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地方財政ダッシュボード

茨城県高萩市の財政状況(2019年度)

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

基準財政需要額は前年度比で0.04%増、基準財政収入額は固定資産税(現年分)131百万円の増等により前年度比0.8%増となったことから、単年度では財政力指数が微増しているが、3ヶ年平均値では、前年度同様に0.61となり、類似団体内平均値との比較では、0.04ポイント上回っている。高萩市の令和元年度の市税徴収率は99.5%で、県内でもトップクラスであるが、今後は人口減等の影響により市税等を始めとした自主財源の減少が見込まれ、それに伴う数値の減少も見込まれることから、企業誘致や定住人口の増に必要な施策を行い、税収の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

令和元年度は、普通交付税40百万円の減等により経常一財が53百万円の減となったものの、それ以上に、経常経費充当一財が土地開発公社経営健全化債の償還終了等により80百万円の減となったことから、経常収支比率は、前年度より0.4ポイントの減となる97.5%となった。類似団体内平均値との比較では、依然として非常に高い水準となっている。今後は本庁舎災害復旧事業債の元金償還や、ごみ処理施設整備及び幼保一元化を進めるための認定こども園整備等の費用が見込まれ、数値の上昇が懸念されるため、全ての事業において緊急性や必要性を検証し、効率的・効果的な事業執行に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和元年度は、人件費では、時間外・休日勤務手当の増等により14百万円の増となった。また、物件費では、小・中学校ICT教育環境整備機器借上料59百万円の増やプレミアム付商品券発行事業委託料13百万円の皆増等により157百万円の増となった。これまで、行財政健全化を平成20年度から進めてきたことで、類似団体内平均値と比べ低い水準で推移してきたが、平成30年度は人件費、令和元年度は物件費が大きく増加したことにより類似団体内平均値を上回っている。今後は、更に民間委託等を進めながら抑制を図るとともに、公共施設等総合管理計画や統一的な基準による財務書類などを有効に活用し、幼保一元化や施設の統廃合等といった施設管理の見直し等を行い、引き続き経費削減に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は、ほぼ横ばいで推移しており、令和元年度は、類似団体内平均値を上回っているものの、全国市の平均と比較してやや低い水準で推移している。今後も、市の財政状況を考慮しながら、社会情勢の変化や国の動向、他自治体の状況を踏まえながら考慮し、引き続き給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成20年度から10年間で職員数-60人を目標に掲げ、平成30年度に目標を達成したものの、令和元年度においては、人口の減少により前年度と比較して0.3人上昇しており、類似団体内平均値を上回っている。人口の減少は今後も続くものと見込まれるため、引き続き定員適正化計画により職員数の適正化を図りつつ、既存事務事業の効率的な改善や民間委託等を検討しながら、定員管理の運営に努める。

実質公債費比率の分析欄

平成20年度における土地開発公社債務解消に加え、平成22年度には第三セクター等改革推進債発行による高萩市住宅公社の債務解消を実施したことにより比率は上昇したが、元利償還金は平成23年度をピークに減少している。平成28年度からは日立・高萩広域下水道組合の法適化に伴い出資金が準元利償還金の算定から除外され比率が減少した。将来負担比率が減少傾向にあるので、実質公債費比率も低下していくと想定され、令和元年度については前年度より0.3ポイントの減となった。今後は、施設の更新等のための地方債発行も想定されるので、資金調達に際しては慎重に行っていく必要がある。

