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地方財政ダッシュボード

東京都福生市の財政状況(2022年度)

🏠福生市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は前年度比0.01ポイント減少し、類似団体平均を0.02ポイント上回る結果となった。財政力指数はほぼ横ばいではあるが、人口は依然として減少傾向である。引き続き事務事業の見直しや改善による歳出削減、歳入の確保に努め財政力の維持、向上を図っていく。

経常収支比率の分析欄

前年度より1.1ポイント減少し、類似団体平均より7.5ポイント低い84.6%となり、減少傾向となった。分母となる経常一般財源は、主に個人市民税や固定資産税の増による地方税の増や企業収益の増及び算定方法の変更に伴う法人事業税交付金の増や国有提供施設等所在市町村助成交付金等により前年度比273百万円の増となった。分子にあたる経常経費充当一般財源は原油価格・物価高騰の影響に伴う光熱水費の増等による物件費71百万円の増や、人件費125百万円の増、繰出金90百万円の増等により、全体で前年度比75百万円の増となった。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均、全国平均、東京都平均のいずれよりも高くなっている。人件費は退職者数の増に伴う退職金の増等により115百万の増。物件費は新型コロナウイルスワクチン接種事業に係る予防接種委託料やコールセンター運営等委託料、集団接種会場等運営委託料の減により52百万の減となっているが、人口1人当たり人件費・物件費等決算額としては、依然として類似団体平均と比べても高くなっている。今後も人件費及び物件費の適正化や見直しを行い、コスト意識をもった財政運営に取り組む。

ラスパイレス指数の分析欄

福生市のラスパイレス指数が高くなる要因は、職員の年齢構成が挙げられる。福生市は昭和45年の市制施行前後に大量に採用した職員が、平成25年前後から定年退職を迎えており、退職した管理職職員の後任として、比較的若い職員が昇任する状況がある。この結果、役職に応じた給料が支給されることで、他の団体の同じ勤続年数の職員と比較して給料額が高くなったために、ラスパイレス指数を上昇させていると考えられる。令和4年度は職員構成の変動により減少したが、引き続き職務・職責に応じた給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年度比0.19ポイント増加し6.46人、類似団体内平均と比較すると0.08ポイント低い結果であり、正規職員数は前年度と比較し10名増となった。職員数の削減というのはかねてよりの課題であるため、第7次行政改革大綱では、人数ではなく、人件費の中の職員給の構成比率に着目し、普通会計に占める職員給の構成比率東京都26市平均以下という指標を設定している。令和4年度は、普通会計に占める職員給の構成比率は福生市は8.3%、26市平均は7.6%となっているため目標に対しては未達となっている。

実質公債費比率の分析欄

前年度から0.2%増加し、-2.8%となった。類似団体と比較し起債借入額が少ないため、類似団体内順位では前年度と変わらず1位となっている。今後も適切な範囲で地方債借入を行っていく。また、施設保全・改修計画に沿って公共施設の予防保全を行っていくため、今後、起債の借入が増加することが見込まれる。

将来負担比率の分析欄

引き続き福生市では将来負担比率は0%を下回っており、類似団体内順位でも前年同様1位となっている。都市基盤整備の際は、各種補助金を積極的に活用するなど地方債や一般財源の抑制を図っているが、今後も世代間の負担の公平化等も考慮しつつ、将来負担の健全化に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費の割合は前年度比0.4ポイント増となった。退職者増に伴う退職金の増や職員数及び給与改定に伴う給料の増等の影響により増加となった。類似団体内平均、東京都平均いずれと比較しても高い傾向にあるため、引き続き事務事業の改善や見直しによる業務の効率化等を図り人件費の抑制に努めていく。

