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地方財政ダッシュボード

東京都福生市の財政状況(2020年度)

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地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は前年度比0.01ポイント減少し、類似団体平均を0.04ポイント上回る結果となった。財政力指数はほぼ横ばいではあるが、人口は依然として減少傾向である。引き続き事務事業の見直しや改善による歳出削減、歳入の確保に努め財政力の維持、向上を図っていく。

経常収支比率の分析欄

前年度より1.1ポイント減少し、類似団体平均より3.3ポイント低い90.2%となり、減少傾向となった。分母となる経常一般財源は、消費税率の引き上げ及び暦日要因による地方消費税交付金の増や、地方交付税、株式譲渡所得割交付金、法人事業税交付金等の増により前年度対比245百万円の増となった。分子にあたる経常経費一般充当財源は保育所運営委託料の減等に伴う扶助費96百万円の減、人件費36百万円の減、補助費等34百万円の減等により、全体で前年度対比16百万円の減となった。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均、全国平均、東京都平均のいずれも増加となっている。人件費は会計年度任用職員の導入等により42百万の増。物件費はふっさっ子の広場事業、学校給食調理業務など直営から委託への切り替え等により719百万の増。依然として類似団体平均と比べても高くなっている。今後も人件費及び物件費の適正化や見直しを行い、コスト意識をもった財政運営に取り組む。

ラスパイレス指数の分析欄

福生市のラスパイレス指数が高くなる要因としては、職員の年齢構成が挙げられる。福生市は昭和45年の市制施行前後に大量に採用した職員が、平成25年前後から定年退職を迎えており、退職した管理職職員の後任として、比較的若い職員が昇任する状況がある。この結果、役職に応じた給料が支給されることで、他の団体の同じ勤続年数の職員と比較して給料額が高くなったために、ラスパイレス指数を上昇させていると考えられる。令和2年度は職員構成の変動により減少したが、引き続き職務・職責に応じた給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年度比0.08ポイント減少し6.19人、類似団体内平均と比較すると0.19ポイント低い結果であり、正規職員数は前年度と比較し8名減となった。職員数の削減というのはかねてよりの課題ではあったが、国や都からの権限移譲に起因する業務負担増や、新制度への対応、国からの要請への対応、多様な市民ニーズへの対応があることから、第7次行政改革大綱では、人数ではなく、人件費の中の職員給の構成比率に着目し、普通会計に占める職員給の構成比率東京都26市平均以下という指標を設定している。

実質公債費比率の分析欄

前年度から0.1%増加し、-3.1%となった。類似団体と比較し起債借入額が少ないため、類似団体内順位では前年度と変わらず1位となっている。今後も適切な範囲で地方債借入を行っていく。

将来負担比率の分析欄

引き続き福生市では将来負担比率は0%を下回っており、類似団体内順位でも前年同様1位となっている。都市基盤整備の際は、各種補助金を積極的に活用するなど地方債や一般財源の抑制を図っているが、今後も世代間の負担の公平化等も考慮しつつ、将来負担の健全化に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

人件費の割合は前年度比0.5ポイント減となった。分母にあたる経常一般財源の増加割合よりも低かったため、割合は減少しているが、経費は増加している。会計年度任用職員の導入に伴い給料、各種手当等が増となった。福生市の人件費割合は令和2年度は全国平均より低くなったが、類似団体内平均、東京都平均いずれと比較しても高い傾向にあるため、引き続き事務事業の改善や見直しによる業務の効率化等を図り人件費の抑制に努めていく。

物件費の分析欄

物件費の割合は前年度比0.6ポイントの増、類似団体内平均より3.9ポイント高い19.4%となった。ふっさっ子の広場事業、学校給食調理業務の直営から委託への切り替え等により増加している。物件費のおよそ3分の2は各種委託料が占めており、施設やシステムの保守委託から各事業の事業・事務委託等内容は様々である。委託内容の見直しや、事務事業の改善・効率化に伴う新規委託の実施等、行政コストの効率化に努め財政運営の適正化を図っていく。

扶助費の分析欄

扶助費の割合は前年度比0.9ポイント減の16.2%となった。類似団体内平均12.3%との差は3.9ポイントと、依然として大きい。歳出額は児童福祉費の助成費が助成件数の減に伴い減少しているが、障害福祉費の手当の上昇等、増加傾向となっている。

その他の分析欄

その他は前年度比0.4ポイントの増、類似団体内平均より1.0ポイント低い11.8%となった。繰出金は前年度比0.6ポイントの増で、特別会計繰出金の増等が主な要因となっている。施設や設備の老朽化に伴う維持補修については、今後、個別施設計画の策定を踏まえ費用の平準化を図っていき、特別会計への繰出金については受益者負担の適正化を推進し、抑制に努めていく。