将来負担比率の分析欄

平成20年度の土地開発公社経営健全化債の発行(1,906百万円)及び平成22年度の住宅公社破産手続き開始に伴う第三セクター等改革推進債の発行(4,678百万円)等により将来負担比率は類似団体内平均値と比較して高い水準で推移しているが、償還元金に対して発行額を抑えたり、日立・高萩広域下水道組合での地方債の減に加え、平成30年度で土地開発公社経営健全化債が償還終了となったことで、着実に地方債の現在高は減少しているものの、令和元年度については、財政調整基金の繰替運用や繰入等による減により、充当可能基金が694百万円の減となったことから、地方債の現在高の減等による将来負担額の減少額を上回り、将来負担比率は前年度よりも7.7ポイント増加した。今後は、地方債の償還が進み、指標は減少傾向で推移する見込みであるが、充当可能基金や地方債の借入の状況も大きく影響するため、引き続き資金調達に際しては慎重に行っていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、前年度と比較すると0.4ポイントの増となり、類似団体内平均値との比較では9.3ポイント上回っている。令和元年度は東日本大震災復興交付金管理基金繰入金の経常経費充当分8百万円の減等が影響し、経常経費充当一財が9百万円の増となったことによる。平成30年度までに平成19年度比-60人の職員数削減を進め経費削減を図ってきた。今後は、会計年度任用職員が行う業務について、民間委託等を進めながら抑制を図る。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、類似団体内平均値との比較では0.6ポイント下回ったものの、前年度と比較すると0.7ポイント増となった。要因として情報化推進経費(庁内情報システム借上料等)4百万円の増や賦課事務経費17百万円の増等により、経常経費充当一財が43百万円の増となったことによる。今後も職員数削減により委託料の増加等が見込まれることから、公共施設等総合管理計画や統一的な基準による財務書類などを有効に活用し、引き続き施設管理の見直し等により経費削減に努めていく。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、類似団体内平均値との比較で1.1ポイント上回り、前年度と比較し0.4ポイントの増となった。要因として令和元年度は、児童扶養手当23百万円の増等の影響により経常経費充当一財が17百万円の増となったことによる。少子高齢化に伴い、高齢者に係る医療費・介護費用の増が今後も見込まれる。また、生活保護費については、引き続き厳正な受給資格審査を継続し適正支給に努めていく。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、平成28年度からの日立・高萩広域下水道組合の法適化に伴い繰出金から補助費等での支出への振替え等により大きく数値が減少した。その後は、横ばいで推移しており、令和元年度は、類似団体内平均値を1ポイント下回った。今後も少子高齢化により、医療費や介護費用の増加等により国民健康保険事業特別会計や介護保険事業特別会計等への繰出金の増加が懸念されるが、疾病の早期発見・早期治療を図るなど、長期的な医療費の抑制等に努め、普通会計の負担額軽減に努めていく。