物件費の分析欄

物件費の割合は前年度比0.1ポイントの増、類似団体内平均より1.7ポイント高い18.1%となった。無償化等の影響による接種者数増に伴う高齢者インフルエンザ予防接種事業の予防接種委託料の増や小学校ICT推進事業の電算機借上料の増等により増加している。物件費の大半を各種委託料が占めており、委託内容の見直しや、事務事業の改善・効率化に伴う新規委託の実施等、行政コストの効率化に努めていく。

扶助費の分析欄

扶助費の割合は前年度比0.5ポイント減の15.1%となった。類似団体内平均12.4%との差は2.7ポイントと、依然として大きい。歳出額は児童福祉費の児童手当や社会福祉費の住居確保給付金、生活保護費の扶助費等の減に伴い前年度より減少している。一方障害者福祉費の訓練等給付費や障害児通所給付費等は増加している。

その他の分析欄

その他は前年度比0.5ポイントの増、類似団体内平均より0.9ポイント低い11.7%となった。繰出金は前年度比0.4ポイントの増で、特別会計繰出金の増等が主な要因となっている。施設や設備の老朽化に伴う維持補修費については、費用の平準化を目的とした施設保全・改修計画に沿った予防保全を引き続き実施していく。

補助費等の分析欄

補助費等は、前年度比1.4ポイントの減、類似団体内平均より1.9ポイント低い10.4%となった。類似団体内平均を下回っており、全国及び東京都の平均と比較しても、低い傾向にある。補助費等の多くが一部事務組合等への補助金や負担金となっている。補助内容の見直しも含め、適正化を図っていく。

公債費の分析欄

公債費の割合は前年度比0.2ポイントの減、類似団体内平均より9.3ポイント低い5.0%という結果となった。類似団体内順位は1位で、全国平均、東京都平均と比較しても大きく数値を下回っており、健全な数値といえる。平成30年度の臨時財政対策債、都市計画道路3・4・7号富士見通り線整備事業等の借入地方債の償還開始があるものの、償還が終了したものもあり、公債費総額は22百万円減少した。今後も適切な範囲で地方債借入を行っていく。

公債費以外の分析欄

前年度比0.9ポイントの減、類似団体内平均より1.8ポイント高い79.6%となった。扶助費、補助費等は前年度より減少しているが、人件費、物件費、繰出金等は前年度より増加している。公債費以外全体で見ると前年度より経常経費充当一般財源等は増加している。引き続き、事務事業の見直しや改善による歳出削減、歳入の確保に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

前年度と比較して、住民情報システムで使用する機器等を更新した総務費は住民一人当たり57,346円となっており4,942円増、中央図書館改良事業等を実施した教育費は住民一人当たり63,272円となり5,438円の増となった。また、商工費については、プレミアム付商品券事業等により住民一人当たり7,291円となっており2,168円の増となっている。土木費は都市計画道路3・4・7号富士見通り線整備事業における事業費の減などにより住民一人当たり47,066円となり4,097円の減となっている。議会費、労働費、消防費、教育費、民生費、衛生費の住民一人当たりの金額は類似団体平均、全国平均、東京都平均いずれよりも高い数値となっており、中でも議会費と労働費は突出して高い数値となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

福生市の歳出総額における住民一人当たりのコストは505,592円で、前年度比2,806円の増加となっている。歳出増加の要因としては、シニアお買物券配布事業、プレミアム付商品券事業、キャッシュレス決裁ポイント還元事業等による補助費等の増や都市施設整備基金費等による積立金の増等がある。そして、福生市の特徴として、扶助費が類似団体内平均と比較して高い水準にある。令和4年度の扶助費は前年度比で974百万円の減となっており、住民税非課税世帯等臨時特別給付金や子育て世帯への臨時特別給付金の減等が影響を与えている。また公債費の低さも一つの特徴で、これは現時点における将来世代への負担額の低さや健全な財政運営の現れであるといえる。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

