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地方財政ダッシュボード

長野県中川村の財政状況

🏠中川村

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

令和2年国勢調査で、村の人口は4,651人と5年前の同調査に比べ約200人減少(4.3%の減)となり、今後も減少傾向は続く見込みとなっている。さらに65歳以上の割合は36.1%に達し、それに伴い生産年齢人口も年々減少している。これら人口減少及び少子高齢化等により、財政基盤が脆弱なものとなっている。村では、第6次総合計画や第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略等の長期計画を基本に、課題である少子高齢化対策や地域力の維持、子育て支援、地域資源を活かした村の魅力創生等の取り組みとあわせ、DXなど行政効率化を進めることにより、財政健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

令和4年度までパートタイム会計年度任用職員の職員給として扱っていた費用のうち、令和5年度からフルタイム会計年度任用職員の職員給として別に計上したことで、人件費充当経常一般財源等が対前年度比25.2%の増となったため、比率が対前年度比5.3ポイント上昇した。類似団体の平均値を下回っているものの、公営企業会計への繰出にあたる補助費について、今後、水道事業及び下水道施設等の老朽化対策等により比率を押し上げる可能性が高いため、更なる水洗化率と使用料徴収率の向上を図り、DX化などの事務事業の見直し、近隣市町村との広域化などの検討を進め経営基盤の強化に取り組んでいく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均を下回っている要因として、事務経費の節減(加除法規などのWeb化、事務消耗品や受信料等の一括支払い等)に努めているほか、大規模施設の高圧電気料について、プロバイダーを通じた電力供給を行い、年間約200~350万円の電気料の節減を図っている。なお、プロバイダーを通じた電力については環境面に配慮し、令和5年度からは実質CO2排出ゼロのものとしている。

ラスパイレス指数の分析欄

平成18年度実施の給与構造見直しの中で類似団体平均を上回った。それ以降は、類似団体平均の近似値が続いているが、いずれも国の給与水準を下回っており、今後も類似団体平均値とほぼ同水準で推移するよう各種手当や給与等の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

集中改革プランによる計画的な定数管理により、類似団体平均を下回っている。あわせて、令和2年10月には組織機構の見直しを実施し、適正な行政サービスの提供に向けた取り組みを進めている。今後は、職員配置が必要な施設の精査や課数の適正化なども検討する必要がある。

実質公債費比率の分析欄

前年度比0.3%増の-1.0%となり、類似団体平均を大幅に下回っている。主な要因として、過去に実施した大型事業(文化センター建設や下水道事業など)の公債費のピークが過ぎたことが挙げられる。引き続き、老朽化施設の大規模改修や建替えなど大型事業を行う際は、国県の補助金や交付金とセットで起債借入れを行うなど、できる限り公債費の抑制策と平準化策を併せて財政運営を行っていく。

将来負担比率の分析欄

前年度に引き続き、健全と判断される指標となっている。主な要因としては、過去に実施した大型事業(文化センター建設や下水道事業など)の公債費のピークが過ぎたことが挙げられる。今後も、公債費等義務的経費の抑制及び平準化を中心とする財政運営を進め健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

令和4年度までパートタイム会計年度任用職員の職員給として扱っていた費用のうち、令和5年度からフルタイム会計年度任用職員の職員給として別に計上したことで、類似団体平均値より高い水準となった。これは、保育所や子育て関連施設、地域活動支援施設などの施設運営のほか、村営巡回バスやデマンド乗り合い送迎サービスなどの公共交通を直営で行っていることが要因であり、行政サービスの提供方法の差異によるものと言える。また、すでに一部施設においては、指定管理者制度の導入を行っており、今後も順次民間委託化を検討し、コスト削減に努める。

物件費の分析欄

平成18年度以降、公共用施設について指定管理者制度を導入し利活用を図っている。また、事務経費の節減(加除法規などのWeb化、事務消耗品や受信料等の一括支払い等)に努めているほか、大規模施設の高圧電気料について、プロバイダーを通じた電力供給を行い、年間約200~350万円の電気料の節減を図っている。なお、プロバイダーを通じた電力については環境面に配慮し、令和5年度からは実質CO2排出ゼロのものとしている。

扶助費の分析欄

扶助費は年々増加しており、類似団体を上回っている。福祉医療費給付や自立支援医療給付(重度利用サービス等)の増加など、当該費目は今後も上昇傾向が続く見込みのため、適正な給付となるよう精確な資格審査を行いつつ、予防事業を推進することで受給者数及び給付費の減少に努めていく。

その他の分析欄

令和元年度まで全国及び県平均を上回っていたが、令和2年度に公共下水道事業及び農業集落排水事業が法適用の公営企業会計に移行したことで繰出金が減となり類似団体平均を下回った。今後、数値を上げる要因となる国保・介護保険事業会計への繰出について、保険料の適正化や予防事業を推進することにより受給者数及び給付費の減少に努める。