補助費等の分析欄

補助費等における経常収支比率は、平成28年度からの日立・高萩広域下水道組合の法適化に伴い繰出金から補助費等での支出への振替え等により大きく数値が上昇した。令和元年度は日立・高萩広域下水道組合負担金の29百万円の減等により、前年度と比較して0.3ポイントの減となった。今後は、現在進めているごみ処理施設に係る一部事務組合負担金も見込まれるため、引き続き補助金等の必要性と効果を検証し増加抑制に努めていく。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、類似団体内平均値との比較では3.2ポイント上回っており依然として高いものの、平成30年度で土地開発公社経営健全化債が償還終了し、96百万円の減したことが影響し、公債費全体で対前年度比117百万円の減となり、1.5ポイントの減となった。しかし、令和元年度より本庁舎災害復旧事業債の元金償還が開始となり、現在進めていているごみ処理施設整備、認定こども園整備等による新たな地方債発行が見込まれるため、引き続き投資的経費の抑制を図り、既存事業の徹底的な見直しと事業の再構築により圧縮に努めていく。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は、平成28年度からは日立・高萩広域下水道組合の法適化に伴い基準外繰出金の臨時的経費への移行が比率減に大きく寄与した。令和元年度における経常経費充当一財については、補助費等が31百万円減、投資及び出資金・貸付金8百万円の減であったものの、物件費における経常経費充当一財が43百万円の増等により、経常経費充当一財が37百万円増したことにより、対前年度比1.1ポイントの増となった。今後もすべての事業において緊急性や必要性を検証し、「事業の見直し」と「事業の再構築」の徹底を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人当たり56,211円で平成29年度から逓増となっているが、類似団体内平均値と比べ低い水準となっている。前年度比で増加している要因は、地域振興基金積立金(元金分)61百万円の増、文化会館照明・空調設備改修工事請負費29百万円の増等によるものである。民生費は住民一人当たり161,453千円で前年度と比較して大幅に増加した。要因としては保育所等整備事業費補助金347百万円の皆増、総合福祉センター空調設備改修事業102百万円の増等によるものである。社会保障制度の拡充等により今後も民生費は増加していくと見込まれるため、事業の見直しや決算見込みの精度を高め、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。農林水産業費は、住民一人当たり11,155円で前年度に比べ減少となり、要因としては強い農業づくり補助金126百万円の皆減等によるものだが、これは単年度事業であるため、今年度は平成29年度以前の水準に戻ることが見込まれたが、中山地域総合整備事業費負担金の25百万円の増等により、平成29年度と比較して39.9%増加した。消防費は平成27年度までは類似団体内平均値と同水準であったが、それ以降増加傾向にあり、令和元年度は住民一人当たり25,184円となった。今年度の増加要因としては避難所等公衆無線LAN整備事業23百万円の増、消防団小型ポンプ積載車購入9百万円の皆増等によるものであるが、今後もこれまでに整備した防災行政無線の保守管理委託料等のランニングコストが見込まれるため、消防費は増加傾向が続くと考えられる。教育費は、住民一人当たり46,804円で類似団体内平均値と比べ低い水準であるものの、対前年度比5.1%増となった。要因としては、小・中学校トイレ改修事業73百万円の増、小・中学校ICT教育環境整備機器借上料59百万円の増等によるものである。今後も、学校施設や社会教育施設などの設備更新等が見込まれるため、公共施設等総合管理計画や統一的な基準による財務書類等を活用しながら計画的に更新等を進めていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、12,594,115千円で住民一人当たり444,833円となっている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり86,756円で、平成27年度から類似団体内平均値と比べ高い水準となっている。令和元年度は、分母である人口数の減や、分子である人件費総額が時間外・休日勤務手当の増等による14百万円の増と相まって、さらに高い水準となっている。令和2年度以降は会計年度任用職員の人件費も加わるため、民間委託等を進めながら抑制を図るなど、引き続き適正な定員管理に努めていく。扶助費は、住民一人当たり86,119円で、児童扶養手当等の増により扶助費総額が36百万円の増となったことで、前年度から増額に転じ、類似団体内平均値と比較しても依然として高い水準となっている。補助費等は平成28年度から日立・高萩広域下水道組合負担金が補助費等で支出することとなり、大きく増加して以降ほぼ横ばいで推移していたが、現在進めているごみ処理施設建設に係る高萩・北茨城広域事務組合への負担金の増により前年度比較で増加した。今後も引き続き補助金等の必要性と効果の検証により増加抑制を図る。普通建設事業費は、住民一人当たり51,068円で、類似団体内平均値と比べ低い水準となっているものの、うち更新整備は住民一人当たり22,750円となり、前年度比較で94.9%増加しているため、公共施設等総合管理計画や統一的な基準による財務書類等を活用しながら計画的に更新等を進めていく。災害復旧事業費は、東日本大震災で被災した本庁舎再建の本体工事が平成29年度で完了したことにより平成30年度に大きく減少し、令和元年度は仮設庁舎等解体工事請負費50百万円の皆減等により住民一人当たり3,750円となり、類似団体内平均値を下回った。公債費は、住民一人当たり54,852円で、平成27年度から類似団体内平均値より高い水準で推移しているものの、土地開発公社経営健全化債の償還終了により、前年度比較4.8%減となった。今後も、本庁舎災害復旧事業債の元金償還や、ごみ処理施設整備及び幼保一元化を進めるための認定こども園整備等による新たな地方債発行が見込まれるため、引き続き投資的経費の抑制を図り、既存事業の徹底的な見直しと事業の再構築により圧縮に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