補助費等の分析欄

補助費等は、前年度比0.4ポイントの減、類似団体内平均より0.9ポイント低い12.2%となった。類似団体内平均は下回ったが、全国及び東京都の平均と比較すると、高い傾向にある。国都支出金返還金の減、コロナの影響による学校教育の水泳指導・就学旅行の中止等により34百万円の減となった。補助費等の多くが一部事務組合等への補助金や負担金となっている。補助内容の見直しも含め、適正化を図っていく。

公債費の分析欄

公債費の割合は前年度比0.3ポイントの減、類似団体内平均より9.9ポイント低い5.2%という結果となった。類似団体内順位は2位で、全国平均、東京都平均と比較しても大きく数値を下回っており、健全な数値といえる。平成28年度、平成30年度借入地方債の償還開始があるものの、償還が終了したものもあり、公債費総額は27百万円減少した。今後も適切な範囲で地方債借入を行っていく。

公債費以外の分析欄

前年度比0.8ポイントの減、類似団体内平均より6.6ポイント高い85.0%となった。人件費、扶助費、補助費等は前年度より減少しているが、物件費、繰出金等は前年度より増加している。公債費以外全体で見ると前年度より経常経費充当一般財源等は増加している。事務事業の見直しや改善による歳出削減、歳入の確保に努め経常収支比率の維持、改善を図っていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別に見ると、新型コロナウイルス感染症対策に伴って実施した総務費の特別定額給付金、民生費の子育て世帯応援給付金、ひとり親世帯特別給付金、商工費の事業継続応援金等により該当する費目はいずれも増加している。消防費は防災行政無線(移動系)施設改良事業や令和元年度台風19号対応に伴う防災備蓄品の調達に等に伴い増加している。土木費は都市計画道路3・4・7号富士見通り線整備事業の減、道路改良事業の減などにより減少した。議会費や労働費は突出して、そのほか消防費、衛生費で類似団体平均、全国平均、東京都平均いずれよりも高い数値となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

福生市の歳出総額における住民一人当たりのコストは549,992円で、前年度比121,665円の増加となっている。歳出増加の要因としては、新型コロナウイルス感染症対策として実施した特別定額給付金、事業継続応援金等の事業の影響によるものが大きい。その他の要因としては、特定防衛施設周辺整備調整交付金事業基金の増等による積立金の増や、ふっさっ子の広場事業、学校給食調理業務の委託化、学校給食の公会計化に伴う賄材料費の皆増などによる物件費の増等がある。特に福生市の特徴として、扶助費が類似団体内平均と比較して高い水準にある。令和2年度の扶助費は前年度比で21百万円の増となっており障害者手当等が前年度より増加している。また公債費の低さも一つの特徴で、これは現時点における将来世代への負担額の低さや健全な財政運営の現れであるといえる。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

実質単年度収支は前年同様黒字となった。実質収支額は令和元年度同様、望ましいとされる5%を上回っている。今後も財政需要を鑑みつつ歳入と歳出の均衡を図る必要がある。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

全ての会計において黒字決算となった。今後、国民健康保険特別会計は、適正税率と税収の確保、医療費適正化の取り組みを行い、一般会計からの繰入金を抑制する中で収支の均衡を図る必要がある。今後も歳出削減に努め、引き続き適正な財政運営に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

地方債残高は前年度から増加しているが、元利償還費等は減少している。臨時財政対策債の発行額が少ないため、算入公債費等が元利償還金より大幅に大きく、実質公債費比率の分子はマイナスとなっており、健全な財政運営が進められている。今後も、臨時財政対策債をはじめとする地方債については適切な範囲で借入を行い、適正な財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

分子要因の一つである地方債残高は令和2年度に増加したが平成28年度から見ると順調に減少している。前年度、大幅な減少となった公営企業債等繰入見込額については、令和2年度も継続して減少となった。将来負担額全体としては387百万円の減となった。充当可能特定歳入をはじめとした充当可能財源等も減少したものの将来負担額の減少が大きく、分子の構造全体としては前年比381百万円の減となった。今後も適切な起債発行や充当可能財源の確保等により、将来世代への負担軽減と健全な財政運営を図っていく。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)積立では、都市施設整備基金を今後の施設更新等に備え約2億円、防衛施設周辺整備調整交付金事業基金へ約6億円、東京都からの新型コロナウイルス感染症緊急対策特別交付金を令和3年度にも活用するために基金化した新型コロナウイルス感染症緊急対策特別交付金基金へ約1億円を積み立てた。取崩しでは、都市施設整備基金を福生病院企業団負担金へ約2億円、防衛施設周辺整備調整交付金事業基金を小中学校ICT推進事業へ約6千万円、市民会館管理運営事業に約6千万円等を取り崩した。積立が取崩しを上回ったことから、全体で約10億4千3百万円の増となっている。(今後の方針)福生駅西口地区の再開発に備え、決算剰余金等を都市施設整備基金積み立てていく。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金では6千万円を取り崩した一方で、東日本大震災復興に係る地方税法の改正に伴う住民税均等割の令和元年度増税分及び地方財政法第7条の規定に基づき前年度繰越金の2分の1を下回らない額を積み立てたことにより、約5億3千7百万円の増となった。(今後の方針)財政調整基金は各年度間の財源の調整を図り、財政の効率的執行と健全な運営に資することを目的に設置している基金であるため、年度間の財源調整だけでなく、経済事情の著しい変化による財源不足や災害等に備えておく必要があると考える。