補助費等の分析欄

令和元年度まで類似団体平均を下回っていたが、令和2年度に公共下水道事業及び農業集落排水事業が法適用の公営企業会計に移行したことで補助費が大幅増となっている。引き続き、下水道事業においては、更なる水洗化率と使用料徴収率の向上を図り、またDX化などの事務事業の見直し、近隣市町村との広域化などの検討を進め、経営基盤の強化に取り組み補助費の軽減を図っていく。

公債費の分析欄

平成10年度までに集中的に実施した教育文化施設整備等の負担が徐々に縮小してきたことなどにより、平成21年度を境に類似団体を下回る状態まで改善している。引き続き、財政規律に則った財政運営を行っていく。

公債費以外の分析欄

人件費の増により類似団体平均を上回った。子どもからお年寄りまでが安心して暮らし続けられる村となるよう、福祉や教育、防災に充分な額を確保できるハードとソフト事業のバランスのとれた財政運営を基本としながら、住民が必要とする事業を見極め、コスト削減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体内平均値に対しては、すべて下回っている。今後、昭和50年代に建設された学校教育施設の更新や平成10年度までに集中的に実施した教育文化施設等の老朽化に伴う大規模改修や更新が必要となってくることから、歳出については教育費を中心に増加することが見込まれる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

類似団体内平均値に対しては、すべて下回っている。主な構成項目である補助費については、令和2年度に公共下水道事業及び農業集落排水事業が法適用の公営企業会計に移行したことで、以降大幅増となっている。普通建設事業費については、更新整備に住民一人当たり10万円を超えており、今後、公共施設やインフラの老朽化対策の起債額が大きくなることに加え、大規模施設の計画も見込まれるため、長期計画及び財政規律に則った財政運営がこれまで以上に求められる。扶助費については、福祉医療費給付や自立支援医療給付(重度利用サービス等)の増加など、今後上昇傾向となる見込みのため、適正な給付となるよう精確な資格審査を行いつつ、予防事業を推進することで受給者数及び給付費の減少に努め、住民が安心して暮らし続けられる村となるよう、福祉・扶助費に充分な額を確保配分ができるようバランスのとれた財政運営を行っていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

令和5年度については、リニア関連事業による物件費の増や道路改良事業による普通建設事業費の増などにより、歳出全体で対前年度比2.2%の増となったことで、実質単年度収支は赤字となったが、行財政改革を進めていることにより、実質収支額は引き続き黒字を確保している。財政調整基金残高は、適切な財源の確保と歳出の精査により、取崩しを回避するとともに積立を行ったことで増加し、標準財政規模比は40.03%と上昇している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

令和5年度決算は、各会計いずれも実質赤字、資金不足は発生していない。ただし、多くの特別会計では使用料などその会計の独自収入のみで収支が均衡している訳ではなく、操出基準等のルールに基づき一般会計からの資金を繰り出すことにより運営しているため、引き続き財政の健全化に取り組んでいく。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

起債の抑制及び平準化策を実施しているため、ほぼ横ばいで元利償還金は推移しているが、今後、昭和50年代に建設された学校教育施設の更新や平成10年度までに集中的に実施した教育文化施設等の老朽化に伴う大規模改修や更新や、上水道を中心に老朽管の更新や処理場などの維持補修及び更新など公債費が増加する要因があり、注意が必要である。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担額については全体的には減少しているものの、組合等負担については、昭和伊南総合病院の建替計画があることから、組合等負担等見込額は増加していくことが見込まれる。充当可能財源等は、基金の積み増しにより充当可能基金額は増加しているが、基準財政需要額算入見込額は減となっており、注視が必要となっている。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)令和5年度末の基金残高は、約31億3,300万円となっており、前年度から約2億4,200万円増加している。これは、公共施設等整備基金に約2億2,300万円を積立てたこと等によるものである。(今後の方針)村税の減収などの不測の事態への対応に加え、東海地震や南海トラフ地震等甚大な被害の発生をもたらす大震災等不測の事態、また老朽化した公共施設の更新整備や大規模改修など、今後の財政需要の増大にも適切に対応していけるように一定額を確保していく。しかし、現在の基金残高では、短期的な歳入不足や災害などの緊急に不測の事態には十分な額を備えているが、長期的な財源不足が生じた場合には不足する恐れが高いことから、さらなる積立てや収入確保策に努めていく。今後も長期的な財政の持続可能性を見据えたうえで、各種施設の更新計画や長寿命化策を示した中長期計画に基づく予算編成により、村債や基金の適切な管理と公共施設の管理を行い、次世代へ負担を先延ばししない責任ある財政運営を行っていく。