財政調整基金残高については、財政調整基金で管理していた旧住宅公社保有土地の売払い収入を、高萩市住宅公社改革推進債(三セク債)の繰上償還に充当するため、令和元年度に84百万円取り崩して減債基金へ積立てを行ったことに加え、財源不足を補うため200百万円取り崩したこと等により、前年度と比較して281百万円の減となった。実質収支比率については、令和元年度は対前年度比で歳入歳出差引額が10百万円の減、翌年度に繰り越すべき財源が52百万円の増となったことで、前年度と比較して0.78ポイントの減の5.65%となった。今後も適正な予算執行に努めるとともに、決算見込の精度を高め、地方債の借入実行の調整や地財法の規定に基づき、特定目的基金への積立てを図っていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

全体では黒字であり、介護保険事業特別会計では、前年度決算額との対比で、歳出が58百万円の増(2.2%)であったのに対し、繰越金の増加により歳入が105百万円の増(3.8%)となったことで、前年度と比較すると0.68ポイントの増となった。国民健康保険事業特別会計では、前年度決算額との対比で、繰入金73,287千円の減等により歳入が221百万円の減(-7.2%)、国民健康保険事業費納付金95,189千円の減等により歳出が218百万円の減(-7.1%)となっている。前年度と比較すると0.04ポイントの減となった。新会計基準により平成26年度に資金剰余金が大幅に減となった水道事業会計については、令和元年度は現金及び預金の増や建設改良費等の財源に充てるための企業債の減により資金剰余金が150百万円の増となり、前年度と比較すると1.75ポイントの増となった。今後も損益勘定留保資金を確保し、経営の安定化に向け、事業の執行及び資金調達を図っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

元利償還金は、平成23年度をピークに減少傾向にある。また、平成28年度からの日立・高萩広域下水道組合の法適化に伴い、出資金分が準元利償還金から除かれたため、組合等への負担金が大きく減少している。地方債の償還が進み、算入公債費等は減少傾向にあるほか、令和元年度より本庁舎災害復旧事業債の元金償還が開始となるとともに、ごみ処理施設整備や幼保一元化を進めるための認定こども園整備等による新たな地方債発行が見込まれるため、比率の再上昇を見込む。全ての事業において、緊急性や必要性を検証し、「事業の見直し」と「事業の再構築」の徹底のもと事業費の圧縮を図る。また、特定目的基金の繰入を行うなどにより、借入額を抑え、償還方法や据置期間の調整等を行いながら比率の上昇を抑えていく。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

平成20年度の土地開発公社経営健全化債の発行(1,906百万円)及び平成22年度の住宅公社破産手続き開始に伴う三セク債の発行(4,678百万円)等により将来負担比率は高い水準となっているが、平成30年度で土地開発公社経営健全化債が償還終了となった。また、一般会計で償還元金に対し、発行額を抑えたため、地方債の現在高は減少したほか、日立・高萩広域下水道組合での地方債の減による組合等負担等見込額が減少した。一方、財政調整基金の繰替運用や繰入等による減により、充当可能基金が694百万円の減となったことから、地方債の現在高の減等による将来負担額の減少額を上回り、将来負担比率は、前年度よりも増加した。今後は、施設の更新等のための地方債発行も想定されるので、資金調達に際しては慎重に行っていく必要がある。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)令和元年度は、地域振興基金や高萩市霊園管理基金で積立てを行った一方、財源不足を補うために財政調整基金200百万円を取り崩したことや、減債基金を公債費償還に充当するため150百万円を取り崩したことなどにより、基金全体としては前年度から364百万円の減となった。(今後の方針)厳しい財政状況の中ではあるが、地方財政法の規定に基づき、基金の設置目的等を考慮しながら、特定目的基金への積立てを図っていく。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金で管理していた旧住宅公社保有土地の売払い収入を、高萩市住宅公社改革推進債(三セク債)の繰上償還に充当するため、令和元年度に84百万円取り崩して減債基金へ積立てを行ったことに加え、財源不足を補うため200百万円取崩したこと等により、前年度と比較して281百万円の減となった。(今後の方針)大幅な税収の減や災害の発生等による支出の増加などに備え、必要に応じて積立てを検討する。