減債基金

(増減理由)利用していない。(今後の方針)利用していない。

その他特定目的基金

(基金の使途)都市施設整備基金:市の都市施設整備事業の資金に充当し、又は事業に供する土地をあらかじめ取得することにより事業の円滑な執行を図る学校施設等整備基金:福生市立小学校及び中学校の施設等の整備に要する資金に充当するものふるさと人づくりまちづくり基金:国際交流等による人材の育成及びふるさとと呼べるまちづくりの資金に充当するもの(増減理由)都市施設整備基金:福生病院企業団負担金へ充てるために取り崩したが、一方で地方財政法第7条の規定に基づき、前年度繰越金の2分の1を下回らない額を積み立てたことにより、ほぼ横ばいで推移した。特定防衛施設周辺整備調整交付金事業基金積立金:小中学校ICT推進事業等へ約2億5百万円を取り崩したが、積立金の原資となる特定防衛施設周辺整備調整交付金が約6億1千9百万円だったことから、約4億1千4百万円の増となった。(今後の方針)福生駅西口地区の再開発に備え、決算剰余金等を都市施設整備基金へ積み立てていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は前年度対比プラス1.7ポイントとなる61.8%となった。これは令和2年度に建設事業が少なかったことによる影響が大きい。減価償却率は全国平均及び類似団体平均を下回っているものの、東京都平均と比較するとまだ高い水準にある。令和2年度に作成した個別施設計画をもとに、引き続き公共施設の計画的な更新・管理に向けて取り組みを進めていく。

債務償還比率の分析欄

地方債は返す以上には借りない、との方針のもと地方債の発行を抑制してきた結果が表れており、類似団体平均や全国平均と比較しても数値は下回っている。しかし今後は、老朽化した公共施設等の更新や長寿命化等により、地方債を借りる場面が増えることが想定され、より一層先を見通した計画的な財政運営に取り組む必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

昨年度に引き続き将来負担比率は0%を下回っており、有形固定資産減価償却率については、前年度対比プラス1.7ポイントとなる61.8%となった。有形固定資産減価償却率は依然として60%を超えており、昭和40年代から50年代にかけて集中的に整備された公共施設の老朽化問題は喫緊の課題である。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において公共施設の総延床面積を概ね40年間で20%削減することを目標に掲げている。総量抑制を原則として複合化・集約化等の検討を進めつつ、必要な公共施設に対して計画的な更新、管理に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

起債を極力抑制した財政運営により、将来負担比率・実質公債費比率ともに類似団体を大きく下回っている。今後も世代間の負担の公平化等も考慮しつつ、将来負担の健全化に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、橋りょう・トンネル、道路であり、低くなっている施設は、公営住宅である。橋りょう・トンネルについては、有形固定資産減価償却率が72.3%と前年度と比較して減少しているが、類似団体平均の60.6%を依然として上回っている。今後も福生市橋りょう長寿命化修繕計画に則り、計画的な修繕や維持管理を図っていく。公営住宅については、有形固定資産減価償却率が54.9%であり、類似団体平均の62.8%を下回っている。令和元年度に福生市公営住宅等長寿命化計画を策定しており、施設の状況や財政状況を鑑み、今後も適切な維持管理を行っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、一般廃棄物処理施設、消防施設、体育館・プールであり、特に低くなっている施設は、庁舎である。なかでも消防施設は、平成30年度から実施している消防団詰所空調設備改良工事等により有形固定資産減価償却率が88.3%と、前年度に続き減少しているが、類似団体内順位が72位と依然として高い順位にある。一方庁舎については、有形固定資産減価償却率が26.0%であり、類似団体平均の54.4%を大きく下回っている。平成20年度に建替えを行ったため、直ちに長寿命化への対応を行う必要はないと考えられるが、今後の施設の老朽化を見据え、維持管理費の平準化が図れるよう、定期的な点検・診断等を行い建物の構造や用途などによる基準、更新と長寿命化によるコストを比較した上で、必要性があれば長寿命化を図っていく。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産の額は前年度比625百万円の増となっている。資産増加の主な要因は、特定防衛施設周辺整備調整交付金事業基金や新型コロナウイルス感染症緊急対策特別交付金基金などの特定目的基金の残高の増加、財政調整基金基金残高の増加、都市計画道路3・4・7号富士見通り線整備事業などによる土地取得などが、減価償却費や調査判明による資産減少要因を上回ったことによるものである。負債の額は前年度比34百万円の増となっており、これは地方債の増や賞与等引当金が主な要因となっている減価償却の進んだ既存固定資産への対応等、公共施設等総合管理計画に基づき、財政状況と財政需要を見通した対応をしていくことが重要である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、純経常行政コストは前年度比7,053百万円の増、純行政コストは前年度比7,099百万円の増となっている。これは、新型コロナウイルス感染症の影響により特別定額給付金や事業継続応援金、子育て世帯応援給付金の給付事業等による補助金等の増や、給食食材調達事業賄材料費やふっさっ子の広場事業委託料による物件費の増により、経常費用が大きく増加したことが主な要因である。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