財政調整基金

(増減理由)令和5年度末の基金残高は約10億7,300万円となっており、基金利子分の積立てを行ったことで前年度から約78万円の増としている。平成18年度以降、財政構造改革として、歳入歳出両面にわたる取組を進めてきたが、そうした取組をしてもなお、解消できない財源不足額や、災害や国方針の対応については、財源調整的な基金の取り崩し等により対応してきた。(今後の方針)一般的な財政調整基金積立適正額は標準財政規模の10~20%であり、令和5年度末時点では40.03%にあたる基金額となっている。現在の積立額は短期的な緊急事態には対応ができる額だが、長期的な財源不足が生じた場合には不足する恐れが高い。金利の値上がりによる景気後退、それに伴う村税や交付税の減収、また公債費利子の増加など、今度の不測の事態に備えるため、これまで以上に長期計画及び財政規律に則った財政運営が求められる。

減債基金

(増減理由)令和5年度末の基金残高は約1億5,300万円となっており、普通交付税再算定増額分の一部が臨時財政対策債償還基金への財源として交付されたこと、また、基金利子分の積立てを行ったことで、前年度から約944万円の増としている。(今後の方針)今後の金利変動等の公債費の償還リスクに備えるため、引き続き有利な起債と言われる過疎債及び辺地債を中心に借入れを行い、大型事業事業については、起債以外の国県補助金の財源確保を検討し、各年度の起債額の平準化策を引き続き進める。

その他特定目的基金

(基金の使途)(1)公共施設等整備基金:将来における公共施設等の維持補修・整備に必要な費用の財源に充てる(2)災害対策基金:災害予防対策、災害応急対策及び災害復旧に要する経費等の財源に充てる(3)地域づくり基金:ふるさと応援寄附金要綱に定める寄附金使途、地方創生事業、地域づくり補助金等の費用の財源に充てる(4)地域医療確保対策基金:地域医療の確保対策費用の財源に充てる(5)福祉基金:福祉の向上、快適な生活環境の形成等を図る費用の財源に充てる(増減理由)(1)公共施設等整備基金:長期計画に則った財政運営を行ったことにより、約2億2,300万円の積立てを実施した(2)災害対策基金:長期計画に則った財政運営を行ったことにより、約1万円の積立てを実施した(3)地域づくり基金:ふるさと応援寄附を原資として、約787万円の積み増しを実施した(4)地域医療確保対策基金:長期計画に則った財政運営を行ったことにより、約20万円の積立てを実施した(5)福祉基金:長期計画に則った財政運営を行ったことにより、約20万円の積立てを実施した(今後の方針)(1)公共施設等整備基金:今後、昭和50年代以降に建設した学校や文化施設の老朽化に伴う建替えや大規模改修の課題が、2020年代後半から顕在化してくるため、毎年度積立てを実施できるよう努める。(3)地域づくり基金:基金の財源となる「ふるさと応援寄附金」の増額を図るため、村内事業者と連携し返礼品となる農産物や製造品の魅力を高めると同時に取扱量を安定化させ、村の重点事業である子育て支援及び教育環境整備等の財源に充当できるよう拡充をめざす。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率については、建設から30年を経過した施設が増えているため、増加傾向にあり、類似団体内平均値を上回っている。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、施設更新時期等にはその施設に係る事務事業や利用価値について再検討し、縮減、統合、廃止の可能性についても検討していく。

債務償還比率の分析欄

大型事業の償還終了等により、類似団体内平均値と比較すると低い値となっている。今後も債務償還比率については300%を上限の目安と捉え、借入総額の制限を行い、償還額の平準化に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、算定数値「無し」で類似団体内平均値を大きく下回っている。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値よりも高く、上昇傾向にあるが、主な要因としては昭和50年代に建設された小中学校3校が有形固定資産減価償却率90.3%、同年代に建設された役場庁舎が同87.3%であることなどが挙げられる。老朽化対策に取り組むとともに、施設更新時期等には利用価値等についても再検討し、縮減、統合、廃止の可能性についても検討していくことが必要である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、ここ数年の繰上償還により元利償還金が減少しており、準元利償還金を含めた実負担額についても減少傾向にある。ただし、今後想定される公共施設の老朽化に伴う整備を見込み、過疎債のソフト事業を有効に活用し、計画的な起債発行とより効率的な財政運営に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路、橋りょう・トンネル、公営住宅については、類似団体内平均値と比較して、有形固定資産減価償却率及び一人当たりの各数値ともに低くなっている。特に低くなっている道路については、毎年度計画的に道路改良を行っていることが要因。保育所及び学校施設については、類似団体内平均値と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている。中学校が建設から40年以上経過し、小学校や保育所も30年を超えているため、老朽化対策に取り組むとともに、施設更新時期等には、その時の状況等も踏まえながら、縮減、統合等の可能性についても検討していくことが必要である。今後見込まれる人口減少、高齢化、ニーズの変化等に対応するため、施設更新時期等にはその施設に係る事務事業や利用価値について再検討し、縮減、統合、廃止の可能性についても検討していくことが必要である。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