減債基金

(増減理由)令和元年度は、財政調整基金からの三セク債繰上償還分84百万円の積立てを行ったものの、公債費償還に充当するため150百万円取り崩したことにより、前年度と比較して65百万円の減となった。(今後の方針)地方債の償還が進んでいるが、今後、地方債の発行額が大幅に増加した場合は、必要に応じて積立てを検討する。

その他特定目的基金

(基金の使途)学校施設建設基金:本市の学校施設の建設及び周辺環境の整備の円滑な財政運営を図る。地域振興基金:地域における福祉活動の促進、快適な生活環境の形成に資する。(増減理由)東日本大震災復興交付金管理基金:令和元年度は、家賃低廉化事業へ11百万円、東日本大震災復興交付金事業完了に伴う返還(国土交通省分)のため30百万円取り崩しを行ったことにより、前年度と比較して43百万円の減となった。地域振興基金:令和元年度は、国体推進事務経費や高萩まつり開催委託料等の各種事業への充当額以上に積立てを行ったことにより、前年度と比較して47百万円の増となった。(今後の方針)地域振興基金:ふるさと納税のPR等により、積立額を増やすとともに、各種地域振興に資する事業を基金充当により継続していく。学校施設建設基金:学校施設整備(ICT教育環境整備・空調設備整備工事等)を行う際、基金取り崩しにより、地方債の発行を抑えていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、平成29年度において、東日本大震災で被災した本庁舎再建が完了したことに伴う有形固定資産(償却資産)額の増により減少に転じて以降、類似団体内平均値を下回っているものの、本市の前年度と比較すると1.4ポイントの増となっている。市内に5箇所ある公立幼稚園・保育所すべてが築30年以上経過しており、有形固定資産減価償却率が93.0%と高い数値であるほか、その他の施設等においても老朽化が進んでいることから、次年度以降も数値の上昇が懸念される。本年度改訂した公共施設等管理計画などに基づき、計画的に老朽化対策に取り組んでいく必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、平成22年度発行の住宅公社改革推進債(令和1年度末残高2,064百万円)等により地方債現在高が多いことなどから、類似団体内平均値よりも高い水準で推移している。地方債の償還等により将来負担額は減少傾向にあるが、令和元年度においては、充当可能財源の減少が将来負担額の減少を上回ったことなどにより、前年度と比較して62.2ポイントの増となった。今後は、施設の更新等のための地方債発行により将来負担額が増加することも想定されるため、公共資産投資と公債残高のバランスを考慮し、安定的な財政運営を検討していく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は近年低下傾向であったが、令和元年度においては、地方債償還元金に対し発行額を抑えていること等により地方債現在高は減少したものの、財政調整基金の繰替運用や繰入等による充当可能基金現在高の減少等により上昇に転じ、類似団体内平均値と比較しても依然として高い水準で推移している。この要因としては、住宅公社改革推進債(H22年度発行額4,678百万円)の償還が続いていることが挙げられ、今後も当該三セク債の償還が続くことに加え、施設の更新等のための地方債発行も見込まれるため、資金調達に際しては慎重に行っていく必要がある。有形固定資産減価償却率は、平成29年度の本庁舎再建に伴い減少に転じたことで、令和元年度においても類似団体内平均値を下回っているものの、今後、各施設等での老朽化の進行により数値の上昇が懸念されるため、将来負担比率の推移を踏まえつつ、本年度改訂した公共施設等管理計画などに基づき計画的に施設の更新を行っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率と実質公債費比率ともに類似団体内平均値よりも高い水準にあり、いずれも近年低下傾向にあったが、将来負担比率については、将来負担額の減少額以上に、財政調整基金の繰替運用や繰入等により充当可能基金現在高が減少したことなどから、本市の前年度と比較して7.7ポイントの増となった。実質公債費比率は、平成30年度で土地開発公社経営健全化債の償還が終了したこと等により元利償還金が減となったことなどから、前年度比0.3ポイント減の10.2ポイントとなった。