実質単年度収支は前年同様黒字となった。実質収支額は令和元年度以降、望ましいとされる5%を上回っている。今後も財政需要を鑑みつつ歳入と歳出の均衡を図る必要がある。令和4年度の実質収支額について、令和3年度に続きプラス値となっているが、住民税非課税世帯等臨時特別給付金給付事業費国庫補助金の返還金等、令和5年度で返還しなければならない国や都の精算金が含まれていることや令和3年度からの繰越金が多かったこと等により実質収支が一時的に増えていると捉えている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

全ての会計において黒字決算となった。今後、国民健康保険特別会計は、適正税率と税収の確保、医療費適正化の取り組みを行い、一般会計からの繰入金を抑制する中で収支の均衡を図る必要がある。今後も歳出削減に努め、引き続き適正な財政運営に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

地方債残高は減少しており、元利償還金も減少している。臨時財政対策債の発行を抑えている為、算入公債費等が元利償還金より大幅に大きく、実質公債費比率の分子はマイナスとなっており、健全な財政運営が進められている。今後も、臨時財政対策債をはじめとする地方債に依存しない適正な財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

分子要因の一つである地方債残高は順調に減少している。公営企業債等繰入見込額や組合等負担等見込額は令和3年度と比較して増加し、将来負担額全体としては12百万円の増となった。充当可能基金をはじめとした充当可能財源等も増加し、将来負担額も増加したものの、分子の構造全体としては前年度比933百万円の減となった。今後も適切な起債発行や充当可能財源の確保等により、将来世代への負担軽減と健全な財政運営を図っていく。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)積立では、都市施設整備基金を福生駅西口地区市街地再開発事業等の大規模建設事業に備え約1,201百万円、防衛施設周辺整備調整交付金事業基金を約642百万円積み立てた。取崩しでは、都市施設整備基金を福生病院企業団負担金へ約190百万円、特定防衛施設周辺整備調整交付金事業基金を給食調理事業や小中学校ICT推進事業等へ約431百万円取り崩した。積立額が取崩し額を上回ったことから、基金全体では約1,117百万円の増となった。(今後の方針)福生駅西口地区市街地再開発事業等の大規模建設事業や学校施設をはじめとした公共施設の老朽化対策に備え、決算剰余金等を都市施設整備基金等へ積み立てていく。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金は基金の取り崩しがなかったこと、6号補正にて東日本大震災復興に係る地方税法の改正に伴う住民税均等割の令和3年度増税分等として約18百万円の積立を行ったことにより約18百万円の増となった。(今後の方針)財政調整基金は各年度間の財源の調整を図り、財政の効率的執行と健全な運営に資することを目的に設置している基金であるため、年度間の財源調整だけでなく、経済事情の著しい変化による財源不足や災害等に備えておく必要があると考える。

減債基金

(増減理由)利用していない。(今後の方針)利用していない。

その他特定目的基金

(基金の使途)都市施設整備基金:市の都市施設整備事業の資金に充当し、又は事業に供する土地をあらかじめ取得することにより事業の円滑な執行を図る学校施設等整備基金:福生市立小学校及び中学校の施設等の整備に要する資金に充当するものふるさと人づくりまちづくり基金:国際交流等による人材の育成及びふるさとと呼べるまちづくりの資金に充当するもの(増減理由)都市施設整備基金:福生病院企業団負担金へ充てるために190百万円を取り崩したが、今後の福生駅西口地区市街地再開発事業等の大規模建設事業へ備えるため、約1,200百万円の積み立てを行い、結果、約1,011百万円の増となった。特定防衛施設周辺整備調整交付金事業基金積立金:給食調理事業や小中学校ICT推進事業等へ約431百万円を取り崩したが、積立金の原資となる特定防衛施設周辺整備調整交付金が約642百万円となり、その総額を積み立てたことから、約211百万円の増となった。(今後の方針)福生駅西口地区市街地再開発事業等の大規模建設事業や学校施設をはじめとした公共施設の老朽化対策に備え、決算剰余金等を都市施設整備基金等へ積み立てていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は前年度対比プラス1.0ポイントとなる64.5%となった。令和3年度の減価償却率は全国平均及び類似団体平均、東京都平均よりも低い水準にあったが、令和4年度は全国平均及び東京都平均よりは低いが類似団体平均よりは高い水準となった。引き続き施設保全・改修計画に基づいた計画的な予防保全工事や老朽化対策への取り組みを進めていく。

