延長が短いことが影響していると考えられる。また、取得価格が不明であるものが多く、備忘価額1円で評価をしているものも多いことから、評価額による資産計上ができている団体よりも低くなっている。有形固定資産減価償却率については、昭和40年代から50年代にかけて整備された資産が多く、更新時期を迎えているが、財政健全化の取組により投資的な予算をこれまで抑えてきた経過から、類似団体に比べて高い数値となっている。今後、施設の計画的な更新、長寿命化を行い、適正管理を進める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均値を下回っているが、これは市の懸案事項である土地開発公社の保有地について、地方債を発行して継続的に買戻しを続けており、地方債残高が多くなっているためである。ただし、34,389百万円の負債のうち、地方交付税の不足を補うための特例的な地方債である臨時財政対策債が3割以上を占めており、この割合は年々増加している。今後も、国の制度により発行がほぼ不可欠となっている臨時財政対策債以外の地方債発行は極力抑制し、必要以上に負担を先送りしないように努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を下回っている。これは、これまでの財政健全化の取組の中で、経常的な費用を削減してきたことや、社会保障給付としての扶助費や他会計への繰出金が比較的少ないことが要因として挙げられる。今後、更なる行政運営の効率化を図るため、民間活力の導入などによる人件費の削減など、行政コストの圧縮に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均値と同程度であり、地方債を償還額以上に発行していないため、今後も減少が見込まれる。なお、臨時財政対策債以外の負債額については、年度当初から1,291百万円減少している。また、基礎的財政収支については、業務活動収支の黒字分が投資活動収支の赤字分を上回ったため1,889百万円となっている。これは、地方債の発行や基金の取り崩しに頼らず歳入歳出のバランスが取れている状態であり、今後もこのバランスを維持できるよう、行政コストの圧縮等に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均値と同程度となってい入る。今後、施設の老朽化等による維持補修等の費用の増嵩が見込まれることから、公共施設等総合管理計画による適正な施設管理を進める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,