地方債の償還が進んでいることにより将来負担額や元利償還金は減少傾向にあるものの、現在進めているごみ処理施設整備や幼保一元化を進めるための認定こども園整備等に伴い新たな地方債発行が見込まれ、比率の再上昇も見込まれることから、今後も引き続き投資的経費の抑制を図りながら、公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体内平均値と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、公民館である。認定こども園・幼稚園・保育所については、市内に5箇所ある公立幼稚園・保育所全てで築30年以上が経過しており、有形固定資産減価償却率が93.0%と、類似団体内平均値より41.0ポイント高い数値となっている。耐震診断調査及び施設の老朽化や将来の園児数の減少を踏まえ、施設の集約化を図るため、令和4年度の開園に向けて幼保連携型認定こども園の建設を進めており、新たな施設の建設及び既存施設の解体後は当該有形固定資産減価償却率が大幅に低下する見込みである。公民館については、中央公民館と松岡地区公民館の2箇所あり、両施設の有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値より25.4ポイント高い90.9%となっている。木造の松岡地区公民館はすでに耐用年数を超えており、中央公民館についても築48年が経過し、令和3年度には耐用年数を迎えるため、今後は、本年度改訂した公共施設等管理計画などに基づき、施設の集約・廃止等を検討する。また、類似団体と比較して一人当たりの有形固定資産(償却資産)額が大きくなっている施設は、橋りょう・トンネルである。市域の約85%が山林原野等であるなど地形的な特徴により橋りょうの数が多いため、一人当たりの有形固定資産(償却資産)額が331,480円と高い数値となっている。さらに、類似団体内平均値と比較して特に一人当たりの面積が大きくなっている施設は公営住宅である。現在ある市営住宅の多くが、人口が増加傾向にあった昭和から平成初期にかけて建設されたが、平成7年をピークに人口が減少しているため、一人当たりの面積が1.564㎡と高くなっている。今後は、老朽化が進んでいる市営住宅の解体を計画的に進め、施設総量を圧縮していく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体内平均値と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館、体育館である。図書館については、昭和58年に建設し、築35年以上が経過している。近年利用者数の減少がみられるが、市内唯一の図書館ということもあり、廃止ではなく、複合化や建替え等の検討を要する。体育館については、昭和50年に建設し、築40年以上が経過していることから、建物本体は既に耐用年数を超えており、老朽化が進んでいる。体育館は稼働率が高い施設であるため、今後、計画的な修繕を適宜実施するなど長寿命化を図りつつ、複合化や建替え等を検討していく。また、類似団体内平均値と比較して特に有形固定資産減価償却率が低くなっている施設は、庁舎である。庁舎については、平成29年度に東日本大震災で被災した本庁舎再建が完了したことに伴い数値が大きく低下し、令和元年度においては、有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値と比較して42.2ポイント下回っている。ほとんどの施設において、有形固定資産減価償却率が年々上昇の傾向にあることから、今後は、地方債の発行状況や将来負担比率等の推移を踏まえながら、将来世代への負担の先送りが顕著とならないよう、本年度改訂した公共施設等管理計画などに基づき、計画的に老朽化対策に取り組んでいく必要がある。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から312百万円の減少(-0.8%)となった。金額の変動が大きいものは、基金(流動資産)であり、財政調整基金及び減債基金の減少により、347百万円減少(-26.5%)した。負債総額は前年度末から237百万円の減少(-1.4%)となった。金額の変動が大きいものは、地方債等(固定負債)であり、一般単独事業債等の償還が進んだことに伴い、268百万円の減少(-2.1%)となった。