庁舎類似団体内平均値と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっているのは保健センターと庁舎であり、それぞれ建設後の30~40年を経過しているためである。一般廃棄物処理施設については、新処理施設(広域連合)の建設があったため、類似団体内平均値と比較して有形固定資産減価償却率が低くなっている。一人当たりの面積では、市民会館及び体育館については、社会教育の複合施設である文化センターや屋内運動場を所有しているため、一人当たりの床面積が高めとなっている。一方、体育館と市民会館以外の一人当たりの床面積については、類似団体内平均を下回っている。今後見込まれる人口減少、高齢化、ニーズの変化等に対応するため、施設更新時期等にはその施設に係る事務事業や利用価値について再検討し、縮減、統合、廃止の可能性についても検討していくことが必要である。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から935百万円減少(-3.7%)し、負債総額は前年度末から44百万円増加(+1.3%)した。資産で金額の変動が大きいものはインフラ資産(建物及び工作物)で、道路改良事業等の実施による資産の取得額を、減価償却による資産の減少が上回ったこと等から1,011百万円減少した。工作物の主は、道路や水路であり、今後、劣化による維持補修費の増加が懸念され、長寿命化対策も行っていく必要がある。当村においては、資産総額のうち有形固定資産の割合が83.4%となっており、これらの資産は将来の維持管理・更新等の支出を伴うものであることから、今後見込まれる少子高齢化による人口減少や、公共事業に対するニーズの変化に対応しながら、引き続き、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。一方、負債で金額の変動が最も大きいものは地方債(固定負債)であり、大型事業による起債の新規発行に伴い、75百万円増加した。平時は年間元金償還額内に起債発行額を抑えるなどの適正な起債管理を実施し、将来的な負担を含め財政の健全化を図る。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は4,761百万円となり、前年度比286百万円の増加(+6.4%)となった。このうち、金額の変動が最も大きいものは物件費であり、前年度比189百万円の増加(+32.3%)となった。そのほか、業務費用の方が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(2,483百万円、前年度比+215千円)であり、純行政コストの56.1%を占めている。施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(3,445百万円)が純行政コスト(4,424百万円)を下回っており、本年度差額は△979百万円となり、純資産残高は979百万円の減少となった。地方税の徴収業務の強化等により税収等の増加に努める。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は659百万円であったが、投資活動収支については、緊急時や今後の公共施設等の更新などに備えるための基金積立金支出の増などにより、△764百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を下回ったことから、58百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から47百万円減少し、492百万円となった。今後、公共施設の建替え及び大規模修繕など大型借入が計画されていることから、その償還により財務活動収支はマイナスになることが想定される。少子高齢化による人口減少及びインフラの維持補修の増加が見込まれる中では、借入額が償還額を上回らないよう補助金など起債以外の財源も確保するなど、将来的な負担を含め財政の健全化を図る。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均を大きく下回っているが、当団体では、道路や河川の敷地のうち、取得価額が不明であるため、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためである。有形固定資産減価償却率については、昭和50年代に建設された学校教育施設等の更新時期が迫っており、類似団体より高い水準にある。また、これらの公共施設等の老朽化に伴い、前年度より2.2%上昇している。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均を上回っているものの、純行政コストが税収等の財源を上回っており、純資産比率は昨年度から0.7%減少している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が消費して便益を享受したことを意味するため、事務事業の見直し、組織機構の簡素合理化など、効率的な財政運営により、行政コストの削減に努めていく。将来世代負担比率は、類似団体平均を下回っており、今後も新規に発行する地方債の抑制を行うとともに、高利率の地方債の借換えを行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体平均を下回っているが、昨年度から2.2万円増加している。また、純行政コストのうち物件費等が半分以上を占めるため、施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を下回っており、前年度から1.7万円増加している。地方債の償還額が地方債発行収入を下回ったことから、地方債(固定負債)が増加し、全体として負債額も増加した。基礎的財政収支は、基金積立支出及び基金取崩収入を除いた投資活動収支の赤字分を業務活動収支の黒字分が上回ったため、192百万円となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、緊急時や今後の公共施設等の更新などに備えるため、基金への積立を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均を上回っており、経常収益の増などにより、前年度から2.3%増加した。今後も公共施設の使用率の見える化を含め、使用料の見直しなど、受益者負担の適正化を図っていく必要がある。また、今後見込まれる人口減少、高齢化、ニーズ等の変化に対応するため、施設更新時にはその施設の必要性や効果などについても精査し、施設の廃止、統合、縮減についても検討していくことが重要。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,