本年度純資産は前年度比590百万円の増となった。これは、主に流動資産の財政調整基金基金の残高の増によるものである。本年度差額は前年度比410百万円の減となっている。これは、「2.行政コストの状況」にもあるように、純行政コストが前年度比7,099百万円増加、財源における税収等や国県等補助金が6,688百万円増加したことにより、純行政コストの増加分が、財源の増加分を上回ったことから、前年度より数値が減少することとなった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は前年度比795百万円の増となっている。これは地方消費税交付金等が増加したことにより、前年度末より増加となった。投資活動収支は前年度比1,186百万円の減となっている。これは収入において、国県等補助金収入や基金取崩収入が減、支出で公共施設等整備費支出が減と、歳入歳出共に減少し、その結果、収入の減が支出の減を上回ったことが要因である。財務活動収支は前年度比132百万円の増となっており、地方債償還額は前年度より21百万円減少したが、発行による収入が112百万円増加したことにより、収支で前年度末と比べて増となった。業務活動、投資活動及び財務活動の収支合計ではマイナス26百万円で、前年度比259百万円の減となっている。これは投資活動収支における基金積立金支出の増加による要因が大きい。今後は公共施設の老朽化、長寿命化対策等が控えていることから、全体の状況を適切に把握し、長期的な視点を持って計画的に財政運営を行うことが必要となる。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

類似団体平均値と比較すると住民一人当たり資産額、資産に対する歳入額は高く、有形固定資産減価償却率は若干低い状況である。減価償却については償却が進んでいる施設も多いことから、公共施設等総合管理計画に基づき、今後の公共施設のあり方を見直し計画的に資産管理を行っていく必要がある。また、令和3年度に策定した施設保全・改修計画に基づいた計画的な予防保全工事や老朽化対策についても、実施していく必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

類似団体平均値と比較すると純資産比率は88.2%と17.0%高く、将来世代負担比率は3.1%と12.8%低い結果となっている。負債を構成している項目の一つである地方債について、返す以上には借りないとの方針のもとに起債を抑制していた結果がこの2つの指標に表れている。今後老朽化する公共施設の更新等に起債を起こしていくことが予想されるため、数値は類似団体平均値に近づいていくものと思われる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、前年度と比較すると12.8万円の増、類似団体平均値と比較すると5.4万円多い状況にある。新型コロナウイルス感染症の影響による補助金等の増や、給食食材調達事業賄材料費やふっさっ子の広場事業委託料による物件費の増により、経常費用が大きく増加したことに伴い、住民一人当たり行政コストも増加した。コストが高いことはそれだけ住民サービスが充実していると捉えることもできるが、その一方で無駄、もしくは過剰なコストをかけているという可能性もある。住民サービスの質を落とさずに効率性をさらに高めるために、近隣自治体・類似団体と比較しつつ、事務事業に対し適切なコストをかけていくことが重要である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

負債は前年度より3,419万円増加、住民一人当たり負債額も前年度より0.2万円増加、類似団体平均値と比較すると23.5万円少ない結果となっている。起債を制限していた効果が類似団体平均値と比較して顕著に表れている。今後は公共施設の更新スケジュールに合わせて増加していくことが予想される。基礎的財政収支は、前年度比1,182百万円の増、類似団体平均値と比較するとおよそ313.3百万円高い状況にある。これは業務活動収支において、地方消費税交付金等が増加したことが主な要因となっている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は前年度より0.2%減少、類似団体平均値と比較すると1.2%低い状況にある。当市では平成29年度に「使用料・手数料受益者負担適正化方針」を策定し、この方針に基づき平成30年度に使用料手数料の条例改正を行い、平成31年4月から新たな料金体系を施行した。今後も継続的に見直しを行っていく方針である。また経常収益を増加させること以外に、経常費用についても抑制を図っていくことが必要である。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,