今後も、将来負担を考慮し、資産形成時の財源確保、地方債残高と返済額のバランス等を見ていく必要がある。水道事業会計等が加わった全体会計では、資産総額は減価償却が進みインフラ資産が97百万円減少(-0.6%)したことなどにより、前年度末から154百万円減少(一0.3%)した。負債総額は地方債の償還が進んだことなどにより、前年度末よりも408百万円減少(-2.0%)した。日立・高萩広域下水道組合等が加わった連結会計では、資産総額は減価償却が進みインフラ資産が562百万円減少(-1.7%)した一方で、高萩・北茨城広域事務組合において進めているごみ処理施設整備に伴い、現金預金が1,462百万円増加(+59.4%)したことなどにより、前年度末比較で634百万円増加(+1.0%)した。負債総額は地方債の償還が進んだことなどにより、前年度末比較で690百万円減少(-2.1%)した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は、移転費用273百万円の増加(+6.4%)などにより、10,943千円となり、前年度と比較して448百万円増加(+4.3%)した。移転費用のうち、補助金等は、保育所等整備事業費補助金等の増により、298百万円増加(+22.2%)し1,640百万円となった。また、業務費用も、小中学校ICT教育環境整備機器借上料等による物件費の増加により174百万円の増加(+2.8%)となった。今後も、ICT教育関連の物件費や、公共施設に係る維持補修費等の増加が見込まれるため、事業の見直しを進め、更なる経費の削減に努めていく。経常費用の増加等に伴い、純経常行政コストは、476百万円の増加(+4.9%)の10,280百万円となったほか、臨時損益を加えた最終的な純行政コストは、269百万円の増加(+2.7%)の10,385百万円となった。全体会計では、一般会計等に比べ、国民健康保険事業特別会計及び介護保険事業特別会計の保険給付費を補助金等に計上しているため、移転費用が4,783百万円多くなり、純行政コストは4,842百万円多い15,227百万円となっている連結会計では、一般会計等に比べ、連結対象団体の事業収益を計上し、経常収益が1,274百万円多くなっている一方、補助金等の移転費用が7,686百万円多くなっているなど、経常費用が9,695百万円多くなり、純行政コストは18,808百万円となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(10,190百万円)が純行政コスト(10,385百万円)を下回ったことから、本年度差額は88百万円減少し195百万円となり、純資産残高は75百万円減少し、22,213百万円となった。なお、財源のうち、国県等補助金については、前年度と比較して313百万円増加しているが、保育所等整備交付金等の一時的な事業の財源も含まれていることから、今後減少することも見込まれる。全体会計では、一般会計等に比べ、国民健康保険事業特別会計及び介護保険事業特別会計の国民健康保険税や介護保険料等が加わることから、財源が一般会計等より5,168百万円多い15,358百万円と、純行政コスト15,227百万円を上回ったことで、本年度差額が130百万円となり、純資産残高は254百万円増加し、26,652百万円となった。連結会計では、一般会計等に比べ、茨城県後期高齢者医療広域連合等が加わり、一般会計等に比べて財源が9,851百万円多くなっており、純資産残高は1,324百万円増加し、32,651百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支が739百万円であったが、投資活動収支は▲524百万円、財務活動収支は▲226百万円となり、本年度資金残高は489百万円と、前年度より10百万円減少した。業務活動収支については、補助金等の移転費用支出の増加などによる業務支出全体の増加が、業務収入全体の増加を上回ったことで、収支は前年度から345百万円減少した。また、財務活動収支については、地方債等発行収入が前年度と比べ271百万円増加したものの、償還支出が発行収入よりも多く、償還が進んでいることから、収支はマイナスとなっている。全体会計では、国民健康保険事業特別会計及び介護保険事業特別会計等の収入が含まれることにより、業務活動収支は一般会計等よりも多い1,250百万円となっている。投資活動収支は水道事業会計及び工業用水道事業会計の公共施設等整備費支出が含まれることにより、▲793百万円となっている。