債務償還比率の分析欄

地方債は返す以上には借りない、との方針のもと地方債の発行を抑制してきた結果が表れており、類似団体平均や全国平均と比較しても数値は下回っている。しかし今後は、老朽化した公共施設等の更新や長寿命化等により、地方債を借りる場面が増えることが想定され、より一層先を見通した計画的な財政運営に取り組む必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

昨年度に引き続き将来負担比率は0%を下回っており、有形固定資産減価償却率については、前年度対比プラス1.0ポイントとなる64.5%となった。有形固定資産減価償却率は依然として60%を超えており、昭和40年代から50年代にかけて集中的に整備された公共施設の老朽化問題は喫緊の課題である。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において公共施設の総延床面積を概ね40年間で20%削減することを目標に掲げている。総量抑制を原則として複合化・集約化等の検討を進めつつ、必要な公共施設に対して計画的な更新、管理に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

起債を極力抑制した財政運営により、将来負担比率・実質公債費比率ともに類似団体を大きく下回っている。今後も世代間の負担の公平化等も考慮しつつ、将来負担の健全化に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、橋りょう・トンネル、公民館であり、低くなっている施設は、公営住宅である。橋りょう・トンネルについては、有形固定資産減価償却率が74.1%と前年度と比較して増加し、類似団体平均の61.7%を依然として上回っている。今後も福生市橋りょう長寿命化修繕計画に則り、計画的な修繕や維持管理を図っていく。一方で公営住宅については、有形固定資産減価償却率が58.9%であり、類似団体平均の64.9%を下回っている。今後も施設の状況や財政状況を鑑み、福生市公営住宅等長寿命化計画に基いた維持管理を行っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっている施設は、消防施設、一般廃棄物処理施設、体育館・プールであり、特に低くなっている施設は、庁舎である。なかでも消防施設の有形固定資産減価償却率は、令和3年度増加に転じ、令和4年度88.1%と再び改善したが、類似団体内順位が98位と依然として高い順位にある。一方庁舎については、有形固定資産減価償却率が29.5%であり、類似団体平均の49.6%を大きく下回っている。平成20年度に建替えを行ったため、直ちに長寿命化への対応を行う必要はないと考えられるが、今後の施設の老朽化を見据え、維持管理費の平準化が図れるよう施設保全・改修計画に基づいた計画的な予防保全工事や老朽化対策への取り組みが重要である。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産の額は前年度比1,280百万円の増となっている。資産増加の主な要因は、都市施設整備基金や特定防衛施設周辺整備調整交付金事業基金などの特定目的基金の残高の増加や、防災行政無線(移動系)施設改良事業などによる物品の取得などが、減価償却費などの資産減少要因を上回ったことによるものである。負債の額は前年度比546百万円の減となっており、これは固定負債における地方債残高の減が主な要因となっている。減価償却の進んだ既存固定資産への対応等、公共施設等総合管理計画や、施設保全・改修計画に基づき、財政状況と財政需要を見通した対応をしていくことが重要である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、純経常行政コストは前年度比168百万円の減、純行政コストは前年度比319百万円の減となっている。プレミアム付商品券事業やシニアお買物券配布事業等による補助金等の増等があった一方で、前年度計上されていた子育て世帯への臨時特別給付金や住民税非課税世帯等臨時特別給付金が減となったこと等による社会保障給付(扶助費)の減もあり、減少要因が増加要因を上回ったことが主な要因である。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