また、財務活動収支は地方債の償還支出が発行収入を上回ったことで▲342百万円となっている。連結会計では、茨城県後期高齢者医療広域連合等の収入が含まれることにより、業務活動収支は一般会計等よりも多い1,649百万円となっている。高萩・北茨城広域事務組合においてごみ処理施設整備資金等の投資活動収入が増加したため、投資活動収支は189百万円の黒字となっている。また、財務活動収支は地方債の償還支出が発行収入を上回ったことで▲762百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は、類似団体平均よりも大幅に下回っている。資産規模が低いのは、下水道事業が一部事務組合であることが要因として挙げられる。R1年度においては、資産の減少以上に人口減少が影響し、住民一人当たり資産額が前年度と比べ1.1万円増となった。有形固定資産減価償却率については、H29年度の本庁舎再建による有形固定資産の増加の影響で、類似団体平均を下回る状況が続いているものの、本市の前年度と比較すると1.3ポイント増の57.2%となっている。今後も公共施設の老朽化が進んでいくことから、本年度改訂した公共施設等管理計画などに基づき、計画的に各施設の老朽化対策に取り組んでいく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均と比べ12.8ポイント低い57.0%であり、本市の前年度と比較すると、0.2ポイント上昇している。これは、基金の減少による資産の減少と地方債の償還が進んだことによる負債の減少の双方が影響していると考えられる。将来世代負担比率については、類似団体平均と比べ4.9ポイント高い23.4%であり、本市の前年度と比較して0.4ポイント低下している。よって、純資産比率及び将来世代負担比率ともに改善傾向にあるものの、類似団体に比べ、依然として過去及び現役世代よりも将来世代の負担が大きい傾向にあることから、将来世代の負担が過重とならないよう、公共施設等への投資においては、財源のバランスを重視しながら計画的に実施することにより、引き続き財政負担の平準化を図っていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均よりも4.8万円低い36.7万円であり、本市の前年度と比較すると、補助費等、物件費等の行政コストが増加したことで、1.5ポイント増加している。補助費等の増加には、保育所等整備事業費補助金や国体関連負担金など一時的なものも含まれており、事業終了後は当該費用が減少するものの、今後は、ICT教育関連の物件費の増加が見込まれることに加え、老朽化した公共施設に係る維持補修費や減価償却費等のコストも増加傾向にあるため、将来必要となる財源の確保を意識した行政運営を行っていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、負債と人口がともに減少傾向にあることから、ほぼ横ばいで推移しており、類似団体平均と比較しても同程度となっている基礎的財政収支は、類似団体平均よりも91.7百万円高い、△59百万円となっているが、本市の前年度と比較すると326百万円減少し、マイナスに転じた。これは、基金積立金支出及び基金取崩収入を除いた投資活動収支の赤字分の減少以上に、支払利息支出を除いた業務活動収支の黒字分が減少したためである。事業の見直しにより経費の圧縮に努めるとともに、公共資産投資の大部分の財源は地方債で賄われることを踏まえ、今後も公共資産投資と公債残高のバランスを考慮し、将来世代への負担の先送りが顕著とならないよう安定的な財政運営に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、例年減少傾向にはあるものの、類似団体平均と比較し依然として高く、1.4ポイント高い6.0%となっている。経常的な行政活動によるコストである経常費用のうち、人件費が2,635百万円(約24%)、物件費等が3,568百万円(約33%)と5割以上を占めている。今後も、平成28年度に策定した第3次高萩市行財政健全化計画で掲げている定員適正化計画による人件費の削減、補助金負担金の見直しと負担額の適正化に努めることで、経常費用を抑え、受益者負担の軽減を図っていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,