本年度純資産は前年度比1,826百万円の増となった。これは、主に固定資産の増によるものである。本年度差額は前年度比198百万円の減となっており、財源における税収等や国県等補助金について517百万円減少した一方で、「2.行政コストの状況」にもあるように純行政コストも前年度比319百万円減少したことにより、純行政コストの減が財源の減を下回ったことから前年度より数値が減少することとなった

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は前年度比344百万円の減となっている。これは業務収入において子育て世帯等臨時特別支援事業費補助金の減等による国県等補助金収入の減によるものである。投資活動収支は前年度比254百万円の減となっている。これは収入において、国県等補助金収入や基金取崩収入が増、支出で公共施設等整備費支出と基金積立金支出が増と、歳入歳出共に増加し、その結果、支出の増が収入の増を上回ったことが要因である。財務活動収支は前年度比48百万円の減となっており、地方債償還額は前年度より23百万円減少したが、発行による収入が71百万円減少したことにより、収支で前年度末と比べて減となった。業務活動、投資活動及び財務活動の収支合計では208百万円で、前年度比646百万円の減となっている。これは業務活動収支において収入の減少が支出の減少を上回ったことによる要因が大きい。今後も施設保全計画に基づいた公共施設の老朽化、長寿命化対策等が控えていることから、全体の状況を適切に把握し、長期的な視点を持って計画的に財政運営を行うことが必要となる。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

類似団体平均値と比較すると住民一人当たり資産額及び有形固定資産減価償却率は高く、資産に対する歳入額は若干低い状況である。減価償却については償却が進んでいる施設も多いことから、公共施設等総合管理計画に基づき、今後の公共施設のあり方を見直し、計画的に資産管理を行うことや施設保全改修計画に基づいた計画的な予防保全工事や老朽化対策についても、実施していく必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

類似団体平均値と比較すると純資産比率は89.6%と16.7%高く、将来世代負担比率は2.9%と12.7%低い結果となっている。負債を構成している項目の一つである地方債について、返す以上には借りないとの方針のもとに起債を抑制していた結果がこの2つの指標に表れている。今後は老朽化する公共施設の更新等に起債を起こしていくことが予想されるため、数値は類似団体平均値に近づいていくものと思われる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、前年度と比較すると0.5万円の減、類似団体平均値と比較すると6.4万円多い状況にある。主に経常費用において、プレミアム付商品券事業やシニアお買物券配布事業等による補助金等の増等があった一方で、前年度計上されていた子育て世帯への臨時特別給付金や住民税非課税世帯等臨時特別給付金が減となったこと等による社会保障給付(扶助費)の減もあり、増加要因が減少要因を下回ったことに伴い、住民一人当たり行政コストも減少した。コストが高いことはそれだけ住民サービスが充実していると捉えることもできるが、その一方で無駄、もしくは過剰なコストをかけているという可能性もある。住民サービスの質を落とさずに効率性をさらに高めるために、近隣自治体・類似団体と比較しつつ、事務事業に対し適切なコストをかけていくことが重要である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

負債は前年度より54,552万円減少、住民一人当たり負債額も前年度より1万円減少、類似団体平均値と比較すると23.2万円少ない結果となっている。起債を制限していた効果が類似団体平均値と比較して顕著に表れている。今後は公共施設の更新等に合わせて増加していくことが予想される。基礎的財政収支は、前年度比375百万円の減、類似団体平均値と比較するとおよそ352.3百万円高い状況にある。これは業務活動収支において、子育て世帯等臨時特別支援事業費補助金の減等による国県等補助金収入が減少したことが主な要因となっている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は前年度より0.3%増加、類似団体平均値と比較すると1.3%低い状況にある。当市では平成29年度に「使用料・手数料受益者負担適正化方針」を策定し、この方針に基づき平成30年度に使用料手数料の条例改正し、平成31年4月から新たな料金体系を施行した。令和3年度にも方針や使用料等の見直しを行ったところだ。今後も継続的に見直しを行っていく方針である。また経常収益を増加させること以外に、経常費用についても抑制を図っていくことが必要である。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,